“アーティスト・Pile”を確立する一枚が、ここに誕生――Pile、2ndアルバム『PILE』リリース・インタビュー!

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Pileは約1年ぶりのニュー・アルバムに、そのものずばり自らの名を冠した。その『PILE』は、昨年末に全国ツアーを成功させた彼女が次のステップとして自身のアーティスト像を改めて提示するための一枚と言っていいだろう。本稿ではそのアルバムに収められたバラエティに富んだ楽曲へと彼女が込めた想いや、このアルバムを引っ提げて臨む5月の“Birthday Party!!!”や“SPECIAL LIVE!!!”への意気込みに迫る。

音盤もライブも、両方楽しんでもらえるようなアルバムが完成

――シングル「ドリームトリガー」リリースから昨年末は大忙しだったのでは?

Pile そうですね。ツアーや写真集の撮影もあって、結構充実していました。

――そのツアーでの、お客さんの反応はどう感じられました?

Pile ツアーが進むにつれて、やっぱり皆さんの盛り上がりがまとまってくるのを感じました。あと、私のライブに来てくださる方が相変わらずちっちゃい子や女性に優しい人が多くて。そういうところを見られるのも、実は私視点の醍醐味なんですよね。ディファ有明公演でライブ開始前に「そういえば去年の今頃、Pileちゃんのライブで一緒にならなかったらこんなに仲良くならなかったよね」「えー、もう1年?」っていう話をしていた方がいたというのを知り合いから聞いて、めちゃめちゃうれしかったです。そうやって、繋がるきっかけになれたらってよく言っているので。

――なるほど。Pileさんの活動を通じて、またその輪がどんどん広がっていくんですね。

Pile で、そんな方たちから毎回「打ち上げ行ってきます!」って報告リプライや飯テロをいただいたりして(笑)。会場でファン同士が仲良くなるのって、アニメやアニソンのライブを応援してくださる人たちの色なんでしょうね。同じものが好きな人たち同士が繋がって、それがライブ会場だけで終わらないっていうのが私はすごくうれしいんですよ。

――そんな輪をますます広げてくれるようなニュー・アルバム『PILE』が、いよいよ発売されました。今回はセルフ・タイトルということで、意気込みもまた違いますか?

Pile そうですね。ユニット活動のほうもひと区切りつくんですけど、やっぱりそのイメージもすごく強かったと思うし、それに助けられて並行してソロ活動をできたというのもすごく感じていて。なのでここでひとつ“Pile”というものを確立させて、アーティスト名や存在をそのユニットからのイメージと同じぐらいのラインにまで持っていかないと、と思い。まずは“Pileという人を知ってもらう”ためにセルフ・タイトルにしました。

――サウンドも、シングル曲のような攻め攻めの曲からミドル・テンポのポップスまですごく多彩なものになりましたね。

Pile そうですね。それは自分で全部聴き返しても面白いなって思います。いろんな人に楽しんでもらえると思いますし、ライブも楽しみにしてもらえるかな、って。

――そんな今作ですが、最初の曲「チェックメイト」にはそのあとに続くシングル2曲と合わせてのロケットスタート感がありますね。

Pile そうですね。やっぱり今まで勢いのある曲が多かったので最初はそこから始まって、真ん中で少し肩の力を抜きつつ新しい一面も見つつ……という流れの一枚になっているので、休む間もなくいろんな曲が聴けると思いますよ。

――特に始まり感があったのは、冒頭のベースの鳴りでした。

Pile 完成版を初めて聴いたときに、私も「あ! なるほどこういう感じになったんだ」って思って。そのあとにはめっちゃ激しい本格的なデジタル・ロックに曲調が変わったりして、面白いなぁって思いました。ただそのあとの「金糸雀」も勢いある曲なんですよ。アジアンテイストなロックになっていまして。

――そこで冒頭3曲と音の雰囲気がガラッと変わるので、アルバム中でいちばんわかりやすいフックになる部分のように思います。

Pile 私も「やっぱりアジアンテイストな曲がひとつ入ってきたな」と思いました。私はアニメのお仕事をさせていただいたことによって、幸運なことに海外の人に聴いてもらう機会に恵まれていると思うので、そういう意味ではこういう雰囲気の楽曲ってすごく大事だと思っていて……でもこれもまた、忙しい曲なんです(笑)。

――たしかに(笑)。レコーディングではどんな点にこだわりましたか?

