さまざまな“色”で彩られた1stフル・アルバム『Couleur』がついにリリース!日笠陽子スペシャル・ロング・インタビュー

――そして8曲目の「終わらない詩」、この曲は作詞・作曲・編曲のすべてをyamazoさんが手がけていますね。

日笠 これもまた運命的な曲で、この曲が主題歌になった『ハル』の牧原亮太郎監督からは主題歌のイメージとして「ポツポツと歌う感じの曲がいいです」ってうかがっていたんです。そのお話とは別にyamazoさんがコンペのために書いくださっていた曲がありまして、その曲を監督に聴いていただいたら「この曲がいいです!」と言っていただいて。詞に関しても監督の考えが私と似ていたみたいで、大きな世界を歌うよりは、聴いた人が自分に置き換えられるぐらいミニマムな世界観がいいとおっしゃられていて。それはアルバムのコンセプトにも合っているし、いい意味で力を抜かせてくれる曲になったので、曲順的にもいい位置に入れることができました。

――この先の怒涛の展開を前に、アルバムの中でオアシス的な存在になっていますね。

日笠 そうですね。アルバムの曲順はライブのセットリストのような構成になっているので、このままライブもできそうですよね(笑)。

――むしろここから短くする作業の方が大変な気もしますね(笑)。その怒涛の展開の先駆けとなるのが9曲目の「EX:FUTURIZE」ですね。

日笠 この曲は制作時期と私の初ライブの準備が完全に被ってしまってまして(笑)。ライブのリハが終わったらすぐに「新曲の歌詞見てー」って言われたりしていて、とにかくワタワタしていた記憶がありますね。ライブが終わって1週間も経たないうちにレコーディングをして、なんというか、慌てながら作っていた曲という記憶があります(笑)。でもそれまでのシングルはバラード系やポップな曲で作ってきて、4thシングルで初めての主題歌でもありましたし、かなりのロックサウンドにさせていただいて、私のやりたいことにグッと近づいた曲なんです。迷いがなかったというか、今まで培ってきたものが出せたかなと思っています。それでもこの曲も今聴くと「若いな!」って感じますね(笑)。というか去年の曲は全部若く聴こえるんです。1年間、目を回しながら駆け抜けてきたものを、年越しとともに一度置いて考えてみたりして、今度はゆっくり作ってみようって決める前の曲だったので。今年に入ってから自分の心持ちが変わっているので、今聴くと新鮮ですね。曲調は今回のアルバムの内容と似てるのに、ちょっと素直というか、若さを感じるというか。

――疾走感があるというか、聴いていて気持ちいい曲だなと思います。

日笠 この曲を初披露した「リスアニ!LIVE 4」で、生演奏と一緒に歌ってみてすごい衝撃があったんですよ。ライブでやるとこんなに大変だったんだ!って気付きました(笑)。バンドでやってみてこんなに進化するんだ!人の力ってすごい!って。

――人力で演奏すると、途端に音がパワフルになりますよね。

日笠 そういうパフォーマンスに映える曲なんでしょうね。絶対またライブでやります。

――続いて10曲目の「Pollution」、これが先ほど出たMyuuさんによる2曲目ですね。

日笠 「Crazy you」と同時に出会って、いっしょに進行していった曲なんですよね。ロックな曲調ではあるけど、テンポはゆっくりということで、どう録ろうかなと考えていました。アルバムの中で、この曲だけディレクターさんが別の方なんですよ。いつものディレクターさんの予定が合わなくて代打でお願いしたんですけど、私がアルバムのコンセプトや「こういう歌い方をしたい」っていう希望を伝えたら、かなり自由にやらせていただけたんです。でも曲に入り込みすぎちゃって、録ってるときの記憶がないんですよ(笑)。歌ってパートごとに区切ったり、歌詞を確認しながら録るとどんどん自分が冷静になっていっちゃって、それが私は嫌だったんです。でもこの曲は逆にどっぷり入り込みきってて、現場でも「もうちょっと落ち着いて録ってみようか」って言われてました。アルバムの中では感情表現に特化した曲になっていますね。

――まさにアルバムの中でもエモーショナルな歌い方だなと思って聴いていました。

日笠 ほんとですか!?聴いてもらっていろんな人から「この曲エモーショナルだね」って言われるんです(笑)。

――エモーショナルって便利な言葉として使われることも多いですが、この曲は本当に感情的な振れ幅が大きい曲だと思います。

日笠 ミックスの段階でディレクターさんにも聴いてもらっていたんですけど、息を吸ったり吐いたりという音もかなり出し気味で歌ってるんですよ。そういう部分も生々しさに繋がると思っていて、挑戦して達成できたっていう満足感もありました。私は感情が入ると記憶がなくなるタイプなんですけど、前回のコラボアルバムだと「めざまし時計」がそうだったんですが、そんな曲がこのアルバムでも出来たなっていう手ごたえがあります。

