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INTERVIEW

2023.02.11

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第4回:“ジャンル”の壁を乗り越えた4人が、壊した新たな壁――Merm4id×都田和志スペシャル対談

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第4回:“ジャンル”の壁を乗り越えた4人が、壊した新たな壁――Merm4id×都田和志スペシャル対談

DJをテーマに、アニメ、ゲーム、ライブなど様々なメディアミックス展開を行うプロジェクト「D4DJ」。そのTVアニメ2期『D4DJ All Mix』が、2023年1月から放送をスタートした。個性豊かな音楽性と魅力を持った6ユニットの活躍が描かれる本アニメを、リスアニ!では連載企画「Diggin’『D4DJ All Mix』」として徹底特集!

連載第4回では、アニメ第5話で国境や言語という壁を超えて最&高なステージを形にした、大学生ユニット・Merm4id(マーメイド)のキャストより、岡田夢以(水島茉莉花役)、根岸 愛(松山ダリア役)と、同ユニットの音楽プロデューサーを務める都田和志の対談を敢行。第5話で披露された新曲「D.M.F」の話題を含め、これまでの活動を存分に振り返ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

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【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』――「D4DJ」TVアニメ第2期を徹底特集!

最&高なライブを続けることで、“アウェー”から受け入れられていった4人

――まずはこれまでの振り返りのお話からお聞きします。都田さんは音楽プロデューサーとして、今に至るまでのMerm4idの変化と成長をどのように感じられていますか?

都田和志 Merm4idは、他のユニットと比べるとサブキャラっぽいところがあると思うんですよ。そもそも最初にいただいたキャラクター設定にも2~3行くらいの記載しかなかったし、『D4DJ First Mix』(TVアニメ第1期)ではほぼ出番がなかった。そういうポジションのユニットだったからこそ、「だったらライブで一番になろう」と考えて集めたのが、この4人だったんです。コンテンツとして引っ込み思案はダメですから。

――その考えが、まさに功を奏したというか。

都田 はい。そこまでは計算通りというか期待通りの部分が大きかったのですが、それを上回った部分もありまして。正直、メンバーにはものすごくしんどいことをやらせていると思うんですよ。毎回ライブはノンストップだし、プロンプターも出さない。だけどそれはすべて、他のユニットに勝つため。声優としてのスキルも含めて、アウェー感のあるところから自分たちの存在を確立させるためには、台風の目になるしかないんです。

――たしかに。

都田 それに根岸(愛)さんも岡田(夢以)さんも「しんどい」とは言わないですから……平嶋(夏海/瀬戸リカ役)さんは冗談めかして言いますけど(笑)。でも、メンバーも含めて、サブキャラがバーン!と目立っていけばコンテンツ自体の知名度も上がっていくはず……という理論をわかったうえで活動しているので、この4人じゃなかったらこうはなっていなかったはずだし、僕の中ではもう申し分ないですね。しかも、皆さんどんどんきれいになられるし。

岡田夢以 やったー!(笑)。

根岸 愛 ありがとうございます(笑)。

都田 そんななかで一番嬉しいのは、お客さんがMerm4idのことを大事にしてくれていることですよね。しかも最近では他のアーティストやコンテンツからも「Merm4idみたいな曲を」というオファーが増えてきたくらい、反響があるんですよ。

――そんなお話がありましたが、岡田さんと根岸さんはいかがですか?

根岸 私としても以前にアイドルとして活動していた経験上、グループ活動の大変さをわかったうえで、またグループをやることに対する決意がありましたし、他のメンバーも同じようにその大変さをわかっていることが、すごく伝わってくるんですよね。だから私としてもやりやすいし、やりがいのあるメンバーと活動できていることは最初から感じています。

岡田 それにみんな、すごくいい子なんですよ(笑)。そこは私がMerm4idとして活動していくうえでベースになっている、すごく重要なポイントだと、この3年半の活動を通して一番感じているところです。

根岸 それと先ほど都田さんがおっしゃったように、ライブはアゲアゲの楽曲ばかりノンストップで続くので、終わった後は毎回死んだようになるくらい疲れるんですけど(笑)、みんな他のユニットに負けたくない気持ちが強いんです。だから私としても自分にできる最大限のことをやるのが一番楽しいし、お客さんもその方が嬉しいと思うんですよね。

岡田 それプラス、都田さんの楽曲の牽引力みたいなものもあると思っていて。楽曲ごとのコンセプトの面白さや色んな要素が合わさっているなかで、この3年半は楽しい経験をいっぱいさせていただきました。

――そんななかで出会った様々なMerm4idの楽曲について、岡田さんと根岸さんはどんなところに魅力を感じられていますか?

