ベストアルバム『DISPLAY-Now&Best-』リリース記念、VALSHE × minato スペシャル対談 

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活動5年の軌跡を辿るベストアルバムリリース 。デビューからジャスト5年目となるタイミング、2015年9月23日にベストアルバム『DISPLAY-Now&Best-』をリリースするVALSHE。ファンにとって、これまでの軌跡をパッケージングした大切な一枚になることは間違いないが、このアルバム自体にも、現在進行形で突き進む彼女の姿が表れている。その証となる新曲たちとコンセプトについてVALSHE、そして彼女のデビュー時からサウンドプロデュースを手がけるminatoに登場してもらい、これらの意味をたっぷりと語ってもらった。

VALSHEらしいコンセプトを持ったベストアルバム

――今回、ベストアルバムをリリースするということで、改めておふたりの軌跡をお話いただければと思います。WebラジオにVALSHEさんとminatoさんがご一緒に出演されたのがきっかけだったそうですね?

minato 他の方の個人放送のWebラジオだったんですけど、一緒に出演してから急速に仲良くなって、何か音楽作ろうぜって話をして、そこからすべて始まった感じですね。

――それまでにお互いに作ってる曲などはご存じだったんですか?

VALSHE 名前は知っていたし、互いの曲を聴いたことはありました。実際に出会ったのはその半年後ぐらいに共通の友人を通じてでしたね。

minato 実際に会う前から、もう曲を作る話をしていて、作詞とかも一緒に始めていたんです。そうして作品ができて、もっといろいろやっていきたいねという話をしていたとこで、レーベルからお話をいただいてデビューに至ったというのが最初の流れでした。

――仲良くなったきっかけは何でしたか?

minato もともと聴いてる音楽が近かったんですよね。

VALSHE それに加え、単純に人として興味があったというか(笑)。気性が似てるなって思う部分があったんです。

minato 考え方とか価値観がぴったり合っていたので、話していてもいろんな意味で初めてという感じがしませんでしたね。その延長で音楽作りを始めたというのが大きいですかね。ただ、曲作りにおいては最初の段階からお友達感覚のやりとりはまったくしてなくて、仕事は仕事としてガッチリと作る感じでした。

――minatoさんはVALSHEさんと聴いてる音楽が近かったとのことですが、音楽ルーツについて教えていただけますか?

minato 僕は1990年代から2000年代初頭くらいのJ-POPから入って、その後はアニソンにもハマりました。いわゆる日本的なメロディが好きで、それさえしっかり自分にハマっていればアレンジや方向性は多少ずらしても大丈夫な感じでした。ベースはデジタルロックなんですけど、ちょっとR&Bっぽくとか、ちょっとクラシックっぽくっていう寄り道をしていった感じです。

――VALSHEさんとの作品作りにおいては、実際にはどのように作られているのでしょうか?

VALSHE 大きく分けるとminatoがサウンドプロデュースで自分はビジュアルプロデュースです。コンセプトを自分が伝えてから一緒に考えていくものもあれば、最初からふたりで考えるものもあります。逆にキーワードを決めてそれを膨らませてコンセプトに昇華することもあります。ビジュアルプロデュースの最終決定権は自分にあって、サウンドの最終決定は彼にお願するという形ですね。

minato 大枠としては分業なんですけど結構、密に共同で作っている感じですね。アイディアは二人ともぼこぼこ出てくるタイプなので、それをどういう形で具現化するかは都度都度でいいかなと。自分の曲の方向性、VALSHEの歌の感覚、世界観の構築の3つが変わってなければどんなやり方をしてもいいという考えでやってきました。

新曲では5年間の活動を経て強くなれたVALSHEを表現

――今回のベスト盤もあるコンセプトをもって作られたとのことですが。

VALSHE 節目である5年目にベスト盤を出せたらとは思っていましたが、ちょうどデビューからピッタリ5年後となる9月23日にリリースすることができました。実は数年前からこの日が水曜日だと気づいて、ちょうど出せそうなタイミングだと気づいてはいたんです(笑)。ただそこで、単純にこれまでの曲を並べて出すだけのベスト盤はちょっと違うなという思いはお互いにありましたね。

minato VALSHEって、これまでそうしたスタンダードさからはちょっとずらしてきたこともあったので、せっかくのベストだからこそ、そこもちょっと普通とは変えていこうと。

