榊原ゆい 10周年記念アルバム&“ラスト”バースデーライブを語る

int-140827-001-c001

10周年記念となるニュー・アルバム『Amazing』をリリースする榊原ゆい。その発表の直後、ライフワークでもあるバースデーライブが”ラスト”になるという衝撃のニュースが飛び込んできた。その真意とは?10年間の活動を振り返り、その転機についてもじっくりと語っていただいた。

 

--まずは前回のインタビューで話題に出ました5月の「ゆい、ひとみ、 このみ、女子3人寄ればアニソンPARTY!!」の様子からお聞かせください。

榊原ゆい 私はコラボをする機会が少ないのですが、あんなにがっつり3人でライブをやることができてメチャクチャ楽しかったです!

--3人が出演するライブなので、それぞれのコーナーに分かれているかと思ったら、1,2曲で入れ替わり立ち替わりの形式になりました。パフォーマーとしてはいかがでしたか?

榊原 ひとセクションの負担は少ないんですけど、ずっと気を張っていて次に何を歌うかの段取りをずっとやっていなくちゃいけないので、気の持ち方はちょっとほかのライブとは違いましたね。その意味で、一つのライブを3人で作っている感じがセクションで区切るライブよりも濃かったと思います。

--さて、10周年記念となるニューアルバム「Amazing」について伺わせてください。ここ何枚かはずっと8月下旬にリリースされていますが、これは榊原さんのデビュー時期に合わせているからでしょうか?

榊原 いえ、それはたまたまですね。アルバムは毎年の10月のバースデーライブに向けてみなさんが予習するにはこのくらいの時期がいいだろうという時期を探した結果、8月あたりにしていたんです。今回の『Amazing』の発売日が私のデビューシングルの「jewelry days」と同じ8月27日なのは偶然なんです。と言うか、すっかり忘れていました(笑)。

--そこから10年経ったわけですが、当時描いていたビジョンを現在振り返ってみていかがですか?

榊原 10年前はこうなりたいという明確な形があったわけではなく、とにかくがんばりたいと、最初は探り探り活動していました。カワイイ系じゃないと受け入れてもらえないんじゃないかなと思っていたりして。でも、その意識が変わったのは3rdシングル(「Eternal Destiny」、2005年)の頃でした。そこからジャケットの露出度がおかしくなって……(笑)。このときに本当の見せたい自分のカラーを出して受け入れられるかどうか様子を見てみたら、みなさん受け入れてくれて、むしろ食い気味に盛り上がってくれたんです。そこでこういうエロさとかかっこよさを出してもいいんだと自信を持つことができました。

--当時、その方向性に可能性を見いだせたのは?

榊原 「jewelry days」を出したときにダンスパフォーマンスを入れたステージをしていたんですけど、その反応とかを見て、私はカワイイよりもかっこいい部分を求められている気がしたんです。それで女性らしさは残しつつもかっこいいことをしていけたらうれしいなと思って。結果、「Eternal Destiny」は受け入れてもらえて私の代表曲のひとつになりました。型にはまるよりも良い物を作ればみんな認めてくれると分かったのがこの曲でしたね。そこから一気に自分を出していきました。まさかこれだけ自分をさらけ出して活動させてもらって、こんなにこの業界で受け入れてもらえるとは思っていませんでした(笑)。出し方は考えなくちゃいけないんですけど、いろんな自分を出せるという形になっていったんだなという実感がありました。

--榊原さんご自身ではセクシーなイメージを持たれることについてはどのようにお考えですか?

榊原 それはうれしいですね。「なんかエロいんだよね」と言われるのは私にとって褒め言葉です(笑)。

 

自分らしさを最も表現した言葉が「Amazing」だった

 

--『Amazing』は各種PCゲームの主題歌を収録したコンピレーションとしての一面がありますが、それぞれ歌うときには榊原ゆいらしさをご自身ではどのように捉えて表現されていますか?

