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INTERVIEW

2015.12.01

【真山りかの恵比寿でチュッ!】第7回 現役アイドルの真山さん、“アイドル作品”を語ります。

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アイドル・私立恵比寿中学のメンバーとして活躍するかたわら、TVアニメ『アカメが斬る!』新OPテーマ「Liar Mask」で昨年11月26日にソロデビューを果たした真山りか。アニメやゲームが大好きという彼女が、毎回題材を決めてそれぞれ深く掘り下げて勉強していくこの企画。第7回目のテーマは、男性向け女性向け問わず人気を誇る“アイドル作品”。現役アイドルの真山さんから見たアイドルアニメとは?

――まず聞いてみたかったんですが、真山さんから見てずばりアイドルアニメの魅力とは?

真山りか 作品の中でアイドルの素の姿を見れることです。実際のアイドルなら基本的にキラキラした部分を切りとれることが多いですし、メイキングでもカメラが回っていると少しは意識しちゃうと思うんです。アニメは人気が出るまでの過程を日常を交えて放送していて、それは素として作ってるものだから100パーセント素なんですよ。そのアイドルの素を詳しく知りたいっていうところから好きになってくというのがアニメでは100パーセントできるんです。

――なるほど、そのアイドルへの興味が魅力そのものというのは一貫してますね。具体的にキャラクターのどういうところに注目していますか?

真山 私はかわいいところとか尊敬できる部分かな? アニメの世界ということもありますが、みんなポジティブじゃないですか! そういうエネルギーをもらって私も元気出そう、みたいな。いや、元々私はポジティブですけど(笑)。あとは、現実のアイドルを見ているときにキラキラしているって言い方しますけど、アニメではそのキラキラが絵に入ってるんですよね。

――その“キラキラ”とはいったいなんでしょう?

真山 そのキラキラにもいろんな種類があって、エビ中の美怜とかはピンク色のラメっぽいキラキラで莉子だったらもっと清涼感のあるキラキラみたいな。ゆかりさんだったらパールっぽい感じでド派手じゃなくてしっとりした美しさというか。自分でも何を言ってるんだろうという感じですが(笑)。アニメではそのキャラクターによって違うものが演出や光の調整で絵の中にしっかり表現されていて。そういうところに注目すると、アイドルとしてのイメージ像をつかみやすいんですよね。

――固有のキラキラ感がそれぞれ表現されているのはあるかもしれませんね。

真山 そうなんです!そういう違いが見えるのは楽しいですね。

――ちなみに真山さん自身はどんなキラキラだと思いますか?

真山 自分ではちょっとわかりにくいな……。私はキラキラしているより「親しみやすいね!」と言われることのほうが多いですね(笑)。普段の私がアイドルっぽくないから「ステージ立ったときのギャップがいいね!」って。

――アニメではまさに演出の違いで、作品・グループごとでキラキラが違う気がします。

真山 作品ごとでも違うし、男女の差もあります。男性アイドルの場合であれば“きらめく汗!”といったキラキラですね。男性だとスポーツ系のアニメのイメージもあるので。アイドル作品になると銀テープが舞うようなド派手な感じがします。

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今、男性アイドルが熱い!

――男性アイドルものも結構増えてますよね。『SideM』『アイドリッシュセブン』『あんさんぶるスターズ!』『アイ★チュウ』などとアプリも豊富で。

真山 私もゲームに手を出そうかなと思って調べたら、たくさんあってビックリしました!

――そして男性アイドル作品ではやはり『うたの☆プリンスさまっ♪』は外せないかと。

真山 『うたプリ』はいいですよ! 女の子のツボをよく押さえてくれてると思います。リアルなアイドルといいますか、本当に私たちがいる現実世界に存在しているかのような作りをしているなと思っていて、キャラクターの公式SNSが存在することも大きいと思います。メンバーどうしでリプを送り合っていて。写真付きで「今これ食べているよ」とか(笑)。

――言われてみれば、ファンも実在する男性アイドルとかを応援しているような感覚はありますよね。

真山 「アニメが好きでアイドルも大好きです」というほうより、実在している男の子を応援していて、そのアイドルからレスポンスをもらっている感じですよね。『うたプリ』ではアニメに登場した衣装を実際にキャストさんが着用して、その後イベントなどで展示されるんですよ。キャラが着ていないのに着たかのような存在感があって不思議な感覚なんですけど。

――声優ではなく、キャラクターが実在している感覚をもつコンテンツってなかなかほかに見ないですね。

真山 女性向けだからこそなのかな……。『うたプリ』のライブも『アイドルマスター』や『ラブライブ!』と同じく声優さんがステージに立ってキャラクターを表現しています。でもコンテンツになった瞬間にそこに実在しはじめるという感じがして、不思議ですね。

――ちなみに『うたプリ』で好きな1曲をあげるとしたら?

