10年間の活動の結晶は、彼女の新しい名刺に。 Pileベストアルバム『The Best of Pile』インタビュー

2017年12月の日本武道館でのワンマンライブをはじめ、自身のデビュー10周年を精力的な活動で彩り続けてきたPile。そんな彼女が、自身初となるベストアルバム『The Best of Pile』をついにリリース。シングル曲全曲に加えてボーナストラックにデビュー曲「Your is All…」も収録した本作で、そのデビュー10周年イヤーを華々しく締めくくり、次のステージへと一歩を踏み出す。今回はその「Your is All…」にまつわるエピソードも含めた10年間の回想も含めつつ、このアルバムの選曲のねらい等についても語ってもらった。

武道館ワンマンの終演後に、Pileに炸裂したサプライズとは?

――デビューから今までを振り返ると、どんな10年間だったと思われていますか?

Pile なかなか濃い10年だったな、と思います。ただ、Pileとしての活動が始まってからは10年ですけど、そこから“Pile”っていう名前を知ってもらうのにはやっぱり6年間のユニット活動も大きかったと思っていて。その活動の後半からソロも並行して活動したり、そこからまたソロだけになったりして……思い返せば、いろんなステージにも行かせていただきましたね。いちばん最初の頃はまったく自分のことを知らない人のところで歌うことが多かったんですけど、それも今ではあまりないことなので、「懐かしいな」って思います。

――その経験が、その後の活動で糧になった部分もありましたか?

Pile そうですね。コミケのブースとかで歌うときは、「人の足を止められればいいんじゃないか?」と、自分のことを知らない人に知ってもらう絶好のチャンスだと思えるようになって。最初は歌ってる間に人が行っちゃったり、フェスで自分の番で人がわーっと動いてしまったりしたのを気にはしてたんですけど、その人の流れが止まるのがすごく面白いなって楽しめるようになったんですよね。

――ちなみに、グループ活動の前後で変化したところって、ご自身として何か感じるものはありますか?

Pile 「結構気にしいだったんだな」っていうところですかね?ラジオでも歌番組とかでも、「どうやって見られてるんだろう?」みたいなものをすごく気にしながらやっていて、当時は必要ない緊張を、すごくいっぱいしていたように思います。

――逆に言うと、それを経た今は緊張と緩和のバランスがとてもいい状態でステージに臨めている。

Pile はい。もちろん元々楽しくなかったわけでは全然ないんですけど、全部をただただ純粋に楽しめるようになったな、と思います。

――逆に、10年間変わらないことってありますか?

Pile なんだろう……ライブの直前までよく喋ってることですかね?(笑)。もしかしたらそれが、ステージに立つ前のルーティンみたいなものになってるのかもしれないです。

――そういった部分以外にも、アーティスト活動をされるお気持ちの部分でも10年間変わらないところもあるのでは?

Pile そうですね……ソロ活動をしながらも、グループ活動をしているときもいろんな方にたくさん取材していただいていますけど、自分がまたいろんな人の前でいろんなステージで歌えるようになるっていうのは本当に予想もしていなかったことで。そういう場所があること自体が本当にありがたいなっていう気持ちだけは、変わらないですね。

――武道館前のインタビューでも、「場所が大きくなることはうれしいけど、いろんな人の前で歌い続けていられることが目標」というお話をされていましたもんね。

Pile そうですね。だから「どこだから、どう」とかじゃなくて。フェスでもどんな場でも、来てくれた人に楽しんで帰ってもらえるならそれでいいなって思っているので、そこも何も変わっていないところですし、ずっと念頭に置いていることです。

――そんな10年間を経て今回リリースされるベストアルバムですが、楽曲はどのように選ばれたのでしょうか?

