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REPORT

2018.07.23

“6人で最強!”を姿で示したステージ! “i☆Ris 4th Live Tour 2018 ~WONDERFUL PALETTE~”レポート

6月10日、中野サンプラザにて“i☆Ris 4th Live Tour 2018 ~WONDERFUL PALETTE~”が開催。声優アイドルグループ・i☆Risによる4年連続4回目の全国ツアー東京公演は、個々の力と、それが集まったときの6人での最強さをそれぞれ改めて感じさせるものだった。本稿では、昼夜2回公演のうち夜公演の模様をお届けする。

i☆Risとして、ソロとして多面的な魅力を発揮する6人

この日の開演前の影ナレを担当したのは、芹澤 優。東京出身・彼女のホームタウンだからこその選抜だ。諸注意を読み上げきったところで「明日のことなんか忘れて、盛り上がっていこー!」と締めくくり、開演前から会場をうまく温めた。

そしてinterlude流れるなか一文字ずつツアーロゴがライトアップされていくと、それがメンバーカラー6色にランダムに彩られるなか6人が登場。その各人の色のスポットライトに照らされて、ツアータイトルに冠した最新アルバムのリード曲「WONDERFUL PALETTE」からスタート。イントロのジャンプから一気に飛び出し、フォーメーション鮮やかなナンバーを披露。そのなかでもやはり芹澤、気合いの入り方が違うのかイントロのダンスからジャンプは高くパフォーマンスもダイナミック。Aメロから入るハーモニーの精度も高い。1サビ明けには澁谷梓希が「東京ー!」とシャウト。毎度のことながら、DJなど個人での経験を生かして場内をアゲる力を発揮する。2サビ明けでは茜屋日海夏が最前のファンへきっちりとアピールを届ければ、Dメロではステージ上のセットを活用して茜屋と久保田未夢がステージ2階、芹澤と若井友希がステージ両サイドの櫓に登り、メインステージには山北早紀と澁谷が残る。こうして色とりどりの進化を見せる“六つの花”が、早くも咲き誇ったのだった。
続く「ミラクル☆パラダイス」では、頭サビ明け間奏中の、澁谷の「みんなで!」のコールに、ファンからの大きな「Let’s Go!」のコールが返り、一発目から超大盛り上がり。頭サビ明けからは6人横一列に並んで、ファンを煽る。1サビ後の間奏ではもっとも上手側の久保田が両手を持ち上げるようにして煽ると、2-Aメロでは後方でのダンス中に楽しそうに体を揺らしたりと、自身の楽しさの発露も半端ないものに。さらに、若井の「まだまだ楽しんでいきましょー!」の声に続けての「Ready Smile!!」では、冒頭フレーズでのダンスのダイナミックさや、イントロラストでの客席に背を向けてのお尻の振りの大きさなど、のっけから彼女の動きが映えまくる。芹澤もサビの「SHOW TIME」の瞬間にレスを決めてファンをさらに虜にする。さらにきらめく笑顔で、センターで躍動する茜屋の姿も、自然に惹かれてしまうものだった。

MCではまず山北が「皆さんやっぱ、夜が好きなんですね!」と昼以上の歓声をおくるファンへひと言。「今回の公演のさきさまの見どころは、キレのいいダンスなんで!」と意気込む。また若井が「絶対絶対×∞幸せな気持ちにさせて帰るので!」と宣言すると、最後に澁谷が、普段は山北が担当する挨拶後の「この6人で、」をフォロー。6人声を合わせて「i☆Risです!」といつものように揃えて宣言し、MCパートを締めくくる。