VALSHE 今までミニアルバムなどでコンセプトを立てて作ってきたわけですから、ベスト盤でしかできないようなコンセプトを作ろうという話し合いをしていたなかで、ちょうど「展示会」というアイディアが浮かんだんです。ただそれも、単にこれまでの曲を綺麗に並べるというのではなく、最新のVALSHEがこれまでのVALSHEを収監しているというコンセプトで全体をまとめました。タイトルも、最新のVALSHEと今までのVALSHEが詰まって提示しいるという意味を込めて「DISPLAY-Now&Best-」と付けました。今回、新曲が入っていてそれも「DISPLAY」というタイトルです。

minato 一般的にベスト盤に新曲を入れる場合って、アルバムの最後に入ってることが多いと思うんですけど、今回は「ここから作品を展示してるんだよ」というコンセプトを示すために、敢えて1曲目に持ってきたんです。

VALSHE それ以降の曲順は自分たちにとっての5年間とファンのみなさんにとっての5年間を共有して、順番に聞いて思い出していただけるようにリリース順に並べています。

――「DISPLAY」はどんな楽曲でしょうか?

minato けっこう激しめの曲になりました。たとえばベスト盤の新曲ではファンのみなさんへの感謝をつづるというのはひとつの形としてはあり得るとは思いますが、それとは違うことをしたかったんですよね。今のVALSHEらしいVALSHEを提示したかったんです。この前にリリースしたミニアルバム『ジツロク・クモノイト』もそうですが、今のVALSHEはけっこうハードな方向に向かってるので、その流れをあまり崩さず、ゴリゴリな曲に仕上げています。

VALSHE コンセプトと楽曲作りは平行して行ないました。これは5年間の活動があっての作り方だと思います。ふたりともベスト盤の新曲だからといって、小さくまとめたくはないという思いがあったので、そこは確認するまでもなく「DISPLAY」のデモの楽曲制作に入ってもらい、こちらはビジュアルコンセプトの落とし込みに入っていきました。実際、デモを聴かせてもらったら「放っといてよかった」と思える仕上がりでした(笑)。

――歌詞についてはどのような言葉を選んでいきましたか?

VALSHE 作詞もベスト盤だからといっていつもと変えようとはまったく思いませんでした。ただ、これまで書いた歌詞を改めてリリース順に読んでみると、最初の頃はやっぱり言葉選びに遠慮があったように思えるんです。より抽象的というか、すごく察しのいい人だったら、「こういうことを言ってるのかな」って気づく位に表現を抑えていた部分があって。そうした言葉の選び方というのもまたその時の等身大の自分だし、その時はすごく満足して表現したものだったから、今聴いても好きだなとは思えるんですけど、もし今の自分がセカンドやサードシングルあたりの曲の歌詞を書くことがあるとしたら、この言葉は選ばないだろうなって。要はどんどん遠慮がなくなっていったということだと思うんです。新曲で今の自分の気持ちをそのまま出したのは5周年の決意表明ですね。

――それが可能になった理由は何ででしょうか?

VALSHE 自分が強くなったからなんじゃないかなと。ただそれは『V.D.』のときにした、すべてを出してやっていきたいんだという意思表示とは違う現れになってると思います。

minato 以前は遠慮があったというのは本当だと思うんですよね。たぶん作詞だけじゃなく、ボーカルワークにしてもそうで、こういう風に歌わなくちゃいけないという固定概念があったのが、ひとつずつロックが外れていくことをこの5年で経験していった。このベスト盤を順番に聴くとそんなには感じないかとは思いますが、「DISPLAY」と「crash!-REBIRTH-」は新録なので、次の(オリジナルデビューミニアルバム『storyteller』収録曲の)「Myself」になったときに、今のほうがだいぶ解放してる感じが表れているなと思います。

――曲作りをする側にもそうした5年間の変化はありましたか?

minato そうですね……。VALSHEらしさをもっと際立たせるにはどうすればいいかを考えながら作っていくことが多くなりましたね。VALSHEは「crash!」がオリジナルを作るのが初めてだったんですけど、僕はそれ以前から曲作りをしていたので、その頃のほうが僕の世界観に全体を寄せるようなところがあったと思います。それがだんだんとやりたいことが明確になってきて、僕は引っ張る形からだんだんとサポートする形に移行して、曲作りもそれに合わせていくような形になってきているように思います。「DISPLAY」と「Myself」はテンポ感的には近かったりするんですけど、その意味で曲の種類としてはまったく違うんですよね。

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