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INTERVIEW

2022.12.21

『プリキュア』との出会いが育んだ愛の歌と夢――ベストアルバム『Machico♡プリキュアのうた!』をリリースしたMachicoが語るシリーズへの想い

『プリキュア』との出会いが育んだ愛の歌と夢――ベストアルバム『Machico♡プリキュアのうた!』をリリースしたMachicoが語るシリーズへの想い

岬あやねと立神あおいの関係性あっての楽曲

――Machicoさんの『プリキュア』歴についても伺いたいのですが、『プリキュア』との出会いというと?

Machico (シリーズ第1作の)『ふたりはプリキュア』が放映を開始したとき、私はもう小学校高学年だったのでリアルタイムで観てはいなかったんですよね。だから作品を知ってはいましたけど、しっかりと触れたのは声優として参加させてもらった『プリアラ』が初めてでした。そのときは、お子さまに向けて夢や憧れを伝える作品というイメージがあったのですが、実際には自分も心打たれるセリフがあったり、ちょっと驚かされるような表現やストーリーだったりして、大人の私も共感できる部分がたくさんある作品という印象でした。

――『プリアラ』では、ロックバンド「ガナッシュ」のボーカリスト・岬あやね役を演じました。作中で歌唱もある役でしたが、こちらはオーディションだったのでしょうか?

Machico オーディションではなかったので、私もお話をいただいたときにビックリしちゃって、「どうして選んでいただけたんだろう」という気持ちでした。当時、作品に音楽で関わられていた方と別の現場でお仕事させていただいたことがあって、私もロックテイストの楽曲が好きでしたし、かっこよく歌うことに対して意識していたところがあったので、そういうところを見ていただけたのかな、と思っています。

――ここ数年の代表作と比べるとMachicoさんの中では珍しいクール系のキャラでした。どのような意識で役に臨まれましたか?

Machico ロックバンドのボーカルですごくカリスマ性があって、(キュアジェラートに変身する)立神あおいちゃんからも憧れられていて、しかもキャラクターデザインも大人っぽい……というところで、地声の高い私がどう表現できるかはすごく考えました。誰かを惹きつけたり引っ張るという面では、当時の自分とリンクするところがなかったので。でも、あおいちゃんを感銘させる存在ということで、私が思う強い女性をイメージしながら役に臨みました。作中で歌わせていただくときもクールな感じでいきたかったので、自分の中でも低めなところで声は作っていましたね。ただ、あおいちゃんに対して、すごく真っ直ぐではあるけれども冷たく感じられる言葉をかける、という部分は当時の私には想像しきれなかった部分ではありました。でも、改めてあやねさんのキャラクターを考えてみると、彼女は音楽の世界において、年齢も性別も音楽歴も関係なく、あおいちゃんを認めていたからこそ、時には厳しい言葉もかけていたということが理解できるようになりました。誰よりもあおいちゃんを子ども扱いしていなかったんだと思います。それは今、アフレコ現場で歳下の子たちと関わるようになるなかで気付けた部分ですね。

――歌唱を担当するなかで思い出されることというと?

Machico せっかく選んでいただいたからには、ということでとにかく練習して、レコーディング本番に臨んでいました。自分の中にある、ロックを歌う女性のイメージを全部投入するというか。とにかく力の限り歌った記憶がありますね。

――岬あやね役として歌った「Soul Believer」と「IGNITION」は今回のベストアルバムにも収録されますが、それぞれの楽曲の印象は覚えていますか?

Machico 「Soul Believer」を先にレコーディングしたのですが、初めて音楽資料をいただいたとき、『プリキュア』でこんなにも本気のロックを表現するということにすごく驚いて。クールな要素がたくさんあって、かっこいいに全振りした楽曲なのでガナッシュのバンドイメージにもピッタリでした。「IGNITION」は、あやねさんがあおいちゃんとの出会いを経て書き下ろした楽曲なので、「Soul Believer」と比べて“光”成分が多い印象でしたね。

――歌詞に“Light my heart”と出てきますが、楽曲全体で未来に対する希望を歌っていますね。

Machico きっと、あおいちゃんのひたむきな姿はあやねさんにとって“光”だったんですよね。口では言わないけど歌で応える、というのがあやねさんっぽくて「いいねー」って思いました。だから、歌っているときの笑顔や歌い続けられる喜びといったものをイメージしながら歌った記憶があります。

