Aimer、ニュー・アルバム『DAWN』リリース記念スペシャル・インタビュー!

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『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のOPテーマ「Brave Shine」のヒットも記憶に新しい中、Aimerの3rdアルバム『DAWN』が7月29日にリリースされた。Aimerが綴る「眠れない夜の物語」最終章となる本作について、彼女に話を聞いた。

これまで綴ってきた夜の世界観というものを一度、ひとつの夜明けに導くタイミングが今なんじゃないかと思って

――約1年振りのアルバム・リリースになりますが、この一年の活動を振り返ってみていかがでしょうか?

Aimer 2014年6月に2ndアルバム『Midnight Sun』をリリースしてから、9月に「誰か、海を。」とワンマン・ライブ、12月に「broKen NIGHT/holLow wORlD」を出して、年が明けてからはツアーがあって。やっぱりワンマン・ライブを初めて経験したことが自分にとって大きかったですね。“ライブでお客さんと同じ場所で同じ時間を共有する”ということを経験したことで、もっともっと届けていきたいなという思いを強めた1年でした。あとはやっぱり「Brave Shine」の歌詞でも表現した、ツアー中に突然声が出なくなるという挫折も自分にとって何よりも大きかったです。今回はそういう挫折と、そこから立ち直った今があったからこそのアルバムになっています。

――以前のインタビューでも声が出なくなったトラブルについて、そして前向きに立ち直ることができたお話をお伺いしましたが、今回のアルバム・タイトルには、そういった思いも込めて?

Aimer どういうアルバムにしようかなと思ったときに、最初に“DAWN”というコンセプトを持ったアルバムにしよう、というのがありました。好きなでことわざで“夜明け前がいちばん暗い”というものがあって、いちばん暗い時間帯が、ちょうど自分にとってのあの挫折だったんじゃないかなと昇華したので。だからこそ、これまで綴ってきた夜の世界観というものを一度、ひとつの夜明けに導くタイミングが今なんじゃないかと思ってアルバムを作りました。

――今作は前作よりポップさが増した印象がありました。ツアーを経験されたことによって、お客さんと共有できるような曲も増えてきたように感じます。

Aimer すごく入り込みやすい曲から聴く側をはねのける、ある意味でシャットアウトするような曲まで、聴いてくださる方との距離という意味でも、今まで以上に振り幅が広い一枚になったかなと思います。“夜明け”というタイトルを冠したからこそ、光を感じるようなものを入れたくて。だからこそいちばん暗い時間帯の「Brave Shine」や「LAST STARDUST」のような、深い夜の力強いものも入れたかったんです。考えて考えてというよりは、自然の流れで自然にそういう気持ちが生まれて、結果的にポップと言っていただけるようなアルバムになったかなと思います。

――夜が来てそれがまた明けて、という営みが繰り返されるような、抑揚や緩急をアルバム一枚を通して感じました。それはやはり最初に決めたタイトルによって導き出された部分があるのでしょうか。

Aimer そうですね。『DAWN』というアルバムを作ろうと思ったときに、最後には「DAWN」という曲を入れたいと思ってそこから作り始めました。そこに最も暗い挫折の「Brave Shine」も入れて、と決めていったら、自然と流れのあるものになったと思います。コンセプトありきで作っていったので、それに即して曲目や曲順を相談しながら考えていけましたね。

――曲ごとに明暗がはっきり分かれているのが印象的で、それによって聴きやすくキャッチーに受け取れました。

Aimer ありがとうございます。自分の歌という面でも、今はすごくコントロールできて歌と向き合えていて、それがこのアルバムで提示できたかなと思います。力強い曲は振り切って力強く、優しい曲は強さを知ったからこそ出せる優しさを出して歌いたいという、そういうものがはっきりしたアルバムですね。

――最初と最後がどちらも「MOON RIVER」のカバーという構成になっていますが、この意図はどういったところに?

Aimer 1st、2ndアルバムともにプロローグとエピローグのような、アルバムのテーマソング的な位置付けの曲を入れてきて、三部作の最後ということもあって今回もそういう曲をいれたいなと思って「MOON RIVER」を入れました。前々から個人的に好きで歌ったりしていて、思い入れのある曲です。ちょっと懐古的な部分がありつつも旅立ちを予感させるような曲で、まさに終わりと始まりみたいな近しいものを感じたので、この曲がテーマソングにぴったりかなと思って選びました。

――今回のアルバムでは全体から、完結というより“ここから始まる”という印象を受けました。2曲目の「Believe Be:lieve」も、新しいスタートを感させる楽曲ですね。

Aimer 『DAWN』というタイトルから、人によっては“夜が明けてしまうのか”と受け取られちゃうかなと思ったんですけど、自分としては今まで描いてきた“眠れない夜”を、ひとつの夜明けに導いてあげるっていう意味なので。決してもう二度と夜を歌わないという訳じゃなくて、ここがひとつの、夜明けも知ったからこそまた来る朝や夜を歌えるんだよっていう、始まりの提示でもあったので、そういうふうに受け取っていただけるとうれしいです。

