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INTERVIEW

2017.11.17

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information 第12回

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フジムラトヲル、石川智久、松井洋平からなるテクノユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供し、近年、アニソン・シーンにて大きな活躍を見せている。大ヒットを記録したTVアニメ『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」の作詞・作曲・編曲を手がけたことでも知られている。

そんな彼らの連載『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』は、《お気に入り》《影響》など、彼らが受けた様々なインプットをアウトプット=《報告》するという内容だ。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDはどのような活動をしているのか?メンバーは一体どんな人物なのか?……魅力的な楽曲を次々と生み出している彼らの実態が今明らかになる!?

アニソン・シーンの最先端で活躍している彼らの初となる連載。
第12回は、11月15日にリリースされたTECHNOBOYSのニュー・シングル「Magical Circle」の話からスタート!

■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』前回の連載はこちら
■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』これまでの連載はこちら

Craft Report / TECHNOBOYSの活動報告

毎年10月に兵庫県篠山市で行っている「Cafetronica SASAYAMA」というイベントがあるのですが、それが終わるといよいよ冬が来るんだなと、ちょっとおセンチモードになる、フジムラトヲルでございます。

さてさて、11/15にリリースされました、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND 4thシングル、TVアニメ『魔法陣グルグル』2クール目ED主題歌「Magical Circle」、もう聴いていただけましたでしょうか?

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子
「Magical Circle」のレビューはこちら

©衛藤ヒロユキ/SQUARE ENIX・「魔法陣グルグル」製作委員会

中川翔子さんの、まるでククリちゃんが憑依したようなイノセンスな歌声、エモーショナルなストリングス、いつもの如くうねるシモンズ、そしてタンス(Moog ⅢC)の音はどこなのか……。
いろいろと聴きどころ満載な曲になっておりますので、まだ方はぜひぜひ御一聴くださいませ。

カップリングは先月もお伝えいたしましたように、1994年に放送された初代『魔法陣グルグル』のED主題歌「Wind Climbing ~風にあそばれて~」(feat.奥井亜紀)と、今何故此処で感溢れる『ダーティペア』OP主題歌「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」(feat.上坂すみれ)。
両曲とも、TECHNOBOYSアレンジを施しておりますのでお楽しみに。

TECHNOBOYSといたしましては、勿論ハイレゾもご用意しております。
CDとあわせて、こちらもよろしくお願いいたします。

●「Magical Circle」について詳しく話を聞いた、TECHNOBOYSと中川翔子のインタビューはこちら

ハイレゾといえば、先日久しぶりにメンバー3人揃って、ヘッドフォン祭のトークイベントに出演いたしました。
いつもケーブルや電源周りでお世話になっている「ORB」ブースとオーディオライター・野村ケンジさんの「超!野村家」ブース。「ORB」ブースでは、お客さんを置き去りにして、かなり濃い機材トーク炸裂でしたが、楽しかったのでまたどこかでしようかな。

そんなこんなで、今月のTECHNOBOYSハイレゾ情報は、なんといっても「Magical Circle」しかありません。

四つ打ちのリズムが支える上に、中川さんの歌声・ストリングス・多数のアナログシンセが三位一体に折り重なり、そのレンジ広さはハイレゾでよりいっそう華やかに聴こえます。

情報量多めの曲なので、いろいろなDAPで聴き比べするのに、とても適した曲かもしれませんね。

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子
Magical Circle

Lantis
2017.11.15

FLAC・WAV 96kHz/24bit、WAV 96kHz/32bit

ハイレゾの購入はこちら

e-onkyo music
groovers
mora

©衛藤ヒロユキ/SQUARE ENIX・「魔法陣グルグル」製作委員会

Favorite Pulse / TECHNOBOYSのお気に入り

TECHNOBOYSのメンバーが自分のお気に入りを紹介する〈Favorite Pulse〉。
今月はフジムラが担当です。
私の大好きなドライブ。

人生のなかで、大阪・京都・東京に住んできたのですが、すべて交通の便が良いところだったので、車の免許を取る必要性を感じていませんでした。

いやいや、機材の多いTECHNOBOYSには車は必要でしょう!?とお考えの方も多いかと思うのですが、メンバーの松井先生が免許を持っていたので、彼に任せっきりで。

しかし、免許を取らねばなというキッカケがあり、一念発起して昨年免許を取りに行きました。
ティーンネイジャーに混ざりながら耐えること約半年。何とかすべて一発合格で取得に成功!
免許は無くとも子供の頃から車自体は好きだったので、あれやこれやと迷いつつも愛車を購入し、フジムラのカーライフが始まりました。

