TVアニメ『学戦都市アスタリスク』音楽担当 ラスマス・フェイバーインタビュー!

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アニメ音楽のジャズ・カバー・プロジェクト『プラチナ・ジャズ』シリーズでアニメへの多大な愛が発見されて以降、中島 愛との「TRY UNITE!」をはじめ、坂本真綾や新居昭乃など、気鋭のアーティストたちとコラボレーションし、シーンに衝撃を与えてきたラスマス・フェイバー。そんな彼がアニメ『学戦都市アスタリスク』でキャリア初となるアニメ劇伴を担当した。ゴージャスなストリングスや得意のエレクトロニックなトラックなど、多彩な引き出しを駆使した上質なサウンドはどのように生まれたのか話を聞いた。

作品を作ってみたいと思っていた人とすぐに作る機会に恵まれたことはラッキーだった

――『プラチナ・ジャズ』シリーズでは誌面でもお世話になっていますが、まずは改めて『リスアニ!』読者に自己紹介をしてもらってもいいですか?

ラスマス・フェイバー そうだね。はじめまして!ラスマス・フェイバーです。基本的にはダンス・ミュージックやアニメの楽曲を作りつつ、それ以外にもいろんな種類の音楽を作って楽しんでいるよ。ピアニスト、作曲家、DJとして活動しながら、ミキシングやマスタリングも手がけているんだ。

――アニメはいつ頃から見ていたんですか?

ラスマス 幼稚園の頃に先生がTVで見せてくれたんだけど、当時は作品名を覚えていなくて、10年後くらいにそのアニメが『風の谷のナウシカ』だってことがわかったんだ。だから初めて観たのは幼稚園のときと言えるね。その次は『マクロスプラス』かな。あの作品は僕の人生を変えたとも言えるだろうね。あとは『SF西遊記スタージンガー』も子供の頃に観て、すごいインパクトが大きかった。

――ちなみに日本の作曲家で影響を受けた、または好きな人物は誰ですか?

ラスマス 好きな作曲家でいうと、坂本龍一さん、久石譲さん、菅野よう子さん、梶浦由記さん、『ファンタジックチルドレン』を手がけた上野耕路さん、あとは『ファイナルファンタジー』の音楽を作ってる植松伸夫さんや浜渦正志さんらが好きだね。

――アニメ音楽に関わったのは『プラチナ・ジャズ』シリーズが初めてだと思いますが、作曲家として関わったのはどの曲からですか?

ラスマス アニメの主題歌としては『TRY UNITE!』が最初の曲だね。それ以前は、坂本真綾さんの『Driving in the silence』に楽曲提供していたり、新居昭乃さんとも共作していたんだ。震災の1ヶ月後くらいにDJツアーで来日したときに、新居さんと一緒に楽曲を制作したんだよ。

――日本のシンガーはどうでしたか?

ラスマス 僕がラッキーだったのは、作品を作ってみたいと思っていた人とすぐに作る機会に恵まれたことだね。真綾さんはアーティストのイメージがって、アニメ・シーンを超えて活躍していたシンガーだったし、『マクロスF』が好きだったので中島 愛さんとコラボできたこともうれしかった。彼女とは特別なシナジーがあったと自分では今も思っているんだ。千菅春香さんも素晴らしいスキルを持っていて、とても良い経験になった。声にみんなそれぞれ特徴があるよね。

――アニメ音楽を制作する上で大変だったことはなんですか?

ラスマス いろんなことを学んだけど、は日本語の歌詞を乗せるために、作詞家と曲を作り上げるプロセスかな。英語と日本語ではメロディへの歌詞の乗せ方が違うし、その経験が少なかったから、キャッチーに聴かせるのはとても難しかった。トラックに関して言えば、良い曲を作るって姿勢は一貫としているけど、89秒の制約の中で作り上げるのは難しかったね。

――アニメの場合、ヴォーカリストが高音の場合が多く、ストリングス処理が意外と難しい印象があったのですが、敢えて低音で聴かせる「TRY UNITE!」に衝撃を受ける作曲家の人は多かったですね。

ラスマス そう言ってもらえるのはうれしいね。実は自分がアレンジをするうえで気をつけているのはストリングスとヴォーカルの位置で、ストリングスがヴォーカルに応えていくようなアレンジを目指しているんだ。後ろで少し鳴ってるくらいなら、ストリングスでなくて、違うサウンドで作れるからね。

――今回『学戦都市アスタリスク』で初の劇伴デビューとなる訳ですが、以前から劇伴をやりたいという希望はあったのですか?

