現体制最後となる最新アルバム『スペースエコー』をリリース!nano.RIPE ボーカル・きみコインタビュー

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昨年、5周年を記念してシングルコレクション『シアワセのクツ』をリリース。また47都道府県ライブツアーを開催し、ライブバンドとしての活動も盛んに行ってきたnano.RIPE。明けて本年、これまでのシングル曲とは趣の異なる「ライムツリー」「スノードロップ」などの新たな決意を感じる楽曲をリリース。本作『スペースエコー』に込めた挑戦と、新しいnano.RIPEについて、ボーカルのきみコに話を聞いた。

――2015年が5周年イヤー、そこを経ての2016年は新しいnano.RIPEを見せるということで実際過ごしてみていかがでしたか?

きみコ 去年シングルコレクションをリリースして、「ライムツリー」「スノードロップ」の2曲は今までのnano.RIPEではシングルカットしなかった楽曲だなと感じていて。改めてのスタートになったなと思います。「スノードロップ」みたいな眉間にしわを寄せて歌うような曲は実はあたしの本質に近くて、そういう部分もシングルで出せたのはうれしいですね。

――そんな中リリースするアルバム『スペースエコー』。リード曲「ルミナリー」はまさに新しい部分を代表する曲だと思います。

きみコ 今まで自分の心の中の小さな世界というか、日常で起こったことを拾って曲にするのが好きだったのでそういう書き方をしていたんですけど、今回壮大なテーマを扱おうということで、歌詞では宇宙の始まりから一つの星の消滅までを描いています。でも書いてみたら人間の一生に置き換えたり、そこまで大きなずれはなかったですね。

――作詞の方法論としては引き寄せて考えられる部分もあったと。

きみコ 今バンド自体が変化しようとしている中で、特にフロントマンのあたしの歌詞やボーカルのキャラクターを変えるのは難しいことだと思うんですけど、変わりたいと思ってれいれば変われる部分もあるんじゃないかと自分に言い聞かせるような内容になっています。

――サウンド面では編曲に渡辺拓也さんが入りつつ、ある種のnano.RIPEらしさは担保されている気がします。

きみコ だからこそのリード曲です。今までのnano.RIPEを汲み取った上で新しさをプラスした渡辺さんのアレンジが素晴らしかったです!

――新しさということで言うと、例えば1曲目のササキジュンさんのinst曲は良い感じの四つ打ち曲でちょっと驚きますね。

きみコ これnano.RIPEのアルバムだったっけ?って(笑)。ライブではよく流すSEのような雰囲気で、ライブによく来る方は”お馴染みのやつ”です。ライブ開始の昂揚感を表現しています。

――なるほど、そうするとアルバム全体でひとつのライブ感というのも演出しているんですね。

きみコ ライブを見せた上でのアレンジだったり曲作りというものは昔以上に考えるようになっていて、今回曲順も「ライブで14曲セットリスト組んだらどうなるだろう」っていう雰囲気を盛り込んでいます。

――今回新録は「SN1998A」「アナザーエンド」「イタチ」「在処」「ものがたり」「ディア」「終末のローグ」になりますね。

きみコ 実は新録とはいえ、書き下ろしたのは「イタチ」と「ディア」ぐらいで、「イタチ」も「スノードロップ」ぐらいのときには作ってたんです。「アナザーエンド」はシングル「フラッシュキーパー」のカップリング「祈り歌」の続編のような気持ちで本当は怖い人魚姫は実は幸せな終わり方だったのかも?という曲です。「イタチ」「在処」「ものがたり」はあたしの大好きな『鉄コン筋クリート』をモチーフに、「ディア」と「終末のローグ」はあたし自身がみんなへ届けたいことと、バンドのこれからも見据えた決意表明という感じです。

――モチーフのある楽曲が多いですね。

きみコ 好きなものを書きたくなるので、今回たまたま揃ったんですが、「ルミナリー」や「在処」、特に「在処」では念願の『鉄コン』の曲で自分を重ねて書けたのは上手くいったと思っています。「在処」はササキジュンの作る中でも好きなタイプのメロディなので、個人的には特にお気に入りです。

――「アナザーエンド」はきみコさんの作詞作曲で歌詞のハマりがいいですね。

きみコ これは自分がやるときは歌詞とメロディを同時進行でやっていることが多いので、得意な音域やメロディもそうですが歌いやすくて、そういう意味でジュンの曲とは違うのかなという感じがしています。

――『鉄コン』モチーフの3曲は曲調はけっこう違ってますね。念願の自力イメージソングですね(笑)。

きみコ 「在処」はクロの目線を描いているうちにあたしの気持ちになっていった曲で、「イタチ」は逆に自分の脳内を描いていたらモチーフに落とし込めることに気づいた曲。「スノードロップ」以上に攻撃的なサウンドはササキジュンが強いこだわりを持って収録した彼の脳内をそのまま出したようなものになってます。「ものがたり」は弾き語りの状態でアレンジの福富さんにお渡ししたら、あの汚れた町のイメージがファンタジーな情景になっていて驚きました(笑)。ずっと一緒にやってきた福富さんとのやり取りなだけにこれも魔法だなと思って。歌い方の方でライブの歌い方に近づけて、ファンタジーになりすぎないようにしています。

