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2016.12.12

早くも2018年春に第二弾の公演も決定!舞台「パタリロ!」ゲネプロレポート

早くも2018年春に第二弾の公演も決定!舞台「パタリロ!」ゲネプロレポート

1978年にスタートし、現在も連載が続く大人気漫画「パタリロ!」が、初の舞台化。初日の上演を前に公開ゲネプロ並びキャストの囲み会見が行われた。その模様をレポートする。

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ダイヤモンドの生産国として名を知られる島国・マリネラ王国の皇太子であるパタリロ・ド・マリネール8世が来訪する、というニュースで持ち切りのロンドンの空港には多くの報道陣や歓迎の国民たちが集まっていた。期待感高まる空港にチャーター機で降り立ったパタリロ王子を見た人々は思わず息を飲む。そこにいたのは、事前に報道されていた美しく儚げな美少年の姿はなく――――。

そんなドがつくほどのコメディっぷりで幕を開ける舞台「パタリロ!」。そもそもは昭和53年から現在も連載が続く大人気コミックス「パタリロ!」が原作で、現在97巻までが発売されている。「ガラスの仮面」をはじめとした昭和期からの少女漫画のバイブルとも言われるコミック誌「花とゆめ」に連載された(現在は「花LaLa online」で連載中)少女漫画でありながらも、類まれなるギャグセンスとBL漫画の走りと言われるメインキャラの同性での美しくも至上の愛をも織り交ぜ描いた魔夜峰央の傑作だ。連載開始から4年後にはアニメ化もされ、子供心にドギマギしながら鑑賞していた記憶のある人たちもいるはず。そんな「パタリロ!」の舞台化。演出の小林顕作氏はこう話す。
「この作品はとある年齢から上の方にはすごく認知されていて、とある年齢から下の方にはそんなに認知されてはいない、ということなんですが、加藤 諒くんがパタリロを演じるということで、幅広い世代の方に楽しんでもらえるのではないかと、僕も期待しています。BLを最初にやったマンガということで、そこもふんだんに盛り込みたいと思いますし、やっぱりギャグマンガなので、昭和のおおらかなギャグの世界を存分にやっていきたい」

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原作を知る人たちは、その昭和独特のおおらかなギャグに触れられることはもちろん、ファンのハートを掴み続けるバンコランとマライヒの愛を眼前で確認できることに心浮きたたせ、原作を知らないファンは人気若手俳優が集まるキャスティングにワクワク胸を躍らせる。期待感高まる中での上演にはキャストも同じく胸を高鳴らせていた。
「ビジュアル解禁されたときに、原作の絵も一緒に並べていただいて、“これは諒くんにしかできない!”という反応をいただきました。魔夜先生にもお墨付きをもらっているので、頑張ります」(加藤)
「(原作を)知っている人と知らない人が同時に(劇場に)集まるんだろうな、というのが僕は楽しみで。こっちはこっちでオリジナルな「パタリロ!」の世界観もあったりするので、そこはあまり(原作を)知らない人たちにも楽しんでもらえると思います。バンコランをやることへのプレッシャーはすごくありますし、すごいことだと思うと……だんだん緊張してきました(笑)」(青木)
「絶世の美少年、という呼び名もマライヒにはあって、プレッシャーだね、とも言われましたが、親の世代から、昔は盆踊りでクックロビン音頭が流れていた、というのも聞いて、それくらい有名な作品なので……(マライヒを演じることに今)緊張してきました。でもたくさん愛されている作品なんだな、と知れて、(マライヒを演じることは)すごいことなんだな、と思います」(佐奈)

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そんなキャストと演出・小林氏も意気込みを強めた舞台はこうして幕を開け、パタリロ王子を始め、タマネギ部隊やバンコラン、マライヒといったおなじみのキャラクターが登場し、国際情勢に恋愛、人情物語にファンタジー(!?)までグルグルと混在するほどのハチャメチャなギャグワールドが展開していく。

