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REPORT

2016.12.15

圧倒的パフォーマンスを開花させて大躍進!飯田里穂ライブツアー“rippi-echolic 東京公演”レポート

圧倒的パフォーマンスを開花させて大躍進!飯田里穂ライブツアー“rippi-echolic 東京公演”レポート

3rdシングル「青い炎シンドローム」の発売を控えた、りっぴーこと声優の飯田里穂のライブツアー“rippi-echolic”東京公演が12月4日、日本橋三井ホールで開催された。ここでは、昼夜2部制のうちの第1部の模様についてレポートをお届けする。

飯田里穂といえば、『ラブライブ!』星空 凛役の活躍で知られ、劇中内のアイドルグループμ’sとして第66回NHK紅白歌合戦にも出場した経歴を持つ、歌とダンスに秀でたマルチな声優だ。15年7月にソロ・デビューを果たした彼女が全国4ヵ所をまわる今回のツアー。名古屋に続き2ヵ所目となる本公演も実に彼女らしい透明感のある歌声と力強いパフォーマンスが印象的なステージであった。

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今回のツアーは、その名の通り「世間にこだまする“りっぴー中毒”の患者さんたちを治療するためのクリニック」というコンセプト。ただし、ライブ中の飯田のコメントによれば「新薬を開発する(ライブを見る)ことで“りっぴー中毒”が中和されても増してもよい」とのことだ。だがここで結論を言ってしまうと、彼女のパフォーマンスを観た者はひとり残らず“中毒増しまし”となって次回のクリニックにも参戦することになるだろう。セットリストは16年8月に発売された2ndアルバム『rippi-holic』の収録曲を中心とした構成で送られた。

時間は15時。開演と同時にけたたましいサイレンが場内に響き渡ると、りっぴー中毒の重症者であるサポートメンバーたちが手錠をかけられたまま登壇してきた。そして“サタデーナイト先生”に手錠を外されると各パートにスタンバイし、ファンキッシュなアレンジを効かせた「HEARTACHE=恋と予感」のイントロへ突入するという心憎い演出。この入りが凄まじくかっこよく、オーディエンスの心を鷲掴みにしてしまうのだ。さらに驚くべきは、このアグレッシブな演奏が女性4人のガールズバンドの手によって行われていること。バンドの気迫を受けた観客も熱気を帯びていく。

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そして歌い出し直前、「東京、盛り上がっていくよー!」との掛け声とともに、純白のタイトなトップスに水色のスカート、そしてボロボロの白衣(!?)をまとった飯田が登場!ボルテージは初っ端から最高潮に達する。サイリウムの光はフロアを真っ赤に染め上げ、ギター・ソロが冴え渡る間奏では飯田が白衣を脱ぎ去り、それを振り回して会場をコールの渦へと巻き込む。続く「欲しいのは優しさだけじゃない」では、爽快感のある曲調と飯田の伸びやかな声が絶妙にマッチ。ステージ上では右へ左へ客席の近くへと。オーディエンスの一人ひとりを確認するように動き回る彼女の姿に、場内の一体感が高まっていくのを感じられた。

2曲を終えたところで「今日は会場に入ってステージの広さにびっくりした!でんぐり返し何回できるんだろ?」とキュートにおどけた飯田。「秋葉原に徒歩でも行ける日本橋にこんなにたくさん集まってくれてうれしい。今日は安心、安全で盛り上がってください!」とコメント。ドラムのMARIとともに「東京ぶっ飛ばして行くぜ!」と観客を沸かせると、曲は「Whitish flower」へ。

オーディエンスによるコールアンドレスポンス、そしてクラップが響き渡る場内。サイリウムの光は、曲名さながら白い花が咲いたかのように彼女の姿を照らし出していく。骨太なパフォーマンスを見せつつも、ボーカルは柔らかに、かつ軽やかに歌い上げられ、完成度の高さが見受けられた。一方「キミへの帰り道」は歌詞に合わせて「走る仕草」や「写真を撮る仕草」などを効かせたかわいらしい演出。こうしたクールとキュートの緩急つけたパフォーマンスによって、彼女の魅力は最大限に引き出されていく。

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曲の終了後、観客からの「めんこい!」という言葉に反応した飯田。「ここどこだ?東北じゃないよ、東京だよ」とツッコミをいれ、「今日はみんなどこから来たの?」とファンとの交流を深める流れに。日本のみならず、韓国や台湾などアジアの各地から訪れた人もいると知ると「いろんなところから来てくれているのが伝わってきます。本当にありがとう」と笑顔で応えた。その後、「みなさんにダンシングしてもらいます!」とファンクなナンバー「BIN-WAN SPY」の振り付けを自らレクチャー。丁寧な解説の甲斐もあってか、演奏中、オーディエンスも完璧な振り付けを披露する。また、自身が作詞した「SUNNY GIRL」ではバックバンドの各メンバーの隣に置かれた様々な音の自転車のベルやホーンを「おはよー」「おやすみ」と歌詞に添って鳴らしながら巡ってゆく。自身を“晴れ女”と豪語する彼女が作詞した本楽曲。男女の初々しい恋愛を描いた歌詞かと思えば、飯田のマイ自転車への愛を綴った歌なのだという。こうした自由な発想や一面を見せてくれることが彼女を身近に感じられる理由なのだろう。

