ライブごとにファンが急増するLuce Twinkle Wink☆の1stライブツアー『1st LIVE TOUR -LLTW☆-~t*u*n*i*n*g~”』川崎ファイナル公演レポート

かつて数々のバンドがフロアを熱狂させたCLUB CITTA’が30周年イヤーを迎える今年、当地でLuce Twinkle Wink☆(以下ルーチェ)が『1st LIVE TOUR -LLTW☆-~t*u*n*i*n*g~”』のツアーファイナルを行った。今ではアイドルの聖地としても名を馳せるCLUB CITTA’でルーチェは見事に大輪を咲かせた、そう感じさせる公演だった。

大阪はOSAKA MUSEでたくさんのウィンカー(=ルーチェファン)を熱狂させてから1週間。その間も驕ることなくクオリティを高めてきたルーチェ。メンバーカラーの光が会場を走り、BGMとSEを背負いながら最初の曲に突入する。まずは「Fight on!」。猫パンチや、ゲームキャラのように細かくキュートな動きでフロアを魅了すると、メリーゴーランドのようなSEを挟んで初期曲の「大スキ、スキ、大スキ、スキ、、、、、」へ。こちらも花びら占いを曲中で魅せるなど、やはり女の子らしさ満載の振付に心が躍る。そして、全体的にチャールストン風のダンスが脳裏に焼き付けられる「go to Romance>>>>>」。つな引き風の動きも可愛いが、やはり見どころはサビにおける手首の角度。ここまで研ぎ澄ませるまでにいかほどのレッスンを費やしたのか。アイドルの振付はカワイイカルチャーの中で、現代の主流であるストリートダンスとは異なる道を歩んできた。アイドルはダンスだけではなく、「歌」が(可愛さを感じさせる上で)不可欠要素としてあるため、(たとえ口パクという手段をとったにしろ)歌いながら踊れる振付として進化する必要がある。だが、ダンスとしてのクオリティでは劣ったとしてもシンクロ率を上げることも困難な道のりだ。もともと腕も足の長さも違う、(ルーチェでいえば)“五”者“五”様の違いがある者たちが、観る者にシンクロを感じさせるダンスを見せるというのは終わりのない道のりである。ルーチェのライブはいわば、レッスンで積み上げた研鑽を披露する場。毎公演が発展途上過程であり、振付と歌を両立させるという頂の見えぬ山に挑戦するルーチェのライブにそれゆえ見る価値がある。

錦織めぐみが作詞し、深沢紗希が叫ぶ「ファイト!」がポイントの「Precious☆Summer」にしても、片腕を大きくゆったりと羽ばたかせる箇所には目を奪われてしまう。角度や速度を統一させたキメが求められる曲とは違い、ゆったりとした動きでシンクロを感じさせるのはまた別の筋肉が必要であり、バレエのような美しさを感じてしまう。ステップで魅せる「Treasure」に見惚れていると、5曲を終えたところでようやくMCに。この強烈なスタートダッシュは圧倒の一言。

MCではまず自己紹介を。リーダー宇佐美幸乃が「私……二十歳になりましたぁーっ!」と叫び、「大阪公演が19歳最後のライブ、ツアーファイルが二十歳の最初のライブということでこんな嬉しいことはありません」と語ると、続いて板山紗織と桧垣果穂は、「朝ごはんに美味しいチーズケーキを食べてきた」、「朝ごはんにフルーチェを食べてきました。ちょっと名前が似ているんですよ。願掛け的な意味合いで」と朝ごはんネタでかぶせてきた。元気娘代表の深沢は、らしく「この会場で一番ハッピー野郎になろうと思っている」と宣言。最後は錦織が締める……はずが、やり慣れた「みんなのー、あなたのー」という自己紹介MCで「あなたの」を先に言ってしまう。仲間からは「緊張してるのかなー」という言葉も飛んだが、実際、1stアルバムを引っ提げての1stライブツアーということで、錦織に限らず全員がパフォーマンスに気合を入っていただろうことは想像に難くない。

