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INTERVIEW

2015.08.10

妖精帝國、ニュー・アルバム『SHADOW CORPS[e]』リリース記念インタビュー

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妖精帝國が贈る6枚目のアルバムは、新曲11曲+アレンジカバー1曲を全曲生録音。まさに純然たる妖精帝國の結晶に他ならない。隊員が新加入後の2年間を経て、バンドとしての妖精帝國はここに一つの完成形を見せる。臣民のための1枚であり、臣民へと誘う1枚を生み出した5名の想いがここに。

聴いたら絶対に式典に行きたくなるであろうアルバムだと自負している(ゆい)

――今回のアルバムについてどういったイメージで制作に入りましたか?

ゆい ひとつには「闇」「ゾンビ」、そして「暗い」「カッコイイ」という一面を見せるということ。それから、臣民と共に盛り上がれるということ。この2つのコンセプトで作り上げている。というのも「闇」というのは忌み嫌われがちだが、ダークヒーローというものがいるように闇には闇なりの正義があり、時代によって受け取られ方が変わるものだ。闇だから一概に悪とは言えないし、闇なりのカッコよさを表現したいと考えていた。

橘 尭葉 妖精帝國は正式名称を「妖精帝國第三軍楽隊」というように軍隊ですが、軍隊とは決して明るいものではないので、そこから「闇」をコンセプトに、軍隊らしい「力強さ」「行軍」を音楽で表現しようと考えていました。

ゆい タイトルも同じだな。「e」がついた「CORPSE」は「死体」、eが外れた「CORPS」は「軍団」という意味で、つまり我々のことを言っている。

 あとは、そういった「カッコよさ」とか「怖さ」以外でも、個人個人が自分を分かりやすい形で出すというところも重要視しました。とにかくサウンドでも作詞でもいろいろな可能性を追求していったのですが、やっぱり11曲のオリジナルアルバムだと新しいことを表現するのはやりやすかったですね。

――皆さんが個人としてこだわりを見せたところも教えていただけますか?

紫煉 今回は自分もメンバーの良さも詰め込みたいと思っていて。例えば「”D” chronicle」は、「こういう曲を作らせたら自分が日本一」だと自分で思っているような分野の曲ですし、ギターソロも遠慮なく長くしていますけど、メンバーの良さが引き出される曲にもしています。逆に「calvariae」のような遅い曲は自分にとってチャレンジでした。でも我ながら、苦しみや悲しみといったダークな気持ちをうまく表現していると思います。ギタープレイに関しても、(ギターの入らない「Attack!!」以外の)全10曲で「メタルギタリストである自分」を存分に出していて。ヘビーなリフや早弾きを聴かせていますけど、一方で違う自分、エフェクターを駆使したプレイや特殊なテクニックもぶち込んでいます。今の自分、今の妖精帝國の全てを反映させられたので非常に満足していますね。

 自分も、バンドサウンド、各メンバーの個性は意識しました。「残夜の獣」はギターのソロの裏でディミニッシュコードを連発していて、紫煉曹長ならやってくれるとは思ったんですけど、最初にもらったソロはすごく変で。自分は気に入ってたんですけど「今の臣民にはまだ早い」(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ネタ)と思って、弾き直してもらいました。そうしたらカッコイイし、不思議な感じもあるし、紫煉曹長の個性も強く出たソロが来ました。そうやってみんなに期待して作り合ったアルバムだったとは思います。「Gight軍曹はこういうドラムが映えるな」って考えるとか。バンドサウンドで妖精帝國の世界観を体感してもらいたい思いがありました。

Gight 自分は、軍団や怖さ、ゾンビとは別にあった「サーカス」というテーマを意識しました。サーカスらしい「ウキウキ感」というか、それをリズム・パターンやフィルのフレーズに撒き散らかしています。

 ウキウキ感も度が過ぎれば怖いですしね。

Gight 全曲で満遍なく入れてますが、例えば「Shadow Corps」が一番分かりやすいのではないかと。そこは、軍隊が行進するイメージのフレーズをギターやベースと共にドラミングで表現しているところでもあります。

Nanami 自分は、ツアー(「Hades:The other world Tour」)で少し体を壊しまして。その療養中に昔好きだった映画や気になっていた映画を見直す時間を作れたので、そこから得られたものがかなり今回のアルバムには入っていると思います。昔のものから2010年前後のゾンビ映画は特に。

――最近は情緒的なものを始め、ゾンビ映画もさまざまなパターンがありますね。

Nanami そうですね。内面をフィーチャーした映画も多いので、そういったところからもヒントを得られました。

 さすがにゾンビ好きなだけあって、MVの撮影でもゾンビの動きがやたら上手くて。「ゾンビ先輩」と呼ばれていました(笑)。

ゆい いつの間に……。私は作詞と歌唱で一つずつ自分に課したものがあってだな。歌詞については「曲を聴いて最初に浮かんだ言葉を使わない」、歌唱に関しては「自分で感情の限界を決めずにリミッターを外す」というものだ。やりきれなかったものもあるが、まあ、おおむねできたのではないかな。

――加入後2年を経て、ゆい様と橘さんから3隊員への信頼も高まってきたように見えますが。

ゆい 今回のアルバムで伝えたかったことのひとつにそれもあった。橘を含む隊員達にも目を向けてもらいたい、というものだ。今までは私が臣民の人気を独り占めしていた。それも仕方のないことではあるが、その思いの表れが9曲目のインスト曲でもあるわけだな。

 トラックダウンでも新しい試みを持ち込んだというか、各パートが見えるソリッドなミックスを心がけました。タイトなサウンドがモダンでカッコイイというのもあるんですが、聴いているとバンドのメンバーが見えてくるような楽曲にする狙いがありました。各隊員が出した音が最後まで個性を持っているようなミックスですね。非常にレベルの高いものがでできたので、早くみんなに聴いてもらいたいです。

――そういった中で「体内時計都市オルロイ」はどういう意図で入ったのでしょうか?

