うたパス×リスアニ!「アニソン・コンピレーションch」第7回【湯浅かえでと選ぶ劇場アニメ楽曲集 1981-2015】

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 うたパス部門で随一のアニソン知識量を誇るぴょん太と元リスアニ!編集長の西原史顕、そして『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、『アイドルクロニクル』MIU役などで活躍中の声優にしてアニソン系クラブイベント“リスアニ!ナイト”常連、湯浅かえでの3人がアニソンを語りまくる本企画。  第3弾となる今回は「劇場アニメ」に着目し、座談会出席者の年齢を考慮した(苦笑)1980年以降の“アニメ映画”をピックアップ。実に約200作品300曲近くにものぼった主題歌や挿入歌のなかから、きっと皆さんの記憶を刺激するであろう、思い出の楽曲たちをセレクトします!

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西原史顕 今回のテーマは“劇場アニメ”の主題歌や挿入歌たちです。今年の夏は「ジュラシック・ワールド」だ「マッドマックス 怒りのデス・ロード」だと、映画館の元気が良かったので、それにあやかってみました。

湯浅かえで お〜「マッドマックス」観たい〜。あと「巨人」も〜。

ぴょん太 『ラブライブ!』に『バケモノの子』など、アニメ映画も話題盛りだくさんでしたものね。

西原 というわけで、僕とぴょん太さんが産まれた1980年くらいからのアニメ映画をさかのぼって、200タイトルほどの作品とその主題歌などをリストにしてきました。今日はこれを40曲に絞っていくお仕事です。

湯浅 頑張りましょ〜。

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子供の頃に観たアニメは記憶に残る

西原 ではさっそく1980〜90年代からいってみましょうか。

湯浅 私の映画館の思い出って『劇場版美少女戦士セーラームーンR』なんですよね。誰もが「うさぎちゃ〜ん!!」ってなる場面で流れた「Moon Revenge」が強烈に印象的で。

西原 子供の頃に劇場で観たアニメ映画って、ものすごく記憶に残ってないですか? 僕だとそれが『機動戦士ガンダムF91』なんですよ。やっぱりエンディングで流れた「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」は印象的で、小遣いはたいてCDも買いましたし、すっかりファンになってテレビでも森口博子を追っかけるようになりましたから。「夢がMORIMORI」(注:森脇健児と森口博子による1992〜1995年に放送されたバラエティ番組)とか、観てましたね〜。

ぴょん太 懐かしい! 森口さんは2013年の“Animelo Summer Live”にシークレット出演して、「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」を歌われましたよね。若い人たちと僕ら世代の人たちとの間でざわめきの種類が違って非常に面白かった。

湯浅 それわかります。私の場合だとこの曲は作品から直接聴いてなくて、中川翔子さんのカバーで知って素敵だと思って原曲に触れたクチなので。

西原 世代的に当然そうなりますよね(苦笑)。ぴょん太さんの思い出の劇場映画ってなんでしょう?

ぴょん太 幼少の頃は『ドラえもん』の劇場作品をよく観てましたけど、自らの強い意思で観た作品というと、自分は『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』になりますね。

西原 『エヴァ』は恥ずかしながら、リアルタイムでは観ていなくて、大学を卒業してからまとめて観たクチなんですよ。

湯浅 私も、大人になってから観ました。

ぴょん太 自分はリアルタイムで完全にヤラれてました(笑)。やっぱり『シト新生』のラスト、EVA量産機が飛んできたところでかかる「魂のルフラン」は格別でしたね。『Air/まごころを、君に』のラストはポカーンでしたけども(苦笑)。

西原 おふたりとも、ジブリ作品はいかがですか?

湯浅 私、思いっきりジブリっ子なんですけど、1980〜90年代だったら『(紅の)豚』! ジーナ(加藤登紀子)の曲は「さくらんぼの実る頃」も素敵でしたけど、やっぱりエンディングの「時には昔の話を」が素敵ですよね〜。今でもカラオケで歌ったら泣きます。あと飛行機が飛び立つときに流れる「飛翔」って劇伴も最高にカッコ良くて。

西原 ジブリの音楽って今も昔も独特ですよね。僕も子供ながらに「こういう曲をシャンソンっていうんだよ」と親に教えられたのが思い出になっています。

ぴょん太 たしかに、今の時代のアニメ映画でオープニングもエンディングもシャンソンだなんてケース、あり得ないですよね。

西原 そのほか、1980〜90年代はいかがでしょう? 僕は『タッチ』の「背番号のないエース」なんかも思い出なんですけどね。あだち 充作品ってフォークとか歌謡曲、ポップスの中間層のような楽曲の宝庫だったりして、当時の小学館原作アニメ主題歌の象徴的存在だったと思っているのですが……。