真山 私がよく聴いているのはデュエットソングですね。藍ちゃんとカミュ様のデュエットソングの「月明かりのDEAREST」を特に聴いています。ボーカルが入っているのももちろん好きなんですけど、off vocalも大好きでよく聴きます。

――作曲Elements Gardenはやはり聴きごたえありますね。歌詞も全部上松(範康)さんですし。

真山 『うたプリ』楽曲の歌詞は飛び抜けて面白いんですよね。つい笑ってしまうときもあります。聖川さんの楽曲で「心のダム」って聴こえた瞬間は何言ってんだろうって(笑)。ほかに歌詞が尖っている作品は『MARGINAL#4』で、いい意味で本当に頭がおかしいです。そもそもゲームのジャンルが「銀河の果てまでKISSを届けるADV」ですし。Rejet感漂う大人な雰囲気の歌詞なんですけど、あれもキラキラしています。

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――『MARGINAL#4』も話題になってましたね。

真山 ゲームをリリースしているので、次はアニメ化してほしいなって思っています。楽曲メインでやっている作品でユニットも増えてきましたし!

思い出の『THE IDOLM@STER』

――お好きなアイドルアニメで『THE IDOLM@STER』を挙げていましたが、好きになったのはどこからですか?

真山 私はアニメからです。ゲームはネットに上がっているプレイ動画を見て知りました。なのでゲームをプレイしたことはなかったんです。楽曲は大好きだったんですがリズムゲームが苦手で……でも『ラブライブ!』の「スクールアイドルフェスティバル」で鍛えられたので、自分を奮い立たせて『シンデレラガールズ』の「シンデレラガールズ スターライトステージ」を頑張ってプレイしています(笑)。

――真山さん的にイチオシは誰なんでしょう?

真山 星井美希ちゃんが大好きです! やっぱり憧れる! 自分が天才タイプじゃないからこそかもしれませんが、天才肌のアイドルって自然と惹かれてしまうんですよね。もちろん努力している子は深く応援したくなるんですけど、美希ちゃんみたいに本番直前まで寝てて、ステージに立った瞬間仕事をこなすなんてかっこいいですよ。

――逆に自分と近づけて参考にしたアイドルとかいますか?

真山 かっこ良くてすごく憧れたのは千早さんでした。ある意味すごく不器用で努力型じゃないですか。美希ちゃんは憧れのひとつなんですけど、実際に自分が努力して近づけるとしたら千早かなって思います。春香ちゃんもすごく努力してますけどね。今回のためにアニメの『アイマス』はもう一度見返したんですが、改めてすごいなって思いました。今見ると自分がアイドル始めた時期とか思いだしたりして実際はこんなすぐには売れないよ!って思ったり(笑)。

――結構時期的にはリアルのアイドル活動と被ってるところもありますよね。

真山 そうなんです。ちょうど放送中と同じくらいにエビ中が始まったのかな?こういうアイドルになりたいって思いましたし、『アイマス』と言えばなんといってもライブですよね。キャラクターの声を演じている人が実際にステージに立つライブというものを知ったのも『アイマス』で、そういうステージをこの目で見て、アニメの世界のキャラクターが実際いるように感じることに感動したんです。声優さんに憧れたきっかけは田村ゆかりさんなんですけど、そういう面で声優さんやアイドルへの憧れが生まれたのは『アイマス』だと思います。

――これもまたひとつの原点ですね。楽曲で気に入っているものはありますか?

真山 アニメで流れた歌っていうのは耳に残るんですよね。

――ストーリーの中でお話に合った既存曲が流れるのはアニメ『アイマス』の特徴で。

真山 特に印象に残っているのは「ふるふるフューチャー☆」です。作中でこの曲が流れているときに素の状態の美希ちゃんが出ている感じがかわいいなって思いました。

――素というのとかわいさというのは真山さんの中で大きいですね。

真山 そうですね。と言いつつかっこいい千早さんや真くんも大好きなんですが、私にはかわいい曲が似合わないというか、自分のソロ楽曲でかわいい曲をもってないんですよね……。エビ中の「こりゃめでてぇな」という曲の収録をする際、曲のイメージに合わせてかわいく歌ったら何か違ったみたいで。自分では良かれと思っていたんですけど、求められているのは表現者としてのかっこいい真山りかなんだなって思いました。

――そう聞くと女の子らしいものが好きだけど男っぽさを求められる真のエピソードを思い出しますね。

真山 そういう意味では真くんと私は似ているかもしれません。自分がやりたいこととほかの人が思っている魅力が違うから難しいし、だからこそ自分ができないことをしている人がいいなって。ステージでは見ることができない素の美希ちゃんの感じがあって、この楽曲に魅力的なんだと思いました。

――エビ中ファミリーの中にはかわいい真山さんを求めている人もいると思います。

真山 どうなんですかね。うちのメンバーって個性豊かだから、かわいい子もいればかっこいい子もいるみたいな感じで、その中のキャラ付けっていうのもありますけどね。でも自分の希望としては……。

――(笑)どんどん出していきましょう!

