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2015.09.19

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』に続くノイタミナムービー第2弾「Project Itoh」『屍者の帝国』ファイナルPVをWEB独占配信!

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『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』に続く【ノイタミナムービー第2弾】として発表され、大きな注目を集めている【Project Itoh】。2009年に34歳で夭折した小説家・伊藤計劃(いとう・けいかく/1974-2009)が遺したオリジナル長編小説『虐殺器官』『ハーモニー』、そして彼が遺した30枚の序文を、盟友として知られる芥川賞作家・円城塔が書き継いで完成した『屍者の帝国』の3作品が【Project Itoh】として劇場アニメ化され、10月2日(金)より『屍者の帝国』、11月13日(金)より『虐殺器官』、そして12月4日(金)より『ハーモニー』が公開される。

いよいよ公開間近のプロジェクトの第1作目10月2日公開『屍者の帝国』のファイナルPVが、本日解禁!こちらは映画館でも今後上映されない、WEB独占バージョンとなる。

ファイナルPVは池 頼広さんによるドラマチックな劇伴音楽が初めて使用され、映像美と作品のスケールが一気に増大した力作。

“死者蘇生技術”が発達し、屍者を労働力として活用している19世紀末のロンドンで、親友フライデーとの生前の約束どおり、自らの手で違法に彼の屍者化を試みた医学生ジョン・H・ワトソン。

ワトソンとフライデーは魂の再生のカギを握る「ヴィクターの手記」を求めてロンドンを出発し、インド、アフガニスタン、日本、アメリカへ…。各地で出会う様々な事件!世界を巻き込んだ壮大な旅"グレートゲーム”の行方に目が離せなくなる、アクション、ドラマ満載の映像に仕上がっている。

伊藤計劃氏と共作の原作者:円城塔氏より、映画「屍者の帝国」へ寄せた珠玉のメッセージを公開!

映画版「屍者の帝国」へ寄せて  円城塔
「屍者の帝国」小説版の続きを書いていた二〇〇九年から二〇一二年の頃を思い出そうとしてみても、今は何か、別人の身に起こったことのように思える。手を離れた小説が、自分の中を通っていったという感覚だけが残っている。通路のように何かを通すものになれればよいと考えていた。
牧原亮太郎監督はじめ製作スタッフの方々の手になる映画版への橋渡しがこうして叶ったことで、小説版の仕事を引き受けたときの、果たすべき役割のひとつを終えることができたと思う。映画版は映画版として、伊藤計劃の残したわずかな原稿からまた新たに、オリジナルの作品を展開してもらうのが最善だとは思ったが、人の世には叶うことと叶わないことがある。
一般に、メディアを乗り継いでいくのはよいことだ。小説化、漫画化、テレビ化、映画化を相互にとりまぜる手法は、メディアミックスとやや揶揄気味に呼ばれたりもしているが、世界の広さを感じさせてくれる手掛かりともなる。
自分の場合は、自作の小説が他の言語に翻訳されたりするときには、「そちらの方が面白くなるならば、筋自体変えてもらってもかまいません」と言うことにしている。これはやや極端な例ではあるが、作品が世に残るためには、複製や変更を恐れるべきではない。ただし、どこで誰の手が入ったという履歴は記録しておくべきだけれども。
物語の一生ということを考えるなら、一つのテキストを固定して、複製を繰り返すのは一つの段階であるにすぎない。物語は一冊の本が出版され、評判になり、増刷され、他の言語に翻訳されることで繁殖しているわけではないと思う。他の形態に姿を変え、冗長な部分を落とし、新たな要素を取り入れて変貌していく過程が、一生という言葉には必要なはずだ。
一人ではどうにもできないことは世に多い。一人では原理的に実行できないことなどもある。一人では叶わぬ変身もある。たとえばこの映画版「屍者の帝国」における主人公たちの関係は、自分には思いつくこともできなかったものだ。盲点というよりも、そこに気づいてしまうと、それ以上の作業を継続できなくなる類いの急所に近い。
そんな大仰な話ではなく、背中に貼られた紙のようなものであるかも知れない。人間は自分の背中に貼られた紙の存在に気づくだけでも、他者の存在を必要とする生き物である。
物語の一生は、一つの作品が多くの人々の手に渡り、姿を変えていく間だけには留まらない。それを読み、観て、聞いた人々の考え方や感じ方を変え、その人の中に溶け込んでいく。あなたの体に溶け込んだ物語がいつか、あるいは何世代かを経て伝えられた印象が、また誰か別の人の手になる一つの作品として世にその姿を現す。その物語は、先祖の一人のことなど覚えていないかも知れず、判断がつく者だってもういないかも知れないが、でもだからどうだというのか。そこではとにかく、何かが生きているのだ。
あなたがそこにいてくれてよかった。
小説版を終えたときにそう思った。映画版を観終えて今はこう思う。
あなたたちがそこにいてくれてよかった。

 


●作品情報
『屍者の帝国』
10月2日公開
<物語>
“死者蘇生技術”が発達し、屍者を労働力として活用している19世紀末。ロンドンの医学生ジョン・H・ワトソンは、親友フライデーとの生前の約束どおり、自らの手で彼を違法に屍者化を試みる。その行為は、諜報機関「ウ ォルシンガム機関」の知るところとなるが、ワトソンはその技術と魂の再生への野心を見込まれてある任務を命じられる。
それは、100年前にヴィクター・フランケンシュタイン博士が遺し、まるで生者のように意思を持ち言葉を話す最初の屍者ザ・ワンを生み出す究極の技術が記されているという「ヴィクターの手記」の捜索。第一の手がかりは、アフガニスタン奥地。ロシア帝国軍の司祭にして天才的屍者技術者アレクセイ・カラマーゾフが突如新型の屍者とともにその地へ姿を消したという。彼が既に「手記」を入手し、新型の屍者による王国を築いているのだとしたら・・・?フライデーと共に海を渡るワトソン。しかしそれは、壮大な旅のはじまりにすぎなかった。イギリス、アフガニスタン、日本、アメリカ、そして最後に彼を待ちうける舞台は…? 魂の再生は可能なのか。死してなお、生き続ける技術とは。
「ヴィクターの手記」をめぐるグレートゲームが始まる!
【キャスト】
ジョン・H・ワトソン:細谷佳正
フライデー:村瀬 歩
フレデリック・バーナビー:楠 大典
アレクセイ・カラマーゾフ:三木眞一郎
ニコライ・クラソートキン:山下大輝
ハダリー:花澤香菜
M:大塚明夫
【スタッフ】
原作:「屍者の帝国」伊藤計劃×円城塔(河出文庫)
監督:牧原亮太郎
脚本:瀬古浩司、後藤みどり、山本幸治
キャラクター原案:redjuice
キャラクター設定:千葉崇明
総作画監督:千葉崇明、加藤寛崇
色彩設計:橋本賢
美術監督:竹田悠介
3D監督:西田映美子
撮影監督:田中宏待
編集:肥田文
音響監督:はたしょう二
音楽:池 頼広
主題歌:「Door」EGOIST(ソニー・ミュージックレコーズ)
アニメーション制作:WIT STUDIO 制作:Project Itoh
配給:東宝映像事業部

(C)Project Itoh & Toh EnJoe / THE EMPIRE OF CORPSES

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