――次の「Sleepy Hungry Minds」はうって変わって軽快に跳ねるリズムが特徴的な曲ですね。

日笠 この曲はずっとお世話になっている前澤寛之さんにお願いした曲なんですが、本当にメロディメーカーですね。私の性格をよく分かってくれているなと感じます。アレンジを日笠チームでおなじみの中山真斗さんにお願いしまして、私の中では中山さんってキラキラしたシンセメロが多いイメージなんですが、今回はバンドサウンドで!と伝えたら本当に見事なバンドアレンジに仕上げてくれて。お願いしておいて何ですが、彼はなんでも出来るんだなって驚きました(笑)。私は音楽理論はわからなくて、やりたいイメージを伝えるだけなんですけど、中山さんは勉強家なので見事に理論的な形にしてくれて。クリエイターの方とのそういうやりとりをずっとしたかったんです。年齢も近いし仲も良いので意見のぶつけ合いも遠慮なくできて、トラックダウンではいろいろ時間をかけてくれました。中山さんが忙しくてレコーディングに来られない日があって、そのときにコーラスを私の判断で削っていたんです。それの状態をトラックダウンの日に彼に聴いてもらったら、「この場でコーラス入れて!」って言われて(笑)。スタジオにあった小さいブースで録って入れてみたら、「確かにあった方がいい!」って納得させられました。

――12曲目「Seek Diamonds」は、作曲から編曲までそんな中山さんの手による曲ですね。

日笠 中山さんと仕事をしたのはこの曲が初めてだったんです。元々仲がよかったので私の方からオファーを出させてもらったんですけど、彼がフリーになったばかりだったので「引きこもってないで曲作ろうぜ!」って引っ張り出した感じになりまして(笑)。私もコラボ・アルバムを完成させたばかりだったので、やりきった感が少しあったんですよ。次に何をすればいいかちょっとわからなくなっていて、一緒に頑張ってくれる仲間を探していたんですね。そういう意味でも思い出の曲ですし、ライブでやると楽しくて「いい曲だな」って感じるのでよく歌っています。

――そして最後の曲が「FLOWERS」。始まりと終わりがCHI-MEYさんの曲に挟まれる形になりますね。

日笠 この曲は「新世界システム」を作って、CHI-MEYさんのセンスというか世界観が好きだなと思いまして、もう1曲お願いしたいなって漠然と言っていたんです。そんなときに、ほぼ平行してジャケットの案が上がってきたので、例の花の写真をCHI-MEYさんに送って「この花のイメージで一曲書いてください」っていう無礼なオファーを出しまして(笑)。そしたらCHI-MEYさんもすごくフランクに承諾してくださって、完全にお任せしたらこの曲が上がってきたんです。本当にすごい方だなと思いました。

――この曲をラストに持ってくるというのも、そのときは決まっていなかったわけですよね?

日笠 まったく決まっていませんでした。出来上がった曲を聴いて最後にしようと。アーティストさんとお仕事をすると楽しいんですよ。何かをお願いすると、自分にない感覚とある感覚がごちゃごちゃになって返ってくるので。アーティストさんの世界観を尊重していっしょにモノを作るのはエネルギーのいることですけど、お互いの感覚が合致したときは本当に楽しくてやみつきになります。CHI-MEYさんの曲は両方ともある意味の闇を感じるじゃないですか。でもご本人はすごく温和な方で、人は見た目じゃないなって思いますね。

――今回そうやって全力で制作してみて、何かやり残されたことってありますか?

日笠 やり残したことがないのが悩みなんですよ(笑)。初めてのフル・アルバムなので大変だろうなとは思っていたんですけど、予想以上で。今は作り終わってからライブがあったり、こうやってお話する機会があったりして、完全燃焼って感じではないんですけど、やっぱりちょっと遊びに行きたいなって気持ちになってます(笑)。まあやり残しはなくてすっきりしてるんですけど、冷静に思い返して「あそこをああすればどうなっていたかな」っていう考えは尽きないですね。作り終わって少し時間が経ったからこその、そういう考えは当然あるんですけど、最終的にはチームでチョイスして完成したものが最高だと信じています。あとは「もうちょっと音楽の勉強とかをしとけばよかったな」ぐらいの後悔は少しだけあるかもしれませんが、基本的には今のチームが本当に最高で、そのチームでやれることを全部出し切ったと思っています。

――今回が“1st”アルバムということで、今後“2nd”があると思うんですが、そこでやりたいことなどはありますか?

