INTERVIEW
2014.09.23
「ジョジョ」はとにかく反応が段違い
――「ジョジョ ～その血の運命～」というタイトルの通り、この曲しかない感があるんですよね。TOMMYさんは、この曲ができてから歌ってこられたなかで、その反響を感じられたりは？
富永 僕としては、あとからその実感がやってきました。はじめはシンガーとして、普段の仕事の延長に近い感覚だったんですけど、歌うにつれ、会場の熱と反応を感じていくなかで、この曲を待望していた方々から波動を感じていったというか。それは本当に確かなものなんだなと。歌詞とメロディ、サウンドがあって、僕はそこに中心として歌を入れていくみたいな。それはいつもと変わらないお仕事のひとつだったはずなんですけど、実際に歌が生まれ落ちて、その姿が皆さんに届いたときに、意味が何倍にも膨れ上がってくる実感がありました。その力は、最初はわかりませんでした。でも歌うにつれどんどん育ってきて、びっくりしています。
中川 ライブでお客さんの反応がすごいですよね。
富永 もうすごいです。「歌おう」とか言わなくても歌ってくれるし、言ったら何倍にもなって返ってくる。
中川 もう我慢できないですよ！じっとしてなんていられない。『ジョジョ』は普通の作品じゃないんですよね。時を超えて、今を生きている子もこれから生まれてくる子も、『ジョジョ』に導かれて何かを発見するんです。「男とは？生きることとは？戦いとは？人生とは？……」バトルとしても面白いし、さらに自分なりに何かを発見していくような。そんな人生の教科書のような作品として、出会ってしまったらそれ以前の人生には戻れない。この曲もそうです。特別な作品すぎて、TOMMYさんが歌うことも絶対に運命だったんだなと。
富永 すげーうれしい（笑）。
中川 その想いをひと言でいえないので、歌うことで滾る気持ちを表しました。
――単なるカバーに留まらない意味がありますよね。ほかにも「ウィーアー！」や「檄！帝国華撃団」が収録されていますが、中川さんのそうした想いが、田中先生に導かれて。
中川 田中先生が先日メールをくださって、「すごく良い曲になったからヘビロテにします。息子にも聴かせたいです」と言ってくださって、とてもうれしいお言葉でした。
富永 僕のとはちょっとアレンジが違うんですよね。エレクトリックなものよりはもう少しアコースティックな音の重なりで迫力が出ているんですけど、この違いは、公平さんが“生の気持ち”でやったらこうなる、というのがバックサウンドに流れているんだと思います。そこに新しく中川翔子というシンガーが魂を吹き込んだという融合。僕もこれは車の中で何度も聴いています。スルメCDです。
中川 わーすごくうれしいです！これまでは、ライブの中で歌っていくうちに、たとえば「空色デイズ」なんか特に、CDの歌と全然違っていったりしていて。それもすごく面白いなとは思うんですけど、レコーディングして残っているのはCDだから、複雑な気持ちになったりしたんですよ。でも『ジョジョ』のレコーディングで、何かがブチッと千切れたというか。難しすぎて血が出るかと思ったんですけど、最後のフレーズが出るか出ないかの中で、ある瞬間にブチッとなって。「で、出た！」となって、田中先生がガラスの中でOKサインを出している姿が見えて。すごい曲です。
――その経験は、今後の歌手活動に大きく影響してきそうですね。
中川 もう確実に、これからのレコーディングやライブの何かが変わるだろうなと思いました。
――TOMMYさんの方ではそういった経験はありましたか？
富永 僕の20年間は、自分で少しオリジナルをやったり、あとはカバーをしたり、それからCMソングを歌ったりで、ディレクションが人によって全然違ったんですね。そういう意味ではいろんな声を出さざるを得なかった。いろんな歌い方を試さなければならなかった。でもそのなかで“富永TOMMY弘明”を残していく……というのもありつつだったんですが、『ジョジョ』に関しては、素の自分を活かせたなと思って。それを皆さんに聴いていただけて、これほど認知されることは今までになかったので。本当に心から全身全霊を使って、僕のキャラクターみたいなものを活かせたのがうれしくて。集大成みたいなものがここにはあって。いろいろやってきたけど、正直な自分がここで出せたのはうれしかった。
中川 田中先生って本当にすごいですね。このフレーズのどこを歌っていても最高なんですが、どこがいちばん好きですか？
富永 僕は……（歌詞を見ながら考える）……歌い始めがすごく好きですね。以前しょこたんと話したときに、「この“空”という歌いだしで、言葉とメロディが、グンと1回沈むようにして浮かび上がってくる感じが……」と言ってくださって。それから非常に好きになってしまって（笑）。
中川 すいません（笑）。最初から、単なるひとつの言葉じゃなくて、そこだけで『ジョジョ』の世界のいろんなことが浮かぶんですよ。本当にすごいですね。えぐるような。
人生のいろんなことが爆発する日になると思います