湯浅 『タッチ』……触れたことないです。

ぴょん太 僕もあまり通らなかったジャンルですね。90年代ならば『エヴァ』に前後して『スレイヤーズ』や『機動戦艦ナデシコ』に一票です。

西原 わお、完全にスターチャイルドさんの申し子じゃないですか(笑)。

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ただの“アニメ思い出語り”になってきた……

西原 さあ、気を取り直して2000年代に入りましょう。『エヴァ』に連なるロボットアニメのヒット作だと『ラーゼフォン』がありますね。

湯浅 坂本真綾さん! 大好き! 私は坂本さんの『ラーゼフォン』の曲だと、劇場版よりもTVシリーズの「ヘミソフィア」が印象的ですね。こんな変則的かつ実験的な歌があっていいのかってカルチャーショックを受けました。『エスカフローネ』も映画は観ていないですけど「指輪」は大好きです。

西原 「ヘミソフィア」はアニメ界だけでなく日本の音楽シーンにとっても重要な楽曲だったと思うんです。菅野よう子さんの奇才っぷりが最も現れた作品といいますか、ポストロックと日本式のポップス成分を彼女だけにしかできない配合率で融合させて、まったく新しい音楽を作っちゃったなと。

湯浅 ああ、この曲はいつ聴いても“まだ新しい”ですよね。

西原 梶浦由記さんの作家性が台頭してきたのも2000年代。なかでも『劇場版 空の境界』はほんとアニメ、音楽とも名作でしたね。

ぴょん太 Kalafinaはたしか『空の境界』のために結成されたユニットなんですよね?

西原 そうですね。元々はこの映画のためだけの存在で、その後も活動を続ける予定はなかったんです。ところが楽曲が素晴らしく解散させるには惜しいとなって、現在の3人体制で存続したというわけです。「oblivious」「sprinter」は今でもよく彼女たちのライブで聴ける定番曲ですけど、個人的には第二章の「君が光に変えて行く」がオススメですね。最も両儀式(主人公)の心情を人間らしく表現した歌詞で、泣けます。

湯浅 この時期の泣ける作品といえば新海誠作品はいかがですか?

西原 『秒速5センチメートル』!

ぴょん太 出た〜。

西原 今でもたまにブルーレイで観返しますね。心の洗濯ですよ、洗濯。

ぴょん太 え〜? 洗濯になってるんですか、ホントに。

湯浅 逆にえぐられちゃいますよ〜。

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 西原 素直にアニメ映像の力ってすごいなと思いましたね。山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」は元々知ってる曲でしたけど、こんなにも印象が変わるものなのかと、映像と音がセットになったときの力にホントびっくりしちゃいましたもの。

湯浅 どういうことですか?

西原 『秒速5センチメートル』って子供の頃の初恋が忘れられなくてずっと引きずっている未練がましい男の話じゃないですか。

湯浅 い、言い方が……(苦笑)。

西原 そこにこの「One more time, One more chance」ですよ。元々未練タラタラな曲ですけど、新海監督の手によってさらに女々しさと切なさが増幅されていて。新曲ではなく既存曲を使ってここまでシンクさせてしまう作品を作れるのは、新海監督の特殊性だと思いますね。

ぴょん太 もう、今回の企画が音楽について語っているものなのか、ただの好きなアニメの思い出語りになっているのか、わからなくなってきましたね。

湯浅 (笑)では私の2000年代の思い出をお話しすると、『プリキュア』の劇場版シリーズと『天元突破グレンラガン』ですね。『プリキュア』は映画館に行くと、ライトがもらえるんですよ。で、「今だ! ライトを降ってプリキュアを応援しよう!」って感じで観客のみんなも参加できるシーンが用意されているんですけど、当時の私はそれが目的で列に並んでいたんです。そしたら、係員の人に「お配りしているのはお子様だけなんです〜」って謝られて……「これじゃ応援できないよ〜!!」ってなった記憶が鮮明で。

ぴょん太 ああ、大きなお友だちももらえないパターンですね。ていうか、曲について何も触れていないじゃないですか!

