さユり、TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』EDテーマ「月と花束」リリースインタビュー

TVアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のEDテーマ「ミカヅキ」で2015年8月にメジャー・デビューを果たした“酸欠少女”さユり。以降も数々のアニメ・タイアップ楽曲をリリースしてきた彼女の最新シングルが、現在放送中のTVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』のEDテーマとなっている「月と花束」だ。1月開催の“リスアニ!LIVE 2018”にも出演した彼女に最新シングルについて話を聞いた。発売中の「リスアニ!Vol.32」のインタビューと併せて、ぜひ読んでほしい。

光の向こうにある影とも向き合って、
これからは光を踏まえた曲も作っていきたい

――まずは2018年1月26日・27日・28日に日本武道館で行われた“リスアニ!LIVE 2018”についてお伺いさせてください。さユりさんは初出演でしたが、手ごたえはどうでした?

さユり とても楽しかったです。たぶん「初めまして」の方がほとんどだったと思いますが、あの場所で歌えて良かったなって思います。

――ワンマン・ライブとイベントでは、ステージに対する意識は違いますか?

さユり ワンマンとイベントの違いというよりも、毎回毎回、自分のなかで少しずつ変わっている感じですね。“リスアニ!LIVE”のときは、アニメのタイアップ曲を4曲(「それは小さな光のような」「月と花束」「平行線」「ミカヅキ」)歌わせてもらったのですが「アニメを通して聴いてもらえている」という安心感がありました。私と皆さんが同じものを思い描いているというか、アニメ作品の世界観を共有しながら歌えたので。

――2月28日にリリースされる6thシングル「月と花束」はアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』のEDテーマです。やはりアニメの世界観、ストーリーを意識した制作だったのでしょうか?

さユり そうですね。ストーリーのなかで描かれる必要とする者、必要とされる者の関係から生まれる光を描きたいと思って。サーヴァント、セイバーたちの姿勢にすごく惹かれる自分がいて、“どうしてこんなにも惹かれるんだろう?”というところから出来たのが「月と花束」だったんです。

――エンディングの映像とのマッチングも考えていました?

さユり そこまで意識はしていないですね。私はそんなに器用ではないので……。『Fate/EXTRA Last Encore』には“花”というテーマがあったし、物語の舞台が“月”なんです。“月”は私がデビュー以来ずっと大事にしているモチーフなので、そこが重なったことはうれしかったですね。

――なるほど。ちなみに1月31日の皆既月食は見ました?

さユり はい。ふだん、地球の位置なんて意識しないじゃないですか。でも皆既月食のときは「今、太陽と月と地球が一直線に並んでいるんだな」と思うし、みんなが月を見ているのも面白いなって。皆既月食そのものよりも、たくさんの人たちが同時に月を見ているという状況に興味があるのかもしれないです。

――シングルのカップリング曲についても聞かせてください。通常盤には「プルースト」が収録されていますね。

さユり 「プルースト」はシングル「フラレガイガール」(の初回生産限定盤A)に弾き語りバージョンを収録していて。今回はバンド・アレンジになってます。曲を作るときは“におい”を大事にしているんですけど、「プルースト」はまさに、においが記憶と結びついて出来た曲なんですよね。

――小説「失われた時を求めて」の“プルースト効果”ですね。

さユり そうですね。“解け出す 12月のあの匂い”という歌詞があるんですが、最初から冬の歌にしようと思っていたのではなくて、ギターを弾いていたときに冬のにおいがしてきて。そのときに感じた“痛み”を元にして作っていったんですよ。どうしてそうなるのかわからないけど、なぜか“痛み”が存在しているっていう……。その感覚を聴いてくれる人たちと共有できたらいいなと思います。

――そして初回生産限定盤には「平行線-弾き語りver,-」と「日向雨」を収録。

さユり シングルをリリースする際には、前回のシングル曲の弾き語りver.を収録するのが恒例になっているんです。「平行線」で歌っているメッセージは「月と花束」とも共通しているなと思うし、いつもアコギで曲を作っているので、その最初の状態を聴いてもらうことで、この曲の新しい可能性を感じてもらえたらなって。

――やはり“アコギと歌”というスタイルが基本なんですね。

さユり はい。でも最近はピアノで作ることもあるし、もしかしたらドラムの音から何かが浮かぶこともあるかもしれないと思っていて。そうやって少しずつ可能性を広げていきたいですね。

――「日向雨」はどんなモチーフから生まれた曲なんですか?

