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REPORT

2017.05.30

驚きとともに感じさせた6人の可能性は、まだまだ無限大!“i☆Ris 3rd Tour ~Fan+6=∞~”東京公演レポート!

驚きとともに感じさせた6人の可能性は、まだまだ無限大!“i☆Ris 3rd Tour ~Fan+6=∞~”東京公演レポート!

5月21日、i☆Risが“i☆Ris 3rd Tour ~Fan+6=∞~”の東京公演を中野サンプラザにて開催。それぞれ内容をガラリと変えた昼夜2公演両方において安定のパフォーマンスをみせるとともに、特大サプライズで私たちを驚かせてもくれた。
なお、現在ツアー中ということもありセットリストは部分解禁。そのため本稿では、昼夜両部のハイライトをそれぞれお届けしていく。

ツアーも折り返し!よりエネルギッシュさを増すパフォーマンス

昼夜ともにメンバーによる影ナレが場内を温め、開演の時を迎えた中野サンプラザ。そんな会場にさらに熱を帯びさせようと、冒頭から全開で盛り上げにかかる。
昼の部で序盤のカギになったのは、キラーチューン「Make it!」。楽曲自体の持つ勢いに、イントロでの茜屋日海夏による煽りがブーストをかける。それを嚆矢に、ステージ上で各メンバーも躍動。一つひとつの動作をより大きくみせるものになっていた若井友希のダンスも見どころだったし、1サビ冒頭の一斉に飛び出すポイントでの、山北早紀のジャンプの高さも目を引く。そのサビの終盤での、かわいさにじむ久保田未夢の脚運びも、自然に目が行ってしまうものだ。2コーラス目に入ると、Aメロでペアになったメンバーとアドリブでじゃれ合う澁谷梓希など、それぞれの“らしさ”もどんどん見えてくる。その澁谷が間奏でステージ上をぱーっと走り回ったかと思えば、ラスサビでは芹澤 優が気持ちを爆発させたかのようなハイジャンプ。視覚の面からも観客を盛り上げていった。

一方、夜の部でそのポジションにあたったのは、ライブ鉄板曲「Happy New World☆」だろう。リリイベからワンマンに至るまで、観客のボルテージを一発で上げてきたこの曲は、この日もその役割をまっとう。澁谷がパフォーマンスに織り込む場内への煽りも、さらにその色合いを濃くさせていく。

冒頭のブロックを終えてのMC、昼の部では山北がこの公演が5都市目・9公演目とちょうど折り返しにあたることに触れ、「ツアーの前半を締めくくる、大事なライブです! テンションテンアゲでお願いします!」と呼びかける。
その呼びかけ通り思いっきり盛り上がるしかないのが、昼夜ともにMC明けを飾った最新曲、「DIVE TO LIVE」。曲頭でビシっとポーズを決める6人は、本格的にイントロが始まってからはもうノンストップ。激しく激しくステージ上を乱舞する。この曲でも絶好調さを感じさせたのが山北。引き続きダンスにはいつも以上の軽快さがあり、前述のようにジャンプの打点も高い。また、ときとして荒っぽい歌声にいてほしいこの曲では、ここまでとはまったく違う粗さを持った茜屋の歌声が利いてくる。逆に、要所要所でよりかわいさベクトルに特化させた久保田の歌声は、そういった楽曲の中において際立ち、ただ勢いだけの曲に聴かせないいいアクセントとして機能していた。

POLKA DOTS、衝撃の初降臨!

さて、事前にアナウンスされていた通り、今回は公演ごとの内容の違いはもちろん昼夜両方来てもどちらも楽しめるようにガラッと構成の変わるツアー。もちろん東京公演も例に漏れず、中盤以降特にその色合いを強めていく。
昼の部における中盤のトピックスは、シークレットだったPOLKA DOTSの初ステージだろう。ステージが明転し、ふたりが照明に照らされた瞬間の「皆さん、POLKA DOTSです! 盛り上がっていきましょう!」と茜屋からの名乗りに会場からは大歓声が上がる。まずふたりが記念すべき第一歩を踏んだのは、PIANO ver.が『劇場版 トリニティセブン -悠久図書館と錬金術少女-』の挿入歌に起用されている「LOST DAYS」。ツアー中の他公演で茜屋がソロで披露することもあったこの曲は、このときようやく真の意味で“POLKA DOTSの楽曲”として完成した。気持ちよさそうに歌声を響かせる茜屋と楽しそうにピアノを奏でながら歌うタカオの姿を見ると、本当に巡り会ってよかったふたりだと思うし、互いの長所がピタッと噛み合う抜群の声の相性の良さを感じると、出会うべくして出会ったふたりでもあると感じる。それほどの幸運な出会いから、このユニットは生まれたのだ。