真山 一度やってみたいですね。超プリプリのスカート短いアイドル衣装とか、ゆかりさんみたいなアイドルアイドルした感じの衣装で踊ってみたいというのはあります。自分でも恥ずかしくなってしまいますが(笑)。

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アイドルとしての”目標”

――一方、今年劇場版も話題になったアイドルアニメ『ラブライブ!』についてはいかがですか?

真山 『アイマス』はビジネスの世界で頑張る作品でしたが、こちらは学校が舞台で青春を感じさせてくれました。1期の放送中は見てなかったのですが、いつの間にかあいかがハマっていてみんなにオススメしてました。制作がサンライズと聞いてそれだったら見てみようかなって思いました。そしたら毎回ボックスティッシュが必要なくらい泣いてしまって……特に矢澤にこがメインの回はボロ泣きでした。最初はハマらないと思っていたのですが、すっかりラブライブ!ファンになってました。

――(笑)そんなに泣いたんですね!

真山 にこってすごい努力型なんですよね。自分も『アイマス』を見てから数年間アイドルの経験を積んでいたこともあって、完全に刺さりました。やっぱり最初から美希ちゃんみたいな天才型の子が好きではあるんですけど、どちらかというと現実的にもアニメ的にも努力型の子がタイプになってきてるんです。今となっては矢澤にこが生涯の先輩というか「自分もこうなりたい!」っていう目標になっています。すごくいい子なんですよ!努力してもちょっと報われなかったり、school idol dialyの設定では亡くなったお父さんに教えてもらった「にっこにっこにー」を今でもずっと使っているとか……そういう設定ってずるいですよね!

――作っているアイドル像がありながら、素を知れば知るほど努力家で健気な面が出ますよね。

真山 アイドルを始めてから抱きはじめた「自分がこうなりたい」っていうイメージにピッタリハマったのですごく好きです。やっぱりアイドルやっていたらセンターに行きたいって思うし、エビ中はそういうグループではないんですけど、競争心は私の中にあるんです。AKB48の高橋みなみさんが憧れなんですが、こういうタイプだなって思います。「この人と同じグループだったらいいな」みたいな思ってもらえるような存在になりたいです。

――『ラブライブ!』で好きな楽曲を上げるとしたら何ですか?

真山 「Angelic Angel」がすごい好きです。この儚さが超好きで、泣かせてきます。あれは本当に良かった。この作品の楽曲って振付もキャッチーだったりとかしますね。『アイマス』は振りは簡単だから真似しやすいんですけど、『ラブライブ!』は振りコピのしがいがあるのかなって。ダンスはかなり力が入っていました。

――こうして聞いてみると真山さんがアイドルとしてキャリアを積むことで作品やキャラクターの見方が変わってるのも面白いですね。。

真山 そうなんですよ!アニメの『アイマス』も最初は「アイドルってキラキラしててかわいいな!」って思って見ていました。でも先日見返したら、終盤で個々が忙しくなってきて、全員での練習が出来なくなってしまうシーンと今いろんなお仕事をさせていただきながら活動しているエビ中と重なってきて。個人のお仕事も大事なんですけど、メンバー同士の会話がなくなってしまうのも寂しいですよね。だから私たちは大事なものを失わないようにしようって改めて思えることができました。

――アイドルアニメにはアイドルに必要なものが全部詰まっている!という。

真山 本当にそうですよ!それぞれ得るものはありますけど、どちらかというと『アイマス』はショービジネスの世界で活動するアイドルのお話なので、今の私たちに近いんですよね。やっぱり最初のスタート地点からは変わっているということを思って昔を思い出しましたし、他のメンバーに見せてあげたいです。

――その地点その地点で学ぶところがあるという意味ではまた何年後かに見返すといいかもしれませんね。

真山 最近感動を求めて感動系のアニメばかり見てたんですけど、ものすごく責められてる気持ちになったり熱い気持ちになったりするアニメって無かったと思って。この思いを自分の中で噛み砕いて、ステージ上でエビ中ファミリーに返したいなって思います。

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Interview & Text By 大用尚宏(クリエンタ)
Photography By 高橋妙子

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