ほとんどが仕事で使っているので都内を走るのみですが、それはそれで中々楽しい。

ただ、本当に免許を取ってよかったなと思ったのは、雨続きの夏のなかでスカッと晴れた朝があり、思い立って軽井沢の牧場まで日帰りで行けた時。
電車で行くとなると腰が重くなるのですが、車だとスッと行けちゃうんですね。

「息抜き」の仕方が、この歳になるまでよくわからなかったのですが、これからはドライブがその役を担ってくれそうです。

Influence Information / TECHNOBOYSへの影響

TECHNOBOYSのメンバーが影響を受けた音楽からハイレゾリリースされている作品をご紹介。
今回、石川智久がオススメするのはモーリス・ラヴェル『こどもと魔法』(1925年)

Ravel: L’enfant et les sortilèges – Debussy: L’enfant prodigue (Live)(2017)

2013年小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏のアルバム『ラヴェル:歌劇《こどもと魔法》』がグラミー「ベスト・オペラ・レコーディング」賞を受賞したのが記憶に新しい(ハイレゾではFLAC 48kHz/24bitで配信されている)が、私はミッコ・フランク指揮、フランス放送フィル演奏をおすすめする(こちらはFLAC 96kHz/24bitにて配信 )。

1幕2場構成の短いバレエ付き歌劇で、いたずらっ子がいたずらしてきた対象物(ソファー、柱時計、中国茶碗、ポット、算数の教科書、猫、木々、他)に恨み言を言われながら逆襲されるという常軌を逸したファンタジーである。

興味深いのは歌詞にハラキリ、セッシュー・ハヤカワ等の日本語、日本人俳優名が出てくるところ。脚本の完成は1914年。ハリウッド俳優の早川雪洲が欧州に訪れたのは1923年なので、いかに世界的人気俳優だったことがうかがわれる。1925年初演だったこの作品を彼は観たのだろうか、それともパリに居たから付け加えたのだろうか。ともかくも、この作品の初演は大成功を収めた。

シドニー=ガブリエル・コレット(後にオードリー・ヘップバーンを推挙した劇作家)による脚本は順調に仕上がったがラヴェルの作曲はかなりの難産だったようだ。ラヴェル自身がバレエ音楽ではなくオペラとして仕上げようとハードルを上げた為であろうか(脚本1914年了、作曲1924年12月了)。

音楽的には『管弦楽の魔術師』たるラヴェルの真骨頂。ラヴェルの作曲技術すべてが込められていると私には感じる。1889年のパリ万国博覧会での異国からの影響、特に東洋の響き、ジャズら新しい音楽の影響など、新時代のラヴェルが詰まっているといっても過言ではないだろう。

最後の2つの和音を聴き逃さないでいただきたい。
私はこの終焉に鳥肌が立った。

では次回の『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』もお楽しみに!

Mikko Franck
Ravel: L’enfant et les sortilèges – Debussy: L’enfant prodigue (Live)

Erato/Warner Classics
2017.04.28

FLAC 96kHz/24bit、MQA Studio 96kHz/24bit

ハイレゾの購入はこちら

e-onkyo music
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TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
トラックメーカー・フジムラトヲル(Ba/Syn/Vo)、作曲家・石川智久(Pf./Syn/Vo)、作詞家・松井洋平(Gt./Syn/Vo)からなるテクノユニット。現在まで2枚のオリジナル・アルバムをリリースしており、その活動範囲は海外にまで及ぶ。細野晴臣氏が音楽監修を務めた2007年の映画『EX MACHINA -APPLESEED SAGA-』をはじめとして、『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』『紅殻のパンドラ』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『賭ケグルイ』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供。ユニットだけでなく、個人として作品に携わることも多い。宇都宮隆氏、松岡英明氏、浅岡雄也氏ら、時代を創ったボーカリストとのコラボレーション・ナンバーや、TVアニメ『おそ松さん』のエンディングテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」など、制作したそれらの楽曲は大きな話題を呼んでいる。

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