そして、この日は映像収録が入っていることを告げ、「マジで声いっぱい出してね」「人気ないアイドルに思われるから」なんて軽口を叩きつつ、「You, You, You, You are a star!(You, You, You, You are a star!)」のコール&レスポンスをレクチャー。ルーチェ屈指のタオル曲に突入する。サビで自らも回転しながらタオルを振り回す一方、手足を伸ばしたダイナミックスさも見せた後は“☆”のターン。「star!」つながり星がきらめくようなSEをバックに、「流れ星に願い唱えた夜は」と歌う「‪恋のprologue*」へ続け、華麗に舞ってみせるLuce Twinkle Wink☆。一転して、「少女たちの微熱」「羨望スターダム」とロック調を続けておきながら、再度アイドルど真ん中、サビで両手を上げて右回転→左回転する振付が心をつかむ「1st Love Story」に。‬

ライブのたびに感じるのはルーチェの楽曲のブレなさ加減。初期から現在に至るまで、BPMや曲調に多少の差はあれどもどれも本当に“楽しませる”曲が揃っている。どの曲でルーチェにハマったにしろ、ライブに来ればきっと他の曲も愛せる。扉を開いた客すべてを熱くさせる、裏切らないアイドルこそがルーチェである。

2度目のMCでは、「アルバムを聴いてない人はこっから『LLTW☆』を聴きたくて仕方がなくなる魔法、もう『LLTW☆』聴いてるよって人はもっと聴きたくなる魔法をある子がかけてくれます」「やっぱここはかほハムかな」と宇佐美は一度フェイントをかけてから板山にMCをパス。すると板山が
「みーんな、『LLTW☆』聴きたくなーれ。ぴろりろりーん♪」
と可愛さを観客に振りまく。だが、次に控えしはアニソンカバーメドレーというのがなんとも言えずゆるく愛らしく、アイドルらしい時間だ。

ルーチェは、メンバーが作詞や振付に挑戦しては発表する、「つくルーチェ公演」を開催しているが、今回のアニソンカバーでも「私たちがいろんなことをプロデュースして、歌割りだったりポジションだったり振付だったりを私たちがつくルーチェ」していると宇佐美が話した。例えば、「ふ.れ.ん.ど.し.た.い」では桧垣が振付に初挑戦、一人一人が手を上げるところは「動物みたく可愛くしてみました」という気持ちを込めた。一方、宇佐美、板山、深沢での「ゲーマーズ」は、板山が振付。ラストサビで「ポポポポポン」と流れるように動くところは、数々のルーチェ曲を振付し、ルーチェの可愛さをよく知っている彼女ならではの見せ場だろう。だが、それだけではない。前述したようにダンスと歌を両立させるのがルーチェ。錦織と桧垣は、「God knows…」のハモリで会場を燃え上がらせた。

カバーコーナーを終え、自曲に戻っての1曲目は「ラブタイムソルジャー」。身体の前でXを切る手は鋭く、風がこちらに届くような感覚を与えるほど。その“動”を際立たせるため、静止した瞬間を作る振付。そんな“静”と“動”の妙を感じさせる曲だが、そこから「Password」「Let me cry」という流れはルーチェのかっこよさを存分に味合わせる時間。「Let me cry」のイントロで体を滑らすように沈み込ませるときに5人が見せるシリアスな表情、冷たい視線は観客の心を射抜いていく。そしてルーチェ屈指の激ダンス曲「Twinkle “5”stars!!☆」。終盤において、始まる時はあんなに可愛かった5人のオンナノコたちが成長した姿を見せられたような感覚に陥った。

ラストスパートは深沢と桧垣が詞を手がけた「ヒカリ」と「ポラリス」で、メンバーの名前が織り込まれた「meteor bell」を挟むというエモーショナルなパート。「meteor bell」はサビ終わり、歌詞にある“満天の明日”に向かってメンバーが大きく手を振る。リリイベではおそらくライト下がる天井に手を向けることも多かっただろうが、この夜は自分たちの力で勝ち取ったチッタの広い宙に差し出した。その心中はどのようなものだったのか、満天の明日が来た実感に満ちていたのか、想像するだけで感慨無量となる。

本編最後はメジャーデビューシングル「恋色(ハート)思考回路」。先に言えば、アンコールはライブで幾度となくウィンカーの声を枯らしてきたがCD未収録だった曲「Luce Luce Twinkle Wink☆」。そしてアンコールラストがデビュー曲「刹那ハレーション」。この文字通り初心に帰る、初心を決して忘れないという決意と飽くなき向上心に満ちた曲順から、客席はルーチェが抱く思いを受け取ったと思う。

