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2017.02.08

ファンの初恋を上書き、そしてプロテクト!「Pyxis Live 2017 “Pyxis Party” ~First Love注意報!~」レポート!

ファンの初恋を上書き、そしてプロテクト!「Pyxis Live 2017 “Pyxis Party” ~First Love注意報!~」レポート!

1月15日、声優・豊田萌絵と伊藤美来によるユニット・Pyxisのメジャーデビュー後初のワンマンライブ「Pyxis Live 2017 “Pyxis Party” ~First Love注意報!~」が赤坂BLITZにて開催。昨年夏にリリースした1stアルバム『First Love注意報!』の楽曲はもちろん、発売を目前に控えるメジャー1stシングル「FLAWLESS」なども含めた全15曲を、キラキラのパフォーマンスで届けてくれた。本稿では、その第2部の模様をレポートする。

ライブ自体の模様をお伝えする前に、最初に場内の印象的なスペースに触れておきたい。この日は椅子あり・全席自由での開催だったのだが、あわせて“わんぱくひろば”なるオールスタンディングエリアも設置。もちろん“無法地帯ではない”旨も明示されており、ニーズに対しての棲み分けもバッチリだった。ライブ後に公演中の様子を揶揄する言葉がSNS上に飛び交う昨今においては、ネーミングを含めて非常に上手い、時代に合わせたゾーニングのように感じられた。

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だがそれもただネタとして行われたわけではなく、「あまねく人々がPyxisのステージで楽しめるように」との万全の配慮から生まれたもの。会場・観客も準備万端なところに、まずはPyxisのふたりが「First Love 注意報!」のイントロとともにステージ上紗幕にシルエットで登場。それが頭サビを歌唱するとともに落ちて、ライブが本格的にスタートする。それぞれのイメージカラーのステージ台の上に立ったふたりは、ときに対称的に、ときに揃えたダンスを披露していく。伊藤がキレキレの上半身の動きで好スタートを切ったかと思えば、豊田も負けじとステップ巧みにステージ上を舞い踊る。間奏でのダンス中にはふとした瞬間に笑顔で目を合わせ、このふたりも準備万端で当日を迎えた様子が伝わってきた。続く「新しいキミ」もペア感のあるフリ多め。特にAメロ途中から、ソロを執る側とダンス側のフリが自然と合っていくさまが実にスムーズ。Bメロ前半の振付のリレーのようなやり取りも美しく、視覚的な見せ場満載の1曲となった。そして「Please!Please!」では、イントロで観客を煽ると、ステージ前方のお立ち台へとそれぞれ移動。その上で、ライブスタート時の紗幕の移動でズレたであろうステージ袖の黒幕を、振付に合わせて自然と直す伊藤のファインプレーも見られた。一方豊田は2コーラス目、ソロパートを採っていない間に豊田が上方の客席に手を振るアピール。そんなふたりの指が、サビでは一緒にひとつのハートマークをかわいらしく描く。

曲明け、この日初のMCでは改めての自己紹介。その際に客席を無邪気なピースでさらう伊藤の姿が印象的。一方豊田はこの日のライブタイトルにかけて、「今日がみんなのPyxisの初恋現場なんで! どんどん初恋を上書き保存していきましょう!」とエールを送っていた。

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さて、ライブは楽曲披露に戻り、続いては「ハズム恋リズム」。歌声のキュートさはもちろん、跳ねながら表情豊かにパフォーマンスを展開し、この曲でもソロパートでボーカルを執っていない側の見せ方が引き立っていた。続く「恋でした」も楽曲的には明るめの曲だが、歌詞に込められた想いはちょっぴり切なく、それを一瞬にして、サビでの相方の頭に頭を預ける振付で表す。反面、間奏ではクラップ、後奏ではコールで、会場の一体感も同時に高めていく。それがお祭り的な意味で炸裂したのが、「13番」。野球部を舞台にした青春ラブソングらしく、サビの締めでは指で放物線を描く振付も織り込まれたこの曲、2コーラス目ではふたりがサインボールを客席へピッチングしながらの披露。背面投げなども織り交ぜて遊び心たっぷりに投げきると、今度は間奏部分で、3球ずつトスバッティングでプレゼント! この回快音を響かせたのは伊藤で、まさにフリ通り客席後方まで美しい放物線を描く1球も。一方、実は第1部で絶好調だった豊田はこの回は不調。のちのMCで、スタッフからの「ホームランを狙いに行きすぎて肩の力が入りすぎてました」というリアルなダメ出しに、少々悔しそうな様子も見せていた。