Pile 打楽器が激しくなるところはかっこよく歌おうと力を入れたり、歌い方を変えていきました。ただ苦労したという印象はなくて、むしろ「すごく覚えやすかったな」っていう印象が強いです。っていうことはイコール“頭に残りやすい”っていうことだと思うので。

――特にサビは、すごく頭に残ります。

Pile 珍しく低い音から始まるんですよ。最後のほうは『花の慶次』の「よっしゃあ漢唄」を連想しました。「千本桜」っぽいとも言われたんですけど、それよりも少し和が強めなイメージで。

――和装で扇子を手に、花吹雪のもと歌っている姿を連想しました。

Pile たしかに! 続く「EGOIST」含めてちょっと俗っぽい感じの歌詞でもあるので、ライブでは同じセクションに入れればそういう作り込み方もできそうですね。

――その「EGOIST」は、ジャジーでオトナなナンバーです。

Pile ここからは、ちょっと肩の力の抜けた歌い方をさせてもらったゾーンになっています。元々こういう感じの歌は大好きでやりたいジャンルでもあったんですけど、このタイプの曲はソロでは初めての感じだったので、Pileとしてこういうジャンルの曲を歌うのはすごく楽しかったです。

今の活動を支えるチームとは、息がピッタリなんです

――少し脱線するのですが、このあたりで前作同様に中盤に特徴的な曲が集まっている印象を受けました。

Pile 実は曲順は、すごく納得する構成を最初からチームの方に持ってきていただけたんです。私も歌うことは大好きですしこだわりもあるんですけど、ソロ・デビューしてからはずっと意思疎通のできるチームに支えてもらえていて、今回も「こういう感じが好きでしょ?」って提示してくれた曲順が「そう、そうなんですよ! わかってますねぇ!」というものだったので、いい意味ですごくポンポンと決まったんです。このチームは何においてもそういうところがあって、レコーディングでのOK/NGの意見も合うしライブのセットリストもこんな感じで決めているので、活動していてめちゃめちゃ楽しいです。今回のアルバムでいろんな可能性が広がったと思うので、ツアーも楽しみです……ぜひゴールデンウィークは空けておいてもらいたいですね(笑)。

――そして肩の力の抜けたゾーンのもう1曲が「雪降る夜」ですが、こちらは音だけの印象と歌詞が合わさったときの印象がガラッと変わりますね。

Pile そうなんですよ。イントロだけ聴くと明るくてハッピー系なのかな、と思いきやすごく切ない失恋ソングで。

――そのギャップでより切なさが際立っていますね。歌声も甘めな感じなので、余計に。

Pile 暗ーくは歌わなかったんですけど、切なさは前面に押し出しつつ、同時にかわいらしい女の子の感じを思い浮かべながら歌いました。私自身この曲がすごく好きで、女子受けもよさそうな感じがします。イメージ的には……ちょっと古いんですけど、昔のJRのクリスマスのCMのような(笑)。実写でPVとかドラマが1本作れそうですよね。

――「EGOIST」と「ヴァンパイア革命」の間というのも、また目立つところですね。

Pile でも「ヴァンパイア革命」とは、ピカピカキラキラ系のサウンド繋がりではあるんですよ。「雪降る夜」まででちょっとした弱さを出しつつ、そこで強い子に戻るような感じで。

――そのまま「ヒカリフライト」に続いていきますね。

Pile この曲はレコーディングで苦戦しまして。気持ちはスッと入っていけたんですけど、(作詞の)しほりさんの曲はメロディの一音ごとにひと言ずつついているような曲が多いので、譜割りが難しいんです。でも意外とサビは落ち着いていて、めまぐるしく曲調の変わる“THE・しほりさんの曲”っていう感じがしましたね。世界観はちょっと不思議な感じで、これまで歌ってきたアニメの主題歌とそうでない楽曲とのちょうど真ん中をうまくついてくれたような感じがします。

――両方の橋渡しになるような、幻想的な世界観ですね。

Pile そうですね。サビの最後の突き抜けていくような上がり方に、私の好きな『マクロス』の系統の曲と近いものを感じました。

――この曲と次曲「一歩先へ」のメッセージ性には共通する部分もあると思うのですが、こちらは昨年のツアーではもうできていた曲なんですよね。

Pile そうなんですよ。この曲がまた、疾走感があってかっこよくてお気に入りで。メロディアスな「ヒカリフライト」から、「一歩先へ」でさらに強くなっていくような流れができています。

――ストレートな想いの込められたこの曲のメッセージを届けるには、Pileさんが気持ちよく歌われるのがいちばんのように思うのですが。

Pile そうですね。それこそライブで聴いてほしいなって思いますもん。去年のツアーでは皆さん楽しんでノッてくれていて、私自身も歌っていてめちゃめちゃ気持ちよかったので、このアルバムに収録できてよかったです。

ゴールデンウィークは、ぜひ空けておいてください!

――そして本編ラストは、そんなファンへの感謝を込めた「P.S.ありがとう…」です。強めな直前2曲と違って、この曲はすごく素直な歌声ですね。

Pile はい。何も飾り立てずに。また前の曲と繋がって、「一歩先へ行くために、ありがとう」を言うという流れで……でもこの曲、一瞬ザワついたんですよ。「Pileちゃん引退するんじゃないの?」って(笑)。

――ホントですか!?