ゆい まず、前作のカバーもそうだったが、我らの音楽に影響を与えた、いわばルーツを知らしめる事。そして臣民のほとんどは聴いたことも、恐らくアニメ(『少女革命ウテナ』)を見たこともないのではないだろうか。我々がカバーすることで臣民諸君にその存在を知ってもらうという狙いもある。

 自分も好きで聴いていましたし、日本語コーラスがバンドサウンドに乗る奇妙さとカッコよさの両立という点では感銘を受けましたね。我々も異色なものを合わせて音楽を作るという活動をしていたし、今回「やっぱりカッコイイじゃないか」と再確認もできたので、若い臣民が聴ける機会を作れたことは良かったです。臣民なら、妖精帝國が生み出す耽美と奇天烈の融合とも共感できるでしょう。

――MVも撮影したということですが、そちらの感想は?

ゆい ただただ楽しかったな。ゾンビになるという経験はなかなかないのでな。特にゾンビになった後のみんなの動きが面白かった。ただ、私はみんなの前に立っているので、隊員がどういう動きをしているのかはあまり見られなかったのだが、動画編集に立ち会ったとき、私だけが生きが良くて、みんなの方がゾンビらしかったのでそこは残念だ。

――ただ、ボーカルはどうしても仕方ないですよね。

ゆい 「アーアー」言うわけにもいかんしな。

紫煉 あと朝が早かったので。

ゆい それはいつものことだ。

 いや、いつもより早かったので。

Nanami 夜中から起きて準備をして朝から撮り始めるようなスケジュールだったので、途中でゾンビの姿のまま栄養ドリンクを飲んでいました。

ゆい ゾンビなのに精力つけようと。その疲れがゾンビらしさを出したのかもしれんな。

 あと、廃墟になった教会のような場所で、隊員たちが死んでいるんですけど、あの撮影は辛かったですね。自分は朝の公園で寝てる人みたいに椅子に寝ているんですけど、監督から姿勢を保つように言われて、実はすごく力を使っていたんです。でも、ほぼ映っていない(笑)。

Gight 自分も階段に寝そべっているんですけど、お尻と背中と首に段が当たっているだけだったので、起き上がるシーンも腰を支点に腹筋だけで起きるので大変でした。

ゆい 私は棺桶に入ったのだが、蓋が閉まったときは嫌だったな。このまま出られず死ぬのでは、というイメージが浮かんで。『火の鳥』の生き埋めにされるシーンを思い出してしまっていた。

――振り返ってみてゆい様と橘さんとしてはどのようなアルバムができたと思いますか?

 自分で聴いていてもすごく楽しくて、あっという間に時間が過ぎた感覚がありました。個性も新しさもあるサウンドになっているし、隊員みんながやりきった瞬間を切り取った曲ばかりだと思います。

――「Infection」「檄」の流れは、そのままライブでやってもいいような勢いも感じますしね。

 今、仰ったようなライブ感も大事にしたところで、コール&レスポンスや一緒に歌ってもらう場所を多くするというのも最初からあったコンセプトでした。臣民とダイレクトにつながれる曲ばかりなので、式典を楽しみにしていてほしいですね。

ゆい そう、今までは独りでも聴けば「楽しい」「盛り上がる」という曲だったが、今回は「みんなで一緒に盛り上がれる」というのがポイントだ。そのような曲をたくさん作ったので、これはもう式典に来るしかないだろう。絶対に式典に行きたくなるであろうアルバムになっていると自負している。

Interview&Text By 清水耕司(ボーグナイン)


●リリース情報
妖精帝國ニューアルバム
SHADOW CORPS[e]
発売中
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品番:LACA-15496
価格:¥3,500+税
<CD>
1.Attack!!
作曲・編曲/橘 尭葉
2.”D” chronicle
作詞/YUI 作曲/紫煉 編曲/紫煉 妖精帝國
3.闇色corsage
作詞/YUI 作曲/橘 尭葉 編曲/橘 尭葉 妖精帝國
4.白銀薔薇奇譚
作詞/YUI 作曲/Nanami 編曲/Nanami 妖精帝國
5.残夜の獣
作詞/YUI 作曲/橘 尭葉 編曲/橘 尭葉 妖精帝國
6.calvariae
作詞/YUI 作曲/紫煉 編曲/紫煉 妖精帝國
7.Infection
作詞/YUI 作曲/Nanami 編曲/Nanami 妖精帝國
8.檄
作詞/YUI 作曲/紫煉 Gight 編曲/紫煉 Gight 橘 尭葉 妖精帝國
9.ancient moonlit battleground
作曲・編曲/妖精帝國
10.Shadow Corps
作詞/YUI 作曲/Nanami 橘 尭葉 編曲/Nanami 妖精帝國
11.体内時計都市オルロイ
作詞・作曲/J・A・シーザー 編曲/橘 尭葉 妖精帝國
<DVD>
「Shadow Corps」Music Video

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