第2回【言葉が光る やみつきクレイジーアニソン 女性作詞家5選】

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アニメ音楽の醍醐味である“物語と歌詞の融合”。キャラの心情を表したり、物語の展開を示唆したり……今回は、アニメソングの中でもとびっきりクレイジー(褒め言葉)な楽曲にフォーカス。くまのきよみ、こだまさおり、只野菜摘、畑亜貴、藤林聖子という業界を代表する5人の作詞家のワークスより、メチャクチャなのになんか納得できちゃう……意味不明なのに気がつけば口ずさんでる……そんな言葉の魔力に溢れた楽曲をピックアップしました!

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なんだかよくわからんが……スゴイ!! 脳が溶けちゃう名フレーズ集

“アニメ作品との融合”という免罪符を手にしたアニメソングは、他のどのジャンルの楽曲よりも自由であり、音楽性に富んでいる……という見解には異論反論もあると思うが、事実、アニソンを聴いていればポップスからロック、ダンスミュージック、クラシック、ジャズ、歌謡曲、民族音楽etc.までカバーすることができる。そしてアニメソングの“歌詞”にもまた、時に通常のチャートソングには見られない、狂気にも似た自由が溢れているのだ。

というわけで今回は、この業界で長年活躍する名作詞家5名の楽曲をピックアップした。内容的にはシリアスからクレイジーまで幅広く取り揃えているが、どちらかと言うと脳が溶ける意味不明な楽曲(褒め言葉)が多めなのはセレクターの趣味だと思って許してほしい。

以下、独断と偏見に満ちた本企画の作家レビューである。

●「はっぴぃ にゅう にゃあ」ってなんじゃらほい〜くまのきよみ
90年代半ばから活動を開始し、『ときめきメモリアル』『苺ましまろ』『ハヤテのごとく!』をはじめ数々のゲーム・アニメ作品を手がけるシンガー・作詞家。その中でも“んでっ! んでっ! んでっ!(にゃあ)にゃ〜んでっ!”から始まる「はっぴぃ にゅう にゃあ」の破壊力は抜群で、ツンデレ主人公の甘噛みっぷりをこれでもかと凝縮した極悪ソング。

●“清く正しく”って……そんなキャラいましたっけ?〜こだまさおり
作詞家でありアーティストとしても『氷菓』のOPテーマ「未完成ストライド」など印象深い楽曲を残しているこだまさおり。ここで紹介する「大和撫子エデュケイション」は、トンデモな下ネタアニメである『生徒会役員共』の主題歌でありながら、あまりにストレートで青春感溢れる歌詞になっているのが逆に怖い(苦笑)。あえてアニメ作品の内容と歌詞にギャップを作ることで生まれる興味。これを高等テクニックと言わずしてなんと言おう。

●“こころのなかに ひろがってる宇宙 かんたんになんて 理解できないよ”~只野菜摘
男女アイドルから特撮、ポップスまで幅広く詞を提供する作詞家。オールジャンルな作詞スタイルの中でも『はなまる幼稚園』楽曲群は個人的にオススメ。特に「キグルミ惑星」の圧倒的スケール感には涙が出る。夜空に浮かぶ怪しげなクマのかたちをした星に思いを馳せ、人と人が理解しあうことの尊さを歌った世界観は、意味不明なのになぜか心にグッとくる。

●運命を変えるのは言葉のちから“本は読んどけ!わん!”〜畑亜貴
JASRAC登録1300曲以上を誇る、いまさら説明の必要のない大作詞家。いかなる楽曲制作においても原作を読み込み、独自の解釈と感受性でキャラに新たな一面を吹き込んでしまう畑流の作詞術には脱帽だが、この『犬とハサミは使いよう』の「わんわんわんわんN_1!!(なんだーわん)」には、畑自身メッセージも組み込まれているように思える。間奏時のちょっぴりお下品なセリフたちはともかく、作中のテーマである書籍と言葉に向けられた愛は深く示唆に富んでいる。

●いまだ真意は不明……「クピドゥレビュー」〜藤林聖子
このスウィングジャズのサウンドとも相性抜群な響きの「クピドゥレビュー」という造語を生み出したのは、『平成仮面ライダー』シリーズをはじめ特撮からアニメ、J-POPアーティストまで幅広く詞を提供する藤林聖子。この曲では可愛らしさと不思議さと穏やかじゃない狂気がないまぜになった世界観が堪能できるのだが、「クピドゥレビュー」というタイトルはそれをまさにひと言で言い表している。なお美少女たちと次々に恋や運命のフラグを立てる主人公のお話だというのに、ラストで歌われる“つか全部 折っちゃえばいいじゃん♪”というのもおっかない限りなのである。

 

Text By 西原史顕

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