そしてライブは、アルバム収録の芹澤ソロ曲「キミノカノウセイ」から再開。早口な部分の目立つこの曲だが、それだけでなくその速いテンポに合わせてのパキパキとしたダンスも目玉。青とピンクのスポットライトにランダムに当たりながらという演出は、今の彼女が背負うふたつの大きな物を感じさせる。そんななか落ちサビは「今の私が」を「今のセリコが」にアレンジしてより深く生の想いを込めると、最後はスポットライトに当たりながら見事にポーズを決めた。そこに続いたのは「§Rainbow」。芹澤のホームでのこの最高のコンボに、芹澤の笑顔もマシマシだ。Bメロでの「せーりーざーわー!ゆーちゃん!」のコールもひときわ大きい。もちろん6人でのナンバーであるこの曲、他メンバーも負けじと魅せまくる。MCでの宣言をそのまま体現するかのような山北の、1サビ後半の細部も含めたダンスの躍動ぶりに、2-Aメロ後半でぺたんと女の子座りをして投げキッスを飛ばす久保田、2サビ後半でのダイナミックな若井の脚の振りなど見せ場満載。しかしそれでもやはり、この曲を最後に持っていったのは芹澤。3-Bメロの最後を「6人でやるしかないじゃーん!」とアレンジして結束を見せ、大サビでは大きく大きくハートを描いてプレゼント。ファンを魅了し締めくくった。

しかしコールの大きさでは、続く「幻想曲WONDERLAND」も負けてはいない。音源よりもいたずらっぽさの増した、冒頭の久保田の「あれぇ?ここどこだろう?」のセリフに1年ぶりの「中野サンプラザー!」の声が返ると、ミュージカルのように楽曲の物語が展開。そのなかでも、やはりこの曲は振付もあって、その久保田と山北が特に映える。山北のサビで見せるセンター最前での軽やかなバレエステップもさることながら、その直後のスピンしながらの6人のフォーメーションチェンジなど細部まで美しく詰められた楽曲となっていた。そしてラストを飾る日替わりのセリフを、「やっぱこの6人がサイコーだなぁ♪」と締めくくった久保田は、そのままソロ曲「Lovely Time」へ。超ハイテンポでちょっと電波ソング寄りのハイテンションナンバーを、1-Aの小ブレイクのジャンプから女の子着地を決めたりとあくまでもかわいく見せていく。“わんわんおーこく民”の一体感も素晴らしく、サビ直前久保田の「せーので?」の煽りに続いて大きな大きな「わんわんお!(※歌詞反映)」のコールが響く。さらに自身もボルテージの上がった久保田は2サビでステージ2階へと上がり「1回ー、2回ー、3回回ってうー、わん!」とシャウト&ジャンプ。このエネルギッシュな1曲、まさに“駆け抜けていった”との表現のしっくり来るものとなっていた。
しかしそこに「Happy New World☆」を続けるなんて、序盤からファンを燃え尽きさせる気だろうか。それほど攻撃的なセトリにおいて、他メンバーは2階ステージや櫓の上に続々登場。徐々にメインステージへと集結しての披露となっていくのだが、落ちサビでの恒例の歌詞チェンジでは芹澤が「君に」の部分に「中野サンプラザに」と詰め込みすぎ、受ける茜屋がちょっと笑ってしまうというひと幕も。
MCパートでは、このアグレッシブゾーンの振り返り。「Happy New Wolrd☆」のサビの指差し部分の話題中には、山北が客席にレスを飛ばしまくる。普段と違ってMCを回していないからかフリーダムさを発揮しまくり、声の出にくい中でも存在感を強くアピール。するとMC後、メンバーが降壇しギターのinterludeが流れると、2階ステージにその山北が登場し「Heart Crash!」を披露する。そのパフォーマンスは、1-Aメロから動き大きくキレも抜群。グリーンに染まった客席へ向けて力いっぱいのステージを見せる。ハイテンポでちょっと懐かしいサウンドというさきさまワールド全開曲で、コール飛び交う形とは異なり会場中の視線を釘付けにした山北。欲を言えば喉が万全な状態で聴きたかったが、あのクオリティのダンスを観ると彼女の能力の高さと次への期待を感じてしまうのは仕方がないもの。「リベンジに期待したい」という気取った言葉ではなく、単純に、それを“観たい”と思わされるステージングだった。曲明けには、今度は櫓に登場した澁谷がソロ曲「DETERMINE」を歌唱。力強さとかっこよさがとにかく魅力のこのナンバーは、とにかくボーカルにハートが100%叩き込まれたもの。2サビ明けには「昼間よりみんなの声聴かせてよー!」「全然足りない!」とシャウトし、場内をロックライブのような空気に変貌させると、大サビはフェイクもシャウトも織り交ぜたエモーショナルさ爆発の1曲に。彼女の熱を受け止め、また同時に熱を発し届けてくれたファンへ「ありがとう」と感謝を伝え、ステージを降りる。

