TVアニメ『Dimension W』OPテーマ担当、STEREO DIVE FOUNDATIONのインタビューを公開!

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放送中のTVアニメ『Dimension W』のオープニングで流れるのは、「Genesis」と名付けられた楽曲。これを歌うのは、R・O・Nによるソロプロジェクト・STEREO DIVE FOUNDATION(以下:SDF)。今作について、R・O・Nに話を聞いた。

自分の中でかなり遊び心を入れて書いた思い出があります

――新曲「Genesis」はアニメ『Dimension W』のオープニングですが、作品の近未来感とSDFの音の質感がピッタリとシンクロした一曲になっていますね。

R・O・N そうですね。前回の『GANGSTA.』のOP曲の「Renegade」も「作品の世界観と合ってるね」という評価をすごくいただいたんですが、今回は今回で、疾走感や近未来感といったテーマだったりキーワードもサウンドと合っている感じがあったので、これは前作の感じをそのままに、テンポをあげていきましょうってことで作っていった一曲ですね。

――とはいえ、前作とは作品も世界観も違うなかで、イメージの膨らませ方、というのはどんなふうにしていったんでしょうか?

R・O・N デジタル感のある世界観で、BPM速め、近未来、というキーワードと、原作を読んで作った感じでしたね。歌詞に関しては、僕自身の趣味的なものが投影されたところもあって。

――趣味?

R・O・N この曲を作っている頃に、電子タバコにハマったんですね。電子タバコってコイルを使うんですよ。「あ、コイル出てくるな。このマンガ」って思って。「へぇー、一緒だ」ってなったところで、ほかに使えそうな用語も探して使ったりしました。電子タバコって、自分でコイルを巻くんです。出来合のものを使うのではなく、チタンやニッケルやスチールステンレススティールの線を買ってきて、自分で巻いてコットン通してリキッドを吸わせるんです。コイルを巻き直してコットンをセットアップし直すことをリビルドって言うんですけど、それで歌詞の中でもリビルドって言葉を使ったり、コイルの抵抗値があるので、そのことも表現の中で使ってみよう、ってことだったり。自分の中でかなり遊び心を入れて書いた思い出がありますね。

――そのときのご自身が反映された歌詞というのはこれまでにもあったんでしょうか?

R・O・N あったでしょうね。歌詞の内容的には創作8割、実体験2割くらいの感じだとは思うんですけど、そのときにパッと浮かんだ言葉や感じていたことを盛り込んで作ったりもしています。提供曲に関しても一緒です。あくまで作品に貢献できる範囲内ではありますが。

――提供曲でも自身が歌われる曲でも?

R・O・N 作品によって創作の意識を大きく変えることはないですね。そのときに作品においてテーマで手法を変えることはありますが。例えば言葉の響き重視で音としてカッコいい曲だったり、曖昧な表現で言葉の奥にあるものを想像させる曲だったり、小説仕立てでひとつの物語を完成させるように書いてみたり。

――でも今回はSDFとして、の1曲。

R・O・N それでもスタンスは変わらないですね。「オレはコレだぜ!」という押し付けがましい意識は特にありません。SDFは自分が歌うこともあるというだけで、創作意識としてはほかの様々な曲を作るときと何かが大きく変わることはないです。やっぱり作品ありきなんだと思います。作品が良くなることがいちばんうれしいですからね。楽曲と作品との相乗効果を求めることがいちばん根底にあるので。

創生期があるからこそ、現在に繋がっているはず

――そんな化学反応で生まれたのが「Genesis」。曲と対になる『Dimension W』という作品の魅力についてどう感じられましたか?

