リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2017.12.20

『ファフナー』『K』の今後を示すイメージソングから、自身の節目になる曲まで バラエティ豊かな9thアルバム『Beyond』リリース記念angelaインタビュー

『ファフナー』『K』の今後を示すイメージソングから、自身の節目になる曲まで バラエティ豊かな9thアルバム『Beyond』リリース記念angelaインタビュー

――『ファフナー』のイメージソングの「Prologue-君の向こう側-」はいかがでしょうか?

atsuko なんと言えばいいんでしょう……。『ファフナー』は私たちangelaがangelaであるも原点みたいな作品です。これも後でプロデューサーから聞いたんですけれども、私たちがファフナーのイメージソングを書いたと発表したときに『ファフナー』のファンは「angelaは『K』で忙しいと思っていたけれど、『ファフナー』のことを忘れていなかった」と(笑)。忘れるわけないでしょ(笑)。『ファフナー』はこれまで何度もこれで最後だと思って作って、それでも終わらなかったので(笑)、心の片隅に絶対次の『ファフナー』の曲を作らなきゃというのはずっとありました。もう腹はくくっています(笑)。そしてangelaのアルバムにイメージソングを入れると言っただけでファンの方がこんなに喜んでくれるということには嬉しさとともにプレッシャーも感じています。この曲を書いた時には『蒼穹のファフナー THE BEYOND』については私たちも全貌をまだ知らなくて、内容的には抽象的だし不安な言葉がたくさん入っているんですよ。それはプロデューサーからそういう内容だと聞いたので、その言葉遣いをしたのですが、ファンの方の想像がそれを上回っていることもこれまで度々あって、私たち自身もそれを読むことで気付かされることもあります。本当に不思議な存在ですね。冲方さんら作品を作っている方たちからは、私たちが綴った歌詞やメロディーから刺激を受けているというお言葉をいただいたこともあり、それは嬉しさとともに制作者たちと同じ方向を見て歩けているんだなとも思いました。

KATSU 今回アルバムのタイトルが『Beyond』になったのも、『蒼穹のファフナー THE BEYOND』だからなんですね。アルバムの中でいちばん気を遣う曲だし、今atsukoさんが言ったように、作った曲が作品のストーリーを左右する可能性があるという点で他のアニソンと違います。第1作の主題歌の「Shangri-La」を作ったときも、原作と実際にオンエアされたものは結構違っていて、そこはangelaの曲によって左右された部分があると伺いました。僕らは作品からインスパイアされて曲を作って、制作スタッフさんは曲から受けてと、お互いにそういう関係になれるのはアニメならではだなと思いますしプレッシャーです。この曲は『ファフナー』のファンに向けた曲ですが、その人たちが聞いたらドキッとしてしまうような歌詞をここで一瞬表現しています。『K』と同じく『蒼穹のファフナー THE BEYOND』を纏おうとするイメージソングですね。ファンの人においては心して聞いて欲しいと思います。そういう意味でこの曲は今回のアルバムの中で僕の中でいちばん大変だった。

――時間がかかりますか。

KATSU めっちゃ時間がかかりますね。ファフナーは他の曲に比べると。神経質になりますね。

atsuko KATSUさんがアレンジを2パターン出してきて「どっちがいい?」と聞いてくるのですが、「ん?一緒じゃない?」というくらい目立たない音が入っていて、それは作った本人じゃないとわからないくらい。でも同じ曲を別のアレンジャーさんにお願いしても絶対にこうはならないと思うんですよ。そういう意味でこのこだわりがKATSUさんでありangelaを作っていくのかなと思います。

――atsukoさんは今回の曲を歌うときはどういう心の持って行き方をされましたか?

atsuko 今回はわりと俯瞰の目線ですね。ちょっと輪の外からという部分もあったので、この曲の場合感情を入れすぎない部分も大事なのかなと思います。以前、仕事でボーカロイドの曲のカバーをすることがあったんです。息継ぎするところがないとか、すごく高い音を歌うのは大変だったのですが、何度も聴いているうちになぜボーカロイドがここまで支持され、文化を作っていったのかに気付きました。つまり感情がない機械の声で淡々とうたうことで、今日は良い気分だとか、今日は落ち込んでいるとか、その日の自分を投影して自分色で聴こえるんです。私はどちらかと言うと感情を入れて歌うタイプの歌手ではあるのですが、曲によってはそれを入れすぎないということも大事なんだなと思いました。その意味でこの「Prologue-君の向こう側-」は俯瞰して一歩引いたところから歌うようにしてレコーディングに臨みました。

