INTERVIEW
2017.09.12
――という感じで東京の地下街を巡って、地上へ出て丸ビルを撮りましたね。超アオリ角度だったのでカメラマンさんは焼き土下座みたいな姿勢になってましたが……。
藤村 本気を見ましたね……。
北川 今日めちゃくちゃ天気良くて、アスファルトもだいぶ熱くなってるのにそこに地肌をつけながら。
――「大丈夫です!この角度なら収まります!」って言いながら。
北川 通りがかりの人たちがギョッとしてたけど(笑)。
藤村 私もあの後、地面に座って撮影したんですけど、洋服越しでもめっちゃ熱かったですよ。
――はい、東京駅の前から皇居に繋がる行幸通りという大通りがありまして、そこで撮影したのですが……。
北川 そう、すごいきれいだった。
藤村 遊び放題でしたね。
北川 撮ってるうちにだんだん楽しくなってきて、手のひらの上に座ってる感じの写真とかも撮ってね。
藤村 遠近法使っていろいろ試しましたね。
――びっくりするぐらい上手いこと撮れてましたね。
北川 藤村は昔、皇居の方まで自転車で来たことあるんだって?
藤村 そうなんですよ。上京したての頃に暇だったので、自転車でどこまで行けるか試してみようと思って。折り畳み自転車なうえに、東京の土地勘とか全然なかったんですけど(笑)。
北川 じゃあもう思うままに。
藤村 4時間ぐらいずーっと走ってたら皇居の前に着いて。素敵な所だなーって思ったあとに、また同じ距離を帰るのかーって愕然としました。
北川 帰れたんだ(笑)。
藤村 無事帰れました。
――超ロングライドじゃないですか。
北川 それって、方向とか何も決めないで大きい道を走ってたの?
藤村 そうです。道路標識を見ながら、新宿って聞いたことある町だから行ってみよう!みたいな。確か銀座も通りました。
――皇居って縦断ができないのでぐるーっと迂回するじゃないですか。めちゃくちゃな距離を走りましたね。
北川 だいぶ暇な人だな(笑)。
――当時から皇居の周りってランナーの人とか多かったですか?
藤村 結構いましたよ。でも私が皇居という場所をちゃんと認識してなかったので、「なんかみんな走ってるけど、ここはどういう場所なんだろう?」とか不思議に思ってました(笑)。
北川 運動公園みたいな場所だと思ってたのか。
藤村 芝生があって、休憩してる人もいたので、私も持ってきた本とか読みながら休んで「そろそろ帰るかー」って優雅な一日を過ごしてました。
――完全に皇居ランーの一日ですね。
北川 自転車を折り畳んで電車で帰ろうとは思わなかったんだ。
藤村 当時は東京を知ろうっていう目的だったので、自転車で走ることにこだわりたかったんだと思います。
北川 そういうのいいよね。普段電車で移動してる区間をバスとか車で移動した時ですら「この駅とこの駅ってこんな近かったんだ!」とか「この道とあの道ってここで繋がってるんだ!」ってびっくりするし。
――北川さんは前回(恵比寿篇)の恵比寿神社付近がまさにそんな感じでしたね。
北川 そうそう!未だに車で移動してて、知らない道が急に知ってる道になる瞬間ってあるからね。普段そんなに道を覚えないからさ、気づくときも急なんだよね。
藤村 いろいろ知った今こそ、もう一回そういう体験すると面白そうですよね。
北川 知らない道ってまだいっぱいあるなぁー。
――ボーダーズで歩いてるときですらありますよね。
北川 ボーダーズはそもそも知らない場所とか、こんな機会でもなかったら絶対行ってない場所に行くからなぁ(笑)。東京って広いし知らない場所だらけだよ。
――しかも「ロケ地は山手線沿線」というルールがある状態ですからね。きっとこのルールを外したらもう我々にとっては未知の別世界へ踏み込む感じになりますよ。
北川 全然知らないよね、不思議だよね。
――しかも今回の東京駅で15駅目ということで、やっと山手線の半分を過ぎたところなんですよ(笑)。
北川 果てしなさすぎる。
藤村 シーズン2が始まってどれぐらい経ちましたっけ?
――2016年の1月に始まったので、約1年半ぐらいは経ちましたね。
北川 まだまだいっぱい知れることはあるな。
藤村 楽しみだなぁ。
――今日ほど暑いとロケも過酷なので、もうちょっと過ごしやすくなってくれるとありがたいんですけどね……。
北川 巣鴨のときとかの、結構歩く回も好きなんだよね。
藤村 暑くなければやりたいですね。あと雨じゃなければ(笑)。
北川 天気がよくて暑くなければ歩くのやりたいな。
――涼しくなってきたタイミングで狙ってみましょうか。
北川 全く知らないお寺を廻ったりするのも、なんかいいよね。そこで知った情報をぼんやりと人に伝えるのも楽しい。「目黒不動って黒だけじゃないんだよ。知ってた?」「へえー、他はどこなの?」「わかんない!」みたいなやりとりをして終わるっていう(笑)。
藤村 ライブのリハかどこかで実際にやってましたよね。詳しくはボーダーズを読んでください!っていう。
北川 それぐらいのゆるさでやっていきたい。
――では今回の選曲を聴いていきましょうか。
北川 どうぞ!
藤村 あっ、はい(笑)。この曲はもうタイトルを見てもらえば一発で伝わると思うんですが……。
★藤村’s Select
「東京」きのこ帝国
北川 新しい曲?
