最近のMay’nが目指す音楽の一つとして口にすることも多い「カラフル」。その特徴を増幅させたのが今回のベストアルバム『TWENTY//NEXT』。ロックやブラックミュージック、ポップスなどを核としながらさまざまなジャンルに取り込んできたMay’nであるが、それらの楽曲を、アレンジで、歌唱で、新たな個性と長所を引き出し、21曲中14曲をRe-Recordingしている。共同プロデュースを手がけた加藤裕介との対談を踏まえ、今回はMay’nにベストアルバムで表現した20年目の自分を聞く。と同時に、メジャーデビュー20周年の前年から始まった『May’n Road to 20th Anniversaryインタビュー連載「Crossroad」』も振り返ってもらった。
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
▼May’n「Crossroad」連載ページはこちら
――メジャーデビュー20周年の前年から開始した対談企画『May’n Road to 20th Anniversaryインタビュー連載「Crossroad」』も1年を経過してアニバーサリーイヤーに突入、記念すべきベストアルバムのリリースタイミングも迎えました。今回はその『TWENTY//NEXT』についてお聞きしたいと思います。ベストアルバムは10周年時にも発売されていますが、今作のコンセプトについて教えていただけますか?
May’n 20周年企画として最初にベストアルバムというお話をいただいた時、10周年でもベストアルバムを出してはいたので私の中にその選択肢はなかったんです。それよりも、私だったら新しい曲が聴きたいから、20周年の今だから作れるアルバムを新しく出したい、とお伝えしました。ただ、アルバムや新曲に比べるとベストアルバムはタイミングが合わないと作れないものなので、と説明されました。その上で私の気持ちを汲んで、リアレンジという形でのベストアルバムを提案いただいた時、「そういう形もあるのか」と思いました。そこで、新しく曲を作りたいという気持ちと20周年記念というところでチームが一つにまとまったんです。その後、20という数字を大切にしつつ、ただ「この先へ」という強い気持ちも込めて、曲数は20+1曲、タイトルも『TWENTY//NEXT』というところに決まり、選曲や曲順に関しては歌手である自分が伝えたい想いをベースに決めていきました。
――May’nさんから絶対収録したいと主張された曲はありましたか?
May’n 「Phonic Nation」と「May’n☆Space」は絶対に入れたいと思っていました。この2曲はタイアップのシングル曲ではなく、部員(=May’nファンの呼称)のみんなと育て続けてきた曲でもありますし、「Phonic Nation」は実は、『(May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F)With you -May’n Space-』でも「WE ARE」とどちらを歌うか最後まで迷っていました。コンサートでは「WE ARE」を選びましたけど、ベストアルバムは配信で世界中のファンに届く可能性もあるということで、海外で多く歌ってきた「Phonic Nation」を入れることにしました。
――曲順も、単純な時系列ではなく、DISC1とDISC2がそれぞれ独立して成立するような構成になっています。曲順で意識した点も教えていただけますか?
May’n 収録曲数から2枚組にすることは決まっていましたけど、2枚目の1曲目=11曲目にするつもりは最初からありませんでした。DISC1については、初期の雰囲気を感じてもらえる1枚に、と考えていて。なので、May’n名義の1stシングルのタイトル曲「キミシニタモウコトナカレ」から始めました。May’n名義として最初の曲となると、本当は『メイン☆ストリート』のリード曲である「May’n☆Space」ではあるんですけど、最新の部員の声が入っている曲でもあるので、この曲で最後を締めたいと思ったんです。あとは音楽的な繋がりから自然と決まっていきましたね。迷ったのは、本名名義での正真正銘のデビュー曲「Crazy Crazy Crazy」をどこに入れるかで。でも、絶対リレコーディング曲からスタートしたかったんです。
――その点で言えば、「Crazy Crazy Crazy」をリレコーディングしなかった理由というのは?
May’n 「Crazy Crazy Crazy」は10周年の時に出したベストアルバム『POWERS OF VOICE』で「-May’n ver.-」を作らせてもらったので。あの時、中林芽依名義の曲を入れられたことに感動したんです。だから、それをまた収録するのも、リレコーディングするのも私としてはグッとこなかったです。「あの感動を超えるには」と考えたら「原曲をそのまま入れるしかない!」と思って、お願いしました。20年前の曲を収録し、配信もして……、というのは実は大変なことでもあるんですけど、入れていただけて私としても嬉しいです。基本的にリレコーディングしなかった曲は、まだ年月が経っていない曲、つまり新たな再構築が必要ないと考えた曲なんですけど、それ以外では唯一原曲のまま収録した曲です。そこは推しポイントの一つです。
――DISC2ではどのようなイメージで曲を組まれましたか?