ライブに行ったなら、イントロからサビからハートを振りまくルーチェと共に弾んでほしい、ピースを突き出す5人にフロアからピースを突き出し返してほしい、そう思わせる人気曲で一度ステージを後にした彼女たち。勿論そのままでは終わらず、熱いアンコールで呼び戻されたルーチェだったが、「LLTW☆」の冒頭で次々とルーチェポーズを掲げると、メンバーたちは自分のイメージカラーが目の前に伸びている様を目にする。ウィンカーたちはメンバーの立ち位置に合わせて五グループに分かれ、メンバーカラーのサイリウムを掲げたからだ。数々のアイドル現場で生まれた、相思相愛の関係が生み出す奇跡の光景がルーチェのライブでも起きていた。強い意志を感じさせる感情を浮かべながら舞台女優のように動く、ルーチェの激情&劇場曲『LLTW☆』を歌った後、会場と記念撮影に。この時、宇佐美から「ハムちゃんが足つったそうです」の報告が。ステージ上に座る際、足をつってしまったようだ。いかにこの2時間あまりが激闘だったかがうかがい知れる。

ここで宇佐美が新たな目標を口にする。「ルーチェ1stライブツアーを経て、新たな夢が一つできました。それはさらに拡大した、2ndライブツアーをやりたいでーすっ!」

そして久々にがんばルーチェポーズで会場が一体になることを望む。5人は円陣を作り、「ルーチェ、もっともっと、もっともっと上に行くぞー!」の雄叫びで合わせていた手を天に。同様のポーズを会場全部で決めると正真正銘のラストである「刹那ハレーション」に。この4年近く、自らの力で道を作ってきたルーチェだけ。サビで見せる指差しも以前と比べ物にならないほどに力強い。こういうところでも練習は嘘をつかないと実感する。2時間半フルに踊ってフルに歌う、それがどれほど困難なことであるか。かつシンクロ率を高めるという茨の道を歩み続ける5人のなんと美しいことか。

「刹那ハレーション」のラスサビ前、宇佐美が「みんなで上にっ!」の声で会場がジャンプしたが、一体彼女たちはどこまで昇り詰めるのだろうか。2000年代にあらたなアイドル文化が花開き、戦国時代と呼ばれた隆盛期を過ぎた今、ライブだけで魅了できるアイドルが生まれるとは。誰も想像できなかった未来を死にものぐるいでつかんでみせたルーチェが観る者を今後どこへ誘うのか、我々も渾身の力で彼女たちを追いかけなければいけない。そう思わせるアイドルがここにいる。

Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)
Photo by 徳田洋平

Luce Twinkle Wink☆1st LIVE TOUR
-LLTW☆-~t*u*n*i*n*g~
2018年1月20日(土)CLUB CITTA’(川崎)
<セットリスト>
M.1 Fight on!
M.2 大スキ、スキ、大スキ、スキ、、、、、
M.3 go to Romance>>>>>
M.4 Precious☆Summer
M.5 Treasure
M.6 You are a star!
M.7 恋のprologue*
M.8 少女たちの微熱
M.9 羨望スターダム
M.10 1st Love Story
<アニソンスペシャルーチェメドレー>
M.11 ふ・れ・ん・ど・し・た・い(TVアニメ『がっこうぐらし!』OPテーマ)
M.12 GAMERS!(TVアニメ『ゲーマーズ!』OPテーマ) / 宇佐美幸乃、深沢紗希、板山紗織
M.13 God Knows…(TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』挿入歌) / 錦織めぐみ、桧垣果穂
M.14 16歳のアガペー(TVアニメ『Wake Up, Girls!』挿入歌)
M.15 正解はひとつ!じゃない!!(TVアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』OPテーマ)
M.16 ラブタイムソルジャー
M.17 Password
M.18 Let me cry
M.19 Twinkle “5”stars!!☆
M.20 ヒカリ
M.21 meteor bell
M.22 ポラリス
M.23 恋色(ハート)思考回路

En.1 Luce Luce Twinkle Wink☆
En.2 刹那ハレーション

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