Pile そうなんです! しかも最初、2サビの“どこまでも 輝いていけるのは”の歌詞が“いけたのは”だったんですよ。で、「いや“いけた”じゃ終わっちゃうよ!」と思って、“いける”に変えてもらいました。

――むしろこれが始まりになるわけですもんね。

Pile そうなんですよ。でも歌詞にはなかなか不器用感が出てますよね。私、言葉でいろんなことを伝えるときにフォントで伝えたくないので手書きにすることが多いんですけど、そういうところも汲んで書いてくれたのかな? それくらい(作詞の)安田(尊行)さんがちゃんと私のことを見て書いてくれた歌詞なんです。しかも、曲調には皆さんが私を応援してくれるきっかけになった成分もちょっと込められているんですよ。やっぱりこの曲はライブでPileとして歌って皆さんに直接感謝を伝えたいので……ゴールデンウィークは、ぜひ空けておいてください(笑)。

――そのゴールデンウィークですが、 “Birthday Party!!!”という形で全国を回られます。しかも東京は2Daysで、その2日目がお誕生日当日ですよ。

Pile いやぁ、楽しみです! 1部はイベントで2部がライブという2部構成になるので、ぜひ1部ではトークが苦手な私のポンコツ感を存分に味わっていただき(笑)、2部ではしっかり歌をうたいたいですね。当日に大勢の人に祝ってもらえることも2週間かけて全国でお祝いしてもらえることなんてなかなかないですし、なによりこんなに早くアルバムを引っ提げてライブできるのがすごくうれしいので、一緒にお祝いしてくれるお返しに楽しんでもらえるように頑張りたいです。

――さらにその翌週には、今度は“SPECIAL LIVE”がございます。

Pile こちらは、ワンマンでは初の生バンドなんです。私の曲にはロック曲やバンドっぽい曲も多いので、本番でのフィーリングでいろいろ作り上げていくのもめっちゃ楽しみなんですよ。そういった生ならではの部分も、ぜひお楽しみに!

――最後にちょっと気が早い質問かもしれませんが、この先の活動で歌詞や曲を書いてみたいというお気持ちはありますか?

Pile うーん……実は昔、ノート1冊書いたんですけど、それが丸々ボツられてから書けなくなりまして(笑)。でも文章を書く事自体は好きだし、実は今までにも「P.S.ありがとう…」のようにプチ参加した曲もあったんですよ。実際全部書いている人を見ていると簡単に出せるようなものでもないなとは思うんですが、こういう活動を続けていくなかで、絶対に「P.S.ありがとう…」にも勝る“ありがとう”を自分の言葉で伝えたい、とは思っています。その感覚を、いろんなジャンルの曲を歌わせていただいているなかでつかんでいきたいですね。

――先ほどの「フォントじゃなくて手書きで」というお話で、言葉の温度差への敏感さはお持ちだと思います。

Pile 私、お手紙もらうのすごくうれしいんですよ。それって時間がかかるものじゃないですか? だから私も、いつかちゃんと歌詞でその返事ができたらなって思っています。

 INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次


●リリース情報
3月16日発売
『PILE』
【初回限定盤A(CD+Blu-ray+グッズ) ※豪華デジパック仕様】
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品番:VIZL-952
価格:¥8,160+税
【初回限定盤B(CD+DVD) ※クリアトールケース仕様)】
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品番:¥5,816+税
価格:VIZL-953
【通常盤】
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品番:VICL-64554
価格:¥2,816+税
【収録曲】
M1. チェックメイト
M2. ドリームトリガー
M3. キミがくれたKISEKI
M4. 金糸雀
M5. EGOIST
M6. 雪降る夜
M7. ヴァンパイア革命
M8. ヒカリフライト
M9. 一歩先へ
M10. P.S.ありがとう…
―bonus track―
M11. 伝説のFLARE –strings ver.-
M12. キミがくれたKISEKI –strings ver.-
M13. ドリームトリガー –strings ver.-
【Blu-ray収録映像】
1. ドリームトリガー
2. 伝説のFLARE
3. Black Butterfly
4. Furuwasete
5. キミがくれたKISEKI
6. 一歩先へ
7. 夢見花
8. ヴァンパイア革命
9. 空色デイズ
10. ⇒ NEXT WORLD ⇒
11. Sweet My Song
12. HANABI!!
13. いつかキミに届ける世界
14. Your is All…
15. ドリームトリガー
(Pinky Parade Tourより2015.11.28ディファ有明公演より)
【DVD収録映像】
Pinky Parade Tourより2015.12.12台湾公演密着ドキュメント

●ライブ情報
Pile Birthday Party !!! 2016
5月1日(日)東京・EX THEATER ROPPONGI
5月2日(月)東京・EX THEATER ROPPONGI
5月4日(水・祝)福岡・DRUM LOGOS
5月5日(木・祝)神戸・CHICKEN GEORGE
5月8日(日)愛知・DIAMOND HALL
5月15日(日)大阪・ESAKA MUSE

Pile SPECIAL LIVE!!!「PS…ありがとう」
5月22日(日)東京・TOKYO DOME CITY HALL

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