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脚本の池田鉄洋氏に「ムチャな脚本を書いていい」と伝えたら本当にムチャな脚本があがってきたので、そのまま演出した、という小林氏。舞台で奔放に動き、声をあげるキャラクターの端々からまさに「池田節」を感じる演劇ファンもいるはず!思わず感嘆の溜息が出るほどのテンポ感とハチャメチャ感は秀逸。さらに特筆すべき魅力はタマネギ部隊のオフモード、そしてアンサンブルと呼ぶには個性に溢れすぎるほどのキャラクターで舞台を緩急つけながら彩る魔夜メンズの存在、さらには小林氏が全曲作ったという劇中歌。舞台の隅々までがカラフルで、キラキラを超えてギラギラとした個性を放つ本作は、声を出して笑ってしまう場面も多い。

終盤では、2018年に上演される続編の告知も入っており、原作のボリュームが非常に厚い本作だけに、まだまだ今後の展開にも期待したい。

Text By えびさわなち


●公演情報
舞台「パタリロ!」
12月8日(木)~25日(日)【東京】紀伊國屋ホール
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【スタッフ】
原作:「パタリロ!」魔夜峰央
脚本:池田鉄洋
演出:小林顕作

【キャスト】
パタリロ:加藤 諒
マライヒ:佐奈宏紀
タマネギ部隊:細貝 圭、金井成大、石田 隼、吉本恒生
魔夜メンズ:佐藤銀平、吉川純広、三上陽永、柴 一平(Wキャスト)、香取直登(Wキャスト)
バンコラン:青木玄徳
声の出演:鈴木砂羽、池田鉄洋、西ノ園達大、大堀こういち

協賛:dアニメストア
主催:ネルケプランニング/キューブ

舞台「パタリロ!」 2018年・春、第二弾公演決定!!!

●リリース情報
舞台「パタリロ!」DVD
4月28日発売
特典映像:舞台「パタリロ!」ならではのハイクオリティ!? 豪華キャストインタビュー付き

会場予約特典:舞台「パタリロ!」オリジナル・IC カードステッカー
一般予約特典:舞台写真 3枚セット(ランダム封入)
※会場予約された方も一般予約特典が付きます。
※一般予約は12月26日(月)より、ネルケオンラインショップにて受付開始
価格:¥6,800(税込)+会場予約送料:500円(税込)

●配信情報
舞台「パタリロ!」期間限定でレンタル配信決定!
配信期間:12月26日(月)10時~1月4日(水)18時
dアニメストアにて
※dアニメストア限定映像付き
価格:¥1,800(税込/HD 画質/7日間)
詳細はこちら

<「パタリロ!」とは>
1978年に『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まり、82年にはアニメ化もされた 魔夜峰央氏のギャグ漫画。
マリネラ王国国王、パタリロ・ド・マリネール8世(通称:パタリロ)が周囲を巻き込んで起こす騒動を描く。掲載誌を同社の『別冊花とゆめ』『メロディ』に移し、現在はWebマガジン『花 LaLa online』で連載中。コミックスは既刊97巻。スピンオフ作品も多数ある。テレビアニメのエンディングテーマにまでなったギャグ「クックロビン音頭」などでも知られる。

【原作】魔夜峰央
1953年3月4日生まれ、新潟県出身。1973年「デラックスマーガレット」(集英社)でデビュー。1978年、「花とゆめ」(白泉社)にて代表作「パタリロ!」の連載を開始。テンポの良いギャグと博識に裏打ちされた何でもありの世界観で大ヒット作となる。「パタリロ西遊記」などスピンオフ作品も多数。
1982年、フジテレビ系列で「パタリロ!」がアニメーション化。現在も「パタリロ!」を無料コミックサイト「花 LaLa online」(白泉社)にて連載中。また、「まんがライフ」(竹書房)では年に1回、「眠らないイヴ」を掲載している。

©魔夜峰央/白泉社(別冊花とゆめ・メロディ・花 LaLa online)

関連リンク

舞台「パタリロ!」公式サイト

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