リスアニ!VOICE 日笠陽子

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アニメ音楽に関わる人達の「声」をお届けするリスアニ!TVによる撮りおろしインタビュー、それが“LisAni!VOICE”。「リスアニ!TV」にて放送されたその「声」をリスアニ!WEBで掲載します。

日笠陽子ソロプロジェクト第1弾「美しき残酷な世界」リリース時の「リスアニ!VOICE」を掲載!(「リスアニ!TV」2013年5月3日/5月10日放送分)

――ファン待望のソロプロジェクト始動ですが、日笠さんご自身としてはどう感じられてますか?

日笠陽子(以下、日笠)最初は実感がありませんでした。私の中では、ソロ活動というのはすごくハードルが高いもので。自分の中ではそれは声優業や作品の延長線上にはないものだったし、「声優業の延長でCDを出せる」っていう簡単なものにしたくないと思っているので、私の中では声優と歌手とははっきり分けて考えています。最初は何回もお断りしてたんですけど、やっぱり歌うことが「好きだ!」って思ってデビューを決めて、今は「間違ってなかったな」って思います。

――最初は断られていたということですが、デビューまでの経緯をもう少し詳しく教えてください。

日笠 プロデューサーさんに初めて声を掛けていただいたのは『けいおん!』の2期が始まる前で、プロデューサーさんもそちらに関わられていました。作品がバタバタしてきてしまったり、私の心の中で引っかかることがあったりして、遠回しにお断りし続けてたんですが、それでも「どうしても日笠さんとやりたいんです」と言ってくれたので「やるならこの人とやりたい」と思って決意しました。……若い女性の方です(笑)。

――その心のハードルを越えられたきっかけは?

日笠 とある作品でのユニット活動ですね。そのユニットはダンスがメインで、最初「ダンス?」って疑問だったんですけど、実際にやってみないとわからないことも多かったんです。そのとき、歌いたいって思ってるのに理由をつけてやらないのはもったいないことなのかも、って思ったんです。プラスもマイナスもあるかもしれないけど、それもひっくるめて経験してみたい、って。

――周りの方からの反響はいかがでしたか?

日笠 両親はすごく喜んでくれました。「大変なこともあるだろうけど、あなたが選んだ道だから頑張ってほしい」って言われて、親孝行できたのかな? って思います。あと、こっそりスタッフさんとツイッターでファンの方の反応を見たんですけど、「こんなに待っててくれていた人がいたんだ」って感じて、そのときも「間違ってなかった」って思いましたね。今この活動は、応援してくれてる人がいるから頑張ろうって思える気がするんです。

――そのデビュー曲「美しき残酷な世界」のテーマを教えてください。

日笠 この曲は、日笠陽子が『進撃の巨人』という作品の1ピースになるための歌だと思います。私はアニメの主題歌は、世界観に合った曲であってほしいんです。声優や歌は、その作品を作るためのパズルのピースのひとつで、それぞれが一生懸命ハマっていくことが作品づくり。だから私は、アニメのタイアップである以上監督にお預けするというのがポリシーでしたし、それは2ndシングルの「終わらない詩」でも一緒でした。

――こうしてお話をお伺いしていると、日笠さんは本当にアニメ作品を大事にされてるという印象を強く受けます。そんな日笠さんの中で「アニメ音楽」とはどんなものですか?

日笠 「『アニメ音楽』じゃないもの」ですかね。私、「アニメ音楽」っていうワード自体が不思議で。「アニメだからこう」って、言葉の段階ですでに枠にハマっちゃってるんですよね。そういう枠から飛び出すことがこれからのアニメ音楽に必要な気がしてるし、私自身もめざすのはそこです。

――主題歌に対してそういった強い想いを持たれていらっしゃいますが、その後日笠さんがリリースされたアルバムは「コラボレーションアルバム」というコンセプトの、また方向性の違うものになっています。なかなかこういったコンセプトの作品も珍しいと思いますが。

日笠 「コラボレーションアルバム」と呼ぶことになったのは、作家さんたちの個性が強くて若干「日笠陽子」感が薄れたからなんです。でも、それはいいことなんです。私はできる限り作曲家さんの意志を汲み取りたいと思っているから。だって、想像できないような期間をかけて、命を削りながら曲を作ってくださってるんですよ。だから「作曲家さんをもっと前に出したい」って思って、こういうコンセプトになりました。

――なるほど。さて、ここからは日笠さんご自身についてお聞きしたいと思います。まず、今まで影響を受けてきたアーティストさんを教えてください。

日笠 川嶋あいさんが書かれる歌詞がすごく好きで、グッと来てました。あとは鬼束ちひろさんもよく聴いてたし。でも私は聴くよりも自分で歌うほうが好きで、「カラオケで歌うために覚える」ような感覚のほうが近かったですね。中高生のときは友達と毎日のように歌いに行ってたような気がしますし。それこそT.M.Revolutionさんとかよく歌ってました。あとはCoccoさんとか、川嶋あいさんにaikoさん。何も考えずに歌ってたんけど、それが原点なんです。楽しすぎて、一緒にいた友達もみんな笑顔で。そうなると、そこってもうちっちゃいライブハウスですよね。カラオケって「誰でもできるじゃん」って思うかもしれないけど、そこが私はいちばん大事だし、そのときの気持ちを忘れちゃいけない気がしてます。

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