藤村 新しいものではないですね。歌詞に「日々あなたの帰りを待つ ただそれだけでいいと思えた」ってあって、最初聴いたときは感覚的に全然わからなかったんですよ。でも東京駅とは離れちゃうんですが、最近先輩と後輩と一緒にご飯を食べる会を先輩の家でやって、私が仕事があって少し遅れて合流したんです。そしたらもう3人ぐらい集まってて、みんなが料理しながら「おかえりー!」って言ってくれて、その光景を見た瞬間にこの曲の歌詞が浮かんできて、「そうか、私は迎えたいんじゃなくて迎えられたい派だったんだ!」ってわかって。
――今日びそこまで迎えられることって珍しいですよね。
藤村 そうなんですよ。ひとり暮らしの身に、「おかえり」のありがたさと、帰ってきたらご飯を作ってくれる誰かがいるありがたさと、誰かと一緒にご飯を食べられるありがたさが一気にきて、これだわ!と(笑)。私はどっちかといえば外から帰ってくる側だわって思いました。
――「私にとっての東京とはこれだ!」と(笑)。
藤村 そうですね。私はこの曲が入っている「フェイクワールドワンダーランド」っていうアルバムが全体的に好きなんです、幸せの形がいっぱいつまっている感じで。
――実は僕はきのこ帝国自体を知らなかったのですが、バンドなんですか?
藤村 バンドです。私も実はしっかり聴き始めたのは最近なんです。
北川 女の子がボーカルだよね?
藤村 そうですそうです。
北川 俺もたぶんCD持ってるわ。
――活動歴はどれぐらいなんですか?
藤村 2012年ぐらいからだったと思います。これが2014年のアルバムで、このすぐ後にメジャーデビューしたばっかりという感じで。
――なるほど。
藤村 私は誰かの帰りを待つだけでいいと思える日がくるのか!?って自問自答し続けて、つい最近「迎えられる側だったわ!」っていう発見をしたっていう。
――この曲があったからこその発見ですね。
藤村 その通りです。ありがとうきのこ帝国。
北川 思い出した、「猫とアレルギー」っていう曲を聴いたことある。何枚かアルバムを持ってて、すごく好きな曲が何曲かあるんだよ。
藤村 どんな曲ですか?
北川 それを思い出そうとしてて、国道なんとかっていう曲だったと思うんだけど、どのアルバムだったっけな……。
――調べたらインディーズの1stアルバムに「国道スロープ」という曲が入ってるんですが、それですか?
北川 それかな……ギターがガシャーンって感じで鳴っててかっこ良かった記憶があるんだけど……。あとたぶん一番新しいアルバムだと思うんだけど、「愛のゆくえ」っていうやつもすごく良かった。
藤村 すごい……北川さんが調べ物をするぐらい食いついてる……。
北川 ほんとだね。珍しく知ってたな。
――僕も聴いてみます。さあ、では北川さんの選曲は、今月はどの曲でしょう?
★北川’s Select
「ねぇ、話をしよう」安野希世乃
藤村 いいっすね……。
―――これは良い曲ですね。では北川さん、これはなんという曲でしょうか?
北川 発売中の安野希世乃さんのデビューアルバム「涙。」から「ねぇ、話をしよう」という曲です。『マクロスΔ』のワルキューレのメンバーが続々とソロデビューしてて、安野さんも誕生日に試聴会イベントをやったりしてたのかな。タイトルの通り「涙」っていうテーマがあって、マクロスのキャラクターを思わせる音もちょっぴり入ってたりとか、本人がやりたいことを入れたりとか、歌詞も書いてみたいということで、じゃあ一緒にやってみようと。歌詞を書いてもらって、そこに曲を書いてっていう感じで。
――お、歌詞が先ということですか?
北川 そうだね。キーワードみたいなものをいっぱい集めて書いてもらって、それを受けて曲を書いて、それに乗っけてまた詞を書いてもらってという形で進めました。
――安野さんは僕も元から知っていて、歌も達者な方だとは認識していたのですが、ソロデビューが報じられて、発表された制作陣に北川さんがいて驚いたんですよ。
北川 最初に発表されたときはなぜか僕がシークレット扱いになってて(笑)、第2次か第3次発表で公開されたんだったかな……。絶賛発売中なのでよろしくお願いします!
――念のためにお聞きしておきますが、東京駅との関係は。
北川 ……ないですね。
藤村 もう繋げる努力もないのか(笑)。
――他にアピールがあれば書いておきますよ。
北川 良い曲なのでぜひ聴いてください!
藤村 以上、今月の北川さんワークスコーナーでした!
――というところで、おふたりの東京駅での選曲を聴いてまいりました。では次回の駅を決めましょうか。じゃあ北川さんお願いします。
北川 はーい。
――サイコロの結果は「17」が出たので……次回は「御徒町」ですね。
北川 御徒町っていえばアメ横のイメージだな。
――そうですね。実は上野駅で降りるよりも近いという駅だったりします。
藤村 へぇーそうなんだ。
北川 僕もアメ横行く時はよく御徒町駅で降りてた。最近は全然行ってないなぁ。
藤村 叩き売りとか今もやってるんですかね?
北川 やってるんじゃないかな?1000円の商品がいきなり半額になったりするやつ。
――みるみるうちにおまけが積み上がっていくあの感じ。
北川 でもあれで買ったことないんだよな……。
――時期的にも暑さが和らいでる頃だと思うので、散歩日和になればいいですね。といったところで、次回をお楽しみに!
Interview&Text By 市川太一(クリエンタ/学園祭学園)
Photography By 山本哲也
●今回のSelect Song
★北川’s Select
「ねぇ、話をしよう」安野希世乃
安野希世乃 1st ミニアルバム
『涙。』発売中
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:VTZL-127 価格:¥3,400+税
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-60451 価格:¥2,400+税
★藤村’s Select
「東京」きのこ帝国
●リリース情報
ROUND TABLE feat.Dan
「Lose Your Way」
配信中
【iTunes】
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