たくさんの“TRY”に彩られた待望のファーストアルバムが完成!『TRY!』リリース記念千菅春香インタビュー!

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6月22日に千菅春香の1stフルアルバム『TRY!』がリリース!デビューから3年半、アーティスト、声優、ラジオに舞台など、様々な活躍をしてきた千菅春香。今回満を持して発表された1stアルバムは、数々の“TRY”によって力をつけてきた、彼女の集大成にして新たなスタート地点と呼ぶにふさわしい、パワーが凝縮されたアルバムとなっている。今回はそんなアルバム『TRY!』について、彼女自身による全曲解説をお届け!7月9日に控えた初の単独ライブ“千菅春香 DEBUT LIVE「FIRST TRY!」”への意気込みと合わせてお話をうかがってきました。

 

――前回のインタビュー(「リスアニ!Vol.25」)のときにはこれからアルバム制作だとおっしゃっていましたが、約2ヵ月弱でのアルバム制作ということになりますね。

千菅晴香 本当に急ピッチでギュッと詰まった制作期間だったので、アルバム新曲はすごく集中して録った一方で、シングル楽曲の方は3年半の中でじっくり作って変化しながら歌ってきたので、一緒に聴くと面白いことになってますね。

――アルバム・タイトル通り挑戦し続けてきたなかでの収録楽曲なので、聴いていても曲調から歌い方からバラエティに富んでますよね。

千菅 いつも真っ白な自分でやってきたので本当にどんどん変化しながらこの3年半過ごしてきたなと思いつつ、並べてみると案外変わってないところもあって、アルバムにしないと見えてこない部分がたくさんあったので、シングルも喜んでるんじゃないかなと思います(笑)。

――変わらない部分というのはどんな部分だと感じましたか?

千菅 曲に対する向き合い方という部分が基本的にはあまり変わってないんです。やっぱり自分の物の見方、作品に対して自分が見たい部分があって、そういうものを曲に入れてるんですよね。自分に引き寄せるというよりは作品そのものに飛び込んでいくというか、それはライブでも声優として参加するアニメ作品でもそうなんですが、その一貫してる姿勢が“TRY”っていう感覚であり自分がやりたいことなんだなって思います。

――まさしくアルバム・タイトルである千菅さんの芯の部分ですね。ちなみに新曲が6曲で、さらに初めての作詞作業もあってということで、このスピード感で作品作りすることは今までありましたか?

千菅 いやーないですね。1stアルバムだからこそのペースというか、元々スローペースなので、いくら時間をかけてもひとつのことに対して飽きないタイプなんですよ。だから逆に次々というのはアワアワしちゃって(笑)。「プラネット・クレイドル」も収録はともかくインプット自体は一年ぐらいの期間があって、そう考えるとこの期間で6曲録るのは本当に頭の中がいっぱいいっぱいでした。そうすると「これでいいのかな」って思うときがあるんですよね。

――もっとじっくり取り組みたいという感じですか?

千菅 もっとじっくり取り組めたのかなっていう部分ではあるんですけど、ただ納得いくまで作り込んだからいいとは限らないじゃないですか。自分としてはあっさりしたものであっても、聴く人によっては「新しくていいね」って感覚もあって、だから表現って面白いなと思います。1曲目の「Break On Through」もシングル曲として取り組んでたら何かが違ってたかもしれないんですが、こうして聴くとアルバムならではの“次々録ることで生まれる表現”があったんだと感じてます。

――なるほど、そんなアルバムの楽曲について、今回は全曲解説ということで一曲ずつお話を伺えればと思います!