日笠 そうですね……何だろう。これまでずっと、基本的には同じ人と組んでやってきたんですけど、チームの輪を広げるというか、また新たな色に挑戦してみるというところではないでしょうか。前のコラボ・アルバムを作ったときも次の展望を聞かれて「やることないんですよね……」みたいな答えを言ってたんですよ(笑)。

――その都度完全燃焼していたということですね(笑)。今回も思い残すことのないアルバムに仕上がったということで。

日笠 そうなんですよ。思い残すのってすごく嫌じゃないですか。「次があるから」って思いながらやっているとそういう作品になっちゃいますし。絶対に走りきろうっていう目標のもとに作ってきたので。今はこのアルバムをひとりでも多くの人に聴いてもらうっていうのが、身近な目標ですね。

――曲順にいたるまで日笠さんのチョイスで構築されていますし、ぜひシャッフルではなくリニアで聴いてもらいたいですね。

日笠 そうですね。でもマスタリングで全曲聴き終わったみんなの第一声が「疲れたね……」だったんですよ(笑)。「このアルバム、通して聴くとすっごい疲れるね」っていうのがみんなの共通見解になってて。まあそれだけエネルギーがあるアルバムだよね!って結論になったんですけど。それぐらい全力で作ったので、聴くときも全力で、テレビとか点けずに音に集中して聴いていただきたいです!

Interview&Text by 田中尚道(クリエンタ)


■アルバムリリース情報
日笠陽子『Couleur』
2014年9月3日発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
int-140903-001-c003
価格:¥3,500+税
品番:PCCG.01417

【初回限定盤(CD+DVD)】
int-140903-001-c004
価格:¥3,000+税
品番:PCCG.01418

【通常盤(CD)】
int-140903-001-c005
価格:¥2,500+税
品番:PCCG.01419
※初回限定盤は「新世界システム」MVを収録。さらに「美しき残酷な世界」「終わらない詩」「Seek Diamonds」「EX:FUTURIZE」「新世界システム」MV撮影時のメイキングクリップを収録した映像ディスク付(41分収録)
<収録予定楽曲>
01.新世界システム 作詞・作曲:CHI-MEY 編曲:大久保友裕
02.ENVY DICE 作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:渡辺和紀
03.Brighter day 作詞:KAORU 作曲・編曲:HearTribe
04.Crazy you 作詞:YADAKO 作曲・編曲Masse
05.美しき残酷な世界 作詞:マイクスギヤマ 作曲:石塚玲依 編曲:根岸貴幸
06.憂冥 作詞・作曲:HISASHI(GLAY) 編曲:小森茂生
07.風と散り、空に舞い 作詞:こだまさおり 作曲・編曲:藤井雄大
08.終わらない詩 作詞:yamazo・稲葉エミ 作曲:yamazo
09.EX:FUTURIZE 作詞:hataru 作曲:奥井康介 編曲:中山真斗
10.Pollution 作詞:YADAKO 作曲・編曲Masse
11.Sleepy Hungry Minds 作詞:nadia 作曲:前澤寛之 編曲:中山真斗
12.Seek Diamonds 作詞:大森祥子 作曲・編曲中山真斗
13.FLOWERS 作詞・作曲:CHI-MEY 編曲:大久保友裕
<全商品共通封入特典>
10月4日の日比谷野外音楽堂、10月25日大阪・オリックス劇場、11月16日Zepp Tokyoで開催される日笠陽子ライブツアー「Le Tour de Couleur(ル・ツール・ド・クルール)」公演のシリアルナンバー入り先行購入申込券を封入。
※ひとつのシリアルナンバーにつき1公演の応募ができます。

 

■ライブツアー情報
日笠陽子2014ライブツアー「Le Tour de Couleur(ル・ツール・ド・クルール)」
2014年10月4日(土) 17:00開場/18:00開演  東京・日比谷野外音楽堂 
2014年10月25日(土) 17:00開場/18:00開演  大阪・オリックス劇場 
2014年11月16日(日) 16:00開場/17:00開演  東京・Zepp Tokyo 
※開場、開演時間は変更になる場合がございます 
●イベントチケット優先販売申込券受付
<申込受付期間>
2014年9月3日(水)~9月9日(火)23:59 
受付ページはこちら!
○抽選結果発表日時:2014年9月12日(金)18:00以降 
○当選時の支払手続期間:2014年9月12日(金)18:00~9月16日(火)23:59 
○チケット代:6,800円(税込) ※11月16日Zepp Tokyoはドリンク代別 
※チケット代などの詳細は、お申込み時に再度ご確認ください
※申込み多数の場 合は抽選となります 
◎枚数制限:1シリアルナンバーにつき1枚(※未就学児入場不可)
支払い方法:クレジットカード・コンビニ決済 
チケット受け取り方法:配送(送料全国一律 税込500円)

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