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ここでライブは一段落し、浅草寺でのロケVTRコーナーに。第1部ではおみくじでふたりとも凶を引いてしまったふたりが、第2部ではリベンジを目指す。まずは豊田が自信満々にくじを引くが、番号の棚を開けるとそこには凶のおみくじが! 凶からの脱出を伊藤に託すも、なんと伊藤も凶。「これだけ凶出たらもう出ないでしょ!」「ユニットでどっちも凶は……」と無意識のうちに立ててしまったフラグを、回収してしまっていた。

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ここで衣装チェンジしたふたりがステージ両サイドから登場。オルゴールの音色に合わせたゼンマイ仕掛けの機械人形のようなフリを導入に「ジェリービーンズ・ダイアリー(Like Cover Girl)」から、StylipSの楽曲ゾーンからライブ再開だ。Bメロでの、遠くを覗き込みながら身体が伸びだすパートでの、しなやかさで魅せつつ、サビではクラップで客席を再び高めていく。続いては伊藤ソロ曲「Dear Honesty」。ブルー一色に染まる客席を前に、フリも歌声もキュートにパフォーマンスを展開していく。と、2サビ明け間奏で、第1部に続いて豊田が乱入。間奏の見どころである“変身ポーズ”もふたり揃ってキメることになったが、第2部ではさらにラスサビのボーカルまでも豊田が執り、最終的にはユニゾンで披露する形となった。

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そして攻守交代。豊田が自身のソロ曲「カフェモカ・サイド」で、場内をメロメロにしていく。サビ頭のダンスの、ふとした開脚の沈み込みも、実に深くて美しい。1サビラストの歌詞に合わせた、ファンからの「萌絵が好き!」のコールにもご満悦……なところに、2サビでは両手にペンライトを持った熱狂的ファン(=伊藤)が乱入して打ち始める。さらに伊藤は間奏の「もーえし!」コールの部分にも乱入。「みーっく!」とコールを浴び、照明ブルーに。こちらもラスサビにも登場し、前述のコール部も半々に。これにはさすがに豊田も「もえしの曲だぞ浮気者ー!」とファンを若干叱って(?)いた。

そんなソロ曲の乱入仕合いや「13番」でのバッティングについてのトークを経て、話題は現在の衣装・パジャマに。この衣装にふさわしい曲といえば、女子会曲「Welcome! My best friend」である。ふたりはそれぞれの台上の縁に座り、足をぶらぶらリラックスさせながらの歌唱。2コーラス目には伊藤が豊田側に移動して、並んで座ってじゃれ合いながら歌う。また、2サビ以降はステージ中央に移動。手をつなぎながら歌いつつ、間奏ではその楽曲にマッチした、ぽんぽん跳ねるようなダンスも披露していった。

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曲明けには再びVTRコーナー。今度はふたりによるストラックアウト対決が開催された。記録自体は低調ではあったものの、ボードまで届かせようと高めに投げすぎて天井に当たって手元に戻ってくるというミラクルを起こした伊藤に、途中からボールが届き始めて惜しい結果に終わってしまった豊田と、互いに見せ場はしっかり作ってライブへとつなげてくれた。

ライブ再開1曲目は、2月にリリースされる新曲「FLAWLESS」。テレビアニメ『デュエル・マスターズVSRF』のEDテーマということもあってか、これまでのPyxis曲でいちばん対称感へのこだわりの出た曲で、ハンドマイクの持ち手を含めて裏表感を表現。イントロラストの腕のコンビネーションをはじめ、身体を接近させてのコンビネーションは終始巧みなものだった。それがラスサビを越えたところでペア感へと変わるのも、曲の展開に合っていて視覚的に魅力に感じたポイントだった。
この曲から衣装も「FLAWLESS」となったのだが、実はMVからパワーUP。「ダイア◇ハート」という歌詞にちなんで胸のダイヤをきらめかせたり、スカートのレース部がひし形になっていたりと細かい改良が。そこには豊田も少しアイデアを出したとのことで、「今日最初の衣装も、もえさんのアイデアがあったりする」と伊藤が加えて紹介していた。

さて、ライブはここからラストスパート。アルバムリード曲「初恋の棘」を皮切りに、Pyxisにとって大事な曲が次々と歌われていく。披露する機会が多かったこともあってか、切なげなこの曲でもふたりの息の合い方はピッタリ。全体としては立てた小指を振付のポイントとしてフィーチャーしつつ、間奏のダンスタイムはこの日のハイライトに挙げてもよいほどのクオリティだった。曲明け、“タオル曲”との予告があれば、続くのは「トキメキセンセーション!」しかない。昨年の1stライブで披露した大事な曲では、頭サビから客席にタオルが回りっぱなし。その光景を前にふたりもはしゃぎ気味で、2コーラス目では伊藤のソロ時、うしろで豊田がファンへ手を振ったりと自由なステージングが。落ちサビ前にはふたり揃ってきれいで大きなジャンプを決め、ビシッとも決めてくれた。さらにもう1曲、「Jewel」を続けるふたり。この曲も昨年の1stライブで誕生したもののアルバム未収録の曲なのだが、Aメロにしっかり入っていたコールが、ふたりを追いかけ続けるファンの熱量のすごさを感じさせてくれた。ダンスの面では双子感の強い曲で、ふたりはキュートかつ楽しげに最後まで披露しきる。

