──もう一曲、作詞を担当された「flowery night」について伺います。どこか生々しさのある恋愛の曲ですが、アイドルソングならこれは秋元 康さんやつんく♂さんが歌わせてるんだ、というエクスキューズがありますし。
立花 一人称が「僕」だったりね(笑)。
──それです(笑)。キャラクターソングなら歌っているのはキャラクターだというもう一枚のフィルターがあります。人気女性声優がこの詞を書いて、自ら歌うのは結構攻めているように思うのですが。
立花 私この詞書いててめちゃくちゃ楽しかったんですよ。にやにやしちゃって(笑)。私が16歳とかだったら絶対書けないと思うんですけど、もういい大人ですし、ある意味私だから書けるものがあってもいいんじゃないかと思ったんです。『LIFE』には「おはようからおやすみまで」というテーマもあるんですが、この曲は「おやすみ」担当なんです。だから夜寝る前の私の習慣だったり、考えていることをテーマにしようと思ったんですが……朝ならともかく、夜寝る前に自分が考えていることを話すのって、なんか恥ずかしいなと思って(笑)。晩酌かな、とか作詞家さんに伝えるのも恥ずかしいので、自分で書くことにしたんです。さっき、恋愛の、愛の歌なんだと捉えていただいたのはちゃんと伝わってるんだなとうれしかったんです。この曲では、愛について書きました。
──なんとなく、恋を歌うのはセーフ、愛を歌うのはギリギリ、みたいな感じってありませんか?(笑)。
立花 それは私は逆なんですよ。「恋」という字はしたごころ、「愛」という字はまごころって言うじゃないですか、心の位置的に。愛って家族愛だったり友情だったり人間愛だったり、いろいろな形があるじゃないですか。
──「flowery night」で描いた愛はどんな形なんでしょうか。
立花 私、ひとり暮らし歴が長く、独身でございますので、ずいぶん愛と疎遠な生活をしてきたのですね。それが半年ぐらい前、ハムスターちゃんを飼いはじめまして。生き物と一緒に暮らす経験が初めてなんですが、すごくかわいくて。そのハムちゃんへの愛を、なんとか形にできないかなと思って書いたのがこの歌になんです(笑)。
──なんと!そうだったんですね……見事にひっかかりました。ちなみにハムちゃんのお名前は?
立花 きなこちゃんです♡ きなこちゃんっていうんです。キンクマハムスターなんですけど。ほんとかわいいんです。写真、みますか? (写真を見せながら)ほらかわいい、ウィンクしているところの写真なんです!
──すごく愛情を感じました。この気持ちを歌詞にこめたんですね。でもそう言われてみると、「ハムスターの歌」として歌詞の意味が全部通りますね!
立花 そうなんです〜。私の中にこんなにも愛があったんだと、目覚めさせてくれた存在なんです。ただ、「TUNE UP」の感謝の気持ちと一緒で、あまりダイレクトに書くのもな、という気持ちがあったので、広く愛の曲として捉えていただけたらなと思って書きました。ただその、夜の女子、愛の歌ということで歌詞を書いたらなんかなまめかしくなってしまって。最初に書いたのが、これではいやらしい歌詞なのでは、と思ったので、幅広く意味がとれるようにしたいと頑張ったのが、語彙力との戦いでございました。
──では最初に聴いたファンの方がドキッとしてくれたら、それはある意味狙い通りで。
立花 ドキッとしてくれたらうれしいですね。ただですね、ラジオ番組で一部を聴いていただいたんですが、私がハムちゃんを飼っていることを知っているファンの方の一部は、即座に意味がわかったって言ってる方もいらっしゃいましたね。私を知っている方にも、このCDやインタビューをきっかけに私を知った方にも、意味がわかったときに2度楽しんでいただけたらうれしいなと思います。
──前回のCDのインタビューで話していた「歌詞をよく読むと、お酒のことを書いた歌を作りたい」にちょっと通じる感じですね。
立花 そうなんです。お酒の歌はお酒の歌で、機会があれば作ってみたいなと思っています(笑)。
