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INTERVIEW

2016.11.15

Machicoの新しい一面を味わえる、彼女の歌手としての目標へと繋がる1枚。シングル 「勇気のつばさ」リリース記念インタビュー!

Machicoの新しい一面を味わえる、彼女の歌手としての目標へと繋がる1枚。シングル 「勇気のつばさ」リリース記念インタビュー!

今年7月に、自身初となるオリジナル曲のみのアルバム『Ambitious*』をリリースしたMachico。そこでも爽快で勢いのある楽曲とボーカルが印象的だった彼女のニュー・シングル「勇気のつばさ」は、うって変わって温かなバラードとなった。そのシングルへの想いを聞くにつれ、ガラリとテイストの変わった表題曲は、図らずも彼女の目指すものへ向かうための翼のような存在となっていることが感じられた。

恋するまっすぐな想いが純粋に乗った“ゼロテイク”

――まず今回のシングル全体を振り返って、ご自身としてはどんな1枚になったとお思いですか?

Machico 女の子の恋のキュンキュンを感じられる1枚だと思います。「勇気のつばさ」はEDテーマになっている『12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~』のストーリーともリンクして、恋のトキメキと友情を描いている歌詞になっていますし、カップリング曲も恋の歌で。それと、サウンドに懐かしさも感じられる1枚にもなったなと思います。

――たしかに。特に表題曲「勇気のつばさ」からはそれを強く感じます。

Machico 懐かしさの中に芯の強さや心が温まる感じもあって、メロディラインもきれいで大人びた感じの曲ですよね。なので私たちの世代からしたら新しさもありつつ、少し上の世代の方には懐かしさも感じていただける。そんな、世代を問わず聴いていただける曲だと思います。

――ただMachicoさんのオリジナル曲では、こういう曲は初なんですよね。

Machico はい。でも父が70年代の歌謡曲がすごく好きで、小さい頃はそういった曲をよく聴いたり歌ったりしていたんです。もちろん趣味で歌うのとは大きく違うんですけど、それでも馴染みある雰囲気のメロディラインだったので、曲を聴いて自然に出てきた歌い方で作り上げられました。

――そのぶん、細かい部分までこだわって歌えたのでは?

Machico そうですね。今回は『12歳。』のEDテーマということで、“12歳の子から見て届くくらいのお姉さん”の歌声を目指しました。でも、しっとりした曲だからといって低音を効かせすぎると年上になりすぎてしまうので、親近感のあるお姉さんを目指すのは難しかったです。

――そうして臨まれたレコーディングですが、実際に歌ってみていかがでしたか?

Machico 事前にプリプロで、ある程度声質や雰囲気を作ってはいたんですけど、本番には作詞の柚木(美祐)先生と作曲の池(毅)先生、編曲の岩崎(元是)さんが勢揃いだったんですよ。

――すごい!夢の現場ですね。

Machico なので逆に、「自分の歌が『違う』と思われたらどうしよう?」という不安もすごくあったんです。でも「その歌、すごくいいよ」と褒めていただけて、それがすごくうれしくて。レコーディング自体はブロック分けせず1曲通しで何度も録っていったんですが、テイクを選ぶときに池先生が「僕は、ゼロテイクがいいと思う」と言ってくださいまして。

――“ゼロテイク”とは?

Machico 普通は候補に挙がらない、本番の前に録るテストテイクのようなものです。でも、そこで私が出していた「勇気のつばさ」へのアプローチがいちばん曲に合っている……と言ってくださって、結果的にそれがほぼベースになりました。この曲は歌詞がすごくまっすぐでそれ以上の意味はないので、歌声でそのうしろにいろいろな意味がつくと伝わり方も変わってしまうと思うんです。なので、そのゼロテイクに“本当のまっすぐさ”が詰まっていたのかな? と思います。

――ある意味この曲にもっとも純粋に向かわれていた歌声が、いちばんいいと。

Machico そうだと思います。私も自分の曲へのアプローチが正解だったということは自信になりましたし、いろいろなお褒めの言葉もいただけて……本当に、貴重なレコーディングになりました。

