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INTERVIEW

2015.12.08

LiSA×小南泰葉によるスペシャル対談【後篇】を公開!同日リリースを迎えたお互いの新作について聞いた。

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なんのために「フィクションです」って答える必要があるのかな(小南)

――小南さんの2ndアルバム『僕を救ってくれなかった君へ』も「ID」と同日にリリースされますが、今アルバムは非常に恋を連想させる要素がたくさんありました。先ほど(前編参照)小南さんは、LiSAさんに「恋愛の作詞はフィクション派かノンフィクション派か?」と聞いていましたが、ご自身の場合はいかがですか?

小南 私の場合は……なんかこう……生々しい本音は歌いたくないっていうのがデビューのときにすごくあって。当時「絶対に歌わないでおこう」と決めていたことが、故郷のことだったり、「まだあなたのことを想っています」みたいな恋愛だったんですよ。だから私はストレートな恋愛ソングは歌わないだろうなって思い込んでいたんですけど、今回、アルバムのリード曲が「傷」っていう曲で、もうまさに、“傷”なんですね。去年の夏に別れがあって、すごくつらい冬を過ごしたんです。「傷」はそのことをそのまま歌詞にしたんですけど、何を思って書いたどころかいつどうやって書いたかも覚えてなくて。いつのまにか生まれてしまった曲を私はリード曲にしたわけですけど、まだ生々しすぎて思い出すのがつらいんですよね。自分に恋愛ソングはいらないってずっと思ってきた分、「フィクションかノンフィクションか?」という質問にはどう答えていいかまだわかりませんけど、今回のアルバムは自分でも「あ、変わったな」って思うので、わざわざなんのために「フィクションです」って答える必要があるのかなとも思います。

LiSA 私はすごくこのアルバム大好きですよ。超大好き! 最初から最後まで絶対に聴き逃せなくて。まず最初の「プレゼント」に「君に良いことも悪いことも全部言っちゃうけどね!」という何も隠してない感じが、覚悟みたいなものがすごく出てると思ったし、後半の「3355411」から「POP LIFE」、そしてボーナストラックに向かっていく流れとかも本当にすごくて。「プレゼント」という曲から始まって、最後にまたここに全部が繋がっていくんだなと感じました。

小南 ほんとですかー? もうむちゃくちゃうれしいです。

LiSA やっぱり歌が素晴らしいので、ひとつのワードを3回繰り返したりとかするのに、その言葉が全部同じに聴こえないんですよ。歌力が優っているから、なんか聴いててずっといろんな表現が見つけられるし、大好きです。

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涙が流れるとブレませんか? 心と声って連動しませんか?(小南)

――「ブリリアントブルー」で幕引きしたあとに、ボーナストラックの「ニャンだ!あいつ」と続くのが、なんだか泣き笑いなんですよね。

LiSA あー、そうそう!

小南 遊び心はね、忘れてはいけないから。自分は音楽って遊ぶものだと思ってるから、何回でも聴いてもらえるようにどの作品も自信を持って取り組んできたんですけど、今回がいちばん自分の気持ちを歌ったもので、まっさらな気持ちで聴けないというか、周りの皆さんは楽しんでくれたとしても、私だけが、本人だからつらくて聴けない曲ってあるんだなって。初めてなんですよ、こんな気持ち。ライブやってて泣いちゃうんですよ、思い出して泣いちゃうんですよね。

LiSA うん。

小南 これってあまりいいことじゃないじゃないですか。歌を届けたくてその土地を訪れて、泣いてこの曲は歌えませんみたいなことが起こってしまって。先日、岡山で初めてライブをしたんですけど、最後の曲が「傷」だったんですね。で、思い出すわけですよ、去年の冬の自分のボロボロ具合を(笑)。こんなことになるなら本音を歌うんじゃなかったわぁって思うくらいボロボロ泣いて……そう、LiSAちゃんに聞きたかったのが、LiSAちゃんってよく泣きながら歌うじゃないですか。

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LiSA はい。

小南 泣きながらなんですけど、ちゃんと歌ってるんですよね。

LiSA そうなんですよ、顔だけ泣いてるんですよ。

小南 涙は流れてるんだけど、すっごい野太い声で歌ってますよね。私、2014年の武道館での「シロイトイキ」がすごく好きで。あそこまで涙が流れるとブレませんか? 心と声って連動しませんか?

LiSA んーっと……心と声は連動します。でも、涙は……んっと……息は連動してないですね。

小南 は、上がりますってすぐに。すぐに上がります私、息が!

LiSA あはははは(笑)。

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小南 それはどこかで冷静に歌をしっかり歌う本能が働いているってことなんですかね?

LiSA たぶん、私は体で表現をしているんですよ。激しいパフォーマンスをするのも、感情すべてをむき出しにしているわけではなくて、音を楽しんで体が勝手に動いているんです。よくみんなからは「LiSAのステージはエモーショナルだね」って言ってもらえるんですけど、ライブ中の私ってわりと冷静で。音があるなかで、「音が鳴っているのが楽しい」「音と自分の動きが合った瞬間が気持ちいい」みたいな経験はたくさんあるんですけど、自分を見失ってめちゃくちゃな動きをしてしまうことってほとんどないと思います。あれ? そしたら私って心と声がバラバラ?

――おそらく、LiSAさんの自分を客観視するプロデューサー的な目線がそうさせているのかなと。

LiSA あはははは(笑)。

小南 知りたいです。どうやったらそうあれるのか。

LiSA 私もすごい不思議です。泣いてるのにどうして歌えるのか(笑)。冷静って言いましたけど、私、ライブ中に結構泣くんです。よく泣くんです。

小南 泣き顔がすごく美しいですよね。そして歌が安定しているから、見ててすごくグッとくるんです。

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