リスアニ！WEB presents ClariS～ SINGLE BEST 1ST ～発売記念SPECIAL SITE～

2010年10月20日、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』OPテーマ「irony」でメジャー・デビューを飾ったClariS。
当時中学生だったアリスとクララのインタビュー（『リスアニ！Vol.03』）を読み返すと「すべてがあっというまに進んでいって、何がなんだかよくわからなくなっていました」（アリス）、「アリスと一緒に混乱してしまったこともあった」（クララ）と、目まぐるしく動き出した“ClariS”という存在に、まだまだ戸惑いを感じていたことが分かる。

そんな彼女たちの思いとは裏腹に、『俺妹』ファン、そして多くのアニソン・リスナーたちは彼女たちの存在、音楽を受け入れ、「irony」はオリコン・ウィークリー・チャート初登場7位という快挙を成し遂げた。
「irony」には、クララをイメージした「Neo moon」、そしてアリスをイメージした「ココロの引力」というカップリングが収録されており、デビュー作から彼女たちの持つキャラクター性や魅力を、歌詞や曲想に反映させていることが分かる。

©伏見つかさ／アスキー・メディアワークス／OIP

華々しいデビューを飾ったClariS。
2011年には、そんな彼女たちの名を一躍世間一般にまで知らしめることになる作品との出会いがあった。
同年1月、『魔法少女まどか☆マギカ』の放送がスタート。
この作品は時に“社会現象”とまで呼ばれるほどの影響力を誇り、ClariSが歌った本作のOPテーマである「コネクト」は、渡辺翔が手掛けた歌詞と物語の親和性、リンクとも相まって高い評価を獲得。

©Mgica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

オリコン・ウィークリー・チャート初登場5位、累計7万枚以上を売り上げるという、この年のアニソンを象徴する大ヒット曲となった。
当時を振り返ったインタビュー（『リスアニ！Vol.05』）では、素直な心境として「7万枚っていうのが想像できなくて（中略）学校で全校朝会とかで集まると千人ぐらい。
なので、千枚だったらこれくらいなんだなって大体予想がつくんですけど」（クララ）「万までいくと“どのくらい？”って」（アリス）と、想像を超えた状況にある自分たちの素直な心情が語られている。

「コネクト」がロング・ヒットを続ける2011年9月には、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の原作小説9巻とタイアップした3枚目のシングル「nexus」を発売。 livetuneのkzによる書下ろしナンバーとしては4曲目にあたるこの煌びやかなハウス・ナンバーも、オリコン・ウィークリー・チャート初登場5位を獲得する大ヒットを記録している。そんな本作のリリース・タイミングで、本誌『リスアニ！Vol.06』の企画として『俺妹』のヒロインである桐乃、黒猫とClariSとの対談というコラボレーションが実現。改めて読み返すと、クララが“学校の友達にClariSの活動を内緒にしている”“学校の友達とはなるべくアニメやライトノベルの話をしないようにしている”と、似た境遇である桐乃に悩みを打ち明けるシーンも収録されていた。中学3年生としての素直な心情が読み取れる。

©2015 TSUKASA FUSHIMI

2012年1月放送のアニメにより、ClariSは憧れのクリエイターとの邂逅を果たす。2月1日に発売された『偽物語』EDテーマ「ナイショの話」の作詞・作曲・編曲を手掛けたsupercellのryoである。彼女たちはアリス☆クララ時代にsupercellの「君の知らない物語」を動画サイトにアップしていたこともあり、「歌詞と曲を渡されたときに、歌詞のところにryoって書いてあって“えっ！？ supercellのryoさん？”って」（アリス）「“ryoさんってsupercellの？　まさかなぁ”って思っていました（笑）」（クララ）という感想が『リスアニ！Vol.08』のインタビューでは語られている。
そんな4thシングル「ナイショの話」は、オリコン・ウィークリー・チャート初登場2位という過去最高位を記録。本作は、中学校からの卒業を控える2人の心情を反映したような等身大の恋心が歌われ、心身ともに成長した当時のClariSの魅力が味わえる1枚と言えるだろう。

©西尾維新／講談社・アニプレックス・シャフト

そして同年4月11日、ClariSの中学生活の集大成ともいうべき1stアルバム『BIRTHDAY』発売。
本作にはこれまで発売されたシングルの表題曲すべて収録しつつ、アルバム用に書き下ろされた新曲が8曲も収録されている。アルバムの制作期間は中学を卒業する前だが、卒業や旅立ち、別れをテーマにした新曲が並び、制作が進むごとに中学校からの卒業を意識したことを、アリスは『ClariSコレクション』のインタビューで語っている。また本作には、2人が初めて作詞に挑戦した「zutto」が収録されている。北海道で生まれ育った2人が見た風景と、そんな2人の心情が繊細に重ねられ、感謝の思いと共に未来へ向かって静かに歩みを進めていく。そんなシーンが浮かぶような美しい楽曲である。テーマは卒業だけではなく、“誕生日”というタイトルが冠されている通り4月から始まる新しい生活への希望も意識された作品となっており、この時期のClariSでなければ決して生み出すことはできなかったアルバムだと言えるだろう。そんなClariSらしい等身大の魅力に溢れた本作は、オリコン・デイリー・チャートで1位、ウィークリー・チャートで2位という快挙を成し遂げた。

シンデレラ・ストーリーの王道を歩み、快進撃ともいうべき躍進を続けて来たClariS。
そんな彼女たちの日常は、さまざまな変化を迎えることとなる高校生活へと移っていく。

次週に続く…

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