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INTERVIEW

2016.06.22

トリプル・タイアップとなるデビュー・シングル「カサブタ/想いのかけら/ドリームクライマー」リリース記念、佐々木李子インタビュー

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2009年、『アニー』の主役オーディションに合格(トゥモロー組/ダブルキャスト)し、2016年には福島ガイナックスが制作するNHK東北復興アニメ『想いのかけら』、TVアニメ『美少女遊戯ユニット クレーンゲール』で声優デビューを果たした佐々木李子がメジャー・デビュー。トリプル・タイアップとなる1stシングルの各曲に対する思いは?シンガー兼声優として一歩を踏み出した彼女を、『リスアニ!』本誌(Vol.26、8/9発売)と合わせてピックアップ!

 

――まずは、1stシングルに収録された曲のうち、「カサブタ」についての印象を教えていただけますか?

佐々木李子 私はレコーディングする前に、ここはどういう気持ちで歌いたいか、主人公の子がどういう状況で歌っているか、というのを考えながら歌詞を手書きしていくんです。「カサブタ」は、自分との葛藤というか心の傷をえぐるような曲で、決してポジティブな内容ではなくて、でも、そこは共感できました。(心を)閉ざしているような、悩んだりみんなの前では強がったりという主人公なんです。例えば、歌い出しの“「欲しくない」「寂しくもない」/そう言って閉ざすうち/硬くなった傷口はもう/痛みもない”という部分とか。だから、そういう自分を思い出しながら、過去の自分になりきる気持ちで歌っていました。心の奥から叫んでいる、という曲なので、思いのたけを訴えるようにして。

――どういうときに自分がネガティブだと感じますか?

佐々木 私は日記を書いていて、夜寝る前に見直したりするんです。例えば、お仕事がちょっとうまくいかなかったって日は、自分の日記を読み返して「こんなにダメだったんだ」って思ってしまって。そんなときは、自分のネガティブさを感じます。高校時代も、「自分にしか出せない音楽がやりたい」「でもそれって何だろう」って考えて、壁にぶつかっていた時期があったんです。アニーをやっていたときは、「自分はなんでもできる」「いろんなジャンルの曲を歌ってきたからやればできる」って思えていたのに。だから、悩んでいる自分がすごく嫌いで、そのときは弱い自分を認めることができませんでした。でも今になって、その弱さを見つめ直すことができたからこの曲を歌えるようになったんじゃないかと思いました。

――レコーディングで印象に残ったことはありましたか?

佐々木 スイッチを入れて「カサブタ」のロックな世界に入り込んで歌っていたので無我夢中で、あっという間に終わっていました。でも、全身全霊をかけて心のうちを表現しようと思って歌っていたのは覚えています。

――「カサブタ」はPVも撮影されましたね。「想いのかけら」のPVにはそのメイキング風景も入っていましたが、撮影はいかがでしたか?

佐々木 PVも無我夢中でした。屋上とか路地裏といった外で撮ったり、雨を降らせてもらって濡れながらカメラに向かって訴えるように歌ったり、という撮影だったので。家に帰ったら一瞬で寝れたぐらいに体力を使いました。

――映像を見ると、決して大きくない体が大きく、すごく大人っぽく見えました。

佐々木 確かに、自分じゃないみたいでした。「カサブタ」の中にいる自分っていうか、鳥肌が立つぐらいに別人だと思いました。

――見てほしいシーンはありますか?

佐々木 リンゴをむいているときかな。すごく難しかったんですよ。今までそんなにむいたことなくて。皮ごと食べる派なので。

――(笑)。確かにナイフの進みがゆっくりでしたね。

佐々木 そう、あんまり進まなかったんです。でも、やったことないことに挑戦しながら一所懸命主人公になりきってやった、というのは記憶に残っています。

――歌詞を書きながらいろいろと思いをはせるということなので、今回CDとなる他の3曲についても教えてもらえますか?まず「想いのかけら」はどんな気持ちで歌詞を手書きしてました?

佐々木 聴いた人が希望や元気をもらえるような歌にしたくて、私も前向きな気持ちで力強く歌いました。“無くした「自分」をただ憂うよりも/その「自分」の弱さも 愛してみた 今日からは”とか、「カサブタ」と同じように、自分の弱いところをダメと思うんじゃなくて、そこを認めるところで強くなれる、という歌詞です。そこは強く思ったところだったので、自分を信じて歩き続けるのが大事なんだ、ってことを再確認しながら歌いました。

――仙台在住ということで、震災についての思いも強く入ったかと思いますが。

佐々木 そうですね。今まで以上に、曲と向き合って歌わなきゃいけないって気持ちは強かったです。仙台に住み始めた高校1年のときは、駅や空港の近くにもガレキが残っていたり工事していたり、「建物がない」って景色も多くて。友達の中に被災した人もいました。仙台には高校三年間ずっと住んだので、レコーディングも自然と今まででいちばん力が入りましたし、被災した人はどんな気持ちだったのかを考えながら歌いたいと思っていました。ただ、被災された方以外の人にも前向きな気持ちが伝わるように、魂を込めて歌いたいという気持ちでした。

――周囲の反響も大きかったですか?