May’n DISC2もリレコーディングの曲から始めたかったのは同じですけど、「You」にしたのは私の中で特別な曲だったからです。『With you』でも1曲目に歌いましたけど、歌えば歌うほど「もっとたくさんの人に伝えたい」と思える曲ですし、私自身、歌詞に背中を押されるんです。May’nらしさっていろいろありますけど、「You」を伝えたいと思うアーティストの部分は自分でも誇りに思えるし、そこにたどり着けた自分で良かったとも思えます。「今だから歌える曲かも」とも思えます。なので、歌詞がより届くアレンジにしていただき、1曲目に置きました。そこから雰囲気を受け継いでかっこいい曲を繋げていこう、ということで、次の曲は一番攻めたアレンジの「graphite/diamond」にしました。でも、ほとんどがシングル曲というベストアルバムの場合、曲と曲の高低差が大きいので、そのギャップをあえて出した方が各曲の個性を際立たせられるのでは、と考えたんです。なので「今日に恋色」を繋げました。ライブのセットリストだったら「graphite/diamond」の次に「Brain Diver」を持ってきた方が繋がりはいいんですけど、そこはライブやオリジナルアルバムではできない曲順を見せることにしました。そこはDISC1も同じです。だから「今日に恋色」の後に「Brain Diver」でまた一変させています。ただ、「落差」とは言いましたけど、それをしていい曲と良くない曲の感覚はあります。「シンジテミル」は「今日に恋色」の後ろには置けないですね。でも、アレンジでかなり変えてしまった曲の一つだったので、1曲目に置くと(聴く人の)衝撃が大きすぎるし、でも後ろすぎるのも違う気がするし、そういう曲をどこに持ってくるかは悩みました。しかも「シンジテミル」は不穏な感じにしてもらっていたので。それで「LIES GOES ON」と「Belief」の間に置くことにしました。
――曲順に関してはスタッフと相談されましたか?
May’n いえ、一人で全部決めました。提出した時も、May’nチームの中では「いいですね」となりました。でも、加藤さんにも一応聞いてみたんですけど、そうしたら加藤さんから話を聞きたいと言われて。それがちょうど私の番組にゲストで来てくださる前日だったので、翌日話をすることに決まりました。だから、どこか変えたいところがあるのかなと思っていたんですけど、全曲の曲順の理由を聞きたかっただけらしくて(笑)。
――May’nさんの話を聞きたかっただけ、と。
May’n そうです! 曲順については「最高です」みたいな感じでした(笑)。だから曲順は100%、私が最初に決めた通りです。
――各曲のアレンジについては、加藤さんを交えてチームで細かく話し合ったとのことですが、どのような打ち合わせになりましたか?
May’n 打ち合わせでは、「Chase the world」は新たにアレンジしても時計の音は失くしたくない、といった細かい話もさせてもらいましたけど、全体としては、歌詞やタイアップを深堀りしていこうという方向性がありました。オープニング主題歌やエンディング主題歌ということになるとどうしても枠に合わせる部分もあって。例えば、「You」はアニメ『魔法使いの嫁』のオープニング主題歌でしたけどバラードの方がよりキャラクターの心情に寄り添えるかもしれないとか、「今日に恋色」についてもアニメ『いなり、こんこん、恋いろは。』のオープニングだった時よりも少しだけテンポを落とすことで恋に自分自身が浸っているようにできるんじゃないかとか。「ViViD」も原曲はロックの良さもあったけどポップの良さをもっと入れてみようとか、タイアップを離れたところでできる深堀りにはこだわりました。「Scarlet Ballet」にしても(作詞の)井上秋緒さんはヒロインが美しく振る舞うところを表現されていて、なので「Ballet」ではあったんですけど、アニメ『緋弾のアリア』のオープニング主題歌だったので弾丸にもかかっていて。
――「bullet」と。