曲明け、ふたり揃って「はじめまして!POLKA DOTSです!」と改めて名乗ると、「まさか参戦させてもらえるなんて!」とタカオがゲスト出演できた喜びを語ると、さらにもう1曲、『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』の主題歌「WHAT YOU ARE」も続けて披露する。頭サビ明けの少々ロッキンに跳ねるように弾かれたタカオのビアノが楽曲に勢いを与え、メインボーカルを執る茜屋のまっすぐで爽やかな歌声が、その勢いとマッチ。加えて落ちサビでの向き合って歌唱する姿もこの曲の主題にふさわしく、サウンドだけではなくステージ上でのあり方でも楽曲を表現しきる。そして歌いきったふたりは、最後にハグを交わして一緒にステージを降りていった。

ちなみに、のちのMCパートでもタカオは再登場。衣装替えのため降壇中だった芹澤にかわっての“新メンバー”として扱われると、久保田からの「やっぱ、i☆Risのブルーを背負っていただくなら……」とのアシストを受けて、その芹澤の自己紹介を「いつでもー、みんなをー、あいらぶユキちゃーん!」とモジって披露。観客もそこに大きなコールを乗せていたが、タカオ自身は「すいません、私、ゆうちゃんのこと大好きなんで……!」と恐縮していたのだった。

夜の部では、うって変わってその中盤にはアルバム収録のユニット曲や隠れた名曲が勢揃い。茜屋・久保田・澁谷の3人による「Secret Garden」は、ステージ奥のセット内ミニステージでスタート。トライアングル状にフォーメーションを取った3人が、その狭いスペースで次々とポジションを入れ替えていくさまは実に見事。少々ラテンの色合いも感じさせるこの曲において、それぞれがソロパートでの歌声に艶っぽさを表現。ここでは特に、澁谷の没入ぶりはピカイチだった。

また、それに続いた若井のソロ曲「My Bright…」では、真っ赤に染まった客席に対して若井が全力で歌声をぶつける。とはいえ、ただ闇雲にガシガシ攻め込んでいったわけではなく、Aメロ後半のコール部を抜けたところで不意に思いっきり抜き気味の歌声を投入したり、緩急つけてより聴き手を引きつける。一方、モニタースピーカーに片足をかけて歌ったり、間奏で「まだ足りない!」と観客のコールを煽ったりと強くロックさが表れる場面もあり、2サビを歌いきった直後に膝から崩れ落ちて「東京ー!!」とシャウトするさまはその極み。MCなどで見せる姿とのギャップ含め、鮮烈な印象を観たものすべてに残していったのだった。

念願の“凱旋公演”は、もちろん笑顔全開!

さて、この東京公演が持つもうひとつの特別な側面についても、忘れずしっかり観ておくべきだろう。それは、芹澤優の凱旋公演という面である。過去2年間のツアーではいずれも東京公演がファイナルとなり、そこには東京出身である芹澤の“凱旋感”はなかった。しかし今年のツアーでは、東京公演がちょうど中間点。ほかのメンバー同様の凱旋公演を行える土壌が、初めて整ったのだ。

しかもそれを、昼夜違った内容でぶち込んでくるのが彼女の凄さである。まず昼の部では、自身のデビューアルバム『YOU&YOU』のリード曲「Voice for YOU!」で「(メンバーソロパートの)トリはセリコでーす!」とステージに登場した。頭サビを歌い終えての表情は、サビの歌詞そのまんまに“うれしくって弾けそう”なもの。Dメロのコール・アンド・レスポンス部分ではイヤモニを外して返ってくる声を受け止め、「だいすきー!!」とシャウトを響かせたところで、同様の感情の発露が感じられた。さらに続けて、「かわいくてかわいくて、キュンキュンって感じの曲」と紹介した「Kiss! Kiss! Kiss!」を本邦初披露。たしかにミドルテンポのかわいらしい曲で、そこに乗せた彼女の歌声もソロならではの愛らしさを持ってるのだが、その割に頭サビから思いの振付が細かい。しかも間奏ではそこにしなやかさもプラス。華麗なスピンを幾度も交えた見せ場の多いものにとなっており、これからファンとのやり取り含めてどう育っていくのかも楽しみにさせられた。

そして夜の部で彼女の凱旋を感じさせたのが、「§Rainbow」。実は今回のツアーでは、これまで披露されてこなかったこの曲。満を持しての3rd Tourでの初お目見えが、彼女の凱旋公演となったわけだ。Aメロのはじめにクラップを煽る澁谷からの援護射撃を受けて、全力のパフォーマンスを展開する芹澤。Bメロでは、このツアー初めての「せーりーざーわー ゆーちゃん!!」の特大コールが中野サンプラザに響き渡る。それを受けてキラッキラの笑顔でソロを執る芹澤だったが、同時にカメラへのアピールも忘れていないのもさすがである。武道館では演出面でのサプライズもあり涙とともに歌われたこの曲だが、この日は一転満点笑顔。茜屋・若井が楽曲終盤楽しそうに跳ねる姿からは、その感情を芹澤だけでなくメンバー全員が共有していたように感じられた。
ちなみに、夜の部は後半戦は新衣装。ピンクをベースにしたフリルの目立つドレスにメンバーカラーのリボンという非常にかわいらしいものだが、こちらもその他の衣装同様に澁谷がデザイン。うれしさをもって久保田が「まさかずっちゃんがこんなにかわいいのを!」とそのデザインを褒め称える一方、山北は「ゆうきちゃん、さきさままだこれイケるかなぁ?」と小ボケ。巧い間合いで笑いをさらっていった。

そうこうしているうちにライブも終盤戦。昼の部でラストを飾った「Realize!」では、前へと飛び出すポイントでカメラにスウィートな投げキッスを決める久保田が視覚で魅せれば、他曲でもみられる茜屋・澁谷の組み合わせのハーモニーが、この曲でもまた心地よく響く。また、夜の部では最新シングル「Shining Star」などを披露し、ラストまで駆け抜けていった6人。ライブ序盤からの絶好調具合を保ちつつ、どこかしとやかさをも感じられるパフォーマンスを山北は続けていくし、若井も変わらず大きく大きく躍動。加えて芹澤はその「Shining Star」1サビ後半での飛び出しも鋭く、改めてこのタイミングで東京公演にかける彼女の想いが伝わってくるようだった。

力合わせたオリジナル曲とともに、“澁若山”見参!

もちろん、昼夜ともに本編終了後すかさず「アーイーリス!」とのアンコールを求める声が響き、場内を虹色のグラデーションのライトが照らし、彼女たちを待ちわびる。そうしていると、場内にはオルゴールの音色が聞こえ始め、同時に本編終了時に降りた緞帳が上がっていく。するとステージには、宙に吊られたブランコに座る6人の姿が! 上手・下手に3人ずつに分かれて座る彼女たちの姿が見えたところで、そのオルゴールの音色は「幻想曲WONDERLAND」のイントロへと変わる。もちろん恒例となった久保田による冒頭の「あれぇ?ここ、どこだろう?」のセリフには、「中野サンプラザー!」の歓声が返る。ブランコ上では振付が限定される分、どのメンバーも非歌唱パートでファンへ手を振ったり目配せなどをしつつ、会場の光景を楽しんでいく。1サビ後にはそのブランコがゆっくり下降を始めたのだが、その瞬間の振動から来るであろう驚きを、スムーズにパフォーマンスに繋げて演出に変えた久保田の姿は見事としか言いようがない。ちなみに、そんな彼女が楽曲を締めくくるこれまた恒例の日替わりセリフは、「『Kiss! Kiss! Kiss!』♪」。まさかのソロ曲のアピールに、曲明けには芹澤が久保田へ深く一礼していた。

そしてアンコール夜の部には、昼の部のPOLKA DOTSにも匹敵するビッグサプライズが隠されていた。一旦ステージから芹澤・茜屋・久保田が去ると、残る3人が「はじめまして、私たち、“澁若山”です!」と名乗りを上げる。続けて澁谷が、「作詞:山北、作曲:若井、編曲:澁谷で1曲作りました!」と説明すると、観客からは驚きと喜びの大歓声が! 夜の部冒頭で若井が「今日は、みんなにずっと見せたかったものがあるんですよ!」と予告し、澁谷もそこでほのめかしていた“このあと出てくるであろう何か”は、この曲のことだったのだ。ちなみにその曲、名前はまだ未定。現在i☆Risの公式ファンクラブ“虹会”のメンバーを対称に募集しており、ツアーファイナルである大阪公演で正式タイトルが発表される予定だ。
さて、そんなこの曲は、全体的に和の雰囲気漂うもの。イントロ冒頭こそ雅に始まるものの、3人が客席へと一礼したところでテンポアップし、踊れる1曲に。曲中の随所に掛け声も入っているため、仮に今後音源化されれば、ライブでより盛り上がることは間違いない。メロディもとにかくキャッチーで、特にサビは一度聴いただけでも自然と口ずさめてしまうレベル。加えてそのサビの歌詞には3人の名前も織り込まれていたりとギミックも満載。自分たちで完成させた振付も含め、3人の全力がたしかに形になったさまを思い切り見せつけてもらった。