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ライブもあと1曲を残すのみ。最後にふたりからそれぞれファンへメッセージが送られる。「『アニソンを歌いたい!』ということで今回エンディングテーマをうたえて、応援してくださるすべての皆さんのおかげでここまでこれたと心から思ってます。ありがとうございます!」と切り出した伊藤、「皆さんがPyxisの輪を広げてくれた結果、こうやってたくさんの人が来てくれて感動しています。でもPyxisはまだまだこれからがスタートなので、今日を第一歩として、もえさんとふたりでどんどん進んでいきます!」と、感謝とこれからについての想いを語ってくれた。
続けて豊田は、「最近、『こうやって皆さんの前に立たせていただけるのって当たり前なことじゃないんだなぁ』と思って。この恵まれた環境に甘えてはいけないとは思うんですけど、すごく幸せだなって個人的に感じていて」と、まずは自らの現状に感謝。そして「皆さんにちゃんと恩返しをしないとダメだなと思ってます。もっともっとPyxisの曲・私たちの声をアニメとかで届けられたら、恩返しになるのかな? たくさん恩返しさせていただく、ライブとかの場をもっと作っていって、皆さんに会いたいので……これからもPyxisと一緒に歩んでいってくださるとうれしいです!」と自らのさらなる活躍を“恩返し”と称し、誓っていた。
そして、口を揃えて「この半年でちょっと気持ち悪いぐらいに仲良くなった」と言うふたりは、最後には改めて「よろしくお願いします」と向き合ってぺこり。

「最後はみんなでお手振りを!」とのお願いから、ラストナンバー「Shiny day」へ。イントロのコールから会場は再び一体となり、それをサビではふたりとも、ゆっくり見渡しながら手振りを先導する。ミドルなデジタルポップに合う、過度にキレすぎないパフォーマンスにまたまたかわいらしさを乗せて、完全に上書きした“初恋”をプロテクト。最後の最後まで、ファンを魅了しきって、Pyxisメジャーデビュー後初のライブは大成功のうちに幕を下ろした。

MCでも語られた「仲のよさ」は、その場で目にした人なら誰もが随所に感じられたはず。パフォーマンスの部分のみならず、最後のファンへの挨拶中、お立ち台を降りるときによろけかけた豊田を自然と伊藤が支える姿も、今のPyxisの無意識下のコンビネーションのよさの表れだろう。また、曲中はキュートかつ完成されたパフォーマンスを見せつつ、素に戻ったときに見られる少しゆるっとしたあそびの部分もまた魅力。現時点でもこれだけ光を放つふたりのキラキラが、これからさらに増していくことを予感させるライブだった。

Photography By 江藤はんな
Text by 須永兼次

「Pyxis Live 2017 “Pyxis Party” ~First Love注意報!~」
2017.01.15@赤坂BLITZ
【SET LIST】<2nd>
M1.First Love注意報!
M2.新しいキミ
M3.Please!Please!
M4.ハズム恋リズム
M5.恋でした
M6.13番
M7.ジェリービーンズ・ダイアリー(Like Cover Girl)
M8.Dear Honesty(伊藤美来ソロ)
M9.カフェモカ・サイド(豊田萌絵ソロ)
M10.Welcome!My best friend
M11.FLAWLESS
M12.初恋の棘
M13.トキメキセンセーション!
M14.Jewel
M15.Shiny day


●リリース情報
Pyxis 1stシングル
「FLAWLESS」
2月22日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】
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品番:TECI-544
価格:¥1,800+税

【通常盤(CD)】
TECI+545_CD_通常台紙CS5

品番:TECI-545
価格:¥1,200+税

<CD>
01. FLAWLESS
02. ミライSniper
03. FLAWLESS(Instrumental)
04. ミライSniper(Instrumental)

<DVD>
01. FLAWLESS (MUSIC VIDEO)
02. MUSIC VIDEOメイキング映像

●イベント情報
『FLAWLESS』発売記念イベント
2月26日(日) 東京・アキバソフマップ1号店 8F 15:30~
2月26日(日) 東京・とらのあな秋葉原店C 4F イベントスペース 19:00~
3月17日(金) 東京・アニメイト渋谷 店内イベントスペース 19:30~
3月24日(金) 東京・AKIHABARA ゲーマーズ本店 6F 20:00~

参加方法、イベント詳細はロッカンミュージックレーベルサイトをご覧ください

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Pyxis ロッカンミュージックレーベルサイト

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