May’n だから、「スカーレットバレット」と読まれることもあったんですけど、それでもいいんです。今回のリレコーディングでも銃声は残しています。ただ、井上さんがバレエのような美しさを表現されていたからこそ今回は、家でちょっと優雅に踊ってみているような、そういう雰囲気を表現できるアレンジをお願いしました。全体的に、そういった「もっと」を突き詰めたところがあります。「シンジテミル」は最初から、もっと「恐怖」を打ち出したいというお話はしていました。そうしたら、ワンコーラスのデモから不穏な空気が漂っていて最高だったんですけど、フルコーラスでは落ちサビがめっちゃメルヘンになっていて! びっくりしましたけど、不穏なところからの急なお花畑、というところでかえって怖くなっているのは感動しました。アニメでいうなら急に場面の背景や雰囲気がガラリと変わることがある感じというか。加藤さんとは、そういうところを歌でも表現するのは原曲でできなかったことではあるし、このアレンジにした良さがさらに出てくる、という話をしていました。なのでコードがメジャーになるところは、レコーディングでもメルヘンな歌い方にしました。メルヘンな箇所から最後にかけて畳みかけるような不穏さが出ていて、自分でも気に入っています。
――「Ready Go!」は途中でズレがあることに気づいたという話でした。
May’n はい。打ち合わせでは、みんながハッピーになっている感じを「鼓笛隊」とか「遊んでいる」というワードで表していたんですけど、最初のデモだと子供の鼓笛隊みたいになっていたんです。もっとマーチングバンド風というか、周りとコミュニケーションをとっているけれどもプロ、という雰囲気が欲しくて、その擦り合わせをしていたらどんどんリテイクが重なっていって……。テイク5くらいで「悪くはないけど……」「でももう何回もリテイク出してるし」みたいな空気になりました。そうしたら加藤さんが感じ取ってくれたみたいで、100%最高と言えないならやる意味はないので、と仰ってくださったんです。「とにかく感じたことを教えてください」って。なので、細かなニュアンスは直接伝えようと電話したら、ああでもない、こうでもない、って結果的に2時間以上話していました(笑)。でも、そこで答えを出すことができたので、次に上がってきたものは完璧でした。「ひょうきん」ではなくて「楽しい」、「ファニー」とは違う「ハッピー」、そんなワクワクする楽曲にできました。
――2時間以上も電話で詰めたのはどういう内容だったんですか?
May’n 加藤さんは音楽的な知識があるので、この楽器が入ったらそれは鼓笛隊ではない、みたいなところがあったんです。そのイメージのズレを修正したというか。例えば、私としてはピアノがないことで重心がないというか、センターがいないからファニーに聴こえるという話をしたんです。私のイメージよりも雑多というか。「ロー(低音)が足らないのかも」「厚みを出すためにベースがあった方がいいですか?」という話もしたんですけど、加藤さんとしてはピアノが前に出てきたら鼓笛隊ではないし、ベースを入れたらロック寄りになってしまう、という感じだったんですね。なので、鼓笛隊というワードは使ったけれども核はどこなのか、何が必要で何が必要でないか、というニュアンスを伝え、加藤さんからはそのアンサーとして一案ずつ出してもらい、そこでようやく二人の納得できるところにたどり着きました。でも、このアレンジを加藤さんも気に入ってくださっているみたいで、MIXが終わってから全体を通して聴いた時に「エモですよね」みたいに言っていただけました。苦労した曲ではありますけど早く聴いてほしいです。
――リアレンジされた楽曲たちをどう歌ったか、そしてその感想についても教えてもらえますか?
May’n 思っていた以上に難しかったです。歌い慣れた曲たちなので、最初は1日に2曲ずつレコーディングする予定でしたけど、初日を終えた時、「無理」と思いました。万全の体力で歌えないので。コンサートやライブでは勢いが大切なところもありますけどCDは聴く人がどういった環境で聴くのかバラバラなので、落ち着いた歌い方でのレコーディングを普段から心がけています。そうしたら「キミシニタモウコトナカレ」とかは「どんなメロディだっけ?」みたいな気持ちになっちゃって。歌い慣れているからこそ、きちんと歌おうとすると難しいところはありました。
――歌のイメージはある程度見えていたんですか?