――「Soul Believer」はあおい役の村中 知さんが歌われたり、お二人でデュエットされたり、ということもありました。

Machico 村中さんが歌ったあおいちゃんバージョンの「Soul Believer」を聴いたとき、歌い手が変わるとこんなにも曲のイメージも変わるんだと思いました。クールさやかっこよさに重きを置いていた私と違い、節々に希望が感じられましたね。憧れのあやねさんに認めてもらいたい、もっと高みを目指したい、という“光”要素が多くて大好きです。あやねさんやあおいちゃんの個性や魅力が楽曲には表れているので、今回のベストアルバムで「Soul Believer」を初めて聴いた方は、ぜひあおいちゃんバージョンも聴いてほしいですね。そこの関係性があってこその楽曲なので♪

――次は『プリアラ』から3年、間に2作を挟んだのちの『ヒープリ』でED主題歌を担当されます。こちらの経緯についても教えてもらえますか?

Machico こちらはオーディションでした。『ヒープリ』の前にも歌と声優の両方でオーディションを受けたことがあったのですが、合格できなかったので「やっぱりプリキュアの門は高いな」という気持ちでいたらまさか! 私、Machicoとしての活動の夢の1つに、子供たちの記憶に残る作品に歌でも参加したい、というのがあったんです。だから『プリアラ』のときにその夢が叶ってすごく嬉しかったのですが、前期EDとなったら半年間くらい自分の歌が作品と共に流れることになりますよね。『プリキュア』のEDといえばダンスもすごいですし、色々な形で自分の歌が子供たちに届くと思えて、さらにまた夢が1つ叶った気持ちでした。

――オーディションということですが、何を歌われたのでしょうか?

Machico 『ヒープリ』のOP「ヒーリングっど♥プリキュア Touch!!」と、私が歌うことになった前期EDの「ミラクルっと♥Link Ring!」でした。『プリキュア』の楽曲は聴きなじみがいいけれどもすごく難しい曲が多くて、OPを歌ったときはそれを実感しましたね。オーディションは生で歌ったので粗が見えやすいというか、低音もしっかり出す楽曲ということもあり、自分のレンジの狭さに驚愕した記憶があります。だから、歌うのに必死でした。ただ、『ヒープリ』は生命力や愛がテーマということで、優しさが溢れるような楽曲だとは感じていました。

――確かに、アップテンポでダンサブルではありますが、歴代ED主題歌に比べると少し大人びたような、作品が持つ癒しの雰囲気も併せ持っていました。

Machico 今言っていただいたみたいに、アップテンポではあるんですけど明るすぎないところが「ミラクルっと♥Link Ring!」のいいところだと、私もすごく思っています。キャッチーで、音作りもキラキラしていますけど、歌っていてもどこか落ち着ける場所があるんですよね。後期ED主題歌(「エビバディ☆ヒーリングッデイ!」)が元気寄りだった分、「ミラクルっと♥Link Ring!」は癒しの部分がメロディに詰まっているとすごく感じます。『プリキュア』にはみんなを元気づけるように引っ張っていく楽曲もありますが、この曲のレコーディングでは強さより柔らかさを大きく出した方がいいというアドバイスをいただきましたし、包み込むような優しさや聴いてくださる方に寄り添うことを意識しながら歌ってくださいとも言われました。

自分の可能性や魅力を再発見させてくれる『プリキュア』

――『プリキュア』楽曲で歌唱を担当するとシリーズで幾度も作品に参加する機会に恵まれ、また、楽曲やライブで新旧のシンガーが共演する機会も多いですが……。

Machico この間のプリキュアライブ(“デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡”)でみんなが歌ったときは圧巻でしたね。私もその1人としてステージ上にいましたけど。

――客席から見たくなりました?

Machico そうなんですよ。「どうして私の身体は2つじゃないんだろう」って思いながら(笑)。

――そういったプリキュアシンガー同士で歌唱するといった、縦や横の繋がりについてはどのように感じていますか?