――アルバムの最後を飾る「LOVE★CIRCUS」はビッグバンドで雰囲気のある楽曲です。

KATSU 毎年12月末になると「大サーカス」という大きなライブをやっているのですが、武道館を経てこれから先、毎年そのときに歌う曲があってもいいんじゃないかなと思って作った曲です。その制作のさなか、9月に大サーカスに毎年参加してくれているクラウン(ピエロ)のひとりが亡くなってしまったんです。

atsuko ダイアナさんという、10数年クラウンを勤めてくれた方です。道化のメイクをしているし、動きもコミカルだし少女のようだしで年を取らないイメージなんですよね。そんな方がお亡くなりになったことはとてもショックでした。年に一度しか会えない時もあったけれども、共に火花のように散ってライブを盛り上げてくれた。歌詞には「そうねダイアナ」と入れていて、そういう思いを描きたいなと思って。何せ曲調が憂いをはらんでいるし、大人っぽいブラスのアレンジがあったので、そこと歌詞をどう融合させるかには悩みました。

――歌うときの思いはいかがでしたか?

atsuko スウィングしているので乗りやすいですし、こういう曲調は私の声質にはすごく合っているんですよ。なのでレコーディングはすごく順調にできました。ただ、歌詞にダイアナの名前が入っているので、歌うとどうしても思い出しますし、そういう意味で決して忘れることのない存在になりました。もしかしたら自己満足かもしれないし、それを本人に確かめようがないのは寂しいところですが、自分の心の落ち着かせどころだったのかなという思いはあります。

――1月から3年ぶりとなる全国ツアーが始まりますが、このアルバムを引っさげてというところで思うことありますか?

KATSU 『ファフナー』や『K』のファンは全国各地にいるので、今までテレビとかアニソンのフェスでしかangelaのことを見たことがない人も、ぜひ生で近くでこれらの曲を聴いてもらいたいなと思いますね。

atsuko バラエティ豊かなアルバムを引っさげてのツアーですので、バラエティ豊かなライブになると思います。なかには『BLAME!』主題歌の「Calling you」のように、なかなかライブで表現することがないだろう曲もあり、それをどう表現しようかと考えています。真冬のツアーなのに「全力☆Summer!」があったりと、相変わらずのむちゃくちゃ感だなと思っているんですけれど(笑)。それも含め、ファンの方が「何を出してもangelaだよね」と受け止めてくださるので、大きな懐に飛び込むつもりで歌って行きたいなと思います。これはangelaの永遠のテーマでいつも口にしていることですが、楽曲は同じでもその場所場所によって、入り方が違ったり振り付け練習の仕方を変えたりと、初めて来る方にも優しく、そしていつも来てくれる方にも新鮮な受け止め方をしてもらえるライブにしたいなと思っていますので、ぜひいらしていただければと思います。

 Interview&Text By 日詰明嘉


●リリース情報
angela 9thアルバム
『Beyond』
12月20日発売

【初回限定生産盤】

品番:KICS-93658
価格:¥3,600+税

【通常盤】

品番:KICS-3658
価格:¥3,000+税

<CD>
1.僕は僕であって(TVシリーズ「亜人」第2クール前期OPテーマ)
2.全力☆Summer!(TVアニメ「アホガール」OPテーマ)
3.Dream on
4.Prologue -君の向こう側-(「蒼穹のファフナー THE BEYOND」イメージソング) ★新曲
5.語り継がれしもの(「Excellent Japan 日本列島再発見」楽曲)
6.あの夏空(「Excellent Japan 日本列島再発見」楽曲)
7.SEVEN STORIES(劇場アニメ「K SEVEN STORIES」イメージソング) ★新曲
8.Beautiful day ★新曲
9.道しるべ(ラジオ「angelaのsparking!talking!show!」新エンディング曲) ★新曲
10.Calling you(劇場アニメ「BLAME!」主題歌)
11.LOVE★CIRCUS ★新曲

<Blu-ray>
・「angela 全力☆Live!2017」ツアー密着メイキング
・「此処に居るよ」武道館LIVE用特別映像

●ライブ情報
“angela Live Tour 2018「Beyond」”
チケット一般発売中

1月13日(土) 愛知・ボトムライン
17:00 開場/18:00 開演
1月20日(土) 広島・クラブクアトロ
17:00 開場/18:00 開演
1月21日(日) 大阪・なんばHatch
17:00 開場/18:00 開演
2月10日(土) 熊本・熊本B.9 V1
17:00 開場/18:00 開演
2月11日(日) 福岡・DRUM LOGOS
16:00 開場/17:00 開演
2月23日(金) 東京・EX THEATER ROPPONGI
18:00 開場/19:00 開演
2月24日(土) 東京・EX THEATER ROPPONGI
15:00 開場/16:00 開演

チケット料金:
オールスタンディング 6,480円(税込)
大阪公演2F指定/東京公演スタンド指定 7,020円(税込)

枚数制限:
全会場スタンディング 1公演につきお一人様4枚まで
大阪公演2F指定/東京公演スタンド指定 1公演につきお一人様2枚まで

※席種をまたいでのお申込みはできません。
※ドリンク代別途500円必要
※3歳以上有料
※整理番号付き
※女性専用エリアあり
※車椅子エリアは会場の都合により、見えづらい場合がございます。

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP