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INTERVIEW

2018.08.30

SCREEN mode TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』OP主題歌「GIFTED」インタビュー

SCREEN mode TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』OP主題歌「GIFTED」インタビュー

連載が終わってからもアニメ化を望む声が止むことのなかった人気作品『ムヒョとロージーの魔法律相談所』が待望のTVアニメ化。そのOP主題歌を歌うのは、同作でロージー役を担っている林 勇こと勇-YOU-を擁するSCREEN modeだ。彼らのニューシングル「GIFTED」について話を聞いた。

――SCREEN modeのニューシングル「GIFTED」はTVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のOP主題歌ですが、『ムヒョロジ』といえば勇-YOU-さんがロージーの役をやられていますね。

勇-YOU- 実は『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のオーディションを受けて、ロージー役が決まったあとにタイアップでオープニング曲をやることが決まったんですよ。声優でもメインキャラクターをやらせてもらいつつ、オープニング主題歌をアーティストとしてもやらせてもらうのは今までになかったことだから、歌と声優をやっている人間にとってはこれ以上名誉なことはないですし、本当に光栄でしたね。そのぶん責任もあるし、いろんな気持ちが混在していたんですけど。いざ本番になれば声優の仕事は声優の仕事で、歌は歌としてやらなきゃいけない、という気持ちで突っ走るだけでしたね。

――これまでにも出演作品の主題歌を歌うことはあったかと思いますが、ご自身がメインキャラクターを演じているときの主題歌、というのは本当に今までなかった展開ですよね。

勇-YOU- やっぱり作品の中でも、お芝居で結構奥深いところまで追求して、読み込んで表現もいろいろと考えたりもしたので、世界観はより深く感じてレコーディングにも臨んだというのはあるんですね。最初に声優として収録を何本かやらせてもらってからレコーディングをしたので、今までとは違って、声優として作品を作らなきゃいけないなかで深めさせてもらったものが歌にも宿ったかな、ということは感じますね。収録でみんなの雰囲気や世界観を掴んで、監督やいろんな人たちの想いを受け取りつつロージーをやって、それから歌わせてもらったから、ロージーの気持ちを代弁しているところもあったりするし、いろいろと繋がってもいるんですよね。ムヒョはエンチューっていう大親友が悪者になっちゃったから、その彼を助けるという大元のストーリーがありつつも、それぞれ事情を抱えている幽霊たちが裁かれるけれども魔法律で救われていく、という話でもあるから。ムヒョの「幽霊を救いたい」「仲間を救いたい」という気持ちや、いろんなキャラクターの気持ちが、歌っていると不思議と流れ込んでくるんですよね。なので、俺としてはこの「GIFTED」って曲はキャラクターそれぞれの応援歌になればいいかなと思って歌っています。

――でもキャラソンではないからロージーとして歌うわけではない。そこで“勇-YOU-”として歌う、そこの表現に難しさはあったんですか?

勇-YOU- なかったです。不思議と、このフレーズだとムヒョの顔を思い出すし、このフレーズならロージーっぽいな、というところもある。多分、歌のまとまりとしてはいろいろと葛藤しながらも前進していく強さとかを表現していると思うんですけど、フレーズごとにいろんなキャラクターを思い浮かべるので、ロ-ジーがキャラソンとして歌っている感じはまったくなかったですね。乗り移る感じもなかったし。

――勇-YOU-さんの作品に向ける並々ならぬ想いに色を添える楽曲を歌うという意味でも、「GIFTED」というタイトルが活きてきますね。

勇-YOU- 「GIFTED」。大天才。すごい才能を持った人、という意味で、ムヒョを表している言葉でもあるけれど、ロージーはロージーで凡人ではあるけれど、霊と対峙して成長していく姿であったり、天才を見ながら自分も強くなっていきたいと思うところだったり、天才にはなれなくても追い求めていく熱意や才能を感じさせる領域まで行きたいという願いもあるだろうし、そういう部分で繋がるような気もしていて。面白いタイトルをつけてくれたな、と感じていますね。作詞は松井洋平さんなんですけど。

――こと、スクモに於ける松井洋平さんの歌詞はどんなカラーになっていると感じられますか?

勇-YOU- 松井さんにはSCREEN modeの曲を何曲もやってもらっていて、そのたびに思うのは、言葉の使い方に面白さや自由さがあって、ちょっと悪戯な感じに聴こえたりとかもするんですよね。それに僕自身のアーティスト性も見抜いてくれているな、とも感じますね。

――悪戯な感じというと?

