INTERVIEW
2024.06.12
――ここからは、ご自身を知ってもらうためにまず聴いてほしい楽曲を3曲選んで、そのレコメンドをお願いできたらと思います。
岬 え～！まだそんなに楽曲を出させていただいていないけど相当迷いますよ？（笑）。うーん……1曲目は「ソラトレイト」ですね。岬 なこの楽曲として一番最初に世に出たものなので。そこから楽曲ごとの差を出す意味で選ぶと、ナノウさんに書いていただいた「HURRAY!」と……もう1曲は「スイートサイン」も捨てがたいんですけど、そのカップリング曲の「つぎはぎの世界」です。
――では1曲ずつ、お薦めポイントを教えてください。
岬 まず「ソラトレイト」は、初めましての挨拶代わりに一番しっくりくる楽曲だと思っていて。全体的に爽やかな曲調の中に、特にAメロの辺りにまだ自分から前に進めないような、少し引っ込み思案な気持ちも含まれていて、それが駆け出したばかりの私にすごくぴったりだと思うんですよね。渡辺 翔さんに作っていただいた事実だけでもう……！という感じなんですけど、まだ一度もお会いしたことないのに、なぜか私の性格や心をすべて見透かされているような気がして。初めて楽曲を聴いたときから、嬉しい気持ちがすごくありました。
――余程自分の気持ちに近しいものを感じたんですね。
岬 なんでなんでしょうね？そこを一番話さなくちゃいけないのに（笑）。でも、雰囲気もそうですし、メロディラインがすごくお洒落で、それまではずっと爽やかな風が吹いてる感じなのに、サビの最後辺りで一気にリズムが弾み出すところがあって。1曲の中で冒険しているような気持ちになれて、歌っていてもすごく楽しいです。
――続いて「HURRAY!」の推しポイントは？
岬 初めて楽曲をいただいたときから、今の自分の気持ちをそのまま落とし込んだんじゃないかと感じるくらいで、どんな状況でも背中を押してくれる楽曲だと思います。仮歌の音源をいただいたときに1つの朗読を聞いているような感覚になって。レコーディングもすごく気持ちが入って、ちょっと泣きそうになりました（笑）。どれだけがむしゃらに頑張ってもできない自分を、そんな自分だからこそ認めてあげられるような、すごく好きな曲です。
――ささやかな優しさが感じられる楽曲ですよね。
岬 そうなんですよね。言葉がすごく優しくて。でも自分に対して問いかけながら歌ってみると、その言葉がすごく力強くて。誰かに歌うとしたら「一緒に頑張ろう」とそっと背中を押してくれると思うんですけど、自分に対してだと、とにかく前を向かせてくれる曲で。視点によって全然解釈が変わる曲だと思います。
――そんな楽曲を昔から好きなナノウさんに書いてもらえるなんて、宝物ですよね。3曲目の「つぎはぎの世界」を選んだ理由は？
岬 これは「スイートサイン」のカップリング曲を制作するうえで、私が「こんな楽曲をうたってみたいです」とお伝えしたものがそのまま形になったような楽曲でして。心の内にあるものを歌に乗せて、必死にもがいているような、気持ちが露呈しているようなバラードを歌いたかったんです。仮歌さんの音源を聴いたときに、いい意味で心に穴が開いている感じというか、映画で悲しいエンディングのはずなのになぜか胸が温かくなる瞬間、全部が悲しいのではなくて一筋の光が見えたようなストーリー性を感じて。なので私もとにかく気持ちを込めて歌おうと思いました。自分の周りには何もない、ただただ孤独で真っ暗な世界で歌いたくて。自分の歌うブースとスタッフさんのブースが離れているスタジオだったのですごく歌いやすくて、気持ちの入り方という意味では、私の楽曲の中でもトップに入ると思います。
――歌に込められた感情やニュアンスの付け方が本当に素晴らしくて、これでなぜ歌に苦手意識があるのか不思議に感じるくらいです。
岬 だからやっぱり歌ってないんですよね。歌っているけど歌っていないっていう。多分、文字で見たら何を言っているかわからないと思うんですけど（笑）。
――そういうアプローチが最も活きている楽曲かもしれないですね。
岬 そう言っていただけるとすごく嬉しいです。実はこの楽曲、sajou no hanaのsanaさんがコーラスで参加してくださっていて、仮歌もsanaさんが歌ってくださっていたんです。自分の完成音源よりも、sanaさんの仮歌の音源をずっと聴いているくらいで（笑）。まだ直接お会いしたことはないので、活動を続けていくなかで、もしどこかでお会いできたら感想を伝えたいなと思っています。
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