――しかし本当にお話が尽きないですね。
中川 次は5時間くらい？（笑）。
――ここでは一旦まとめさせていただきます（笑）。11月16日にZepp Diver Cityで開催されるアニソンライブ“中川翔子PRODUCE LIVE「アニソンは人類をつなぐ！」supported by dアニメストア”に、TOMMYさんもご出演されるということで。
富永 はい。
中川 ありがとうございます本当に。
富永 いやいや（笑）。
中川 アニソン歌手をさせていただいているなかで、iPodに何万曲入っているアニソンを、今になっても栄養剤にようにずっと聴いていて。だからご本人様が生で歌ってくださるときは、身体が本当にみなぎるもので。だからTOMMYさんの生歌で『ジョジョ』を歌っていただけるなんて本当に幸せです。ずっと勇気をくれるアニソンだからこそ絶対最高の空間になると思います。この1日は、宇宙の歴史の中でもこの1日だけなので。とっても楽しみにしています！
富永 ありがとうございます。生まれたときは何者かわからなかった人が、いろんな愛や波動を受け継いで来られて、周りの人たちをどんどん巻き込んで仲間にしていって、こういう催しをして愛を届けようとするエネルギー……何たることですか！（机ドン）。 このエネルギー！！
中川 はい！（笑顔）。
富永 これは素晴らしいことだと本当に思うし、その情熱ですよ。この情熱を持った人こそが世の中を動かしていくんです。その意気込みなんですよ。
中川 いやいやいや。
富永 ぜひやらせてください！
中川 ありがたいです本当に。アニソンへのリスペクトも愛も、言葉にしきれなくて暴走してしまって、落とし所がなくて（笑）。それが『アニソン・アカデミー』という2時間フルでずっとアニソンが聴ける番組ができて、お仕事を超えてすごくハッピーで。すごくいい時代になってうれしいなと、ずっと現場でアニソン聴いてきました。でもライブの空間こそ本当に素敵な場所で。いまだに自分が歌うことに対して不思議な気持ちになるんですけど、夢はずっとアニメソングを歌うことで、ずっと死ぬまでアニメソングが好きだし。田中公平先生も「アニメソングだからこそ、国境を超えて笑顔になれるものがあるんだ」と、プライドを持って作り続けていくとおっしゃっていたのが本当にカッコよくて。そんななかでこんな機会がかなって、TOMMYさんに来ていただけるとなると、これまで生きてきたいろんなことが爆発する日になると思います。
富永 しょこたんの魂が、末代にまで届きますようにと願いつつ参戦させていただきます。
中川 ありがとうございます。本当に、アニソンは最高です！
Interview by 澄川龍一（リスアニ！）
Text by 山中貴幸
■CDリリース情報
中川翔子『TOKYO SHOKO☆LAND 2014 ～RPG的 未知の記憶～」しょこたん☆かばー番外編 Produced by Kohei Tanaka』
2014年9月24日発売
Sony Music Records
【初回生産限定盤／CD+DVD】価格：￥7,000＋税
【通常盤／CD】価格：￥2,000＋税
＜CD収録曲＞
1. ウィーアー！
2. ウィーゴー！
3. 檄！帝国華撃団
4. ジョジョ～その血の運命～
5. 未知の記憶
6. オアシス～There’s a Place
＜DVD収録内容＞
「TOKYO SHOKO☆LAND 2014 ～RPG的 未知の記憶～」
2014.5.4～5.5＠舞浜アンフィシアター
-Prologue-
さかさま世界
millefeuille nights
shortcake adventure
イイヨね
pretty please chocolate on top
Miracle a Go! Go!
-Performance-
続 混沌
TYRANT too young
紅恋毒蝕
ヌイグルマーＺ
chocolat chaud
Once Upon a Time -キボウノウタ-
白いチョウの夢
バラ色の人生
愛の讃歌
未知の記憶
We can do it !!
つよがり
キラキラ-go-round
rainbow forecast
空色デイズ
9lives
オアシス～There’s a Place
檄！帝国華撃団
ジョジョ～その血の運命～
涙の種、笑顔の花
空色デイズ
■イベント情報
中川翔子PRODUCE LIVE「アニソンは人類をつなぐ！」supported by dアニメストア
日時：2014年11月16日（日）
会場：Zepp Diver City
時間：[第1部] OPEN 14:00 / START 15:00 [第2部] OPEN 17:30 / START 18:30
＜ゲスト＞
[第1部]angela、富永TOMMY弘明、松本梨香
[第2部]田村直美、平野 綾 ほか
★公式サイトはこちら！
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