ALI PROJECT「波羅蜜恋華」宝野アリカ インタビュー

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アグレッシブな展開。激情の歌詞。久々に担当するアニメ主題歌/EDで、まさに真骨頂という楽曲を見せつけるALI PROJECT。
ここでは、歌詞に映し出された思いの裏をアリカ様からご教示賜る。

――「波羅蜜恋華」を作るにあたって、片倉さんと何か話されましたか?

宝野アリカ まず、「快恠奇奇」みたいな曲を、というお願いがあったんです。ただ、「あれは特殊な作り方をしているので難しいよね」という話をしつつ。でも、EDだからといってバラードにする必要はないということだったし、久しぶりのタイアップなので「かっこいいやつを作ろう」って話をしました。

――詞は曲のイメージから?

宝野 そうです。曲を聴いたとき、「久しぶりに戦いの曲が来た!」って思いました。それで剣や紅蓮というところから「赤」をイメージしました。でも、話が来たのがアルバム・レコーディングの最中でだったので休む間もなくて。すごく催促されました(笑)。あと、このシングルのスタッフが原作のストーリーを説明してくれたんですけど、それがすごく上手で。聞いていてすごく面白いと思ったんですよ。周りのみんなは魔法が使えるのに、主人公だけは使えなくて剣だけでのし上がっていく……というところにすごく惹かれました。なので、主人公の歌にしたかったんですけど、制作側からOPは男の子目線、EDは女の子の目線にしたいというお話だったので。それで「恋の鞘当て」みたいなところを詞にしたんです。「妹がライバル?」とは思ったんですけど(笑)、そこには「戦い」がありますよね。やっぱり、愛って「戦い」だと思っているので。なので、私はもう二度と嫌だなと思いながら書きました。

――嫌ですか?

宝野 だって疲れるじゃないですか? ホント、ヤダ。平和じゃなくなるでしょ?

――すごく勝手なイメージですが、アリカ様は相手を転がす方なのかと。

宝野 あはは。ご想像にお任せします。でもこの子たちは恋をしているので、そういう気持ちになって書きました(笑)。

――「波羅蜜」という言葉は以前から使おうと思っていた言葉だったんですか?

宝野 そう、好きな言葉だったんです。で、歌詞を書いてたら「使えるかな」と思ったので。

――歌入れはいかがでしたか? かなり音域が広いですよね。

宝野 2オクターブ近くあるんですよ。「アルバムレコーディングで疲れているのにこんなに激しくて難しい歌を?」とは思いました(笑)。体調が悪いとあの高音は出ないですね。だから、最初に90秒サイズのデモを録ったあと、本番までに少し体調を整えました。「ライブでは裏声になっちゃうかな」とか思いましたね。ツアー(“ALI PROJECT TOUR 2015 倶楽部エピキュリアン快楽(けらく)交歓会のススメ”)のファイナル(渋谷公会堂)で歌いましたけど、流れの中で歌うならいいですけど、いきなりこれ、っていうのは辛いですね。でも、歌自体は気に入ってます。間奏はかっこいいし。

――アグレッシブさがありますね。

宝野 ねぇ? EDなのに「始まるぞ」って感じがしますよね。

――ミュージック・ビデオはどんなイメージだったんですか?

宝野 やっぱり赤をイメージして。あと、「宙を舞いたい」って話をしたんです。そうしたら「また釣りますか?」って言われて。釣られるのは好きだし、前回(「絶國TEMPEST」で)やってからしばらく経つので、やりたいと思いました。だから、風にあおられてひらひらするような服を依頼したんですけど、裁断が特殊になるということで生地を80m使うことになりました(笑)。スローモーションにすると水の中に浮かぶようなふわふわした感じが狙いだったんですよね。

――「赤」は紅蓮のイメージかと思うんですが……。

宝野 後半でしょう?(笑)。実は、盆栽女を前々からやりたいと思っていて、今度出す写真集でも撮った衣装なんです。せっかくのすごい衣装なのでもっと活用しようと思って、ここでも登場させました。

――でも、盆栽、金屏風、着物、と和のテイストが「波羅蜜」の世界観に合っていますね。

宝野 そうなんです。人間ではない何か、みたいなイメージですね。でもあれ、動けないんですよ。後ろの樹木と手が固定されているし、頭にも載せているので。枝は、ヘアメイクの人が実家の庭から取ってきたのを、塗って使っています(笑)。 

――(笑)。カップリングの「魂ノ代(たまのよ)」はどういうイメージから生まれた曲ですか?