榊原 榊原ゆいの歌ではありますが、基本的には作品があってこその歌だと思っているので、作品に合わせた自分の引き出しを作っていかなければいけないと思っています。それは同じようにかっこいい曲があっても作品によって、それが女性らしいかっこよさなのか、男らしいかっこよさなのか、メーカーさんが思っているイメージもありますし、その時々で榊原ゆいとしての歌い方を目指しているので、それぞれが違った仕上がりになってきますね。

――そして、このアルバムに向けた書き下ろしの新曲が2曲収録されています。まずは表題曲「Amazing」について教えてください。

榊原 これは攻撃的なサウンドのダンスチューンで、エロくノリの良い感じの曲になっています。歌詞については、ここ最近自分自身のことを歌っている曲をあまり作っていなかったので、私を示す歌詞にしたいなと思って書きました。強めな言葉でかっこよくセクシーに書いてみた感じですね。それはこちらから一方的に投げつけているような強さではなく、愛をもっていろいろ発信している強さなんです。サビの部分の「そこにいつも愛があるなら」、「そこに全部愛があるから」という歌詞は絶対に入れたかった言葉でした。それを私らしく、女性的でかっこよくてエロくて強いという姿をパンチを効かせて伝えたかったという感じですね。

――「Amazing」という言葉に込めた想いは?

榊原 えっと。私って、どこの現場にいっても「榊原さんって、変わっているというか、稀なケースですよね」って言われるんですね(笑)。声優であり歌手であり、作詞作曲をして、振付師でありダンサーでもある。しかも全部独学でやって来て活動し続けているのは、確かに変わっているなぁと思います。今まで自分のなかでいろいろ振り返っても、奇想天外だなと。そしてそれを味方にしてここまで来ているので、今回10周年のアルバムとして自分自身を言葉で表すとしたらこれかなと。そうなろうと思ってやってきたわけではなかったんですけど、一回ここで考えて「いいじゃん、Amazingで」と。やっぱり一番の褒め言葉が私の中で「面白いね」なんです。そしてこれからもこういう人でいたいなという思いを込めています。

--2曲目の新曲「Endress Fighter」はどんな楽曲でしょうか?

榊原 これは新作OVA『一騎当千 Extravaganza Epoch』の主題歌として書きました。今回のストーリーコンセプトが「守る者のために戦う」というもので、それに向けて書きました。ただ、曲の方は休みどころがないほどメロ数が多くて、歌詞の量も膨大になってしまい、レコーディング当日に作曲の林 達志さんに激しいですよ~と言いながら録音しました(笑)。林さんはずっとファンタズム(ゲーム『CHAOS;HEAD』中に登場するバンド・榊原がCVとして歌う)の楽曲を手がけられていて、その曲も難しいんですけどこれはもっと技術的に難しくて、16分音符が多くて、展開が早いので口が回らないほど。でも歌詞としてちゃんと聴こえなくちゃいけないし、作品の世界観もちゃんと表現しなくちゃいけないので、かなり大変でした。

――やはりシンガー・ソングライターとして、歌詞の聴こえ方は重要視するポイントでしょうか?

榊原 そうですね。私の場合は歌い方にニュアンスが付きすぎて、歌詞が何を言っているのかわからないという方向にはしたくないと思っています。聴いていて音と言葉の両方がちゃんと伝わる歌にしたいと思っているので、今回の歌詞もすごく考えました。作品のテーマである「守りたいものを守る」ということから「Endress Fighter」と付けたんですけど、アルバムのなかに入れてみたところ、偶然すごく自分にも重なるなと思って。

--榊原さんの守りたいもののひとつは何でしょうか。

榊原 自分が好きなことが仕事になっているので、それをずっと守っていきたいと思っています。なかでもライブですね。なかなか客観的には感じられないことなんですけど、私がステージに立ってパフォーマンスすることで、あんなにも盛り上がって感動してくれて、涙を流してくれて「ありがとう」と言ってくれるファンが集う場所。これは唯一無二の自分のものなんですよね。「Amazing」にも「この居場所はアタシのもの」って歌詞を入れ込んでいるんですけど、これを守りたいからこそいろいろな活動があるんだなと思います。ですから、ファンの笑顔が守りたいものだと思います。

 

“ラスト”バースデーライブに向けた想いとは……?

 

――アルバムはジャケットも作品の一部だと思いますが、今回のものはまるで写真集みたいですね。

榊原 私もこの写真がジャケットになるとは思っていませんでした(笑)。ファンの人から「かえって買いづらいです」みたいなことを言われて、「買いづらくない!買え!」ってドSで返したんですけど(笑)。やっぱり記念になるようなものにしたくて、こういう感じにしました。

--大枠のイメージは決められたかと思いますが、このなかで榊原さんの具体的なアイディアが出ている部分は?