勇-YOU- 遊び心があるんですよね。サビに“So,future right scape needs shows!”ってあるんですけど、これ、ちょっと空耳で、ムヒョの決め台詞の「刑に処す」に聴こえたりとかするんですよ。ダブルミーニングなところがあったりもして、そういうギミックみたいなものを放ってくれるのも松井さんの良さだし。そこの面白さというか、自由に冒険してみようという悪戯ゴコロみたいなものが、俺らのフィーリングとマッチしているので、松井さんの歌詞は歌っていて楽しいなって思いますね。あとは結構、英語っぽい発音になるところも多くて。ひとつの言葉で英語にも日本語にも聴こえるものも多いから、響きも面白いですし、お願いして良かったですね。

――雅友さんはいかがですか?

雅友 松井さんは勇-YOU-が本当はこういうことを言いたいんじゃないかなっていうのを汲み取るのがうまいんです。

勇-YOU- ほ~。

雅友 ……と思う。

勇-YOU- なるほど。覗かれているんだ。

雅友 みんなそれぞれそうなんですけどね。畑 亜貴さんもそういう傾向にはあるんですけど、松井さんは松井さんの視点で“奪い合うためじゃない 与えるためだと信じている”というような、勇-YOU-だったらこの原作を読んでこう言いたいんだろうな、ということを汲み取るのがうまいし、勇-YOU-の代弁者になってくれるというか。

――先ほど勇-YOU-さんがおっしゃっていた「ロージーはきっとこう思ってる」というような感覚に繋がりますね。

勇-YOU- ロージーの言葉でもあるし、フレーズによっては今、自分が思っている感情とか。断片的にいろいろと思うところはあるので。歌としては一貫してストーリーがあるんですけど、さっきも言ったようにいろんな景色が見えるので、そこが松井さんの魅力なのかなと思いますね。

――松井さんにお願いしようというのは?

勇-YOU- 雅友さんとお話をしていて、ぜひ今回も松井さんにお願いをしましょうってことになったんです。

雅友 松井さんは多くの作品で我々と一緒に楽曲制作をしてきていますし、なおかつ作品を表現するのがすごくうまいんですよね。そこは抜群に高い能力を発揮してくださるのでぜひお願いしたい、と思っていました。

――あがってきたものを最初に聴いたときの印象はどうでしたか?

勇-YOU- 最初は『ムヒョロジ』の作品の友情や挑戦をキーワードに書いてもらったんですけど、ムヒョとロージーの世界観を非常に色濃く描いている歌詞なんだなって思って。歌っていて気持ち良かったですね。ギミックがあるのも楽しかったですし。

――雅友さんのトラックに対してはどのような印象がありましたか?

勇-YOU- シリアスなところから始まってサビは疾走感のある感じで、展開にすごくバリエーションがあるなって思いました。それと、今までのSCREEN modeでも音域の高いところを使う歌が多かったのに、今回はそれ以上の高音に挑戦しよう、というのがあったんですね。だからいちばんキーが高いんです。そういうところでも挑戦のある曲だと感じて、雅友さんのクリエイターとしてのドSな作家魂が出てきているなと思いましたね。

雅友 作曲をするうえで、例えばサックスならここからここまででいい音が出る、っていうのがだいたい決まっているんですよ。そこは人間も一緒で、作曲家っていうのはそのなかで書くんですよね、曲を。それが当たり前なんですけど、一方で、本当は今はここの音域だけどもっと出るかもしれないポテンシャルがあってもなかなか挑戦をしないでいつもの音域で歌ってしまう、というのもあるんですよね。SCREEN modeを5年間やってきて、わかっている範囲内ではもう作って来たので、新しいハードルでイチかバチか試してもいいんじゃないかって想いがあったんです。新しい扉を開くような1曲がそろそろ必要なんじゃないかとも思ったんです。セオリー通りにここまでいっぱいやってきたからこそ、違う形にも挑戦していく、という気持ちでした。

――勇-YOU-さんの表現の引き出しが増えた1曲?

勇-YOU- そうですね。声が運動と一緒で、出していないとなまっちゃうんですよね。やっぱりちょっと、上限をあげていかないと、なかなか際立った成長ってできないですし、多分そういうのを狙って雅友さんも今までに出したことのないピッチでの歌声を出させるというのもあったと思うんです。俺自身、ボイトレも継続的に行っているんですけど、レコーディングに行く前にすごく細かくボイトレにも通わせてもらって、「このキーはどういうところに当てて響かせればいいのか」とか「どうすればもっといい響きでライブでも歌いこなせるのか」と集中してやっていたことがすごくプラスに働いたんですよね。このあいだのライブで、ツアーファイナルのときにサプライズで「GIFTED」を歌ったんですけど、この曲のピッチ感にひっぱられて、これまでキーが高くて歌うのが大変だったほかの曲が、結構楽に歌えるようになっていたんです。なので、本当に収穫だなと思ったし、またひとつ、ボーカリストとしての皮を剥くことができたのかなって思いましたね。

――雅友さんご自身はこの曲に対してどういうことを意識して作られたんでしょうか。

雅友 アニメサイドからはダークヒーローものとして音楽を作ってほしいってお話だったんですけど、ダークと言っても、作品の中にはコミカルな要素もあるし、完全にダークなだけとは違うなという想いがあって。それで二面性みたいなものがある音楽がいいのかな、と思って作りましたね。

――『ムヒョとロージーの魔法律相談所』って週刊少年ジャンプ作品なだけに、テーマは「友情・努力・勝利」じゃないですか!