1.Break On Through
作詞:acane_madder 作曲:北川勝利 編曲:acane_madder, 北川勝利

――これはまず座組みからしても「おおっ!?」と思う意外な曲調ですね。

千菅 そうですね、楽曲自体は王道の熱いアニメ・ソングという感じで、北川さんが作ってると思うと意外で。千菅春香としても歌ったことはないんですけど、自分としては非常に好きな、アニメ・ソングを好きになるきっかけになったような曲調なので、これを1stアルバムの1曲目に持ってこれたことはとてもうれしく思います。

――確かにそう聞くと千菅さんらしい1曲目ですね。いきなりセリフから始まるのも熱いです(笑)。

千菅 これがだんだん聴いてるうちに慣れてくるというか、ないと物足りなくなるんですよ(笑)。これは歌入れの後に録ったんですが、その場で「セリフ入れます」って初めて聞いてメモ書きを渡されたんですよ。ディレクションがすごくノリノリで「もっと危機感を!もっと震えて!違う、震え過ぎ!」みたいな感じでとても面白かったです(笑)。このセリフで曲の雰囲気が決まってると言っても過言ではないですね。

――確かに、セリフとかイントロの熱いギターのイメージもありますけど、よく聴くと実はキックの音とかは北川さんらしい洒落た感じなんですよね。

千菅 そう、不思議な感じですよね。歌詞も燃える感じというよりはacane_madderさんらしく女性的なイメージで、異素材をミックスしたみたいな印象です。もうひとつ、千菅春香の歌っていうことでちょっと面白いポイントがあるというのも自分らしさなのかなと思いますけど、今回も歌詞の英語が空耳ぽかったり、王道な歌でありながらそういったこだわりポイントもたくさん作ってるというのがこの曲かなと思います。

2.プラネット・クレイドル
作詞・作曲・編曲:kz(livetune) ストリングス編曲:真部 裕

――2曲目はデビュー・シングルの曲ということで曲順としてはまさに千菅さんの歴史の始まりみたいな形ですね。

千菅 元々シングル曲のいちばん最初は「プラネット・クレイドル」にして、「愛の詩」を最後にしようと考えてたんです。この曲は生まれて初めてレコーディングした特別な曲といいますか、聴くと2012年の夏のことを思い出しますね。地下鉄で初めて行く駅もいっぱいあって、自分の歌った仮歌を聴いて「かっこいい!」と思いつつ、地下鉄も「かっこいい!」って思うみたいな(笑)。やはり大切な曲なので「Break On Through」がオープニング、「プラネット・クレイドル」は本編の1曲目という感じです。

――ちなみに曲順はどう決めたんですか?

千菅 これは自分で決めたんですが、シングル曲は自分の中でもメイン級の曲なので大変でした。何パターンか考えるなかで結局3、4曲目はカラーを決める場所なので、遊び心のある明るくて楽しい感じにしたいなと。それで「モモキュンソード」と「あなたの春香さん」を持ってきて、そこからは迷わずに並べましたね。

3.モモキュンソード
作詞:北川勝利, acane_madder 作曲・編曲:北川勝利

――ここまで力強かったり凛々しいイメージの歌唱で来て、ここで一気にかわいい声になるのが、ガクッとギャップがあって面白いですね(笑)。アルバムならではの感覚と言いますか。

千菅 確かに!(笑)。これも想い出に残っていて、アニメ作品や曲の世界に思いっきり飛び込む楽しさを知った曲ですね。アニメ作品の歌を歌ってるからこそ思いっきり染まってやっちゃっていいんだ!って面白さを感じました。次の「あなたの春香さん」も、オリジナルの曲なんですけど、ちょっとアニメチックなセカイに入り込む面白さがあって、並べてみると感慨深いですね。

4.あなたの春香さん
作詞:三重野  瞳 作曲:nagomu tamaki, 岩田アッチュ 編曲:清水信之

――これまた問題曲と言いますか、なんと千菅さん自身が曲のテーマになっているという。

千菅 これはタイトルのインパクトもすごいですよね。三重野(瞳)さんが書いてくださった現代版「なんてったってアイドル」ということで(笑)。主人公は春香さんなんですが、現実の私ってわけでもなく……でも歌詞に”千菅春香はどこを目指す”って書いてあるんですよね(笑)。

――フルネームで言っちゃってる(笑)。これは歌詞を書くにあたって三重野さんからなにかヒアリングはありましたか?