May’n なんとなくですけど、それは見えていました。「こういう風に歌いたいからこういうアレンジに」とお願いした曲もありましたし。例えば、「graphite/diamond」は原曲では、疾走感やアタックの強さにこだわっていたんですけど、最近は力の抜き差しを意識していて。サビが何行かあったとしたら最後の行だけ100にするとか。あるいは、サビの前を70にするとか、そこから80%、90%と上げていくとか、伝えたい歌詞をどうしたらより伝えられるか、当時よりも考えてはいます。だから、年月が経った曲は当然ナチュラルに変わって聴こえるので、それに比べると「graphite/diamond」は新しい曲だからあまり変化を感じないかもしれないですけど、アタックの付け方、どの単語を前に出したいか、など、かなり計画を練ってからレコーディングに臨んではいるので、自分としては変化を感じる曲です。あとは「Phonic Nation」もかなり変わっていて、みんなが歌ってくれたラララの後ろで私はフェイクを入れているんですけど、コンサートではその時の雰囲気を感じながら自由に歌っているんです。でも、同じように歌ったらレコーディングではしっくりこないんです。ライブとはフィニッシュが違っていて、私がみんなのラララを受け取ってから締めるアレンジにしていたので。頭では計算していたんですけど、フェイクパートだけを30回以上やっても結局できないしわからないし。ふざけながら「もうわかんないっ!」て言ったら加藤さんも一緒に「あぁーっ!」ってなってくれて(笑)。二人で「あーっ!」ってやってました。
――情緒不安定な二人に(笑)。
May’n いや、本当に。情緒不安定でした(笑)。でも、一回休憩を挟んでから歌ったらできたんです。だから、計算していてもノープランでもできるわけではないですね、レコーディングは。
――「今日に恋色」はアルバムの中で一番振り幅が大きい楽曲に感じました。原曲はオープニング主題歌だったのでアニソンらしさも含まれていますが、今回のアレンジは楽曲のテーマにポイントを絞り、さらに今風だった楽曲をより普遍的な楽曲に仕上げていますね。全年代が共感できるというか。
May’n そうですね。今回は歌詞を伝えたいという想いが強かったので、この歌詞で一番好きな「恋をしている自分を自覚している」という雰囲気を大切にしたいと思いました。「あの人が好き」とかではなく、「あの人を好きと思える、この気持ちが幸せ」というところです。10代ならではの気持ちで「こういうことあったな」って思えるような。だから、もっと自分に浸れるような歌にしようと思いました。ただ、バラードバージョンにしたことは時々あるんですけど、バラードにすると「あの人のことが本当に好き……」というエモーショナルな泣きも入ってきそうに感じたので、ポップな雰囲気も出そうとこのbpmにしました。
――センチメンタルなボーカルも愛らしくて。
May’n 嬉しいです(笑)。このアレンジに合う、「恋してる」歌い方にはこだわりましたけど、どうしても歌詞をまっすぐ届けるというのが苦手で、幸せな歌を歌っていても「幸せって言えたらいいな」という切なさやプチネガティブな気持ちが入ってきてが混じってしまうんです。だから加藤さんには「the SEA has dreams」のディレクションでも「もっと明るく」とすごく言われていました。レコーディングの帰り道はいつも、「私ってどういう人間なんだろう」「私はポジティブ部長でやってんのに、意外とネガティブ部長なのか?」と考え込んでいました(笑)。
――一方、「Belief」はピアノ色を色濃く出したアレンジになっています。
May’n 原曲の、少しピアノを感じるアレンジを聴いた時、自分はピアノロックが好きなんだと思ったんです。持ち曲ではギターロックが多いとは思いますけど、ピアノが前に出ることで少し高貴さを感じさせて、かつストリングスも効いているロックというのがMay’nらしいのかもしれない、と感じたことを覚えています。なので、今回はピアノをもっと前に出したいということを最初の打ち合わせからお話していました。
――そのピアノもライブ感というか、遊びのある演奏ですね。
May’n ピアノの速弾きといえば、ということで菊池亮太さんにお願いすることになりました。レコーディングを拝見したんですけど本当にすごかったです。トラックを重ねるのではなく、一度で全部弾いてしまう感じで。
――「アオゾラ」もギター成分を減らして、ピアノを際立たせています。
May’n 「アオゾラ」は「せーのっ」で録ることは決めていた曲でした。今まで続けてきたライブの良さを出したいと思っていたので。それと、テンポが揺れる曲も入れたかったので、ピアニストのおーちゃん(=大坂孝之介)にお願いしました。
――唯一の新曲「the SEA has dreams」については、加藤さんとどのように作り上げていったのか、教えてもらえますか?