Pile 最初にスタッフさんが候補曲を出してくれたんですけど、その中にはツアーやイベントで追い風さん(※Pileファンの総称)が「いい!」と言ってくれるアルバム曲とか、いろんな記念のライブでの皆さんの反応が頭に残っている、私自身「いいな」と思っている曲がたくさん揃っていたんですよ。なので、その中から選んでいきました。

――曲順は、リリース順になっていますね。

Pile そうなんです。やっぱりそれがいいかなって。そのかわりに、Blu-rayは逆にさかのぼっていく形になっています。そのいちばん最後に収録されているのが「~ Jewelry Door ~」っていう曲なんですけど、これは、渋谷duo MUSIC EXCHANGEでメジャーデビュー後に初めてやったライブのOP映像なんです。その映像がレッドカーペットみたいなところを歩いていってドアが開いて振り返るっていうものなので、それが次に繋がるような形で最後に入ったら素敵だな……と思ったんですよ。

――たしかに。10周年イヤーは締めくくりになりますけど、アーティストとしてはさらに先へ向かっていくわけですからね。

Pile はい。なのでこのタイミングでこれを収録するのがベストかなと思って、ラストにこれを入れてもらいました。それで、そこから「逆を行くのもありだな」と思って、Blu-rayはCDとは逆に、ひっくり返して収録することにしたんです。

――さかのぼるといえば、忘れてはいけないのがボーナストラックとして収録されたデビュー曲「Your is All…」もですね。

Pile この曲は私が「ボーナストラックとして入れるのはどうですか?」って聞いてみて、入れてもらえることになったんですけど……やっぱりこの曲を聴くと、いろんなことを思い出しますね。アーティスト名が“Pile”なのは決まってたんですけど、まさかパイル地だからって衣装がバスローブになるとは思ってませんでしたし(笑)。いや、“Pile”ってちゃんと意味があるんですよ。「誰でも手に取れる気楽な感じ」とか「暖かく包み込むような誰からも愛されるアーティストに」とかいろいろあるんですけど……それで泣く泣く「やります」って言って。それでそのとき、本当に「夢と現実は違うんだ」っていうのがわかりましたし、これがあったから今があると思うんです。今ではもうネタにできるぐらいの出来事ですしね(笑)。

――今回、この曲は録り直しをされずにそのまま収録されていますね。

Pile そうなんです。よく「録り直したんですか?」って聞かれますし、「録り直してほしかった」っていう声も聞くんですけど、歌声から着実に進んでいけているのを感じてもらえると思ったので、そのままです。

――“10年間の足跡”という意味で、今回は録り直さなかった。

Pile はい。しかも最新曲にいちばん古い曲が続くっていう形になるので、違いがよくわかると思います。

――「Your is All…」は、武道館ライブのWアンコールでも歌われていましたね。あのときは、どのようなお気持ちだったんですか?

Pile この曲をリリースしてから事務所を移ったりしていないので、まわりの人たちもほとんど変わってないんですよ。だから、このときからいた人はすごく感慨深かったんじゃないかなと思って、ステージ上では「みんな泣いてんじゃないかな?」って思いながら歌ってました(笑)。

――ご自身というより、まわりの方が。

Pile そうですね。今でも当時からのファンの方がイベントとかライブに来てくださっているので、そういう最初から目をかけてくださった方たちへの恩返しにはなったのかな、と思います。しかもあとから知ったんですけど、いちばん最初の自分のマネージャーが観に来てくれていて。なのでステージでは全然泣かなかったんですけど、その方に会ったときだけは泣きました。たぶんいるのを知ってたらちゃんとライブできてなかったと思います。

――終演後に、そんなサプライズがあったんですね。

Pile そうなんです。それにこのときのヘアメイクさんも見に来てくれていて。その方は今でもお会いする方なんですけど、その方が内緒で呼んでくださって……っていう形だったんです。

――ちなみにライブと言うと、Pileさんのステージって毎度すごくタフさを感じるのですが、あのパワーはどこから湧いてくるんですか?

Pile ねぇ……どっからなんでしょうねぇ?運動してないんで……。

――そうですよね。5月のバースデーライブでおっしゃっていて、すごく驚きました。

Pile 本当に運動してないんです(笑)。運動嫌いなので。ツアーでも、ライブ前に腹筋するぐらいですかね?でもそろそろちょっと体力が気になって、たまーに筋トレはしますけど、あんま関係ないんだなって思います。だから気力なんじゃないですかね?自分でライブ映像観てて「よう走ってんな」って思いますもん(笑)。武道館ライブのいちばん最後の「Lost Paradise」観てて、そう思いました。きっとアドレナリンが出てるんでしょうね。客観的に見てると、それがよくわかります。

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