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2018.01.27

『Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018』オフィシャルレポート

『Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018』オフィシャルレポート

関東地方が記録的大雪に見舞われた翌日、1月23日。前日の大荒れの天候が嘘のように澄み切った冬の青空が広がる中、デビュー日であるその日に、10周年を記念した1日限りの武道館公演『Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018』を開催した。

会場は限界まで客席を解放しており、そのすべてがファンで一杯だ。ファンの年齢層は幅広く、世代を超えてKalafinaが愛されているのがわかる。ステージセットはいたってシンプル。上手と下手それぞれの後ろに大きな2組のフラッグが交差した状態で立っており、オープニングSEと共に、そのフラッグが徐々に広がっていく。そこには刻み込んだような「Ⅹ」という文字が描かれていた。

幻想的なライトが降り注ぐなか、Wakana、Keiko、Hikaruがセンターに登場し、「ring your bell」が厳かに響き始める。ちょっぴり声音と表情に緊張の色を湛えながらも、3人はていねいにハーモニーを紡いでいく。ひとりひとりの声の輪郭が浮かび上がり、溶け合い、かと思えばふわりと離れたり、支え合ったり……歌が進むに連れてどんどん3人の表情が柔らかくなっていく。最後、Wakanaの高音が天まで届くかのように伸びる。Keikoが万感の想いを届けるように両手を大きく広げ、瞳を輝かせながら客席を見渡し、ゆっくりと頷いた。続く「未来」では、観客から手拍子が起こる。それに乗せて歌が躍動し、ライヴは熱を帯びていく。
「皆さんからリクエストいただいた大切な1曲1曲を心込めてお届けできる1日にしたいなと思っております。まずは少し懐かしい曲から。“lirica”」というKeikoの言葉を合図に照明がふっと落ち、KeikoとWakanaの2声ハーモニーが美しく、もの悲しく響き始めた。今回のライヴは、10周年という節目を共に作り上げたいというメンバーの想いから、ファン投票による演奏希望曲の上位楽曲で構成されている。届けられるのはすべてファンが想いを込めて選んだ曲というわけだ。

ギターの疾走感溢れるイントロが鳴った瞬間に拍子と歓声が上がった「sprinter」。圧巻の歌唱を轟かせるKalafinaに、思わず立ち上がって快哉を叫ぶファンの姿も多数見受けられた。

また、デビュー曲「oblivious」はグループ誕生のきっかけである『空の境界』の特別編集映像とのコラボレーションで届けられ、Kalafinaならではの演出に場内は大いに湧いていた。

梶浦音楽の特徴のひとつであるダークファンタジーの世界にどっぷりと浸れた「red moon」では声の持つ透明感と爆発するエモーションが絶妙なバランスを見せるHikaru、一言一言に魂を込め立体感のある低音を響かせるKeiko、天からの音楽のような神々しい高音を奏でるWakana……というひとりひとりの個性が迸る。3人の歌声が重層的に「red moon」というタペストリーを織り紡いでいるようだった。

この夜のライヴは、MCはいつもより格段に少なく、アンコールもない構成だった。「その時間もすべてみなさんと一緒に選んだ音楽を届ける時間にしたかった」と言うKeikoの言葉に、HikaruとWakanaが何度も深く頷く。
「10th Anniversary LIVE、最後の曲を。たくさんのみなさんが選んでくれた曲です」

「アレルヤ」のストリングスが静かに流れ始める。笑顔のKeikoが、芯の強さと穏やかな明るさを湛えた歌声で、ひとりひとりに手渡しをするようなていねいさをもって気持ちを届けてくれるのがわかる。
〈僕らは行く〉
〈小さな命を振り絞って〉
〈君の未来へ〉

ステージのフラッグが大きくはためいている。10年分の軌跡と成長、進化、ここから続く未来を祝福しているようだった。


●イベント情報
SPICE(powered by e+) presents Songful days ―次元ヲ紡グ歌ノ記憶―
3月3日(土)@両国国技館
Toyosu Music Collaboration ~チームスマイル東日本大震災復興支援LIVE~
3月11日(日)@豊洲PIT

●作品情報
Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~
3月30日(金)より2週間限定公開

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