――そのお姉さん像は、歌声からすごく感じられました。

Machico ありがとうございます。本編からの流れでエンディングで聴くと、作中で描かれるキャラの恋への悩みやもどかしさを一歩引いたところから「そういうのもいいよね」って優しく包み込んでくれるようで、作品全体ともリンクできているような気がするんですよね。

――それも“お姉さん感”だと思いますし、おっしゃるように本編からの流れもとても素敵ですよね。

Machico 本当に!『12歳。』を観ると当時の女子同士の会話とかあの頃のキュンキュンする気持ちを思い出して、毎週テレビの前で画面を指差しながら「わかる!」とか言っちゃうんですよ(笑)。でも作中でみんなが大人になりきれてないところでひとりの人間として恋を見つけていく姿って、すごくいとおしいですよね。

―そしてこの曲、MVでもキュンキュンさせてくれますね。

Machico 今回は私の飾らない姿を撮るというのがテーマで、イメージ・ビデオのように私が小樽の街を歩いていろいろなことを経験する姿を追っていただきました。なのでファンの方にとっても新しい感じで、リラックスしている私をたくさん観ていただけると思います。

――撮影のなかで、思い出に残っていることはありますか?

Machico オルゴール堂というお店で、「この中で気に入ったオルゴールをあげるから、本気で選んで。それを撮るから」と本当にオルゴールを選ばせてもらったことです。私、オルゴールが大好きなので幸せすぎて……結局選んだのはMVでも「これ!」って手にしたくまのぬいぐるみで、あれも実はオルゴールなんです。なので、あそこには「これが欲しい!」っていう私の満面の笑みが詰まっているんですよ(笑)。

――その一方で、大人びたシーンもありましたね。

Machico はい。普段の笑ってるシーン以外の決めるところは、ちょっと意識して大人っぽくしました(笑)。でも素に近い感じでたそがれているので、そんなところから大人っぽさを感じてもらえたらうれしいです。

声優・Machicoの原点は、実は名古屋にあり!?

――そして「キミコンパス」ですが、こちらも同じく初々しさのあるラブソングですね。

Machico この曲は女の子が恋するときの心の中のもどかしさが詰まった1曲で、歌詞もすごくかわいいんです。自分の心に問いかけているようなセリフっぽいうえに、恋をしたときに自分でも思っちゃうような心情も描かれていたので、この曲のヒロインと一心同体になって、素直に自分の気持ちとして歌に変えられる感じを受けました。

――そうですね。すごくヒロイン像が想像しやすい曲というか。

Machico なので“音で聴こえる”というよりも感情が最初に耳に来るようにもしたくて、マイクの前でできる範囲での動作を取り入れながらレコーディングしたんです。たとえば2番の「見上げて気付いた」というところでちょっと上を向きながら、別のところでは顔を傾けながら歌ったり……距離感も伝えられるよう、挑戦しました。

――その試みから生まれた歌声がまた、より聴く側をキュンキュンさせるんですが……でも、まだつきあってないんですよね。

Machico そうなんですよ!でも、そのうまくいかないときのもどかしさって、あとから振り返ってもとてもいいもので。やっぱり「片想いがいちばん楽しい説」は絶対だな、って思います(笑)。

――ありますね、それは(笑)。一方サウンドに目を向けると、こちらは少々アッパー気味な感じで。

Machico そうですね。だから歌うときも「ギターをかき鳴らしながらワードごとに気持ちが入ったような感じで歌ってほしい」とディレクションをいただいたので、リズムも感じつつそういう感情の高まりも意識して歌わせてもらいました。

――それを皆さんの前で歌われたときの、反応も楽しみですね。

Machico そうですね! アコギ1本での弾き語りとかも似合いそうですし。楽器ができればなぁ……私、楽器弾けるようになりたいんですよ。

――何か楽器をやられてたりはしなかったんですか?

