リスアニ!VOICE 中島 愛

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アニメ音楽に関わる人達の「声」をお届けするリスアニ!TVによる撮りおろしインタビュー、それが“LisAni!VOICE”。「リスアニ!TV」にて放送されたその「声」をリスアニ!WEBで掲載します。

中島愛「ありがとう」リリース時の「リスアニ!VOICE」を掲載!(「リスアニ!TV」2013年8月9日/8月16日放送分)

――80年代から90年代前半のアイドルソングをずっとお好きだと言い続けられていますが、その楽曲を作られていた尾崎亜美さんと佐藤 準さんが最新シングル「ありがとう」に参加されているのは、どういう経緯からだったんでしょう?

中島 愛(以下、中島) 数年前から、私がお世話になってるディレクターさんと「尾崎亜美さんに曲を書いていただけたらすごくうれしいよね」っていう話をしていて。でもそれは夢として話してたことで、「いつか叶ったらいいな」なんてアピールをしていたら、「今回『たまゆら』の世界観に亜美さんの楽曲がすごくピッタリだと思うので、オファーしてみようと思います」となって。そこで、快くOKをいただいたのが始まりですね。それから「アレンジは尾崎亜美さんと親交の深い佐藤 準さんにお願いするといいんじゃないか?」みたいな話になって。もう信じられないぐらいうれしかったんですけど、そういう具合にトントン拍子で進んでいきました。

――長年の念願が叶ったわけですが、尾崎さんのどのあたりがずっとお好きだったんですか?

中島 尾崎さんの楽曲も歌も、すごく好きで。本当に最初に触れたのは、やっぱり「オリビアを聴きながら」ですね。亜美さんの楽曲を初めて聴いて、初めて私がピアノで弾けるようになった曲だったんですよ。なぜかその頃から作詞作曲のクレジットを見るのがクセだったから、そこで「尾崎亜美さんっていう方が書いてるんだな」って知ったのが初めてです。で、そこからアイドルの方を追いかけるようになってから曲を提供されていることも知って、さらに遡って尾崎さんのオリジナルの楽曲に辿り着きました。

――それって完全に音楽好きの行動ですよね。

中島 子供の頃って“どうやって音楽が作られてるか”っていうのがわからなかったので、「このメロディを作ってる魔法使いは誰だ?」みたいな気持ちになって、名前を知ったら「この人が書いてるんだったら、他の曲も絶対好きなはず」っていう思考回路だったんですよね。そこから一生懸命クレジットに“尾崎亜美”って書いてあるのを探していきました。それがちょうど小学生の頃の行動です。ルーズリーフを作詞・作曲・編曲の人用に分けてファイルして、そこに「だれだれさんが書いた楽曲、だれだれのなになに」って全部リストアップしてて。今でもやりますけど。そういう聴き方なんです。

――そして佐藤 準さんの流れで行くと、やっぱりおニャン子クラブや光GENJIまわりの楽曲、というイメージなんですけども。

中島 自分で掘り下げた音楽だと、おニャン子クラブさんの楽曲を本当にたくさん手がけてらして。やっぱり“佐藤 準”っていう文字は特別で、本当にすごく好きで聴いてました。

――「ありがとう」のアレンジも、90年代や80年代末の雰囲気が感じられるものだったと思います。

中島 やっぱり準さんは、私のすごく好きな80年代から90年代にかけての楽曲を本当にたくさん手がけられている方なので、あえてその時代の雰囲気を出してほしい、っていうことをお伝えしていまして。あと、準さんって今井美樹さんの楽曲もたくさん手がけられているんですが、私の父が今井美樹さんの大ファンなので、すごく準さんのサウンドが体に馴染んでたんですよ。あとから見て「これも佐藤 準さんだったんだ」って知ったんですけど、とにかく佐藤さんの音楽が自分の生活に子供の頃から根付いていたんだと思うんです。

――そういう意味では今回の「ありがとう」は、とても特別な1曲になったんじゃないですか?

中島 自分自身のルーツだけを重んじてお願いした楽曲では決してないんですけど、いろんなご縁が重なって、5年経ってこの曲に辿り着いたっていう感じがして。“偶然”っていうよりも「ここに来るべきだったんだ」っていう感動は、すごくありました。でもそれって本当に皆さんのおかげで。やっぱり今まで出会った人、ひとりでも欠けてたらここには辿り着けなかったなってすごく思うし。それこそがやっぱりタイミングでありご縁なんだな、って思うと、「続けててよかったな」って、本当に単純に思いますね。

――ちょっとご褒美的な。

中島 はい。だっていちばん喜んでるの本人ですからね。へへ(笑)。

――そして今回そのシングルには、ボーナストラックとして4月のアンプラグド・ライブで歌ったものも収録されています。今まで一度CDで出してきた曲を、アンプラグドで改めて歌ってみる意義や発見ってどんなものがあるんでしょう?