そしてライブはラストに向けて、さらにヒートアップしていく。夜の部でのタオル曲「ハチャメチャストライク」に代表されるようなアツくなれる曲が昼夜ともに最後まで続き、最終盤にかけて会場は盛り上がりきっていった。
また、東京公演の終盤には、7月17日にかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールいて結成5周年記念Liveを開催することが発表。記念すべき5周年を自身でどのように祝すのか、そこも楽しみなところだ。
しかし、もちろん残るツアー後半戦でもi☆Risは手を抜くつもりはない。「私たちも悔いのないように、1公演1公演全力で盛り上げていくので、これからもi☆Risの応援をよろしくお願いします!」とリーダーらしく山北が宣言してくれた。そして最後は、凱旋公演を果たした芹澤の音頭による「らぶちゅっちゅ♡」で、東京公演は締めくくられたのだった。

“ファンと6人とが合わされば無限大”というコンセプトで名付けられたのが、今回のツアータイトル。その中の今回の公演においては、i☆Risの持つ可能性のでかさを様々なアプローチにおいて、自ら率先して提示してくれたように思う。そこに惹きつけられ応援するファンの声が高まれば、まだまだi☆Risはどこまでも突き進んでいける。そうしてこの先をもっともっと見たくなるように感じさせたこの東京公演は、まさしくツアータイトルに沿った充実の1日だった。

Text by 須永兼次

“i☆Ris 3rd Tour ~Fan+6=∞~”東京公演
2017.05.21@中野サンプラザ


●ライブ情報
『i☆Ris 結成5周年記念Live』 ※タイトルは仮となります。
7月17日(月・祝)
第一部 開場 13:15 / 開演 14:00
第二部 開場 17:15 / 開演 18:00
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
チケット:全席指定6,800円(税込) ※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
公演に関するお問い合わせ:キョードー東京 0570-550-799 ※平日 11:00-18:00 土日祝 10:00-18:00

i☆Ris 3rd Live Tour2017~Fan+6=∞~
開催中!

6月10日 神奈川 関内ホール
開場14:15/開演15:00
開場18:15/開演19:00

6月11日 岐阜 長良川国際会議場
開場17:00/開演18:00

6月24日 大阪 NHK大阪ホール
開場14:00/開演15:00
開場18:00/開演19:00

チケット:各プレイガイドにて一般発売中!詳しくはオフィシャルHPまで!

●リリース情報
芹澤 優ソロデビュー・ミニアルバム
『YOU&YOU』
発売中

【CD+Blu-ray】
品番:EYCA-11343/B
価格:¥6,300+税

【CD】
品番:EYCA-11344
価格:¥2,300+税

<CD>
1 Voice for YOU!
2 Kiss! Kiss! Kiss!
3 ドラマチックレイディオ
4 WAGA-MA-MA-MAGIC
5 Imaginary
6 片思いExpansion

<Blu-ray>
1 Voice for YOU!-Music Video-
2 Voice for YOU!-Off Shot Movie-
3 YU SERIZAWA 22nd Birthday Live ~Present Box~
マジカル☆ラブ/絶対秘密主義!/BRIGHTEST LOVE!/コトバ・デ・ダンシング/Song For You!/金糸雀/Out Of Control!/雪の華/Imaginary/outshine/イチズレシピ/Sweet time Cooking magic~胸ペコなんです私って~/ぷりっとぱ~ふぇくと/New Future/Voice for YOU!/冒険でしょでしょ? (スペシャルゲスト:平野 綾)/レモネイドスキャンダル
4 YU SERIZAWA 22nd Birthday Live ~Present Box~-Off Shot Movie-12月に行われた初のバースデーワンマンライブを収録(スペシャルゲストの平野綾さんとのコラボ曲『冒険でしょでしょ?』も収録)!

芹澤 優 リリースイベント開催中
6月9日(金)タワーレコード横浜ビブレ店
6月12日(月)アニメイト名古屋
6月23日(金)アニメイト大阪日本橋animateO.N.SQUARE HALL3F

●配信情報
劇場版『FAIRY TAIL –DRAGON CRY-』主題歌
5月31日配信開始
「WHAT YOU ARE」 /POLKA DOTS
作詞:himi、作曲:ユカ、編曲:Kousuke Noma(agehasprings)

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