INTERVIEW
2025.05.02
――そして『「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM』がリリースされ、アルバムの15曲目には「Clattanoia」のMYTH & ROIDによるカバー「Clattanoia(penumbural)」が収録されています。オーイシさんにこちらを聴いた印象を教えていただきたいです。
オーイシ KIHOWちゃん、歌が上手いですね!自分で歌ったことのある曲を誰かが歌っているのを聴くと、その人の解像度がすごくわかるんですよね。例えば僕の歌の癖やどこでブレスをしているか、1個の音符を取っても個性が出るのですが、KIHOWちゃんは一度僕のボーカルを解像度高く分析した上で歌っている。そういう意味での歌の上手さを感じ、素晴らしいと感じます。カバーしていただいてありがとうございます!
KIHOW 「Clattanoia」はOxTさんの楽曲の中でも大好きな楽曲なのでカバーするまでもたくさん聴かせていただいていて、オーイシさんは音を伸ばす時の母音の響かせ方がすごく心地良いな、など勝手に思っていました。そもそもご本人にもお伝えしたことがあるのですが、私は素の歌い方でオーイシさんに影響を受けている部分もあるので、カバーを聴いてオーイシさんご本人がそんなふうに感じてくださったことはとても嬉しいです!あまりアーティストがそういうことをすべきでないかなと思い今まで黙っていたのですが、このレコーディングでオーイシさんの英語の発音に寄せたいなと思ってあえて録り直した単語もあるので、聴いてその部分を見つけてもらえると嬉しいです。
――「Clattanoia(penumbural)」のアレンジで意識した部分はありますか?
Tom-H@ck 編曲はMYTH & ROID名義で、元の「Clattanoia」と違う雰囲気でピアノやストリングスを入れていますが、実はこれ僕がアレンジをせずにうたたね歌菜ちゃんに任せているんです。聴いた時には「こんなに上手くアレンジできるんだな」と勉強になりました。
KIHOW “penumbral”(「半分が影の」の意)という言葉が表すように光と影の間にある少し不思議で曖昧な雰囲気がとても美しく表現されていると思って。静かな中にもピリッとした緊張感があって、「Clattanoia」の新しい一面を感じられるとても印象的なアレンジだと感じました。
――hotaruさんはこのカバーにはどのような印象をお持ちですか?
hotaru 一番のポイントは全部英語詞なところですよね。日本語部分の英訳をしたのはKIHOWちゃんなんです。いつもは僕が英語の歌詞を書いて、それをネイティブの監修をしてくれる人と一緒に作り上げるのですが、このカバーはKIHOWちゃん自身が歌うものなのでお願いして。英語翻訳をお願いするのは初めてでしたが、実際に届いたものがすごく良かったんです。直訳の感じで日本語をそのまま1つずつ英語に置き換えていくようなやり方ではなく、日本語で表現されているニュアンスを読み取って英語に置き換えているんです。元の言葉に縛られない訳で、しかもそれが表現としてとても的確だったので感動しました。
KIHOW 個人的にhotaruさんの書いたオリジナルの歌詞の形をなるべく崩したくないので、英語の部分はそのままの配置で日本語歌詞のみを英訳したんです。そこが特に難しく、初めは「完成させられないのではないか……」と思うほど不安でした。サビ頭は何度も出てくるのですがそこが訳すうえで一番の難関で、完成した時は本当に安心しました。
――今回OxTとMYTH & ROIDのコラボ楽曲「GREATEST GLORIA」が収録されています。制作はどんな意識で臨んだのでしょうか?
Tom-H@ck 男性ボーカルのオーイシさんと女性ボーカルのKIHOWちゃんの声が混在させることがどれくらいの難易度になるのかやってみないとわからないところからスタートしたんです。結果的にはオーイシさんにかなり高いところを歌っていただくという無理難題を突き付ける曲になってしまいました(笑)。一番意識したサビではメインメロディと裏のメロディが同時に鳴っているのですが、そこは覇王感や神聖な雰囲気が出るようこだわりました。以前オーイシさんがOxTとしてアニメ『オーバーロード』向けにスパニッシュ系の楽曲や旋律の動きを提案してくださったことがあり、最近のOxTの楽曲にはその要素を取り入れることもあったのですが、それはこの曲にも活かしていて。オーイシさんの歌うところではガットギターで演奏したスパニッシュギターのフレーズを入れるアレンジにして、KIHOWちゃんの歌うところはMYTH & ROIDっぽいピアノでテンションを加えるようなバッキングを作っていきました。白と黒のように色分けをした上で、サビではそれが一緒になるという構成を意識しています。
――歌のレコーディングはいかがでしたか?