中島 どの曲も、曲をいただいてから結構時間が経ってるんで、その分ライブで歌う回数を重ねていって、成長したり表現方法が変わった部分もあると思うので、それを残せるのもすごく意義のあることだなと思います。音楽的には、生で楽器の数が少ないとその楽曲自体の力がすごくありありと見えてくる気がして。メロディの力や歌詞の力、そこに加わって自分の歌声の力もなくちゃいけないし。シンプルだからこそ真価が問われるというか。そこへの挑戦というのは、かなり刺激的ですけど、やりがいがあるものでした。

――やっぱり、根本的にアンプラグドがお好きなんでしょうか?

中島 すごく好きです。燃えますし。

――最新シングルにも通じますけど、今は「バラードをどう歌いこなすか?」というところにすごく心血を注いでるような感じがします。

中島 そうですね。今までは、新しい歌い方の引き出しを開けて、足し算してきたんですよ。で、今年の1月に出した「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」っていうシングルが、そのひとつの集大成になった気がしていたんです。それで、すごく達成感を感じていたときに、「じゃあ次は、何をしたらよりステップアップできるだろう」って考えて「次は引き算だ!」と。引き算するのにいちばんふさわしい場所って、やっぱりバラードなのかなっていう印象が私の中にあって。眉間にしわを寄せて「すごく頑張ってます」って「わーっ」て歌うのもすごく好きだったんですけど、そうじゃなくて、いかに飄々と淡々と、でも「あの歌い方よかったよね」って言ってもらえるような歌声をどうやれば見つけられるか?っていうのが今年の頭ぐらいからテーマになってきて。今はそれにすごく力を注いでますね。その結晶のひとつがアンプラグド・ライブだし、「ありがとう」もそうですね。割と息の成分を多めにして、芯の他に少し柔らかい、オブラートに包まれたような声で全編通して歌えたらな、と思って。キーがとんでもなく高いところもあるんですけど、そこも張り上げたりするよりは、言葉が悪いかもしれないですけど「なんとなく出してる感じ」っていうか、鼻歌のように出してるぐらいの軽さは欲しいな、って思いました。

――さて、今年でデビューしてから5周年を迎えました。改めてご自身で振り返ってみるといかがですか?

中島 あっという間でしたね。特に最初の頃は必死にやることだけで精一杯だったので。だけど、1年ずつ遡って「どんなことがあったか?」って考えていくと、ものすごい膨大な量だったとも思います。それで今やっと、噛み締めながら歩けるようになったのかな? って。でも、正直5年前は、5年後もここにいられるとは思ってなくて。「ずっとここにいていい」って認められる自分でいられる自信がなかったので、今ここにいられるっていうだけで、5年前の自分からしたらすごいことだなって思っちゃうんですよ。

――5周年イヤーの今年は、“5本の矢”というテーマで活動されています。そのなかで、9月には中野サンプラザでのライブがありました。このライブには、どういう想いがあったんでしょうか?

中島 今回は“現在から未来にかけて”っていうのを皆さんに提示できるライブにしたいな、と思ってました。「次どうするの?」っていうのを、ステージ上で見せたくて。自分のパフォーマンスとか、いろんな表現方法で“次なる指針”をお見せして、「ぜひついてきてくださいね」っていうのを皆さんにお願いして、再確認するライブっていうのが目標でした。私の楽曲って本当に振り幅がすごく広くて、やっぱりそのバラエティの豊かさがポイントだって今思ってるので、超足し算して作ってきた歌唱と今まででいちばん引き算して歌ってる部分の両面を100%にして見せたかったし、「そのどっちもやっていく気があるんです」っていうのを、言葉じゃなくて歌や音楽で皆さんに届けられるライブを目標にしていましたね。

――なるほど。では最後にお聞きします。今、その両面を大事にされて活動を続けているなかで、中島さんにとって「アニメ音楽」とはなんでしょう?

中島 「いくつもの人生」です。“中島 愛”名義で歌う楽曲って、歌の中に自分自身の経験を詰め込むっていう印象があるんですよね。だけどアニメの音楽って、やっぱり作品が必ずそこにあって。作品の中にはたくさんの登場人物がいて、それぞれの人生が違うわけですよね。その人たちの人生をひとつの楽曲で私がかわりに伝える、っていうのがアニメの音楽だと思うし、その魅力だなと思って。いつもアニメのタイアップをいただくときって、「作品のことを表現したい」っていう想いがすごく励みになるんですよ。「ありがとう」っていう曲も、私ひとりがいるだけでは絶対にこの歌詞にもこのメロディにもならなかったと思います。『たまゆら』っていう作品がそこにいてくれたからこういう楽曲ができて、いろんな登場人物の人生がこもったからこそこの曲になった。だからこそ、私だけじゃなくていろんな人の人生を表現させていただく場。それがアニメ音楽だな、って思います。

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