勇-YOU- そうそう!だから高いキーの曲も歌えるようになっちゃうっていう魔法にもかけられた気分。

――友情は雅友さんからの高いキーにも、という気持ちに。そこに挑戦する努力をした勇さんが、勝利する!

勇-YOU- 制作のときから“ジャンプ”ワードの、大切なところだらけの曲になっていますよね。シンプルだけど大事なことを教えてくれるジャンプ作品ですよ。王道ですが「ドラゴンボール」や「スラムダンク」を観て育った世代なので、すごくわかる。

――そんな「GIFTED」と共にシングルを飾るのは「Make New Story!」。この曲をカップリングに選んだのはどうしてだったんでしょうか。

雅友 表題がアニメソング。これはアニメ作品があって、対になる存在としてSCREEN modeが作るものなので、アーティスト・SCREEN mode単体で見たときに、こういう音楽でこういうクオリティで、こういうことを発信しているんだ、というものがちゃんと立っていないと作品に埋没してしまうんじゃないかということをすごく感じていて。だからカップリングこそ重要だ、と思うことが多々あるんですね。明確に「こういうことを自分たちはやりたいんだ」ということこそ出していかないと、と思っているんです。それでカップリングに個性的な曲を持ってきた方がいいなと思って、今回の曲になりました。

――ライブが見えてくる曲ですよね。

雅友 そこは意識しました。やっぱりライブが大好きで大切だなっていうのが自分たちの中にはあって。「SCREEN modeのライブに行ってみたいな」と思ってもらえるような曲がいいのかなっていうのがあり、コール&レスポンス的な部分もあります。

――だとしたら歌にある「Wow-wo! 」の部分は雅友さんから作詞の松井さんに依頼をした部分なんですか?

雅友 もうデモの段階からありましたしね。それありきで「相当“Wow-wo!”言う歌」って決めてましたから。参加型の曲ですね。それと勇-YOU-からキーワードを貰ってもいたので、そこも散りばめられていますね。5年というアニバーサリーイヤーとなって、僕らとしては今があらたにデビューのときに立ったような気持ちでいるんですね。「スタートはいつだってできるんだ」という想いを松井さんにお願いしてこの曲に込めてもらいました。

――歌われていかがでしたか?

勇-YOU- ちょっと前までワールドカップをやっていて、僕は非常にサッカーが好きなので、ワールドカップで日本代表を応援する曲は“Wow-wo!”って言う曲が多いというイメージもあったので、そことリンクして、この曲もみんなと一緒に楽しめて、同じ気持ちになれたらいいなと思いながら歌いました。それと、自分自身を鼓舞するというか。みんなが少しでもハッピーになってくれたらいいなとも感じて。歌っていて元気になる曲ですね。

――そしてデビュー5周年を迎えられたおふたり。5周年ライブの開催も控えている今、どのようなご心境ですか?

雅友 アーティストとして確固たるものが自分たちにないと、存在意義みたいなものがフワフワしてしまうので、それではいけない、とすごく考えます。なぜSCREEN modeをやっているのか。そういうことを考える5周年ですね。

勇-YOU- 5年間やってきていろんなテイストの曲にもチャレンジしてきていますが、雅友さんの言う通り、追い込んでいかなければ、という想いもありますし、いい意味でのプレッシャーを与えるためのアニバーサリーでもあるんですね。もう一歩、二歩先に行かなければいけない5周年ライブなのかな、と思っています。周りに対しての感謝を届ける5周年ではあるんですが、自分の背中を強めに押せる5周年ライブにしたいと今、思っています。

――5周年ライブ、期待しています!

 Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』OP主題歌
「GIFTED」
8月29日発売

品番:LACM-14789
価格:¥1,296+税

<CD>
1.GIFTED
作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友
2.Make New STORY!
作詞:松井洋平 作曲:太田雅友 編曲:太田雅友、EFFY(FirstCall)
3.GIFTED(off vocal)
4.Make New STORY!(off vocal)

●ライブ情報
SCREEN mode 5th Anniversary Live
12月2日(日)東京・SHINJUKU FACE
開場:17:00/開演:18:00

料金:整理番号付き全自由 6,480円(税込)
※未就学児童の方は入場不可となります。

公演に関するお問い合わせ
オデッセー 03-5444-6966 (平日11:00~18:00)

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