KIHOW OxTさんとはアニメ『オーバーロード』を別の角度から支えてきたと感じているので、今回一緒に楽曲を作れると聞いた時はとてもわくわくしました。私は先にレコーディングをさせていただいたので、楽曲の空気感をどう見せていくか自分の中で考える時間もあったのですが、オーイシさんへのリスペクトも込めて真っ直ぐ自分らしいMYTH & ROIDの形で歌いました。楽曲として皆さんが聴くのは構成上オーイシさんの歌が先だったので、どんなオーイシさんの歌がきても受け止められるものにしようとも考えて。個人的に『オーバーロード』に対して忠誠の心を形にしたいとも思っていたので、それを感じていただけたら嬉しいです。完成後オーイシさんの歌を初めて聴いた時は自分が想像していた以上の熱量だったので衝撃と共に嬉しさが湧きました。自分の声とオーイシさんの声が重なることで新しい響きが生まれて「GREATEST GLORIA」がより深い楽曲になったと思っています。
――オーイシさんはKIHOWさんの歌を聴きながらの収録はいかがでしたか?
オーイシ 色んな意味で助かりました。KIHOWちゃんの歌が基軸になって、自分の歌をどう入れていこうかなというボーカルのマッピングがすごくしやすかったです。そもそも歌の道筋みたいなものを作ってもらえていたので。あと英語の発音について僕はネイティブじゃないので参考にさせてもらったり、KIHOWちゃんの発音を耳コピーしながらボーカル録りをしていったところもありました。
――10年を締め括るような楽曲、作詞についてはいかがでしたか?
hotaru 今までになく完全にお祭りソングのような感じで作詞をしました。音楽プロデューサーさんからは“10”という数字を入れたいと言われていたんです。10周年という意味もあるし、ナザリックという彼らの城が10階層まであるということも掛かっているので、それを上手く使いたいというリクエストでした。それでサビで思いっきり“10階層”と言っちゃっています。OPテーマの時はあまり直接的な言葉を使わず、抽象的に敷居の高い感じを目指していたのですが、今回はモロに表現しても良いなと方向性を定めての作詞でした。それから今までの曲の歌詞を使っている部分もあります。例えば「Clattanoia」っぽく聴こえるところや、サビでは顕著に「GO CRY GO」と聴こえるようなフレーズを持ってきたり、「HOLLOW HUNGER」の日本語訳である“空虚な渇望”を使うとか。アインズを崇める曲でありつつも、これまで着いてきてくれて、音楽も聴いて楽しんでくれていたファンの方々が喜ぶようなことをしたいと思って作詞をしました。それはOxTとMYTH & ROID、ずっとアニメ『オーバーロード』と関わってきた人たちだからこそできるセルフパロディのようなものですよね。ずっとやってみたかったので思いが叶いました。
――では最後に、そんな楽曲群で構成されるアルバム『「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM』をレコメンドしてください。
Tom-H@ck 僕たちの10年の軌跡を、このアルバムで確認してください!よろしくお願いいたします。
●リリース情報
『「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM』
OxT、MYTH & ROID、前島麻由、ラナー(CV:安野希世乃)
形態:デジタルアルバム
01. Clattanoia / OxT(TVアニメ「オーバーロード」オープニングテーマ)
作詞:hotaru 作曲:大石昌良 編曲:Tom-H@ck
02. L.L.L. / MYTH & ROID(TVアニメ「オーバーロード」エンディングテーマ)
作詞・作編曲:MYTH & ROID
03. Crazy Scary Holy Fantasy / MYTH & ROID(劇場版総集編「オーバーロード」不死者の王 主題歌)
作詞・作編曲:MYTH & ROID
04. Laughter Slaughter / OxT(劇場版総集編「オーバーロード」漆黒の英雄 主題歌)
作詞:hotaru 作曲:OxT 編曲:Tom-H@ck
05. GO CRY GO / OxT(TVアニメ「オーバーロードⅡ」オープニングテーマ)
作詞:hotaru 作曲:大石昌良 編曲:Tom-H@ck
06. HYDRA / MYTH & ROID (TVアニメ「オーバーロードII」エンディングテーマ)
作詞・作編曲:MYTH & ROID
07. VORACITY / MYTH & ROID (TVアニメ「オーバーロードIII」オープニングテーマ)
