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INTERVIEW

2017.12.18

TVアニメ『3月のライオン』川本ひなた役・花澤香菜インタビュー

すごく自然にセリフが出てくる感覚がありました

──ほかに印象深いシーンを挙げるとすると?

花澤 ひなちゃんが初めて全編ナレーションを担当する回で、私はリハーサルのとき、モノローグのように話したんです。ひなちゃんの状況と合わさるような切ない感じで。でも、「もうちょっとフラットにやってください」と言われました。それでオンエアで完成した映像を見観たときに思ったんですけどら、絵が「ひなちゃん頑張れ!」っていうような、あったかい何かが集まっているような雰囲気になっていて。そこでもジーンと来ちゃったんですけど、そういう絵と合わさるからフラットなお芝居を求められたんだなと改めて発見がありました。

──オンエアを見て驚きを感じる、ということはほかにもあったんでしょうか?

花澤 第2シリーズ4話の後半で泣きながら食べてるシーンの動画は素晴らしすぎましたね。セリフはないシーンなんですけど、「こういう風に表現されるとよりグッと来ちゃうじゃないか……」って思いながら見ていました。あと、客観的に見ると、ひなちゃんと零ちゃんの関係、ひなちゃんと高橋(勇介)くんの関係が、いじめがあったことによって変わっていく、というところにも気が付きました。ひなちゃんと高橋くんの関係性も、第1シリーズはちょっと初々しい感じで、高橋くんはひなちゃんのことをあまり意識してはいない。でも、味方がいるってことを(周囲に)示したほうがいいと言ってくれて。

──ひなたを連れ出してキャッチボールをしました。

花澤 あそこで一気にホーム感が出ましたね。ここはここでまた絆がきちんと育まれていくんだろうなぁ、って感じました。

──仰るように、第2シリーズではひなたと零の関係性も変化していきますが、ひなたから見て、アニメならではの零を感じた、という部分があれば教えてもらえますか?

花澤 アニメの零ちゃんで好きなのは笑い声ですね。漫画を読んでいるときは自分の中で想像しているじゃないですか。でもんですけど、その想像以上に、「あ、零ちゃんってこういうふうに笑うんだ!」ってしっくりきた感じがありました。零ちゃんが生き生きとしている姿を河西(健吾)君の声で演じられるとこっちまでうれしくなってきて……。そういう力を持ってらっしゃいますよね。零ちゃんもこういうふうに感情を出すようになったんだなぁ、ってといううれしさもあるし、繊細に表現されている声を聞いてまたうれしくなる、という感じです。

──では、ひなたの気持ちとシンクロさせやすかった?

花澤 そうですね。零ちゃんが少しずつくだけてくれるので、ひなちゃんも安心できていると思います。将棋を指しながら零ちゃんに自分の気持ちを吐露していくシーンでもすごく自然に言葉が出てくる感覚がありました。河西君が……、じゃない(笑)、河西君の演じている零ちゃんが心を開いて受け止めてくれる、ってというのが分かるからなのかな、と思いました。

──ちなみに、これをしないと落ち着かないという人は勝負の世界では多いと思います。花澤さんにはそういったルーティーンみたいなのはありますか?

花澤 ルーティーンはあんまりないかもしれません。でも現場で、「あ、今日はなんか集中力散漫」ってときはトイレに駆け込んでバシバシって顔を叩いています(笑)。お相撲さんみたいな感じで。

──え、気合い注入ということですか?トイレに入ってきた人には聞こえてそうですね。

花澤 そう。パシーンパシーンって聞こえていると思います(笑)。

──で、ブースに戻った花澤さんの頬がうっすらと赤くなってるという……。

花澤 そうです。そういうときはきっと気持ちを入れ直したんだな、と思ってもらえたらと(笑)。

──げん担ぎみたいなこともしませんか?

花澤 そうですね……。でも、『3月のライオン』のスタジオオーディションは、岡山でのお仕事から帰ってきてそのままオーディションに向かう、というスケジュールだったんです。で、岡山できびだんごと、招き猫美術館でちっちゃい招き猫を買ってきましたいました。(『3月のライオン』には)猫がいっぱい出てくるじゃないですかので(笑)。それもあって、「これはお守りにしていける」と思い、携えていったんです。そういう縁起担ぎみたいなことはありました。ちょうど(川本モモ役の)久野美咲ちゃんも同じ時間にオーディションへ来ていて。「きびだんごいるかい?私の犬になるかい?」って言ったら、「ワン!なるー!」って(笑)。美咲ちゃんは、もらったきびだんごを持ってブースの中に入ったらお守りみたいで心強かった、と言ってくれました。

──最後に、ここまで演じてくる中で気づいた、ひなたと作品の魅力について教えていただけますか?

花澤 ひなちゃんはオーディションで演じたときよりも「強いな」と感じています。大人かと思うくらい気を遣うことができるところとか、怒りのエネルギーとか。いじめを受けているシーンを演じると、「ここでポッキリ心が折れないんだ。本当にすごいなぁ」ってと思いながら見ています。心が折れないってということは、優しいだけではなくて怒りがあるからなんでしょうね。作品の魅力については……、もう本当に誰に薦めても「いい!」って言ってもらえるんです。間口が広い。にもかかわらず、いろんなところに「ぶっ刺さってくる」というか、心の奥底にある感情が動かされるので、やっぱりすごい作品だと思います。特に、第2シリーズの感想を聞いていると、どこか自分に思い当たるところがあったり、今まさにそう(いう状況)であったり、いろんな人の共感を呼んでいるのがわかります。しかもだからこそ、応援したくもなるし、パワーもみなぎってくるし。あらためて、(作品に)関わることができて幸せだなぁと思っています。

 Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)


●作品情報
TVアニメ『3月のライオン』
毎週(土)23:00よりNHK総合テレビにて放送中
※放送日時は変更となる場合がございます。

【スタッフ】
原作:羽海野チカ(白泉社 ヤングアニマル連載)
監督:新房昭之
キャラクターデザイン:杉山延寛
美術設定:名倉靖博
美術監督:田村せいき
音響監督:亀山俊樹
音楽:橋本由香利
アニメーション制作:シャフト
製作:「3月のライオン」アニメ製作委員会

【キャスト】
桐山零:河西健吾
川本あかり:茅野愛衣
川本ひなた:花澤香菜
川本モモ:久野美咲
二海堂晴信:岡本信彦
幸田香子:井上麻里奈
高橋勇介:細谷佳正
島田開:三木眞一郎
三角龍雪:杉田智和
松本一砂:木村 昴
川本相米二:千葉 繁
幸田柾近:大川 透
林田高志:櫻井孝宏
宗谷冬司:石田 彰
神宮寺崇徳:玄田哲章
横溝億泰:阪口大助
辻井武史:中村悠一
後藤正宗:東地宏樹
藤本雷堂:大塚明夫 ほか

©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

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