榊原 ジャケットのラフイメージは私が描きました。現場でいい写真があればインスピレーションでそれをジャケットにしようと思っていて、撮っているとき偶然このポーズをしたらそれがちょうどジャケットにふさわしいものになりました。衣装とヘアメイクも私なのですが、今回は髪型をカッチリするよりも無造作に自然体でやりたかったので、素の自分とステージでのドンとした自分との塩梅をうまくコラボさせてみました。表現の仕方として私っぽい感じですね。「榊原といえばエロス」というのも定着しているので、ジャケットでやりたいことも最初から自分の中で決まっていました。衣装はバーレスク(ナイトクラブ)をイメージしたものなんですけど、女性らしい華やかさがありつつも裏では苦労があり、その上でステージで輝いているというイメージがあります。10周年としてインパクトのあるジャケットにしつつ「Amazing」な榊原のやり方・生き方を形にできたんじゃないかなと思います。

--また、限定版には「聖剣なんていらない」のミュージックビデオの完全版も収録されているそうですね。

榊原 はい。フルバージョンは今回初披露なんですよ。2番からが展開が変わってくるのですが、お披露目することがなかったのでファンの方から熱望されて今回収録することになりました。メイキング映像もたっぷり入っています。最初は特に使う予定も決めていなかったので、私は自分の仕事に専念したんです。最初からメイキングだと分かっていたらサービスしにいったんですけどね。でもそれが逆にダンサーちゃんたちと仕事をしている時の本当の素のやりとりとか飾り気ない現場の様子が見られて面白いものになっていると思います。プロフェッショナルなやりとりもあるし、面白く仲の良いシーンもちゃんと撮られていて、結構なボリュームになっています。

--そして、最後にライブのお話をお願いします。バースデーライブは今回でひと区切りということですが、この理由についてお聞かせください。

榊原 はい。これは1年くらい考えていました。今までずっとやってきて自分がやりたいことや聴かせてあげたい曲もどんどん増えていく中で、ほかにもやりたいことが増えてきたので、10回という節目を機会に一度それを取っ払ってみようということで、連続開催するのはラストにしようという決断を先日いたしました。この報告をファンの方にしたところ「俺らが悲しんでいる場合じゃなくて、ゆいにゃんが一番考えて悩んだうえの決定だから、俺はゆいにゃんについていく!」ということを書いてくれていて、私はなんていいファンに支えられているんだって思いました。また新しい形のライブが生まれるんだというところでポジティブに受け止めてくれたらうれしいなと思います。そしてまたいつかバースデーライブはやりたいと思っていますが、連続としてはいったんラストになるので、みんなで感無量な気持ちになって当日を迎えるんじゃないかなと思っています。

--セットリストは『Amazing』からの曲が中心でありつつも、いろいろと披露したい曲もおありでしょう。

榊原 もうヤバイですね!(笑)。私自身すごく悩んでいて、ダンサーちゃんにも曲を出してもらっているのですが、10の記念だからいつも以上にいろんな提案をしてくれて、それを全部汲んでいったら70曲を越えてしまって、「……ちょっと落ち着こうか」と(笑)。そうやって、みんなでテンション上げて一丸となってやっているので、楽しいライブになると思っています。もう怒涛のライブになるのはわかっているので、たぶんあっという間になると思います。そこをいかに濃い内容にできるか、現在頑張って企画している最中です!

Intewview&Text by 日詰明嘉


■CDリリース情報
榊原ゆい 9thアルバム『Amazing』
2014年8月27日発売

【限定盤(DVD付き)】
int-140827-001-c002
価格:3,800円+税
品番:LXCH-0008

【通常盤】
int-140827-001-c003

価格:3,000円+税
品番:LXCH-0009
★限定通常ともオリジナルフォトジャケット仕様
発売元:合同会社LOVE×TRAX
販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
榊原ゆい 9thアルバム『Amazing』特設ページ

 

■ライブ情報
“Happy★LOVE×Live 2014”
公演日:2014年10月13日(月・祝)
時間:開場 15:45 / 開演 16:30
会場:EX THEATER ROPPONGI
榊原ゆい『Happy★LOVE×Live 2014』特設ページ

関連リンク

この記事を書いた人