INTERVIEW
2015.02.05
2010年に放送され話題となったアニメ『デュラララ!!』待望の続編がついにスタートした。第2弾となる『デュラララ!!×2 承』のOPテーマを担当するのは、中学時代の同級生によって結成されたOKAMMOTO’S。監督からのラブコールを受けて実現したという今回の「HEADHUNT」について、4人に話を聞いた。
――『デュラララ×2 承』がスタートして、オープニングの楽曲のオシャレかつハイブリッド感と映像とのシンクロ度合いにはびっくりしました。みなさんはご覧になっていかがでしたか?
オカモトショウ カッコいい画がついていたのが嬉しかったですね。
オカモトコウキ 音楽と画がすごく合ってましたよね。
ハマ・オカモト 2期はキャラクターが多いなぁ……とオープニングを観ながら改めて思いました。
オカモトレイジ とにかくカッコいい音楽をつけられてよかったなぁ、と。
――本当に、オープニングの90秒間ギリギリまで登場人物紹介ですよね。
ショウ 新しい登場人物もこんなに出るんだって(笑)。今回、主題歌を、というラブコールを受けて、制作に入る前に1期を全部観たんです。1期はちょうど俺たちが高校生終わりくらいに放送されていて。同級生が話題にしてたので名前は知っていたんですけど、実際に観たのは初めてでした。常々いろいろな映画やドラマを観ていく中で、「携帯電話やインターネットが出て来てから、ロマンやドラマチックなものが殺されたんじゃないか」ってことを4人で話しているんですけど……。
レイジ 『ロングバケーション』(1996年)が好きでよく観ているのですが、携帯電話もなくて、会える、会えない、すれ違う、みたいなシーンが印象的ですからね。
ハマ 煩わしさ、みたいなものね。
ショウ そう。携帯ひとつで連絡が取れる今ではそのドラマはないよねって話していたんだけど、『デュラララ!!』を観てると、文明ありきで起こるドラマだったり、みんなでやってるチャットでは誰がいるかわからないけど、みんなそこで繋がっていたり、ダラーズを集めた時に直前まで色のないモブキャラだった登場人物たちにぱーっと色が付いていった場面はすごいなって。逆にそこを使ってのドラマチックというのがすごく新鮮だったし。小1から携帯を持っているような俺たちの世代ならではの面白さだなっていうことも感じましたね。
――アニメへの話が先行してしまいましたが、今回の「HEADHUNT」はアニメに寄せていくのか、それとも互いのメッセージを持続したままリンクさせるのか、アニメから貰ったものから発信していくのか……。制作はどのように進めたんですか?
ショウ 自分たちらしい曲を作りたいっていう想いはありつつ、ただ4人だけで作るのとはまた違う曲なので。なるべくストーリーや世界観に沿ったものにしたいなってことは思っていました。だから『デュラララ!!』ファンにとっても、OKAMOTO’Sのファンにとっても納得の、ダブルミーニングになりうる歌詞だったりが作れるとも思いましたし、そこはソングライター的には燃えるところでしたね。だからすごく楽しかったですよ。
コウキ 監督から直接ラブコール頂いたんですね。監督もOKAMOTO’Sの楽曲を聴いてオファーしてくれたので、普段の自分たちの作風を変えていこうっていうことよりは、いつもの自分たちの勢いや音を使いたいっていうことなのかなとも感じていたので、そんなに大変な作業ではなかったですね。
ショウ 1期OPのシアターブルックの「裏切りの夕焼け」もすごく合ってますもんね。シアターブルックは僕もすごく好きなんです。
――ネットだなんだ、現代ツールを駆使した世界観ながらも人間味は生々しいまでにあるからこそ、シタターブルックやOKAMOTO’Sの持つアナログ感だったりオールドスクール的なロックがリンクするのかもしれないですよね。
コウキ そう言ってもらえると嬉しいですね。テレビサイズでは、前回の回想シーンを入れるために歌のない部分を作って欲しいというオファーがあったので、本来フル尺だったらギターソロになってる箇所をずらしたりしてるんですけど、今までにない手法にチャレンジできたのはこの作品とのコラボならではだなと感じます。
ハマ テレビで流れるということで、テレビサイズでは「テレビから聴こえる音」としてのミックスをしたんですね。テレビの音響環境で一番グッと来るようなところで音をあげたりもしたんです。さっきも言ったように登場するキャラの多いオープニングを予想しながら作ったわけではないんですけど、こちら側の意図として伝わったなという感覚もありました。元々あれだけのキャラクターを登場させるからにはあれくらいのスピード感がないといけなかったんでしょうけど、わりとガツっとしたミックスになったので、そこについた画に対しても個人的にはすごくいいなと思いました。いわゆる5年ぶりとなるこの作品に対して、どんな反応が返ってくるのか、浸透していくかは楽しみにしているところです。
ショウ 歌詞も今回は作品の世界観を意識して書いたので、マッチングしてくれていると嬉しいですよね。アニメの世界に自分の気持ちをどう乗せるか、そこに聴いてくれる人たちがどう重ねてくれるか。アーティストとして歌う以前に、作詞家というか、作家として何を描くかってことが楽しかったですね。