Machico 私が『ヒープリ』でプリキュアシンガーの仲間入りをさせてもらったとき、OPを北川理恵さんが、後期EDを宮本佳那子さんが歌っていらっしゃったんですけど、お二人にお会いするときもすごく緊張していたんですよ。でもまず、お二人が優しすぎた(笑)。最初から「一緒にプリキュアソングで盛り上げていこうね」という感じで輪に入れてくださったんですね。吉武千颯ちゃんと初めて会ったときも同じ印象を受けました。五條(真由美)さんも本当にチャーミングな方で。

――シリーズ第1作のOP主題歌「DANZEN! ふたりはプリキュア」担当の。プリキュアシンガーとしてはレジェンドですよね。

Machico 『プリキュア』の現場でお会いするのはこの間のプリキュアライブが初めてで、大先輩だから私はすごく緊張してたんですけど、やっぱり「一緒に盛り上げていこうね」と言ってくださるんですよね。だから共通点としては、みんなが『プリキュア』の1ファンとして他のシンガーや楽曲を見守っているところがありますね。だからこそ、一緒に歌うときは安心感があり、信頼も生まれるんだと思います。

――ある楽曲ではメインを歌った人が別の楽曲ではコーラスであるとか、プリキュア楽曲では互いに支えたり支えられたりという関係が見られます。

Machico 映画で初めて北川さんとデュエットさせていただいたときも(同時上映『わたしだけのお子さまランチ』主題歌「レッツ!fun fun time!」)、レコーディングは私が先で北川さんが後だったのですが、お互いに相手がどう歌うか想像ができたので、完成したらすごくまとまりのある、私と北川さんの関係性も感じられるような温かい楽曲に仕上がっていました。私はプリキュアシンガーに仲間入りしてまだ3年ですけど、「時間じゃないんだな」って思います。お互いが同じ気持ちでいることで、こんなにも良い絆が生まれるし、その絆が作品をもっともっと盛り上げていけるきっかけになると感じますね。

――また、先ほどお話に出た五條さんといえば、五條さんが歌われた「シェアして!プリキュア」を「Machico Ver.」としてカバーした楽曲も収録されます。作編曲した三好啓太さんは「世代を超える曲を」というオーダーだったと話していましたが、歌ってみた感想はいかがでしたか?

Machico それこそ、五條さんから北川さんに歌い継がれて……という流れを知っているので「次は私の番なんだ!」という気持ちでした。そのとき、五條さんのマネをして歌うことが歌い継ぐことではないと思いましたし、自分は「シェアして!プリキュア」でどういう表情を出せるのか、とは考えました。私の歌声を聴いた人からは、元気が出た、明るい気持ちになれた、と言っていただくことが多いので、私が歌で引っ張るというよりは、聴いてくださる皆さんと曲を歌うような感覚、と言えばいいんですかね。プリキュアへの素直な気持ちを入れ込みました。だから、私の「シェアして!プリキュア」はポップ寄りだとは思います。

――アルバムのラストは「やくそく ~Original Remix Version~」が飾りました。どういった意図だったのでしょうか?

Machico アルバムのテーマが「四季」ということで曲順も、春から始まって春に巡っていくようになっているんです。そこで最後の曲が「やくそく」というのは私自身、嬉しい気持ちですね。ベストアルバムというと、何かの節目で出す1枚という印象があると思いますが、今回のベストアルバムが私にとって最後のプリキュア作品ではないと思いますし、プリキュアソングが、『プリキュア』シリーズがずーっとみんなの心の中にあるように、私が関わったプリキュアソングだっていつでも皆と会えるよ、という“約束”を交わせた気がする曲順だと思っています。しかも、このバージョンの前奏は『映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』を思い出せますし、映画は相手を思いやる心が描かれていた作品でもあったので、その意味でもみんなと笑顔の約束ができたような気がしています。