岡田 まずはMerm4idだからこそ歌える、パンチのある歌詞が大きいと思います。例えば「OMG」はウェディングソングなのに“口説かれるの いつもの事だけど”から始まったり、私たちだけじゃなくてディグラー(※「D4DJ」のファンの呼称)さんもびっくりするような内容の歌詞がすごく魅力的です。

根岸 歌詞については都田さんが「女子大生」というテーマのもと書かれているので、私も知らなかったような流行りの言葉が入れ込まれたりもしていて。そういうワードの面白さもあるから、一見すると何も考えずにライブで騒げるような楽曲に感じるんですよ。でも実は、誰もが自分に置き換えて共感できる内容にもなっていて。そこもまた面白くて、聴けば聴くほど深さを感じます。

――そういう流行りのワードの情報を、都田さんは普段どうやって仕入れられているんですか?

都田 いや、情報というか……申し訳ないんですけど「研究」と言ってもらっていいですか?(笑)。

――すみません、失礼いたしました!

都田 いえいえ。よく「若い人と遊んでるんじゃないか」と言いがかりをつけられるのですが(笑)、そんな暇は全然なくて。じゃあ何が入り口なのかといえば、「若い人が見るようなものを、自然と常に見ている」からなんです。例えば、昔ロックをやっていた人が大人になるとロックから離れていく、みたいなことがあるじゃないですか? でも僕はそこから離れられずにずっと若い気持ちでいるので、ネットも含めて話題になっているものに食いつくし、それが苦ではなくて、面白いんですよ。で、若い人が使う言葉の面白さってあるじゃないですか。

根岸 たしかに、ありますね。

都田 その辺りをピックアップして、歌詞に取り入れているんです。あとMerm4idの場合は、基本はキャラクターをイメージして考えていますが、キャストの4人が割とキャラクターとリンクしているんですよ。だからキャラクターはもちろん、キャストの皆さんの日常も想像して書いていくんですよね。この4人はみんな性格がバラバラなのですが、それがどこかしらキャラクターにも当てはめることが出来たりするので、「こうだろうな」と想像して書いていく。そうすると、しっくりくるんです。だから、最近ではレコーディングで全部通して歌ってもらわずに、「この歌詞はこの子に歌わせよう」というのがピンポイントでできるようにもなってきて。レコーディングもあっという間ですよね?

根岸 はい。速いです。

都田 大体30分もかからないもんね(笑)。それは手を抜いているわけではなくて、彼女たちが努力して準備してくれているおかげでもあり、こちらも声の出し方や滑舌も含めて特徴をわかっていることでハマりのいい歌詞を書くことができているからで。ちなみに歌詞を書くときも迷いがなくなって、速くなりました。最近は1曲書くのに2時間かからないから。

根岸 えー!?

都田 昨日みんなに送った、俺が仮歌を歌った曲は1時間ちょっとくらい。

岡田 速すぎる……!

都田 ただ「一気に書ける」という自信がついたせいで、歌詞を書く作業は後回しにするようになりました(笑)。逆にメンバー側も「ここは私が歌うパートだろうな」みたいな予想がつくようになったんじゃないかな。「ここは私が歌わないだろうな」っていうところは、練習してきてなさそうだから。

根岸 そんなことないですよ!(笑)。

岡田 全部練習はしますけど、結局「自分が歌うパートかな?」と感じたところが、実際に得意なんですよ。でも、ちゃんと練習はしてます!

都田 それとレコーディング順も大体決まってきていて。根岸さんは縁の下の力持ちタイプで、キャラクターの性質上、声が低いこともあるので、最初にレコーディングしてベースを作ってもらうんです。で、その次に平嶋さん、あとは楽曲によって(葉月)ひまり(日高さおり役)か岡田さんの順番になってきています。

岡田 あと、最近は「うふーん」とか「きゃー!」みたいな声を使った表現を含めて、Merm4idだから使える効果音みたいなものがあるのも魅力だと思います。それがダンス映えするテンポの楽曲に乗ることで、照明とかも華のある感じに作れるんだと思うんです。

根岸 サウンド自体もすごくかっこいいので、音源を聴いていても日々疲れているときには元気をもらえますし、ものすごくライブ映えするんですよ。

次ページ:サウンドの由来は意外なルーツ!物語に紐づいた新曲「D.M.F」を語る

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