R・O・N マンガを読んでいて印象的だったのが、線の男らしさ。絵の線が太くて男らしいんですよね。最近は繊細なものが多いイメージがあるんですよね。描き込みも。でも『Dimension W』はかわいい女の子も出てくるんですけど、それでも線が太い印象がありました。あと、作品の中でやっぱり印象深く刻まれるのはコイルですよね。

――楽曲のイメージにも繋がった、物語の非常に大きなファクター。

R・O・N そうですね。それと、元々古くからあったものを改造して使う、というイメージ。それも楽曲には取り込みました。イントロに出てくる女の人の声は、元々は素敵な歌なんです。それを部分的に切り取って、全然違うイントロにしてみたり。ギターのフレーズを切り刻んでまったく違うフレーズを使ったり。元からあったものを改造して使う、という要素を入れましたね。そこは原作のイメージや印象を音へと繋げましたね。

――それが今作の、疾走感の中の音の歪みに繋がっているんでしょうか?

R・O・N 歪みとして考えられるのは、僕の声も、加工したものを後ろに混ぜたり、やたらに切り刻んで加工して載せたりもしています。なのでそういう印象を受けるのかもしれないですね。作品に合うかな、と思いながら。割と最近はこういう手法で作る音も好きなので、楽しんで作りましたね。

――そんな1曲のタイトルを「Genesis」にしたのはなぜ?

R・O・N 今回も歌詞にストーリー性をつけて楽しい話にしようっていうよりかは、音の響きや単語の面白さというものを重要視していたので、その中で出てきた言葉です。各所で紹介されている今作のタイトルの訳が“原体験”ってなってるんだけど、僕的には“起源”という感じではあるんです。さっきも話したように、元からあるものを改造していく、というのは起源がなければできないこと。創生期があるからこそ、現在に繋がっているはずだっていうことで浮かんだのが「Genesis」だったんですね。今推敲していて歌詞の内容についていろいろ思い出してきましたが、わりと作品に寄せた内容をめざして書いたりもしていたようです。多くの人は社会成り立ちなどに興味を持たず、現体制に異を唱えることすらしないなか、革新をめざしてみればいいじゃないかという。結構ヒロイックな内容だったと思います。少し主人公目線を意識していたんでしょうね。タイトルについては創世記から取りました。裏ミーニングで電子タバコ用語だったりもします。

――その今作。カップリング曲は、それこそタイトル曲以上の遊び心を感じる「Handling」。

R・O・N 事務所の社長に「どんな曲を聴きたいですか?」って聞いたら「エレクトロ・スウィング」って一言返って来たので、作ってみました。それっぽいでしょ?

――それっぽい(笑)。

R・O・N でもそれだけじゃ面白くないんで、途中で違和感を感じるセクションを作って遊びつつで。アーテイスト盤に入ってるもう1曲のカップリング「PRISM FLAVOR」はメロディ的に癒される曲……だけどうるさい、というのを意識して作りました。カップリングは存分に音で遊びましたね。このシングルの曲を作るタイミングは、ブラックフライデーのときに音源やサンプリングの素材集をすごくたくさん買ってたんで、ちょうどいい素材を探したり、そこで足りないぶんをいろいろと作ったりしてたんですね。そういうのもすごく楽しかったのを覚えてます。でも今回は一貫して、エレクトリックな肌触りが全曲通してあると思うので、こういう曲が好きな人は楽しんでもらえる1枚かな、と思いますね。

――2016年がこのシングルで幕をあけるSDFですが、今年はどんな時間にしていきたいですか?

R・O・N SDFとしてはアルバムを作るのもいいなと思います。また、最低ひとつでも前年と違うことができたらいいなと思っています。去年はAnnabelさんとのコラボが新しかったですね。あそこまでがっつりと音楽のクロスーオーバーをさせたのは初めてでしたから。同じことをするのではなく、また新しい試みをしたいですね。SDFとしては新しいプレイヤーや楽器をフィーチャーした作品をやってみたいな、とも思っているんですよ。インスト曲とか。そういう新しい音と面白い音楽を作りたいですね。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち


●リリース情報
発売中
「Genesis」
【アーティスト盤/CD】
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品番:LACM-14434
価格:¥1,300+税
【アニメ盤/CD】
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品番:LACM-14435
価格:¥1,200+税
【収録曲】
① Genesis
② Handling
③ PRISM FRAVOR
※アニメ盤は3曲目に「Genesis(Instrumental)」を収録した3曲入り

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