さユり 「日向雨」と(期間生産限定盤の収録曲)「レテ」は、「月と花束」が出来たあとに書いた曲なんです。「日向雨」では“本当に大事にしていることは、じつはわかりづらい”ということを歌詞に落とし込んでいて。例えば“楽しいときに笑う”って、すごくシンプルじゃないですか。でも、実は心のなかに寂しさを感じていることもあると思うんです。逆に“泣いてるけど楽しい”という状態とか。それを“晴れてるけど雨が降っている”という天気に例えて、内側にある感情を書き記したかったんですよね。

――アンビバレンツな感情を一曲のなかで描いている、と。

さユり そうですね。そういう感情の在り方って、日常生活のなかで話すとわかりづらいと思うんですよ。泣きながら“楽しい”って言っても、話がこんがらがるというか(笑)。でも、音楽のなかで表現すればスッと入ってくるんじゃないかなって。いろんな感情が優劣なく存在することで、その人の雰囲気になるというか。外側に出ている部分だけではなくて、内側にある感情もていねいに扱いたいんです。「日向雨」では“手紙をもらってうれしい。だから返事を出そうとするんだけど、どうしても出せない”ということを歌っていて。外から見ると手紙を出さなかっただけなんだけど、その内側にはいろいろな心の動きがあるっていう。それは取るに足らないようなことだけど、実はとても大切だと思うんですよね。

――「レテ」に関しては?

さユり 「月と花束」は“何かを選んだら、今まで持っていたものを失くすかもしれない。それでも進みたい”という意志を込めているんですが、「レテ」は“本当に失くしていいの?”と問いかけてるような曲なんです。ただ、どちらの曲も“自分で正しさを決める”ということは変わらないんですよね。“みんながこうだから”ではなくて、“自分自身の正しさってあるでしょ?”っていう。一度立ち止まって自分で考えることは、すごく大切なことだと思うので。

――さユりさん自身、自分と向き合い、自分で答えを出さないと進めないタイプなんでしょうね。

さユり そうしないと、すぐにわからなくなるんですよ。

――「月と花束」を作ったことで、次に進めるという実感を得られたのでは?

さユり 進み方が見えてきたところはあると思います。行きたい場所がどこかにあるわけではないんだけど、目の前の出来事、人に対峙しながら、一歩ずつ進みたいなって。曲を作る原動力も少しずつ変わってきてますね。ずっと悲しみを原動力にしていて、“独りぼっちで悲しいからこそ、誰かと繋がりたい”というところで作り続けていたんですが、そこで得た光を大切にしたいと思うようになって。光の向こうにある影とも向き合っていきたいし、光を踏まえた曲も作っていきたいので。そうやって模索しながら、これからも進んでいくんだと思います。

Interview & Text By 森 朋之


●リリース情報
6th シングル
「月と花束」
2018年2月28日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:BVCL-857~858
価格:¥1,574+税

<CD>
1. 月と花束
2. 平行線-弾き語りver,-
3. 日向雨

<DVD>
月と花束 MV(フルレングスver.)

※特典
・全面箔三方背BOX仕様
・酸欠少女キャラカード(3種の中から1種ランダム封入)

【期間生産限定盤(CD+DVD)】

品番:BVCL- 860~861
価格:¥1,481+税

<CD>
1. 月と花束
2. レテ
3. 月と花束-アニメ「Fate/EXTRA Last Encore」EDver.-

<DVD>
アニメ「Fate/EXTRA Last Encore」-ノンクレジットED映像-

※特典
・「Fate/EXTRA Last Encore」描き下ろしアニメジャケットデジパック仕様
・アニメ「Fate/EXTRA Last Encore」キャラカード2種封入

【通常盤(CD)】

品番:BVCL-859
価格:¥926+税

<CD>
1. 月と花束
2. プルースト

※特典(初回仕様限定)
・酸欠少女キャラカード(3種の中から1種ランダム封入)

©TYPE-MOON/Marvelous,Aniplex,Notes,SHAFT

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