佐々木 そうですね。アニメの放送が終わった後は、LINEやメールが来ましたし、テレビの画面を撮った写真と「李子が歌ってる!」「李子がしゃべってる!」っていうのもありました。 感動して泣いてくれた子もいて、私が伝えたかった気持ちや思いが伝わったみたいでうれしかったです。

――では「ドリームクライマー」についても教えてください。

佐々木 「想いのかけら」を収録した後すぐに曲が届いたんです。でも、曲を聴いてから仮歌を録るまでの間がホントに短くて、一週間経たないうちにレコーディング、という感じでした。でもちゃんといい作品にしたいという思いで、短い期間の中で手書きしていました。それに、「ドリームクライマー」は歌詞に共感できる言葉が多いんです。私もタイトルにあるような、夢に向かって昇りつめるという気持ちでいるし、聴いた人が元気になれるような、ワクワクできる曲にしたいと思って、レコーディングでは、歌詞の一つひとつの言葉を考えながら歌っていました。

――「おまかせクレーンゲール」は?

佐々木 キャラクターソングを歌うのが初めてだったので、「どういう風に歌えばいいんだろう」ってすごく悩みました。でもやっぱり、キャラクターになりきって歌うのがいちばんだから、まずは響子ちゃんのキャラクターをもう一度見直してみました。響子ちゃんは、おとなしめでしっかり者で家族思いで、というところをよく考えたり。でも、キャラクターの声を作って歌うっていうのを今まではしたことがなく、ずっと佐々木李子として歌ってきたので、響子ちゃんになりきるというのがどういう感じなのか、やっぱり不安でした。レコーディングでは、その場でいろんな声を出して研究しながら歌ってという感じでした。

――では、佐々木李子としてのデビューを果たした今、将来の夢を教えてください。

佐々木 いちばんの目標としては、東京ドームで歌ってみたいというのと、海外で歌ってみたいというのがあるんですけど、でも、ダンスもお芝居も好きだから今までの経験を生かしつつ、ちっちゃい頃から歌が好きなので歌手として歌い続けていきたいです。360°お客さんが見えるようなおっきいステージで、サイリウムが綺麗で歓声がワーってなってて……という中で歌うのを想像しているんです。ミュージカルよりもひとりでのステージはまだ緊張するんですけど、乗り越えたらすごい感動があるというのは体験しているので。最近、三森すずこさんをすごく尊敬しているんです。元々はミュージカルをやっていた方なので、ステージでも踊ったりPVにもダンスが入っていたり。でも、歌手としてもアルバムも出していて、そういう形で声優を両立させていきたい、いろんなことに挑戦したいという気持ちです。

Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
トリプルA面シングル
「カサブタ/想いのかけら/ドリームクライマー」※全3形態リリース
6月22日(水)発売

【初回限定盤(CD+DVD)】
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品番:VIZL-975
価格:¥1,800+税

<CD>
1.カサブタ
2.想いのかけら
3.ドリームクライマー
<DVD>
1.カサブタ(Music Video)
2.想いのかけら(Music Video)
3.TVアニメ「クレーンゲール」
(OPノンテロップ映像)

【通常盤(CD)】
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品番:VICL-37173
価格:¥1,200+税

<CD>
1.カサブタ
2.想いのかけら
3.ドリームクライマー
4.カサブタ(Off Vocal)
5.想いのかけら(Off Vocal)
6.ドリームクライマー(Off Vocal)

【アニメ盤(CD)】
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品番:VICL-37174
価格:¥1,200+税

<CD>
1.ドリームクライマー
2.想いのかけら
3.カサブタ
4.おまかせクレーンゲール<ボーナストラック>
 みらい(CV:原奈津子)、彩日花(CV:徳井青空)、響子(CV:佐々木李子)

●イベント情報
「佐々木李子 デビュー記念イベント」
7月3日(日) 15:00 タワーレコード仙台パルコ店 インストアイベント
7月8日(金) 19:00 AKIHABARA・ゲーマーズ本店6F ホールイベント ゲスト:八島さらら
7月9日(土) 14:00 タワーレコード川崎店 インストアイベント
7月18日(月・祝) 15:30 アキバソフマップ1号店8F ホールイベント ゲスト:原奈津子
※イベント終了後に行われる特典会へのゲスト声優の参加はございませんのでご注意ください。
※イベント・特典会の詳細はビクターエンタテインメント アーティストページの「NEWS」をご覧ください。

<佐々木李子プロフィール>
1997年11月10日生まれ、この春仙台の高校を卒業した、秋田県出身の18歳。
幼少期より歌と音楽をこよなく愛し、様々な音楽と触れ合いながら育つ。
小学校5年生の時にミュージカル「アニー」の主役を約9000人の応募の中から勝ち取る。
それ以来歌と演技に目覚め、高校受験の際に音楽専門課程がある高校の音楽科、声楽科専攻に入学。
その小柄な体からは想像もつかないソウルフルな歌声を響かせる。
現在声優としても活動中。

佐々木李子オフィシャTwitter
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