ラスマス そうだね。ダンス・ミュージック系の自分の作品だとあまり理解してもらえないかもしれないと思って、今回ストリングスを一緒に手がけているマーティンと、『バトル』とか『感動的な曲』とかカテゴリー分けして、劇伴デモを数ヶ月かけて作ったんだ。それをいろんな人に聴いてもらっているなかで、A-1(Pictures)とフライングドッグが気に入ってくれて実現した。とてもうれしかったけど、実際に担当するとなったら少し緊張したよ。なにせいろんなバリエーション含めて46曲を3ヶ月の間でやるのは過去一度もなかったからね。

――確かに劇伴はかなり詰め込む作業ですね。原作は当然チェックしてたんですよね?

ラスマス そうだね。原作に関しては英語の脚本をもらっていたので、それを読んで曲を書いていた。若い学校の生徒たちが学校内で戦っている作品って、スウェーデンではあんまりなくて、これはアニメならではだよね。ただ、一方で脚本を読んでその後で出来上がりを見ると、全然違うんだ。アニメでは絵が本当に大事なんだなって再確認したよ。

――アニメ以外のジャンルの劇伴との違いは感じられましたか?

ラスマス 映画だと全体をひとつの線が通っているように、同じ傾向の音楽で通す感じもあるけど、アニメでは通常の映画と違っていろんなシーンがあるので、様々なスタイルを用いてバラエティ豊かに仕上げていくよね。僕は芯が通っているタイプの音楽が好きで、オーケストラを使ったのはその点が大きいし、感情を上手く表現できるんだ。

――劇伴を作るうえで一番難しかったシーンはどこですか?

ラスマス コミカルなシーンにつけるのが一番難しかったね。他の作品を見ても、みんなコミカルなシーンは相当苦労しているんじゃないかな。作り込みすぎるとフィットしないし、バランスが難しいんだ。

――『学戦都市アスタリスク』のEDテーマ「Waiting for the rain」は古き良きアニメのエンディング的な魅力があり、本当に素晴らしかったんですが、この曲はどのような流れで生まれたのでしょうか。

ラスマス うれしいね。自分的にもサウンドが緻密に構成されていて、ほかにない領域までもっていけたと思うんだ。真綾さんとの「幸せについて私が知っている5つの方法」がとても豊かなものにできて、あれの延長戦にある感じなのかもしれない。オーケストラの要素とエレクトロニックな要素のミックスは自分は好きでこれからも作っていきたいなと思うね。レコーディングには立ち会えなかったので、facetimeでたまにスタジオにお邪魔して、レコーディングを進めてもらったんだ。

――これで主題歌と劇伴を担当した訳ですが、今後の展望はありますか?

ラスマス 自分としては今後も是非劇伴を手がけていきたいと思っているし、いろんなタイプの劇伴にトライしてみたいね。それで自分の表現の幅も広がっていくと思う。ファンタジーならオーケストラがメインになるし、いわゆる起伏の穏やかなミニマルなアニメの劇伴も是非やってみたいね。

Interview & Text by 佐藤 譲


●リリース情報
Blu-ray&DVD
学戦都市アスタリスク 1
発売中
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【Blu-ray完全生産限定版】
品番:ANZX-12301~02
価格:¥7,000+税

【DVD完全生産限定版】
品番:ANZB-12301~02
価格:¥6,000+税

第1話「華焔の魔女」、第2話「セル=ベレスタ」収録

<特典CD>
Rasmus Faberプロデュースによるサントラリミックス「The Asterisk War Infusion Mix #1」

TVアニメーション『学戦都市アスタリスク』オリジナルサウンドトラック
発売中
int-1512262200-5
品番:VTCL-60416
価格:¥2,900+税

©2015 三屋咲ゆう・株式会社KADOKAWA/アスタリスク製作委員会

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