いろんなものに挑戦した「Ambitious map」のMV

──歌詞はどのような環境で書かれているんですか？

寿　基本は携帯に打ち込んでいるんですけど、それだと画面のサイズ的に思考が狭まってしまって。試しに「この子がこう動くということは、前後にこういうことがあって」ということを、普段役作りをするときと同じように紙に書き出してみたんですよ。私は思ったことをそのまま口に出すというより、冷静に一度考えるタイプなので、「自分が今何を考えているんだろう」と思ったときにひたすら紙に書くんです。そうすると自分でも気付いていなかった本音が出てきたり、「この言葉がほしかった！」というものに出会えたりするんです。「Ambitious map」は特にそうして紙に書きながら進めていきましたね。

──この曲において何を言いたいかや、主人公の感情の動きなどを地図にしていくんですね。

寿　そうですね。それに加えて英語詞の部分はあまりにも音がいっぱいあったので、「ドンドン、ドンドン」みたいにリズムを文字にして書いて、そこにひとつずつ音を当てはめていくこともしました。

──初作詞を経て、今後作詞は続けていきたいですか？

寿　やる気は満々なんですけど、『emotion』収録のシングル曲だけを見ても、書いてもらったからよかった部分が大きくあると思うんです。自分が入らないからこそ広がるいいものもあるので、表現したい世界観によって作詞家さんにお願いしたいですね。これだけいろいろ作詞をしてみると、誰かのためにも書いてみたいなと思います。作品をイメージした曲とか、自分じゃない誰かとか、そういう何かをフィーチャーしたものも書いてみたいです。今回は全曲自分の想いや感じたことの延長線上で書いたものなので、切り口を変えればまだまだ書けることも出てくるんじゃないかと。なので、書かせてもらえるなら書きたいと思っています。

──ちなみに「Ambitious map」のエンディングは寿さんの笑い声で終わっていますが……。

寿　完成したものを聴いたとき、知らされずに入っていてびっくりしました（笑）。レコーディング中に、自分で書いた歌詞なのに追い付かないことがあって、そのときに「言えないー（笑）」と笑っていた声が残っていたんですね。遊びから生まれたものですが、そういったものも見逃さないエンジニアさんは素晴らしいです。もうあれがないと物足りないですからね。遊び心と挑戦に溢れた１曲になりました。

──CDの初回限定盤には「Ambitious map」のMVを収録したDVDが付属します。こちらのMVはどのようなものになりましたか？

『emotion』[初回生産限定盤] (CD＋DVD) ジャケット

寿　MVではとにかくいろんなものに挑戦しています。この歌詞を書く前に、ひとりでL.A.に旅行に行ったんですよ。そのときの気持ちを反映した歌詞から、監督が拾い上げてくれた「好奇心が挑戦させる」というテーマでＭＶを作ってくださいました。大きなフラッグを振るカラーガードと、ダブルダッチと、ドラムと、フリースタイルバスケに初めて挑戦しています。ほとんどがその日に振り付けしてやるという……（笑）。ここは声を大にしてお伝えしておきます！　前もって練習はしていません！（笑）　ある意味、監督からの挑戦状と受け取って頑張りました。皆さんも「がんばれー！いけるぞー！」と応援しながら観ていただけたらうれしいです。映画館でMVの応援上映とかしたいですね（笑）。それと初回盤には写真集も付いていて、そちらにしか収録されていない詩も付けさせてもらっています。写真も伊豆大島に泊りがけで撮影していて、ジャケットのアートワークも含めて「3枚目だからこそ攻めてみました」という仕上がりになっているので楽しんでいただけたらうれしいですね。

──さて2月24日には「LAWSON premium event 寿美菜子 360°SPECIAL LIVE at舞浜アンフィシアター」が開催されます。

寿　こちらはアルバムを引っ提げずに行う、1日限りの特別なライブになります。スフィアのほかのメンバーも同じ会場で３６０°ステージでライブをするんですが、私は３７５（みなこ）°でやらせてもらおうかと思っております（笑）。短めのライブイベントはありましたけど、がっつりのワンマンは久しぶりなので、「お久しぶりです！」という感じのセットリストを考えています！ぜひ一緒に盛り上がりましょう！

──最後に、リスレゾはハイレゾで配信されているアニメ音楽を紹介するサイトです。寿さんは、「WALKMAN(R) A series ＆ h.ear on 2 Wireless NC×スフィア」のコラボレーションモデル “We are SPHERE”※はお使いになられていますか？

※ SONYとコラボレーションした「ハイレゾ対応ウォークマン(R)」、「ワイヤレスヘッドホン」”We are SPHEREモデル”のこと。

寿　使ってます！　私たちは一足先に現物をいただいたんですけど、スフィアのイメージカラーを反映させたデザインになっていてすごくかわいらしいんですよ。ウォークマンってパッキリした色使いのものが多いイメージなんですけど、ちょっとスモーキーなブルーでお洋服と合わせるのにも自然に馴染んでうれしいです。何よりもちろん音がすごくよくて！　いただいたのが”We are SPHERE!!!!!”ツアーファイナルの幕張初日だったんですけど、それをホテルに持って帰って「Endless Anniversary」を聴きながらメンバーにお手紙を書いたんです。本当にいい音で曲が流れてきて、すごく心に染みました。

──早速、ハイレゾ対応プレイヤーを活用されているんですね。

寿　セットのヘッドホンがワイヤレスで、プレイヤーから少し離れても聴けるのがありがたかったです。踊りの練習をするときに普通のイヤホンでやっていると、ターンのときにケーブルが引っかかって耳から外れちゃったりするんですよ。これは踊る方ならみんな一度は経験しているあるあるだと思います（笑）。今さらですけどワイヤレスって本当にいいなと。完成した『emotion』も、早くこのプレイヤーに入れて聴きたいです！　家のスピーカーもハイレゾ対応のものを使っていて、やっぱりハイレゾで聴くと全然違うんですよ。「この曲ってこういう曲だったんだ」と気付くことも沢山あって、あらたな発見にも繋がるのが素晴らしいなと思っています。〈END〉