バラード調のナンバー「BLUE DROPLET」、「パスポート」では、前回のツアーから開花したという“しっとりっぴー”が炸裂! 歌唱後、「普段はキャイキャイしてるから“しっとりっぴー”とか自分で言うと照れちゃうよね」とはにかみながら語る飯田だったが、「みなさんのお声がある限りは続けていきたい」と新境地への展望を語った。

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会場もしっとりしたところで、キラーチューン「Stargazer」と「シリウス」を続けて披露。「Stargazer」は1stアルバム「rippi-rippi」から、「シリウス」は2ndアルバム「rippi-holic」の収録曲であるが、疾走感と浮遊感のある2曲を連続させる構成には思わず舌を巻いた。ライブ後半にも関わらず、有無を言わさずとにかく“アガる”のだ。メロディラインをとったベースが場を引っ張っていく「Stargazer」では、飯田に呼応するかのようにフロアが一体となり、スペーシーなライトが場内を彩る。また「シリウス」では、予めMIDIパッドに肉声を録音していた飯田が「神ってる」や「秋葉原」など、時事や会場にちなんだフレーズを即興で響かせる。何につけても周りを楽しませることを忘れない飯田らしいサプライズだ(名古屋公演では「えびふりゃー」と録音していた)。終盤に差し掛かり、曲は「rippi-holic」のリードナンバー「片想い接近」に。「ヤダヤダヤダ」や「辛くなるわ」といったフレーズを叙情的に歌い上げる飯田に、オーディエンスも全力でコールを贈る。難しいセリフパートや転調からの大サビでも曲のもつ疾走感は失われることはなく、彼女の成長を意識させられた。

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最後のトークでは「みんな、私のライブを楽しみに頑張ろうって思ってもらえるとうれしいし、私もみんなの前の立てることが励みになっています」とあいさつの言葉で結び、「一緒に歌ってください」と「Good luck for you & me」を歌唱。言葉とひとつひとつを漏らさず丁寧に歌おうとするのがこちらにも痛いくらいに伝わってくる。フロアでは緑色のサイリウムが揺れ動き、ラストパートは「ラララ……」と飯田とともに大合唱。「ありがとうございました」と深々と礼をして一旦退場した飯田だったが、場内には鳴り止まないアンコールが響き渡る。

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やがて、その声に応えるように飯田が再登壇。ロックなアレンジを施したグッズの赤いTシャツを着たキュートな出で立ちだ。アンコールの一曲目に選ばれたのは、この度発売される新曲「青い炎シンドローム」。本楽曲は10月から放送中のテレビ東京系アニメ「デジモンユニバース アプリモンスターズ」のED曲であり、彼女のシングルとしては初めてのアニメタイアップとなる。レトロでアンニュイなテクノサウンドとアイドルポップと形容したくなるリズミカルなメロディ。まさに飯田自身を体現したような楽曲に、本人も艶やかな歌声を響かせた。そして、本ライブのラストに選ばれたのは「始まりたいカノン」。こちらも彼女のキラーチューンであり、ライブでアガる曲のひとつ。コール&レスポンスの嵐だった本ライブの中であっても一番の盛り上がりを見せたのではないだろうか。大サビのラストコールにて「終わらないで」と叫ぶオーディエンスの姿に、飯田里穂の軌跡と未来を垣間見ることができた。彼女は2017年も“りっぴー中毒者”を増やして躍進していくのだろう。

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Photography By コザイリサ
Text by 鈴木遼介(セブンデイズウォー)

飯田里穂tour「rippi-echolic」
2016.12.04@日本橋三井ホール
【SET LIST】
M01:HEARTACHE=恋と予感
M02:欲しいのは優しさだけじゃない
M03:Whitish flower
M04:キミへの帰り道
M05:BIN-WAN SPY
M06:SUNNY GIRL
M07:BLUE DROPLET
M08:パスポート
M09:
M10:シリウス
M11:片想い接近
-Encore-
EC1:青い炎シンドローム
EC2:始まりたいカノン(1部)
KISS! KISS! KISS!(2部)


●リリース情報
「青い炎シンドローム」
発売中

【初回限定盤A(CD+DVD)】
品番:TKCA-74455
価格:¥2,315+税
<DVD>
tour of KISS³ 前編

【初回限定盤B(CD+DVD)】
品番:TKCA-74456
価格:¥2,315+税
<DVD>
tour of KISS³ 後編

【初回限定盤C(CD+DVD)】
品番:TKCA-74457
価格:¥1,389+税
<DVD>
MV+メイキング

<CD>※初回盤3形態共通
1. 青い炎シンドローム
2. 流星のスピードで
3. 青い炎シンドローム(inst.)
4. 流星のスピードで(inst.)

【通常盤(CD)】
品番:TKCA-74458
価格:¥1,111+税

<CD>
1. 青い炎シンドローム
2. 流星のスピードで
3.蒼藍火焰症候群
4. 青い炎シンドローム(inst.)
5.流星のスピードで(inst.)
6.蒼藍火焰症候群 (inst.)

●ライブ情報
飯田里穂 tour 「rippi-echolic」
12月29日(木)【大阪】UMEDA AKASO
開場13:30/17:30 開演14:00/18:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400

※追加公演
2017年1月29日(日)【東京】Zepp DiverCity
開場13:15/17:15 開演14:00/18:00
(問)KMミュージック 045-201-9999

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