湯浅 もうひとつの『グレンラガン』は本当に特別な作品で。中川翔子さんの『グレンラガン』曲は「空色デイズ」だけじゃないですよ〜。劇場版の「続く世界」「涙の種、笑顔の花」もすごくいい曲なんですよ〜。もっと言えばTVシリーズの挿入歌だった「happily ever after」も、第11話のシモンが立ち直るクライマックスシーンに使われた超名曲なのでぜひ聴いてください〜って声を大にして言いたいですね。

西原 こうしてリストを見ながら話しているとよくわかるのですが、劇場アニメの定番がTVシリーズを経て総集編や続編を公開するものだというのは昔から変わらないとして、2000年代後半から深夜アニメにおいても一気にそのスタイルが広がりますね。むしろ劇場のみの単発作品がどんどん減っている傾向があるくらい。

ぴょん太 そうですね。音楽も2000年以前はTVシリーズと劇場版とで同じ主題歌を使っていたりしていますけど、2000年以降はほぼほぼ新曲が書き下ろされていて、曲の数自体が増えています。この辺りは2010年代にもまたがって、『マクロスF』『けいおん!』『魔法少女リリカルなのは』『魔法少女まどか☆マギカ』など次々とお化けコンテンツが生まれていっているので、読者の皆さんも実感できるんじゃないかなと思います。

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『ラブライブ!The School Idol Movie』はご覧になりました?

西原 さあ、そういうわけで2010年代の劇場アニメ音楽です。もう、この辺になってくると最近観た劇場アニメのお話になってきますね。

湯浅 であれば、『楽園追放 -Expelled from Paradise-』は外せないですね。最初は難しい映画なのかな? と思っていたら、ものすごくストレートな内容で。

西原 水島精二監督がそんなに難しいことやるわけないじゃないですか(笑)。

湯浅 ELISAさんの「EONIAN -イオニアン-」も、これは後から気がついたのですが、作中に散りばめられていたんですよね。登場人物たちが鼻唄で歌ったり、ギターで奏でたりしていたものがエンディング曲でしたというからくりに感動してしまって。

西原 「EONIAN -イオニアン-」は異例の早さで作られた楽曲なんですよね。制作時間が短いという意味ではなくて、“事前に”という意味での早さです。水島監督は音楽と物語をリンクさせた演出をかなり計画的に作り込んでいました。

ぴょん太 「EONIAN -イオニアン-」って、一曲の中で大きくサウンドの様相が切り替わる、珍しいタイプの歌ですよね。

西原 序盤のアコースティック、中盤の打ち込みサウンド、そして終盤のオーケストレーションと、どんどん壮大になっていくドラマチックさが印象的で。

ぴょん太 自分は『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』が面白かったんですよ。まず、セオリーに逆行してTVシリーズの序章として劇場公開を先にもってきた勇気を讃えたいですし、何より曲の内容が良かった。「タチアガレ!」を初めて聴いたときには『アイドルマスター』や『ラブライブ!』に続くアイドルアニメが誕生したと興奮したものです。

西原 僕が最近劇場で鑑賞した作品は、『たまこラブストーリー』と『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』になりますね。『たまこ』はたんぽぽの綿毛が印象的なシーンを挟んでエンディングが2部構成になっていて、主題歌であり後半を飾った「プリンシプル」も良かったのですが、前半に流れた「こいのうた」にたまげたわけです。あのエモいギターと幼い歌詞が、たまこへの感情移入をグッと加速させてくれて、ほんのり痛みを感じさせてくれる「プリンシプル」の青春がより理解できたというか。

湯浅 『たまこラブストーリー』、ほんと評判良かったですよね。

西原 あとはちょっと本線から外れるのですが、ぜひ触れておきたいのが『めめめのくらげ』。監督はあの世界的なポップアートの革命児、村上隆さんで、音楽はkz(livetune)さんですね。『めめめのくらげ』自体は実写とCGの組み合わせなのでアニメではないのですが、この作品をきっかけにkz(livetune)さんの「Redial」という曲のPVを村上さんが監督していて、そのアニメーション映像が本当に素晴らしい。今、アニメ界でフル3DCGの表現は当たり前になってきていますけど、女の子をダンスでかわいく見せる典型的な成功例として、ぜひおすすめしたいです。

ぴょん太 3DCGによるダンスといえば『ラブライブ!』ですが、皆さん、劇場版はご覧になりましたか? 不思議とここまで話題に上がらなかったですよね。

湯浅 実は……私まだ観れていないんです。

西原 恥ずかしながら、僕も。ぴょん太さん、内容はいかがでしたか?

ぴょん太 おっと! 実は自分もまだ観ていないんです……。

一同 えーーっ!!

西原 ちょっと、これはマズいです。本当にマズい。

ぴょん太 わわわ。まだ上映してるんで、すぐに観に行きましょう!

湯浅 ですよねー。

Photography By 小島マサヒロ / Text By 西原史顕

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<プロフィール>
ゆあさかえで/2014年より声優として活動を開始。TVアニメ『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、ゲーム『アイドルクロニクル』MIU役などを務める。また、ニコニコ生放送「ニンジャスレイヤー フロムネットテレビジヨン」ではMCを担当。アクロス エンタテインメント所属。

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