――確かに『ヒープリ』らしい愛にあふれていました。

Machico ですよね!私もすごく泣きました。

――最後に、Machicoさんにとってプリキュアソングを歌い続ける意味や『プリキュア』とはどのような存在であるかについて教えてください。

Machico 『プリキュア』は子供たちに夢を与えられると同時に、自分もいろんな夢を与えてもらっているんですね。プリキュアの楽曲を歌っていると自分が何にでもなれそうな気持ちにもさせてくれるので、自分の可能性や魅力を再発見させてくれる、自分を高めてくれるような存在だと思います。だからこれからも「大人の全力」をもって、そういう気持ちを楽曲に込めていきたいです。そうすることで、リアルタイムで観ていたときは届かなかった思いも、彼や彼女たちが大人になったときに絶対届くと思うんです。そのためにも、子供たち向けの作品だからこそ「本物」を込められるシンガーでありたい、そう思っています。

――「夢」という意味では、Machicoさんもプリキュア声優になるという夢をまだ諦めていないですよね?

Machico 諦めていない! いつかなりたいですね。でも本当に、歴代のプリキュア声優って誰が見ても「あなただ!」という運命的な出会いを経てから選ばれた印象があるんです。だから私にもこの先、そういう運命的なプリキュアとの出会いがあるかもしれない、「私もプリキュアになれるかもしれない」と思いながらオーディションに挑んでいきたいと思います。……やっぱりちょっと諦められないですね。シンガーとして関わってきたからこそ、その気持ちが強くなりました。だからこれからも夢を叶えるために頑張ります!


●リリース情報
『Machico♡プリキュアのうた!』
2022年12月21日(水)発売

■mora
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【アーティスト盤(初回生産限定/CD+DVD)】

価格:¥5,500(税込)
品番:MJSA-01345~6
・三方背スリーブケース&デジパック仕様
・印字手書き歌詞カード
・印字サイン&メッセージ入りMachico撮りおろしブロマイド2種封入(全4種よりランダム封入)
・購入者限定のリリース記念イベント申込券封入(2023年3月25日(土)@東京都内 開催予定)
※申込には【アーティスト盤】(MJSA-01345~6)/【アニメ盤】(MJSA-01347)2形態のシリアルが必要です。
※詳細は後日発表。

【アニメ盤(CD)】

価格:¥3,850(税込)
品番:MJSA-01347
・オリジナル描きおろしジャケット(キュアグレース・キュアサマー・キュアプレシャス)
・キャンバスブロマイド(スーパーアート6色印刷)※初回限定
・購入者限定のリリース記念イベント申込券
※申込には【アーティスト盤】(MJSA-01345~6)/【アニメ盤】(MJSA-01347)2形態のシリアルが必要です。
※詳細は後日発表。
※初回限定

<CD>
1.「ワタシイロ」
作詞:Machico作曲・編曲:馬瀬みさき
2.「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」
作詞:マイクスギヤマ 作曲・編曲:馬瀬みさき
3.「Viva! Spark!トロピカル~ジュ!プリキュア」
作詞:大森祥子 作曲・編曲:EFFY
4.「LOVE FOR ALL」
作詞・作曲:藤本記子 編曲:福富雅之
5.「CLAP!~勇気を鳴らせ~ Remix for Machico」
作詞:マイクスギヤマ 作曲・編曲:石塚玲依
6.「IGNITION」
歌:岬あやね 作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
7.「Soul Believer」
歌:岬あやね 作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
8.「シェアして!プリキュア Machico Ver.」
作詞:青木久美子 作曲・編曲:三好啓太
9.「日曜日のともだち」
作詞:こだまさおり 作曲:高木 洋 編曲:馬瀬みさき
10.「大好きのSnowball」
作詞:大森祥子 作曲・編曲:森いづみ
11.「ミラクルっと♥Link Ring!」
作詞:eNu 作曲:大橋莉子 編曲:KOH
12.「若葉のころ」
作詞:マイクスギヤマ 作曲・編曲:石塚玲依
13.「POPPING NOW」
作詞:Machico 作曲:EFFY 編曲:馬瀬みさき
14.「やくそく ~Original Remix Version~」
作詞:六ツ見純代 作曲・編曲:森いづみ

<DVD> ※【アーティスト盤】のみ
・「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」MV
・「POPPING NOW」MV
・MVメイキング映像

関連リンク

Machico オフィシャルサイト
https://machi.co/

Machico 公式Twitter
https://twitter.com/MachicoOfficial

プリキュア音楽&映像商品 公式Twitter
https://twitter.com/precure_marv

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