Machico ないんです。あ、でも中学校のときにピアノを弾ける友達にHYさんの「NAO」っていう曲の伴奏を、手コピで教えてもらったことはあります。

――手コピ!?たぶん、そのほうが普通より難しいと思いますよ!

Machico 私、楽譜を読めないので、手で教えてくれたのを音と感覚で覚えたんです(笑)。だから、今ちょっとやってみたい感じはあります。

――さて、ライブの話も出ましたが、12月には東名阪ツアーがあります。なかでも名古屋でのワンマン・ライブは初開催ですが。

Machico 実は私、名古屋には思い入れがありまして。というのも、デビューのきっかけになるオーディションに応募する動画を撮ったのが、名古屋のカラオケボックスだったんです。

――えぇ!?

Machico 好きなバンドさんのライブを観に行ったときに、ひとりでカラオケに入って、それをそのまま提出したんです。

――じゃあ、原点じゃないですか!

Machico そう、あそこであの映像を撮らなかったら……そういう意味でも、帰ってこれてうれしいです。

――その名古屋も含めて、ツアー3公演全体としてはどんなものにしたいですか?

Machico ほぼオリジナル曲での“Machicoの音楽”としてのツアーは一発目なので、ファンの方々を引っ張っていけるようなライブにしたいです。そのうえで、品よく安心できて、みんなが素直に楽しめる空間を作りたいです。『Ambitious*』の曲自体、ツアーで初披露の曲がほとんどなので、ファンの方々がどうノッてくれるのかも楽しみです。

――で、その初日が、実は名古屋。先ほどのお話を踏まえると、このめぐり合わせも運命的ですね。

Machico 本当ですね。ほか2会場とあわせて、ぜひぜひ来ていただきたいです!

――最後に、オリジナル曲が増えてきた今だからこそお聞きしたいのですが、Machicoさんが今後歌ってみたい曲はどんな曲ですか?

Machico 今オリジナルで歌わせていただいている曲は爽やかで明るい曲が多いので……ALI PROJECTさんみたいなイメージの、パイプオルガンとかバイオリンとかの鳴る妖しさのある曲を歌ってみたいです。声色も、低音がビシビシ伝わる感じで。

――いいですね。まったく違う楽曲も、ぜひ聴いてみたいです。

Machico 私、毎回カメレオンのようにイメージを変えたいんです。なので今回、シンプルだけど難しくて、大人っぽくて繊細で……という「勇気のつばさ」に挑戦できたことは力になりました。これからもいろいろな曲を自分色に染められるような、ジャンルにとらわれない歌手を目指して、頑張ります!

Interview & Text by 須永兼次


●リリース情報
TVアニメ『12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~』セカンドシーズンEDテーマ
「勇気のつばさ」
発売中
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品番:COCC-17139
価格:¥1,200+税

<CD>
1.勇気のつばさ
作詞:柚木美祐 / 作曲:池毅 / 編曲:岩崎元是
2.キミコンパス
作詞:eNu 作・編曲:睦月周平
3.勇気のつばさ (off vocal ver.)
4.キミコンパス (off vocal ver.)

TVアニメ『12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~』オリジナル・サウンドトラック
音楽:岩崎元是
12月21日発売
品番:COCX-39787
価格:¥3,000+税

●ライブ情報
「Machico Live Tour 2016 AMBITIOUS」
12月3日(土)愛知 CLUB UPSET 開場17:00/開演17:30
12月4日(日)神戸 VARIT. 開場16:00/開演17:00
12月11日(日)東京 日本橋三井ホール 開場16:00/開演17:00

チケット:オールスタンディング 4,000円(税込・整理番号付・ドリンク代別)
※3歳以上有料(3歳未満入場不可)
※女性エリア有・・・女性のみご購入及びエリア入場が可能です。
※女性エリアは会場の構造上、後方になる場合があります。
チケット発売中

©まいた菜穂・小学館/アニメ「12歳。」製作委員会

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Machicoオフィシャルサイト

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