──お酒がテーマだったり、愛がテーマだったり、今まで積み上げてきた“りっかさま”のイメージがあればこそ、という感じですね。
立花 そうなんです、結構メールで悩み相談とか恋愛相談とかもしていただいたりするので。この曲で皆さんと愛について語り合えたらと思います、なんつって。
──なるほど。ちなみに「flowery night」というタイトル、前回のCD『Flora』に繋がるものも感じるのですが。
立花 タイトルは、お花にyをつけて、floweryなんですけど。実は小麦粉のflourも、同じような発音なんですね。それで……。
──! 夜に咲く花と、きなこ(粉)のダブルミーニングなわけですね。
立花 正解です、ハムスターも夜行性なので。作詞をすると、タイトルも自分でつけられるので、楽しかったです。
──9月2日にはSHIBUYA TSUTAYA O-EASTで、ミニアルバム2枚を引っさげてのライブが行われました。お話を伺っているタイミングはライブ前となりますが、自分名義のライブと、声優として作品のライブに立ってきたこととで気持ちの違いはありますか?
立花 キャラクターの歌をうたうときは、どこか裏方という意識があるんです。今回は自分自身が矢面に立つ感じがあって、しかもひとりなので。そのあたりの覚悟というか、腹をくくらなきゃいけないな、という感覚はあります。
──気持ち的にはそうなんですね。スキルの面から見ると、たとえば「アイドルマスター シンデレラガールズ」の去年の大阪城ホールを和の世界に塗り替えたステージは、最初の頃に比べると一段も二段も進化した感じがして、圧倒されました。そういうスキルや表現力の蓄積は、個人名義のライブにも生きてくるのでは。
立花 うれしいです、ありがとうございます。いろいろな経験を積む機会をくださった作品やキャラクターさんには本当に感謝していますし、たくさんのものを頂いて、教えてもらったと思います。だから私が個人の活動を通して感じたことや楽しさも、お土産として自分が演じるキャラクターさんたちにも還元できたらと思っています。いい形での相乗効果が生まれたらなと思います。
──夜の部に、打ち上げパーティとあるのが気になるのですが。
立花 あー、それはですね、まさにその通りなんです。あの、打ち上げというのは比喩とか演出ではなくてですね。昼の部は文字通り初めてのライブ。夜の部はその打ち上げを一緒にやろうということなんです。夜の部は歌わないんです。
──それは斬新ですね!
立花 こういうイベントとかライブが有るとですね。いつも家に帰って、ひとりでお疲れ様会をするんです。でもファンのみんなが楽しそうに、「イベント後みんなで飲みに行きました」とか教えてくださるんです。そのたびに「いいなぁ、私だって打ち上げしたいよ」「感想言いたいよ!」と思っていたので、自分で打ち上げを主催することにしました。来てくださった人に「なんだこれは」と思っていただけるような遊び心は入れたいなと思います。
──最後にファンの皆さんにひと言お願いします。
立花 はい。おはようからおやすみまで、私生活の立花さんを詰めこんで、感じていただけるアルバムになっていると思います。自分でいうのもなんですがかわいらしい部分、楽しんでいる部分、ちょっと戦っている部分、いろんなところを感じてもらえると思うので、聴いていただけたらうれしいです。
Interview & Text by 中里キリ
●リリース情報
セカンド・ミニ・アルバム
『LIFE』
8月29日発売

【CD+DVD】
品番:TECI-1593
価格:¥3,000+税
<CD>
1.Brand New
2.Shining Memory
3.TUNE UP
4.MY SWEET UNIVERSE
5.KOTO-DAMA
6.flowery night
<DVD>
1.Shining Memory Music Video
2.Shining Memory Music Video メイキング映像
SHARE