作詞・作編曲:MYTH & ROID
08. Silent Solitude / OxT(TVアニメ「オーバーロードⅢ」エンディングテーマ)
作詞:hotaru 作曲:Tom-H@ck 編曲:KanadeYUK
09. HOLLOW HUNGER / OxT (TVアニメ「オーバーロードⅣ」オープニングテーマ)
作詞:hotaru 作曲:大石昌良・Tom-H@ck 編曲:eba・OxT
10. No Man’s Dawn / 前島麻由(TVアニメ「オーバーロードⅣ」エンディングテーマ)
作詞:hotaru 作曲:睦月周平 編曲:睦月周平
11. fallen / ラナー(CV:安野希世乃)(TVアニメ「オーバーロードⅣ」第13話挿入歌)
作詞:hotaru 作曲:Tom-H@ck 編曲:MYTH & ROID
12. MASS FOR THE DEAD / OxT(「オーバーロード」ゲームアプリ「MASS FOR THE DEAD」テーマソング)
作詞:hotaru 作曲:大石昌良 編曲:eba
13. Cracked Black / MYTH & ROID(「オーバーロード」ゲームアプリ「MASS FOR THE DEAD」新テーマソング)
作詞・作編曲:MYTH & ROID
14. WHEELER-DEALER /OxT(劇場版『「オーバーロード」聖王国編』主題歌)
作詞:hotaru 作曲:eba 編曲:eba
15. Clattanoia (penumbral) / MYTH & ROID
作詞:hotaru 作曲:大石昌良 編曲:Tom-H@ck
16. GREATEST GLORIA /OxT, MYTH & ROID
作詞:hotaru 作曲:Tom-H@ck 編曲:Tom-H@ck
「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM全曲試聴動画
配信リンク
https://nex-tone.link/jcZMS6nfp
●ライブ情報
MYTH & ROID One Man Live 2025 Summer Tour “Loved all long”
過去最多となる全国12箇所を巡る夏ツアー、今月よりスタート
【横浜公演】
5月18日(日)
会場:F.A.D YOKOHAMA
開場17:00 / 開演17:30
【静岡公演】
5月25日(日)
会場:LIVE ROXY SHIZUOKA
開場17:00 / 開演17:30
【愛知公演】
5月31日(土)
会場:NAGANO CLUB JUNK BOX
開場17:30 / 開演18:00
【埼玉公演】
6月1日(日)
会場:HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1
開場17:00 / 開演17:30
【福岡公演】
6月7日(土)
会場:FUKUOKA INSA
開場17:30 / 開演18:00
【岡山公演】
6月8日(日)
会場:OKAYAMA YEBISU YA PRO
開場17:00 / 開演17:30
【北海道公演】
6月13日(金)
会場:SPiCE SAPPORO
開場18:30 / 開演19:00
【愛知公演】
6月21日(土)
会場:NAGOYA ElectricLadyLand
開場17:30 / 開演18:00
【茨城公演】
6月28日(土)
会場:mito LIGHT HOUSE
開場17:30 / 開演18:00
【宮城公演】
7月5日(土)
会場:SENNDAI ROCKATERIA
開場17:30 / 開演18:00
【大阪公演】
7月12日(土)
会場:OSAKA MUSE
開場17:30 / 開演18:00
【東京公演】
7月27日(日)
会場:Zepp Shinjuku
開場16:30 / 開演17:30
ツアー特設サイト
https://mythandroid.com/contents/special/lovedalllong
OxT
オフィシャルサイト
http://www.oxt-music.com/
オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UC4h-npi6Zwr78KuHqJbnNUQ
MYTH & ROID
オフィシャルサイト
http://mythandroid.com/
オフィシャルX
https://x.com/myth_and_roid
オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@MYTHandROID
SHARE