世界を救い、宣言通りに火影となったナルトの息子・ボルトと仲間たちのアカデミーでの日常を描いてきた『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATION』がいよいよこの4月からシリアスな局面へとその歴史を薦める。そんなタイミングで新たなエンディング曲「花鳥風月」を歌うコアラモード.を直撃。彼らの「BORUTO」への想いとは。
――ニューシングル「花鳥風月」をアニメ『BORUTO』のエンディング曲として描き下ろされたコアラモード.さんですが、これまでに『NARUTO-ナルト-』はご存知でしたか?
あんにゅ マンガも読んでいましたし、わたしが小学生の頃にアニメが始まったころもあって、特に初期の頃はそれも見ていましたし、それこそ「みんなが知っている日本が誇るアニメだ!」と思っていました。知らない人はいないですよね?
小幡康裕 僕が中学生の頃になると周囲はみんな『NARUTO』の話をしていたくらいでしたし、やっぱりそういう自分たちが影響を受けて、情操的にも影響を受けながら育ってきた作品にこうして巡り巡って、もちろん息子の世代の話という続編ではあるんですが、携われたことは音楽を続けてきて良かったなと思える、それくらいの作品ですね。
――そんなおふたりの中で鮮烈に印象に残っているアニメ・ソングというとどんなものでしょうか?
あんにゅ 本当に幼いときだと、『忍ペンまん丸』というアニメがあったんですが、そのオープニング曲で安達祐実さんが歌われていた「ボクってまんまる」という曲がすごく好きで、よく歌っていました。本当に「アニソンだなぁ」という曲で、ほっこりするような一曲でした。アニメ自体もすごく弱そうでゆる可愛いペンギンが主人公で。とても可愛いお話でした。アニメのオープニングというとなんとなくその曲が浮かぶくらい、印象に残っている一曲です。
小幡 初めてすごく食い入るように見たアニメが『ポケットモンスター』だったんです。小学校低学年くらいから始まって。だからポケモンの主題歌はオープニング曲もエンディング曲もしばらくは追っていました。それを大人になって改めて聴いてみると、すごいんですよ。一番有名な「めざせポケモンマスター」という曲も、フュージョンドラマーの神保彰さんが叩かれているバージョンがあったり。改めて聴くと、こんなにテクニカルなプレイとか、こんなにトリッキーな編曲がされていたのか!と発見も多くて、すごく刺激を受けましたし、真似したくなったりもしています。
あんにゅ 大人になって改めて聴いて感動した、といえば『カードチャプターさくら』の楽曲たちです。
小幡 オープニングで亀田誠治さんが入られた曲もあったしね。
あんにゅ 言い出したらどんどんタイトルは挙がっていきますよね、アニメ・ソングの奥深さは。こんなすごい転調していたの!?とか大人になってわかるようになったり。聴き方も変わってきますね。
小幡 音楽とは、をわかっていないときに聴いていたものですからね。どういうメロディか、どういう歌声で、どういう歌詞で、どんな風にノれるか。それくらいで聴いていたのが、音楽の専門的知識を持ってから聴くとこんなに奥が深い楽曲だったんだな、と。アニソンはアニソンならではの編曲だったり、それこそ歌い方にしても、独特の奥深さがほかのジャンルとは一線を画しているものがあるなと思いますね。
――今、おふたりが挙げてくださったのはアニメ・ソングとして作られているものも多いだけに、タイトルを連呼していたり、物語を起草させる楽曲が多いですよね。
あんにゅ そのアニメに合せて作られているからこその特別感もあって印象的だなと思います。
――それをポップス側のアーティストであるコアラモード.さんがやられると、どういった作用があるんでしょうか。普段の楽曲制作とは何かしらか違うものはあるんでしょうか?