――ハッと耳が奪われる感覚がすごくあって、前情報なしでこのアルバムを聴くと驚きの連続でした。

Aimer やっぱり「MOON RIVER」という序章があってからの最初の一曲は、どういう曲調にしようかというのをすごく考えました。今までだったら始まりはまだ夜の中、不安な気持ちのまま漕ぎ出していくっていう曲を選んでいたので。今回は夜明けを予感させるような、曲調は明るくてキラキラしたようなものにしたらつかめるんじゃないかと思って選びました。でも歌詞はこの曲の切なさの部分に寄せて書いたので、ある程度までの光を感じてもらえるかなと思ってます。

――「Noir! Noir!」も、その前に「broKen NIGHT」があるからこそ引き立つ部分がありますね。R&B調の「AM04:00」からの「誰か、海を。」であったり、全体的な押し引きが絶妙で。アルバム一枚があっという間に聴き終わってしまうようでした。

Aimer うれしいです。「誰か、海を。」はすごく癖のある、アクセントの利いた曲になっているので、置きどころも悩みました。あえて「AM04:00」のようなダンサブルな曲も入れつつ、「Noir! Noir!」という“暖かいんだけど暗がり”のような、良い意味で不協和音みたいな曲もありつつ。それぞれが振り切れてる曲を挑戦的に入れたので、逆に全体的にはまとまったんじゃないかなと思います。

――「LAST STARDUST」と「Brave Shine」の並びは、『Fate』の世界観とともに暗闇の色の濃さを強く感じました。この2曲についてはどんな楽曲だと思われますか?

Aimer これは奈須きのこさん(『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』原作者)にもブログで書いていただいたのですが、「Brave Shine」ではなく「LAST STARDUST」が『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のOPテーマになっていた可能性もあったんです。だから自分の中でもこの2曲は“つがい”というか、一緒にいて初めて成り立つ部分があったので、絶対に連続で聴いてほしくてこの位置に入れました。最終的には「Brave Shine」がOPテーマに選ばれたのですが、挿入歌として「LAST STARDUST」も使っていただいたので、本当にうれしかったです。『Fate』という作品を背景に生まれた曲なので、その世界の中で両方とも昇華できたというのはとても光栄に思っています。

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私が言葉にして今語るよりも、聴いてもらって、皆さんが今までの曲も踏まえて解釈してもらえたらなと思います

――「Brave Shine」が決意の思いが刻まれた曲だとしたら、次の「キズナ」はファンへのストレートな感謝の思いが込められているように感じました。

Aimer 「キズナ」は、デビュー前に初めてレコーディングをした、思い入れ深い曲なんです。曲自体はずっとあって、4年という歳月を経て満を持して収録することができた曲なんです。声が出なくなったツアーの最後の、東京公演のアンコールで初お披露目できたのですが、「Brave Shine」が生まれるきっかけになった挫折があったあとで、この曲を皆さんに向けて歌うということが、自分にとっても運命みたいに感じるくらい歌詞がしっくり来たんです。そういう意味でもまたあらたに、私にとって特別な曲ですね。それと「キズナ」を歌うときに大切にしたかったのは、何があっても絶対に優しさだけで歌いたいということでした。力強さを表現できた今だからこそ、力強さがいっさい入らない優しさを表現できるようになったと思っていて。中途半端に力強さを習得した直後は、優しさの表現がすごく難しい時期があったんです。今はそれをコントロールできるようになって、純粋な優しさだけを出せるからこそ、この曲は絶対に、いっさい力強さを出したくないっていう思いで歌いました。なので、その差が伝わっていたらうれしいですね。

――その思いが繋がるように「DAWN」という楽曲へ続き、まさに夜明けに至る連鎖が続くような感動的な構成ですね。壮大な楽曲の中で、ここでもご自身の決意が表現されているように思えました。

Aimer この曲は、今まで本当にたくさんの眠れない夜を歌ってきたということを、自分の中で思い返しながら歌詞を書きました。この曲に込めた思いっていうのを、私が言葉にして今語るよりも、聴いてもらって、皆さんが今までの曲も踏まえて解釈してもらえたらなと思います。メロディ・ラインもアレンジも、穿ったところがない素直な曲になっています。ですが、物語をここで終わらせることなく、そのあとに「MOON RIVER」を持ってきたっていうことにも、意味を感じてほしいですね。ひとつの夜明けではあるけどすべての夜が明けたわけじゃなくて、これからもまた、この物語は終わっても新しい物語の中で朝も夜も来るんだ……という意図を感じてもらえたらなと思います。

――今回書かれていた歌詞を見ていて、Aimerさんの音楽活動や人生から、“旅”や“航海”といった意味合いを強く感じました。ご自身としてはそういった意識は?