再びinterludeが流れるなか、ステージに降りたのは6つの檻、その向こうに6人が立つと、「Feel it」へ。ソロではフィーチャーするスポットライトを受けながら、意志の強いシリアスなナンバーを歌っていく。1サビ後にはその檻が上がり、ダンスも交えてのパフォーマンスへ。これはひとつハードルを乗り越えた6人が、これからも進んでいくという意思表明のようだった。2サビ明けには体を乗り出して澁谷が、続けて若井がエモく場内を煽る。茜屋のソロでの一本芯の通った歌声も、こういう曲には実に映えるものだった。続けて「Re:Call」歌い始められたでは、いきなりバッキバキで、なおかつ揃ったダンスでかっこいい楽曲ゾーンにパワフルさを与える。かと思えば2サビ明けにはストリングスに合わせて壮麗かつしなやかな振付も披露するなど1曲のなかでも多彩な魅力を見せると、そのまま最新ナンバー「Changing point」へと突入。透き通るような印象を与え、そのなかに意志をたたえているかのような茜屋のボーカルが、冒頭から世界を作る。この曲では若井のソロでのエモさも立っていたし、Dメロでの久保田との歌声の相性がますます良好になっていることも感じられる。また、茜屋が絞り出す「怖くても」のフレーズは終盤に向けてぐぐっと聴衆の心をさらに引き込んだりと、最新シングルも含めてこのブロックでi☆Risは、見事にかっこよさを示してくれた。

曲明け、かっこいいナンバーの増加についてのトークを繰り広げたあとは、歌声で聴かせる茜屋のソロナンバー「Dear…」へ。細やかなビブラートなど技術面での向上もさることながら、自ら作詞を手がけたこの曲では想いのアウトプットの塩梅も絶妙。しっとりと入りながら、2コーラス目に入るとAメロからBメロでぐっと想いを膨らまていく。かと思えばサビでは優しさをそこに乗せる。落ちサビの引き具合から大サビまでの感情の起伏の表現もまた見事なもの。彼女の脳裏には、“届けたい相手”の姿がしっかりと浮かんでいたのではないだろうか。
続く6人での曲もバラードだが、今度は温かみのあるナンバー「パズル」。若井が作詞作曲を手がけたこの曲では、まずソロを歌いながら若井が登場。続けて芹澤が、山北と歌唱順に、パズルのピースがひとつずつステージに現れる。ソロパートは、そのメンバーに歌う意義がそれぞれあるこのナンバーを、しっとりと大事に歌っていくi☆Ris。ファンもサビで振りコピを行いながら、その歌声を受け止めながら6人を手元の輝きで支える。落ちサビでの若井の優しさいっぱいの歌声は、微笑みながら胸元にパズルを大切に抱えているかのよう。この場においては、そのパズルは6人のことでありながら、ファン全員と作るこの空間であったようにも感じられた。
さらに続くのは、もう1曲若井が作詞作曲を手がけたナンバー。ソロ曲「Growing days」だ。頭サビ後に語ったように「一人ひとりに届けるエール」として、笑顔でステージ上を歩きながら、楽曲の持つポジティブなエネルギーを届けていく若井。ここでも明るさとともに優しさを持ちながら、会場中に手を振りながら歌っていく。しかもふっとしゃがみこんで間近の最前ゾーンと視線を合わせたり、曲に合わせてスピンや跳ね出しもダイナミックに織り込んだりと見せ所も満載。それも全て、安定感ある彼女のボーカル力あっての、地に足の着いたものだったように思う。続く「Daily Berry!!」では、三声の美しいハーモニーで世界をぱっと明るくしてからの披露。キュートに楽しい曲で再び場内を盛り上げていく。サビの振付の揃い方など要所は抑えつつ魅せていく一方で、2-Aメロではボーカルを取らないメンバーが裏で若干ふざけて楽しんでいたこの曲。これもまた、土台としてしっかりとしたパフォーマンス能力あってこその、ダラダラ感のない楽しさを届けるものだった。

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