小幡 普段の制作との違いはやっぱりあります。描き下ろしとは言え、そのままアニメの世界を描くのでは意味がない、と。僕らがやるからこそ、コアラモード.が描きたいテーマだったりとリンクさせました。例えば冒頭の「花、鳥、風、月」というのは僕らの中でストックとしてあったフレーズだったんです。いつかこの曲をブラッシュアップする機会があったら世に出したいな、とずっと温めてきた曲で。今回、この『BORUTO』のエンディング曲を描き下ろす、というお話が来たのでチャレンジしてみよう、と。昔作った曲ではあったんですが、このフレーズが新曲のアイディアとしてパッと浮かんで。自分たちが作りたいテーマとアニメの世界観が合致する、というヒラメキが生まれるタイミングがあったんです。それはコアラモード.がアーティストとして自分のメッセージを歌う、という上ではとても重要な出来事でした。
あんにゅ 『NARUTO』は結構、明るくて、友情!とか「仲間と頑張っていこう!」みたいな楽曲のイメージが元々あったんです。でも『BORUTO』のマンガを楽曲制作を前に読み返してみたら、だんだん物語がシリアスな方向へと向かっていく。そんな中で自分たちの曲で『BORUTO』に合う曲はあるだろうか、ということで、今まで作っていたデモを沢山聴いたんです。元々「花鳥風月」という曲は、もっと静かで、全部裏声で歌うような優しい曲だったんですが、それを戦闘シーンもあるような『BORUTO』の物語を読んで改めて歌ったらどうなるか、とやってみたんですね。地声で叫ぶように歌うという方向性になったのは、作品が導いてくれて出来た表現だなと思います。
小幡 キーもあげたんです。
あんにゅ ちょっと苦しいくらいまで。
小幡 それがこのアニメには合っている。それは作品が引っぱってくれたからこそだなと思います。
――このコラボレーションがなければ「花鳥風月」は今の形にはならなかった?
あんにゅ ならなかったですね。静かにアルバムに入っていたかもしれない。優しい感じで。短い曲になったかもしれないです。
小幡 そもそもこんなに壮大にならなかったでしょうね。アイディアとして生まれてきたときには。やっぱりこの『BORUTO』に描き下ろすという試みがあったからこそだなと思います。
――エンディング曲ですが、物語の余韻を楽しむというよりは、もうちょっと迫りくる感情がある曲ですよね。この先の物語に対してざわつく感覚というか。
あんにゅ そうなんです。もう歌い出しから嵐の前の静寂って歌っていて。これから戦いに行く前に、大切な人を想う気持ちであったりをテーマに作っているので、鬼気迫るようなものはありますね。歌い方も、今までコアラモード.が出して来たものとは違っているので、ファンの方はびっくりしたかもしれないです。
小幡 オンエアで最初に流れた後の反応を見ていても「コアラモード.がついにまた新たな扉を開けた」みたいな反応で。物凄く意外性のある作風ではあるんですね。僕らのこれまでの流れからしたら。でもそれは『BORUTO』という作品に描き下ろすことで新たな一面を見せられたんじゃないかなと思います。オープニングはアニメの看板だと思っているんですね。タイトルロゴが出て来ますし、なによりもテレビの前で待っているそのワクワク感が高まったところで出て来る曲ですし。でもエンディングは作品を見終わった後の余韻と共に楽しむ曲だと思うので、その余韻を120%増福させられるような曲には絶対にしたいと思っていたんです。だからこそ僕らの中でもこれまでにないような、こんなに壮大な曲として仕上がったんだろうなと思います。
――歌詞に関しては最初のデモとしてあったところから変えたりはされたんですか?
小幡 なかったですね。僕らがそもそも歌いたかったことと『BORUTO』がリンクしていました。愛とか命の理由というのが歌詞に出て来るんですが、そこまで壮大なテーマを歌うことが僕らは今までなかったんです。でも『BORUTO』を改めて見直して、これくらい壮大なテーマを歌って、なおかつエンディングで自分たちの曲が映像と重なったときに、よりいい涙を流してもらえるような曲に、という気持ちで、アニメサイドの方に聴いてもらったら、「この歌詞で」と言って頂けました。
あんにゅ 楽曲の中の主人公が男性か女性かではちょっと悩みました。ボルトは男の子なので。でも結局、どちらでもないように聴こえる形になりました。
――「花鳥風月」が流れる前までの『BORUTO』が、本当に日常の穏やかな時間軸を描いてきたところからシリアスへ。がっつりと物語が変遷していくときの歌なので、特にファンにとっても印象に残る一曲になると思います。
あんにゅ 本当に怖くなるくらいですよね。でも最初に流れたときには、めちゃくちゃ素敵な絵をつけていただいて、すごく感動しながらテレビにかじりついて見ておりました。
小幡 改めてつけていただいた絵を見ると、物凄く僕らの「花鳥風月」のメッセージを汲み取って頂いたな、と感じました。この曲をとても好きになって、絵をつけて下さったんだな、ということを強く感じましたね。
あんにゅ すごく丁寧につけていただいていて、感動しました。
――その「花鳥風月」ですが、カップリングの「∞(無限)」も実はちょっと『BORUTO』の世界観を踏襲しているような印象で…。
あんにゅ 実はそうなんです!この曲も『BORUTO』をイメージして作った部分もあって。「花鳥風月」ともリンクしているような楽曲を収録したので、通して聴いて違和感のないと思います。『BORUTO』に導かれて出来た曲です。
小幡 楽曲を作る最初のアイディアの時点で『BORUTO』からヒントを得ているようなところはあったのが「∞(無限)」でしたしね。曲調としては真逆ではあるんですが。この曲は今までのコアラモード.のイメージに近い爽やかで疾走感があってキラキラした曲になっているので、2曲を続けて聴くと違和感はないと思います。
――さらにアニメ『四月は君の嘘』のOPテーマでもあった「七色シンフォニー」のアコースティック・バージョンも収録されていますね。改めてリアレンジされていかがでしたか?
