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INTERVIEW

2018.04.08

4月放送開始!TVアニメ『ピアノの森』阿字野壮介ピアノ担当・反田恭平インタビュー

4月放送開始!TVアニメ『ピアノの森』阿字野壮介ピアノ担当・反田恭平インタビュー

史上最年少で伝統ある「日本音楽コンクール」の第1位を獲得し、モスクワ音楽院に首席入学したピアニスト、反田恭平。若く異彩を放ち、将来を嘱望される彼のそばには常に2冊の漫画。ひとつは『のだめカンタービレ』、そしてもうひとつが今回TVアニメ化される『ピアノの森』である。ピアニスト反田恭平を支えた作品で、阿字野壮介を担当することになった彼はどのような思いでピアノを弾いたのか。『ピアノの森』という作品が持つ魅力を起点に、ピアノの音やピアニストに対する反田恭平の思いがあふれ出す。

阿字野はカイにピアノを教える指導者という立場を忘れずに

――今回のオファーが届いたとき、どう思われましたか?

反田恭平 もう昨年のことですが忘れられないですね。NHKでラジオかTVの収録が終わってから、マネージャーに近くのカフェで「ちょっと相談が」って言われたんです。「『ピアノの森』がね」って言われた瞬間、「引き受けます」って答えていました。マネージャーには「最後まで聞いて」って言われましたね。

――(笑)。

反田 中学生の頃からずっと読んでいて、一緒に育ったと勝手に思うくらいに好きな漫画でしたから。今回は阿字野先生の演奏を担当させていただきましたが、キャラクターの中でも主人公のカイをのぞけば一番好きな人物だったので発表できるのが楽しみでしたね。誰にも言えず、ずっと辛抱していました。

――「『ピアノの森』がね」と言われたときは誰を担当するイメージでしたか?

反田 キャラクター問わず誰でもやりたかったです。『のだめカンタービレ』にも出たかったのですが、当時は12歳だったので出られず、『ピアノの森』が実写映画やアニメになったら絶対出たい、という思いでした。むしろ、オーディションがあったら受けようと思っていたくらいなので、お話をいただけたのは素直に嬉しかったです。ピアニストとして認められた感じがして嬉しかったですね。

――阿字野先生を、と聞いたとき、どのように弾くイメージが浮かびましたか?

反田 そこはまず、「一ファンとして」という気持ちでした。アニメを見た人に「これ、阿字野じゃないだろ」と思ってほしくないし、僕自身もそう思われたくないし、そうなってはいけない作品だと強く思っていました。監督には「阿字野壮介の中には反田恭平がいる」と言ってもらえたので好きに弾くこともできましたが、「原作通りに」というイメージを僕なりに作ることがベストだと感じていました。

――阿字野は天才かつ繊細で、しかも不慮の事故によって表舞台から消えてしまったということで神格化された存在です。それを音で表現するのはかなりプレッシャーがあったかと思いますが。

反田 専門家の方ではない一般の方々にも理解いただけるように、難しい言葉ではなく簡単な言葉で言うならば、ひとつ目として「明るく弾かない」というところがありました。ピアノは88鍵で成り立っているので88色の音があり、それらをひとつの音楽にするために組み合わせていくのですが、ただ、「赤」といってもいろいろな赤があるのと同様に、「ド」にもいろいろな色があります。音にもピアノにも性格の違いがあるんですね。だから、阿字野ならきっと明るい「ド」ではなく暗い「ド」を弾くだろうと考えました。その上で、事故のために片手を怪我してしまい、決して速い速度では弾けないと推測できるので、(楽譜に記載されている)表記のテンポに忠実、もしくはそれよりもゆっくりのテンポで弾くのがいいのではないかと考えました。それがふたつ目ですね。ただ、みっつ目のポイントとして一番大事なのは、阿字野はあくまでも指導者という立場なんです。カイにピアノを教えることになるわけですが、ある程度基本的なことができていないといけないので、基本に忠実に弾くということが大事だと思いました。なので先生っぽく、かつ阿字野のよさを引き出せるように、という2点をもとに弾いています。「小犬のワルツ」であれば、カイがイメージしやすいように、小犬という名前がついた曲らしく弾いています。ダイエットして痩せたり、歯を抜いたり、俳優さんでも役者魂というのがありますが、僕も、カイを育てるということを踏まえて阿字野に寄り添いながら弾くことにしました。

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