Aimer 日々を歩んでいく中で、誰もがいろいろな道を歩いていて、いろいろな悲しさとかいろいろな喜びに出会って、それぞれの光にも闇にも出会って……ということ自体が、ひとつの旅のようだなというのは常日頃から思っています。今回の作品で眠れない夜たちをひとつの終わりに導いたのですが、これからも根本に抱えてるものとか、こういうものを歌いたいという思いは変わらないので、そういうものをまた新しい物語の中で綴っていきたいと思うし、またこれからも旅を続けるのだと思います。

――今回のアルバムの制作を経て、Aimerさんが今いちばん感じていることはどういったことでしょうか?

Aimer 「Brave Shine」以降から特に、聴いてくださってる方との繋がりや思いがどんどん強まっているのを感じています。楽曲やアートワークを一緒に作っているチームもそうなんですけど、作っている中での絆や繋がりをすごく大事にしたいなと思わされました。表現の部分では、挫折を経て強さを手に入れて、強さを表現できるようになったからこそ、弱さを表現することもできたというのは、今の自分にとってすごく大きいものだと思っています。歌をコントロールしている今の状態で、次はもっと新しいものを作りたいなっていう気持ちが大きいですね。

――今回のアルバムは密度の濃い、非常に情報量の多い作品だなと感じました。始まりと終わりがはっきりしているから、“アルバム”という一枚の作品として聴く姿勢ができるんですよね。

Aimer うれしいですね。ダウンロードで単曲で聴くということが自然になってきている時代だからこそ、ひとつのアルバムとしての聴き方も提示できたということは、自分にとってもすごく大きいと思っています。もちろん曲一つひとつでも楽しんでいただけますけど、アルバムで聴くことに意味を持たせたので、流れで聴く楽しみを感じてもらえたらいいなと思います。

――元々Aimerさんのファンはそういった点を読み取る方が多いと思いますが、きっと皆さんも意図や意志を感じてくれるんじゃないかと思います。

Aimer そうですね。そこは本当に、ファンの皆さんを信頼してます。


●リリース情報
Aimer 3rdアルバム
『DAWN』
7月29日発売
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【初回生産限定盤A(CD+Blu-ray)】
品番:DFCL-2150~51
価格:¥3,980(税込)
【初回生産限定盤B(CD+DVD)】
品番:DFCL-2152~53
価格:¥3,650(税込)
【通常盤】
品番:DFCL-2154
価格:¥3,218(税込)

<CD>
1.MOON RIVER -prologue-
2.Believe Be:leave
3.君を待つ(ドラマスペシャル『クロハ~機捜の女性捜査官』主題歌)
4.broKen NIGHT(PS Vita「Fate/hollow ataraxia」主題歌 )
5.Noir! Noir!
6.Re:far
7.AM04:00
8.誰か、海を。(TVアニメ『残響のテロル』EDテーマ)
9.LAST STARDUST(TVアニメ 『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』挿入歌)
10.Brave Shine(TVアニメ 『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』OPテーマ)
11.キズナ
12.DAWN
13.MOON RIVER
<Blu-ray/DVD>
「Believe Be:leave」MUSIC VIDEO
「君を待つ」MUSIC VIDEO
「broKen NIGHT」MUSIC VIDEO
「誰か、海を。」MUSIC VIDEO
「Brave Shine」MUSIC VIDEO
「星の消えた夜に」 from Live at anywhere vol.23

●ライブ情報
Aimer Live Tour “DAWN”
<金沢公演:21世紀美術館 -Live at anywhere->

日程:2015年9月22日(火・祝)  開場:18:30 開演:19:00
会場:21世紀美術館(シアター21)〒920-8509 石川県金沢市広坂1-2-1 https://www.kanazawa21.jp/
お問い合わせ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
<仙台公演:セントジョージ教会 -Live at anywhere->
日程:2015年10月9日(金)  開場:18:30 開演:19:00
会場:セントジョージ教会 〒983-0863 宮城県仙台市宮城野区車町2 http://www.st-george.co.jp
お問い合わせ:キョードー東北 022-217-7788
<名古屋公演:千種文化小劇場 -Live at anywhere->
日程:2015年10月11日(日)  開場:17:30 開演:18:00
会場:千種文化小劇場 〒464-0858 名古屋市千種区千種3-6-10 https://www.bunka758.or.jp/
お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
<福岡公演:住吉神社 能楽殿 -Live at anywhere->
日程:2015年10月16日(金)  開場:18:30 開演:19:00
会場:住吉神社 能楽殿 〒812-0018 福岡市博多区住吉3-1-51 http://chikuzen-sumiyoshi.or.jp
お問い合わせ:BEA 092-712-4221
<大阪公演>
日程:2015年10月25日(日)  開場:17:00 開演:18:00
会場:オリックス劇場 〒550-0013 大阪府大阪市 西区新町1-14-15 http://www.orixtheater.jp
お問い合わせ:GREENS 06-6882-1224
<東京公演>
日程①:2015年11月1日(日)  開場:17:00 開演:18:00
日程②:2015年11月3日(祝・火)  開場:17:00 開演:18:00
会場:昭和女子大学 人見記念講堂 〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57 http://hall.swu.ac.jp
お問い合わせ: DISK GARAGE 050-5533-0888

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