月刊少女まんが雑誌「ちゃお」で連載中、『ミルモでポン!』の篠塚ひろむによる人気漫画を原作としたTVアニメ『プリプリちぃちゃん』。人間の世界にやってきた地底人のちぃちゃん(CV.村川梨衣)が、佐伯夕花(CV.麻倉もも)に恩返しをしようと仲間と一緒に奮闘する姿を描くキュートなコメディ。
オープニングテーマは、麻倉ももの「トクベツいちばん!!」、そして、エンディングテーマは、第8話に登場する地底人・のんちゃんを演じる豊崎愛生の「ハニーアンドループス」。豊崎愛生にとっては初のアニメ・タイアップ・シングルとなる。
作詞は仁科亜弓。豊崎愛生の楽曲では、「マイカレー」(シングル『walk on Believer♪」収録)、「おさんぽの唄」(シングル『ディライト』収録)、「anniversary」(シングル『music』収録)、「パティシエール」(シングル『ぼくを探して』)の作詞・作曲を手がけている。作曲・編曲の古川貴浩は、戸松 遥の楽曲の多くに携わっており、「Fan Fun Parade」「星のステージ」「Issai Gassai」では作曲・編曲、「Q&A リサイタル!」「courage」「ユメセカイ」「ヒカリギフト」「Two of us」では編曲を担当している。
エンディングを観ている子供たちがキャラクターと一緒に踊りたくなる曲というコンセプトで作られた今作だが、ナチュラルな雰囲気を持つ豊崎愛生に似合うダンサブルなサウンドといえば、EDMなどのクラブ系サウンドよりもやはりディスコ・ミュージック。それも70年代~80年代あたりものがふさわしい。「星のステージ」や、中島 愛「最高の瞬間」など、渋谷系を経由した(それは筒美京平のディスコ歌謡を通過したことも意味する)ディスコティックなナンバーを手がけた古川貴浩が、今回もこの路線を引き継ぐ洗練されたサウンドを聴かせてくれる。その朗らかでハッピーな雰囲気は、さしずめ「フィリー・ソウル・ミーツ・ちゃお」といったところか。子供も大人もともに楽しめる贅沢な仕上がりだ。
明るく軽やかなサウンドを指向しているので、低域はそれほど強調されてはいないけれど、ベーシストである古川貴浩らしくグルーヴ感を活かした作りとなっており、ハイレゾではバウンドするようなサウンドがさらにノリよく伝わってくる。“街の中にメリーゴーランド” “屋根裏もダンスフロア” “いつ間にかのフェスティヴァ”など開放的な歌声からあふれる無邪気さも魅力的。
豊崎愛生がフェイヴァリットにあげるアーティスト、Humbert Humbertの佐藤良成の作詞・作曲・編曲によるカップリング曲。佐藤良成は、TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』のエンディングテーマ「ちいさな冒険者」、TVアニメ第2期となる『この素晴らしい世界に祝福を!2』エンディングテーマ「おうちに帰りたい」(7月にリリースされるHumbert Humbertのアルバムには「おうちに帰りたい」がセルフカヴァーで収録される)を手がけたことでアニメ・ファンにもよく知られている。
この曲でもスティールギターとフィドルを押し出したアメリカーナ色の強いフォーキーなサウンドを披露。ひたむきな想いをじっくりと紡いでいく熟練した演奏は上質なコーヒーのように味わい深く、ハイレゾでは楽器同士のなじみのよさや、音色のまろやかな響き、また穏やかな空気感が心地好い。このようなアコースティック・サウンドと豊崎愛生の柔らかな声質は非常に相性がよく、いつかは佐藤良成とともにナッシュビルで高田 渡の曲をレコーディングしてもらいたいもの。「ハニーアンドループス」の華やかさから一変、ヴォーカルもサウンドに似合った落ち着いた雰囲気が漂う。旅立つ少年の気持ちを代弁しつつも、歌詞からは自身の姿を重ねるようなイメージも感じられ、いままでとこれからの豊崎愛生の気持ちが込められているようでもある。
豊崎愛生
ハニーアンドループス
Music Ray’n Inc.
2017.05.31FLAC 96kHz/24bit
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1.ハニーアンドループス
作詞:仁科亜弓 作曲・編曲:古川貴浩
2.ランドネ
作詞・作曲・編曲:佐藤良成
3.ハニーアンドループス(Instrumental)
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