宝野 同人誌(『Lolicate』)で「魂世(たまよ)」っていう、冥界に留まる女の子の怖い話を書いているんですけど、その魂世で曲を作りたいと思っていたんです。でも、あがってきた曲は明るかったので、魂世が赤ちゃんとして生まれ変わって新しい人生を歩むときの最初の思い、みたいなところにしました。魂世はすごく苦しい思いをしているんですけど、それを通り越したら波羅蜜や「無」に至って、新しい発想になる気もしているんです。アルバム『快楽ノススメ』でも、一番の快楽とは無の世界に到達することなのかと思ったんですよ。それってすごくは大変だろうけど、でもその先もあるはずなので。

――片倉さんに魂世の曲を作りたいということは言わなかったんですか?

宝野 言ってなかったですね。アルバムでもやりたいと思ってたんですけど、やっぱり合う曲がなくて。同人誌で、人間じゃないものになって写真に撮って文章をつけて、というシリーズをずっと続けていきたいと思っているので、それを音楽にするのもアリだとは思っているんですよ。でもこの曲、可愛いですよね。好きです。片倉さんは80年代ポップスと言ってました。

――こちらはどんなイメージで歌われたんですか?

宝野 生まれてくる赤ちゃんの歌なので合唱団のソリストのように、純粋な感じで歌いました。

――曲の最後に入っている赤ちゃんは、アリカ様の声というわけでは……。

宝野 違う違う(笑)。あれは私の着メロです。

一同 え!?

宝野 それを少し変えて使っちゃいました。でも別に、赤ちゃんが好きなわけではないんですよ。私にとっての赤ちゃんって「お人形」なんです。お人形が泣いているからすごく可愛いと思うんです。前にタクシーの中で電話が鳴ったら、「お子さんの声ですか?」とか言われたんですけど(笑)。

――アリカ様にとって赤ちゃんは、人ならざるもののひとつなんですね。

宝野 そう。だから、私に赤ちゃんを触らせないほうがいいって周りはみんな思ってるみたい。私、揺らしたくなっちゃうんですよ。でも、それは危険な行為なので。

――久々のタイアップシングルとなりますが、改めてどんな気持ちですか?

宝野 アニメでしかアリプロを聴かない人にとっては「まだやってたのか?」ってところだと思いますけど(笑)、でも今回の曲で「さすがアリプロ」と思ってもらえるといいですね。「アリプロだ」って聴いてすぐ分かるじゃない?(笑)。次もタイアップでシングルを出せたらうれしいし、アニメが好きな人にも聴いてもらいたいですね。

――こんなアニメの主題歌をやりたい、というのはありますか?

宝野 相撲アニメ(笑)。刀剣物が流行ってるので戦国物もいいけど、やっぱり相撲ですね(笑)。

――鶴竜好きで有名ですしね。

宝野 だって可愛いじゃないですか。勝とうが負けようが表情が変わらないところとかも(笑)。

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
TVアニメ『落第騎士の英雄譚』
「波羅蜜恋華」
発売中
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【初回盤(CD+DVD)】
品番:VTZL-103
価格:¥1,800+税
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-35219
価格:¥1,300
<CD>
01 波羅蜜恋華
02 魂ノ代
03 波羅蜜恋華(Instrumental)
04 魂ノ代(Instrumental)
<DVD>
「波羅蜜恋華」Music Video

●作品情報
TVアニメ『落第騎士の英雄譚』
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