――今回の歌詞はいしわたり淳治さんとの共作ですしね。
ショウ 以前もいしわたりさんとは共作をさせて頂いたことがあるんですけど楽しかったですね。一緒にアニメを観ながら、作品について、物語について色々話しました。やっぱりセルティだよねっていうところから、でも頭がない(に等しい)人たちっていっぱいいるよね。斯く言う自分たちはどうなんだろう? ってところから掘り下げていって書いたんですが、楽しかったですね。メールでのやりとりでも、お互い「ドーモ、折原臨也です」「竜ヶ峰帝人です、こんな歌詞にしてみました」とか言いながらやりとりしたりもして(笑)。いちいち2人で世界観に入り込みながら書いていきました。
レイジ でもいしわたりさんご自身はデジタルに疎いって言ってましたけどね。メールも電話も、電源切りっぱなしで、タイミングがあったときに見る、みたいな感じだって言ってましたし。
ショウ そんな2世代で書いたんですが、作家としての洞察力がすごい人なので、物語を観ながらの言葉も、本当にドキっとさせられたりもして。本当に楽しかったです。
――すごくいいコラボになりましたね。
ショウ こういう形でリンクできたのが本当に嬉しかったですし。何よりもラブコールを頂けたのが嬉しかったですね。
――これからは海外からもフォロワーが増えそうですよね。
ハマ 早くもYoutubeとかでは「HEADHUNT」のギターを「弾いてみた」してる動画があがってました。ドラムもいたし。早いなぁって思います、情報が。是非アメリカのアニメの祭典のようなものに行ってみたいですね。
ショウ 世界は常に目標としてありますからね。海外でライヴをすると、みんなが好き勝手に踊ってる感じがすごく楽しいんですよ。俺はそもそもアメリカで生まれて、父親もアメリカ人で、英語もある程度話せるから海外での活動に戸惑いもないですし、ルーツミュージックとしては欧米の古いロックンロールがありますから。
――そのオールドスクールなロックンロール感というか、アナログ感あるロックっていうOKAMOTO’Sの味が、今回のOPにはマッチしていますよね。
レイジ でもこの先、すごくデジタルな音で楽曲を作っちゃうかもしれないですしね。自分たちは音楽ヲタクなので。いつもひたすら好きな音楽の話を飽きずにいくらでもできちゃうから、その時に「これもやってみたい!」って思えばどんどん挑戦しますし。
ショウ でもどんな音を出しても「やっぱりOKAMOTO’Sだよね」って言われる音になることだけは確かなので。ここから先の僕らも楽しみにしていてもらいたいですね。去年5周年という節目の年を迎えて、そこまでの集大成としての日比谷野音ワンマンも経験して、1回出し切った感もあるんですね。だからこそ『デュラララ!!×2 承』の曲をやらせてもらったり、新しいことにこのまま挑戦し続けていけば10周年も楽しく迎えられると感じているので、まだまだOKAMOTO’Sに注目していただきたいですね。
――結成してからこれは変わらないな、というOKAMOTO’Sのスタンスというと?
コウキ 音楽の話をずっとしているところじゃないですかね?
ショウ 学校で音楽の話が出来る仲間で組んだので、ずっと(音楽の話を)してますね。「あのレコードどうだった?」「これ聴いた?」って。
レイジ たまたまアニメやゲームじゃなかっただけで、バンドやレコードに関して話してるときのテンション感は、所謂オタクと変わらないですからね。
ハマ これだけ話せる仲間でバンドを組めたのは本当にラッキーですね。
ショウ そういう音楽を愛する仲間を増やせるように、そんなきっかけになれるバンドでありたいですね。「HEADHUNT」で出会った皆さん、一緒に音楽を語りましょう!
Interview&Text by えびさわなち
●CDリリース情報
OKAMOTO’S「HEADHUNT」
TVアニメ『デュラララ!!×2 承』OPテーマ
2015年2月4日発売
【期間生産限定盤[CD+DVD]】
(アニメ『デュラララ!!×2 承』描きおろしスペシャルデジパック仕様)
価格:¥1,667+税
品番:BVCL-627~8
アニメ『デュラララ!!×2 承』キャラカード1種封入
<CD>
1.HEADHUNT
2.チャンス
3.HEADHUNT(『デュラララ!!×2 承』short version)
4.HEADHUNT(instrumental)
<DVD>
・「HEADHUNT」MUSIC VIDEO
・アニメ『デュラララ!!×2 承』オープニング映像(ノンクレジットVer.)
【通常盤[CDのみ]】
価格:¥1,111+税
品番:BVCL-626
アニメ『デュラララ!!×2 承』キャラカード1種封入
※封入のキャラカードは初回・通常別絵柄となります。
<CD>
1.HEADHUNT
2.チャンス
3.HEADHUNT(instrumental)
4.Beek-Acoustic Studio Session-
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