千菅 全然なかったです。いただいたものがドンピシャだったというか、本当に三重野さんすごいですよね。デビュー当時から暖かく見守ってくださってる先輩で、こうして書いていただけるのはとてもうれしかったです。あとこの曲は何と言ってもサビの合いの手が特徴で、レコード会社の皆さんと事務所の先輩の皆さんにコールを入れていただいて、聴くとこんなたくさんの皆さんに支えていただいてありがたいなって暖かい気持ちになりますね。

――そこがライブではファンの皆さんに変わるわけで、そういう意味でも面白い楽曲です。

千菅 本当に!呼ぶだけなので是非お願いします!という感じです(笑)。

――ある意味架空の春香さんというイメージの曲でしたが、歌入れはいかがでしたか?

千菅 実は歌い方自体はそれほど作り込んでるわけじゃなくて、曲の中でしか出せない自分というか楽しくやると自然にこうなるって感じですね。これも「Break On Through」同様ディレクションが多くて楽しい試行錯誤がいっぱいな曲でした。サビは「セクシーに!」みたいな(笑)。ディレクターのマニアックなディレクションが存分に活かされた楽曲です。楽しく歌った感じが出せればいいなと思います。

5.ジュ・ジュテーム・コミュニケーション
作詞・作曲・編曲:清 竜人

千菅 この曲はやっぱり清(竜人)さんの独特な世界観というものが、アルバムに入るとますます感じられてすごい存在感があるなと思いました。

――単体で聴くと千菅さんっぽい明るくてかわいい曲という気もするんですが、こうして並べて聴くとなにか毛色が違う感じがしますね。

千菅 そう、不思議ですよね。アルバムのアクセントになっていて、この曲がいちばんシングルとアルバムで違った面が見えてくる曲かもしれないです。ライブとかで歌うときも、どんな歌い方をしてもハマる曲なんです。そのときそのときの雰囲気を入れやすい曲というか、なんというか懐の広い曲だなと思います。

6.corolla
作詞・作曲・編曲:inktrans

――そしてガラッと印象の変わる「corolla」。「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」のカップリング曲「私とあなたの在る世界」でご一緒したinktransさんの曲ですね。アルバムで制作をお願いした経緯は?

千菅 前にご一緒したときの曲が新しい音楽性への挑戦って感じで、歌っていても楽しかったし聴いてくださった方の中でもピンポイントで「良かった」って気に入ってくださる方が多かったんです。そこでもう一度一緒に取り組みたいということでお願いさせていただきました。

――アルバムの中でもここで雰囲気の変わる楽曲で、優しい歌い方になってますね。

千菅 inktransさんの楽曲はすごく内に向いてる世界という感じなので、そこを表現したいなと思って、皆さんといろいろやり取りしながら歌いました。歌詞が特徴的と言いますか、正解のある歌詞ではないと思うので、聴く人によって違う受け取り方をしてもらえるんじゃないかなと思います。

――言葉遣いや響きの感じが独特です。

千菅 個人的にはinktransさんのメロディって情景が浮かびやすいなと思うんです。でも同じメロディを聴いてももちろん人によって違う、その人の中にある情景なんですよね。そこが不思議で面白いというか、どんな風景を想い浮かべてもらえるのか楽しみな楽曲です。

――歌うときは迷ったりしましたか?

千菅 なんというか内に入るモードに入るまで時間がかかったりしますね。モードに入ってからはスッといけるんですけど、他の曲に比べてすごく時間を要する曲かもしれないです。内モードまで行けばいろいろな試行錯誤もスムーズに行くという感じでした。

――ライブではどんな歌い方になるんでしょうか?

千菅 「私とあなたの在る世界」では、レコーディングはすごく小さい声も拾ってもらえたりするのでそういう取り組みを楽しんでやっていましたが、ライブはライブでやり方を替えてかっこいい方向でパフォーマンスをしていました。この曲もライブでどうなるのかまだ分かりませんが、ライブならではの良さをお見せできればと思います。

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