あんにゅ この曲を作ったときには(メジャーシーンの中で)右も左もわからない状態だったのが、3年を経て自分たちの周囲も見えるようになってきたな、と感じます。
小幡 ミュージシャンシップを自分で取れるようになったな、と改めて感じましたね。
――では最後に『BORUTO』で「花鳥風月」を聴いている読者へメッセージをお願いします。
あんにゅ やっぱり緊張したんです。最初に流れるときには。元々『NARUTO』から『BORUTO』へと見ていらっしゃるみなさんにどう受け入れていただけるのか、とても楽曲を楽しみにしているに違いないですし、と。わたしたちなりに作った曲ですが、出来るだけ多くの方に楽しんでいただけるとうれしいなと思っています。
Interview&Text By えびさわなち
●リリース情報
6thシングル
『花鳥風月』
4月25日発売
【初回生産限定盤】
品番:BVCL-882
価格:¥1,200(税込)
<CD>
1. 花鳥風月
2. ∞(無限)
3. 七色シンフォニー ~Acoustic ver.~
4. 花鳥風月 Instrumental
5. ∞(無限) Instrumental
【通常盤】
品番:BVCL-883
価格:¥1,000(税込)
<CD>
1. 花鳥風月
2. ∞(無限)
3. 花鳥風月 Instrumental
4. ∞(無限) Instrumental
2ndアルバム
『COALAMODE.2~街風泥棒~』
5月30日発売
【初回生産盤(CD+DVD)】
品番:BVCL-888~889
価格:¥3,800
【通常盤】
品番:BVCL-890
価格:¥3,000
<CD> 曲順未定
・花鳥風月 ※テレビ東京系アニメーション「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」エンディングテーマ
・ごらんください ※tvk「ハマナビ」2017エンディング・テーマ
・ホップステップジャンプ ※tvk「ハマナビ」2018エンディング・テーマ
・気球にのって ※アニマックス「うたのじかん」
・Hurray!(フレー!) ※湘南ゼミナール 受験応援CMソング(2017年)
・バードマン ※YOUテレビ「とっておき@神奈川区」オープニング・テーマ
・大旋風
・僕に足りないものは
・位置エネルギー
・セキララ☆キラキラ
・恋愛定規
・トライアゲイン
他 収録予定
<DVD>
「花鳥風月」MV、他特典映像
●ライブ情報
コアラモード.全国ツアー“THIS IS COALAMODE.!!2018 ~街風泥棒ツアー~”
6月23日(土)福岡 Early Believers
6月24日(日)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
7月8日(日)名古屋 HeartLand
7月14日(土)東京 TSUTAYA O-WEST
7月21日(土)大阪 大丸心斎橋劇場
8月4日(土)横浜 はまぎんホール ヴィアマーレ
●レギュラー番組
FMヨコハマ YOKOHAMA RADIO APARTMENT「ゆ~かりナイト」
毎週木曜日 22:00~23:20
YOUテレビ「とっておき@神奈川区」 4月1日(日)より放送
放送回数:毎日二回 15分番組(月60回、年間720回放送)
放送時間:(1)14時45分~15時 (2)19時15分~19時30分
<コアラモード. プロフィール>
『横浜発!カラフルメロディーとピュアボイスが奏でるサウンド・ア・ラ・モード.』2013年に結成。
ボーカルあんにゅとサウンドクリエイター小幡康裕(おばた やすひろ)からなる横浜出身の男女二人組ユニット。
2015年「七色シンフォニー」でメジャーデビュー以降、数々のTVCMタイアップやNHK「みんなのうた」など活躍の幅を広げている。
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