――続く「ディア」、「終末のローグ」は歌詞の一人称が”あたし”になってますね。

きみコ そこはすごくこだわりのあるところです。たぶんnano.RIPEの曲の8、9割は”ぼく”なんですけど、そういうときは何かをモチーフがあったり、聴いてくれる人が感情移入しやすくしているんです。でも珍しく”あたし”って書くときは完全にあたし、きみコの届けたいこと、決意表明を逃げ道を使わず伝えたいって強い気持ちの時に使います。「ディア」は今作で唯一歌をセルフディレクションで録った曲なんですけど、イメージが強くできていたからか自分でもすんなり満足のいく歌が録れました。

――こうしてできたアルバムを引っ提げてのツアー”ルミナナリー”が10月22日から始まりますね。意気込みはいかがですか?

きみコ このアルバムで挑戦したことをライブでも表現したいのはもちろんですけど、今回アレンジしていただいた曲はでバンド以外の音も入っているので、音を同期で出してライブでも”アルバムの音”をお届けできればと思っています。プラス今までCDではバンド以外の音が入っていてもライブで同期を使う曲は少なかったんですが、今回を機にCDと同じアレンジでお届けできるので、そこもお披露目できればと思っています。

――さらに正式に発表されましたがベース・アベノブユキ、ドラム・青山友樹が脱退して新しいnano.RIPEになるということで、こちらについてもお聞かせください。

きみコ 年内の活動を最後に、リズム隊2人の脱退が決まりました。もちろん今の4人じゃなくなってしまうことが寂しくはあるんですけど、1人のミュージシャンとしての人生を考えたうえでの「前向きな卒業」という感じのもので、4人の仲は今まで通り良いですし、nano.RIPEの名前はあたしとササキジュンの2人で背負って活動していくので、心配してくださる方もいると思いますが、そこは安心してついて来てもらえたらと。

――nano.RIPEの活動はどんなものになっていくんでしょう?

きみコ 今回アルバムでいろんなアレンジャーさんとやったように、今後はいろんなプレイヤーさんと共演して、どんなnano.RIPEになるんだろうという部分と、nano.RIPEとして変わらないものも出していけたらなと思っています。

――なるほど。新しいnano.RIPEも楽しみでありつつ、年末にかけてのライブワークは貴重なものになりそうですね。

きみコ 今回この4人で出せる最高の音をこのアルバムに詰め込めたと思いますし、それを引っ提げてのツアーは、過去最高のものにしたいと4人で話しているところです。4人での活動は年内で終わりですが、この4人で作ってきた音もnano.RIPEの財産だと思っているので、応援してくださっている方には見届けてもらいたいなと思っています。

Interview&Text By 大用尚宏(クリエンタ)


●リリース情報
nano.RIPE 5th Album
『スペースエコー』
10月19日発売

【初回限定盤(CD+ライブCD)】
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品番:LACA-35580
価格:¥3,400+税

【通常盤(CD)】
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品番:LACA-15580
価格:¥3,000+税

<Disc.1>
01. SN1998A
02. ルミナリー
03. ライムツリー(TVアニメ「最弱無敗の神装機竜」ED主題歌)
04. システム
05. こだまことだま(TVアニメ「のんのんびより りぴーと」OP主題歌)
06. アナザーエンド
07. ティーポットのかけら
08. 日付変更線
09. スノードロップ(TVアニメ「食戟のソーマ 弐ノ皿」ED主題歌)
10. 在処
11. イタチ
12. ものがたり
13. ディア
14. 終末のローグ

<Disc.2>※ライブCD
01. SE 百式
02. タキオン
03. うつくしい世界
04. バーチャルボーイ
05. ライムツリー
06. こだまことだま
07. 神様
08. 希望的観測
09. ナンバーゼロ
10. 最短距離で
11. 嘘と月
12. リアルワールド
13. サクゴエ
14. ハロー
15. ツマビクヒトリ
16. 空飛ぶクツ
17. ハナノイロ

●ライブ情報
nano.RIPE TOUR 2016「ルミナナリー」
10月22日(土)【東京】渋谷WWW
10月23日(日)【東京】渋谷WWW
11月03日(祝)【大阪】OSAKA MUSE
11月05日(土)【金沢】金沢AZ
11月12日(土)【北海道】札幌COLONY
11月20日(日)【愛知】名古屋ELL
11月26日(土)【宮城】仙台MACANA
12月03日(土)【福岡】福岡DRUM SON

全公演 OPEN 15:30 / START 16:00

チケット発売中
各公演 前売 ¥4,500(税込・ドリンク料金別)

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