May’n 20周年のその先、ということで新曲を一曲収録すると決めた時、明るく笑顔で「これからよろしくね」と言えるポップな曲にしたくて加藤さんにお願いしました。自分で作ると「今までありがとう」な曲になりそうだったんです。そんな中、スマホアプリゲーム『アズールレーン』の8周年記念テーマソングのお話をいただき、May’nの20周年のアニバーサリーな想いも一緒に込めてください、と言っていただけました。なので、『アズールレーン』が持つ「海」といったイメージを大事にしながら20周年の曲としても作ることができました。
――加藤さんから上がってきた曲についてはどのような印象を持ちましたか?
May’n 加藤さんからは、すごくいいメロディができました、という連絡を受けていて、私も聴いた瞬間、めちゃめちゃ気に入りました。テンポは3種類用意してくれていて、キーチェックなどのブラッシュアップのために加藤さんのスタジオに行く時、聴きながら向かっていたんです。家でも聴いていたんですけど、聴きながら歩いていたら一番しっくり来たのが今のテンポで。これは私がスタジオに向かう時に歩いている速度なんです。せっかちなので結構速めなんですけどそれも良くて。次の新曲を作るというワクワク感を感じられるので。だから、自分の歩く速度ですと加藤さんに伝えて、決めてもらいました。「Walk with moments」も「歩いていく」をテーマに作っているんですけど、あの曲は景色を見ながら、振り返りながら、でも進んでいこう、という曲なのでbpmが少しゆっくりなんです。だから、あの時よりも前のめりになっている自分が現れているのもいいと思います。
――歌詞に関してはスムーズに書けましたか?
May’n 最初は「青」をテーマにした前向きな曲、と思っていたんですけど、直前に「ONEBLUE.」を作ったことで、「青」とか「仲間」とか「これから先も」という気持ちを使い切ってしまいました。なので、最初の一歩には時間がかかりましたけど、海外に行った時、飛行機から見えた景色が海と空のちょうど間にいるような感覚を与えてくれたんです。普段は爆睡していますけど(笑)。でも、青空を映した海がめっちゃキラキラしていて綺麗な青で、「海が綺麗な時は空も綺麗なんだな」と思いましたし、そこから膨らませていったらスラスラと書けました。海と自分を重ね合わせながら書かせてもらいましたね。タイトルも最初から決めていました。『アズールレーン』は女の子たちの物語なので最初は「SHE」でした。「SEA」を入れた方が『アズールレーン』サイドには好評だったんですけど、私は「シーハズドリームス」という響きが気に入っていたので、頭にtheをつけて「the SEA」としました。でも、この海にはまだまだ夢があるという意味もすごく良くて、『アズールレーン』的でもありますけど、私の目の前には夢が広がっているとも取れるので。だから、歌っている時は「the」を発音せず、she hasにも聴こえるようにしています。
――「the SEA has dreams」ではMVも制作されていて、あの映像内でも『アズールレーン』とMay’nの両方を織り込んでいますね。
May’n そうなんですよね。自分自身としては「青」で曲を書くと決めた時、辛い気持ちを綴った「BLUE」という曲が自分にはあって、でも、辛かった青が幸せなものに変わったという一つのゴールの「WE ARE」にたどり着いて、これから新たに幸せな「青」をもっと増やしていきたいよね、という想いで「the SEA has dreams」の歌詞を書かせていただきました。なので、「BLUE」「WE ARE」「the SEA has dreams」という繋がりを感じさせたくて、MVで私が開いている本の中にその曲名が登場しています。それに、「『アズールレーン』の楽曲を歌わせていただくのは、アニメ『アズールレーン』のオープニング主題歌(「graphite/diamond」)を歌わせてもらって以来で、しかも8周年記念テーマソングという重要な楽曲でもあることが嬉しかったんですね。「graphite/diamond」があったから「the SEA has dreams」を歌えたという気持ちもあるので「graphite/diamond」の文字も。それ以外の英文も実は「the SEA has dreams」の英訳になっているというこだわりのMVではあります。
――髪を下ろしているのも、人魚を思わせる衣装も新鮮ですね。
May’n 髪型は珍しいかもしれないですね。衣装は海に似合うものというところもあるんですけど、カラフルな音楽をこれからも歌っていきたいという気持ちも込めて、これも自分には珍しいカラフルなワンピースになりました。