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INTERVIEW

2022.08.11

【インタビュー】TVアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』エンディング主題歌を配信リリース! 堀江由衣「秘密の庭のふたり」インタビュー

【インタビュー】TVアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』エンディング主題歌を配信リリース! 堀江由衣「秘密の庭のふたり」インタビュー

堀江由衣が配信シングル「秘密の庭のふたり」を8月7日にリリース。本曲はABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット(『ANiMAZiNG!!!』枠)にて放送中のTVアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』エンディング主題歌。自身も五条院つかさ役として出演している。

さらに、配信リリース同日に、東名阪で開催された2019年以来約3年ぶりのツアー「堀江由衣ライブツアー2022 文学少女倶楽部II~放課後リピート~」のライブ音源も配信。心地の良い風を吹かせる「秘密の庭のふたり」について、そして3年振りとなったツアーについて探っていく。

ピュアでまっすぐな「秘密の庭のふたり」

――8月7日に配信開始となったニューシングル「秘密の庭のふたり」についておうかがいできればと思うのですが、発表された際のラジオ(6月放送の『堀江由衣の天使のたまご』)では「まだあまりお話できない」とおっしゃっていて。

堀江由衣 あはは、そうなんです。音源の発売となると、解禁のスケジュールとかいろいろあるじゃないですか。そういうのが自分の中で面白くて。そのラジオを録っている時はまだジャケット写真を撮ってなかったり、いろいろあったりしたんです。だから「まだここまでしか言っちゃいけない」みたいな感じがあって、それが面白かったので、逆にいじっていました(笑)。

――実際、制作はどのように進められていったのでしょうか。

堀江 今回は『最近雇ったメイドが怪しい』という作品のエンディング主題歌で。作品の曲に携わらせていただくときは、自分が思うことも言わせていただくのですが、ディレクターさんだったり、アニメの場合は監督さんだったり、原作者の方だったりと、いろいろな方のご意見が必要で。いつもはそれを汲みつつ、自分の意見も出させてもらうんですが、今回の楽曲はアニメの現場の方達でイメージする雰囲気があって。それで「例えばこんな感じです」ということで出していただいた曲があったのですが、私自身がその曲をあまり知らなかったんですよね。でもご意見を大切にしたいなと思っていたので、おっしゃっていた曲のイメージに近いデモをディレクターさんたちに選んでいただいて。それが20曲くらいあったんです。そこから篩いにかけられた候補曲の中から、監督や皆さんとで「これが良い」「あれが良い」と票を入れていって、この曲に決まりました。きっと、監督や皆さんのイメージがいちばん色濃く表れた楽曲だったんだと思います。

――きっとどれも素敵な楽曲だったんでしょうね。「秘密の庭のふたり」のデモはどのような印象がありましたか?

堀江 柔らかさがあるなぁというのと……正直でまっすぐな感じがしましたし、変に飾っていないのに、元気さや明るさ、可愛さがあるっていう。そのピュアさが今回の物語と合うのかなって私は思いました。ゆったりかと思いきや、意外とテンポ感もあって。

――たしかにタイトルだけ見るとゆったりした雰囲気なのかなと思っていましたが、にぎやかさもありますよね。歌詞もコンペだったんですか?

堀江 歌詞もコンペで選ばせていただきました。皆さん原作を読んでくださっていたので、作品のイメージに合った歌詞ばかりだったんです。その中でも、今回の歌詞が「私が演じさせていただくつかさちゃんの目線にも見えるし、主人公のふたりの目線にも見える」といった内容で。ここから膨らませたら良いものになりそうだなと思って選ばせていただきました。私自身はあのふたりをイメージしながら歌っていましたが、曲単体として聴いたときに、身近な誰かを思い出したり、自分の気持ちに当てはまったりするものになったら良いなと思いました。

――冒頭の“シャボン玉の匂い”という言葉にもすごく惹かれました。いろいろな想像が膨らむなって。

堀江 この曲で私が思い描いていたのは裏庭のような場所で。お屋敷の表の庭って人に見せる場所じゃないですか。一方の裏庭には、掃除道具が置いてあったり、洗濯物が干してあったりするイメージで。裏庭で洗濯物を干している姿を見ながら、その横でシャボン玉を吹いてる……といった景色が浮かびました。

――この楽曲で特にこだわったところや、大切にされたことを教えて下さい。

堀江 心の中にいる子たちが内緒話をしているような雰囲気にしたいなと思っていたんです。というのも、私が演じているつかさちゃんは最初、影からふたりのことを見守っているキャラクターで。一見おとなしそうなんですけど、実は「ふたりの関係は熱いですわ!」って感じで、心のなかではいつもお喋りしているんですよね。だから歌も何人かいるかのように、不思議な感じで聴こえたら良いなと思って。ウィスパーで録った本線の声を重ねて、それをどこに配置したら気持ちよく聴こえるかなってエンジニアさんと相談しながら作っていったんです。

――イヤホンで聴いたときに耳元で内緒話をされているかのような不思議な感覚があったんです。それは音の配置が関係しているんですかね?

堀江 嬉しい、そうです! 最近はイヤホンで聴く人が多いのかなと思って。実際、私自身もトラックダウンの作業のときにイヤホンやヘッドフォンで聴いていました。そのコショコショ声が耳の後ろくらいにきたら良いなと思っていたんです。ただ、そっちの(コショコショ声)が立ちすぎてしまうと、本線の歌がダブル(ボーカル)っぽくなってしまうので調整してもらいました。ちょっとでも自分の意図した雰囲気が聴こえると良いなぁと思っています。

――内緒話というお話がありましたが、実際に歌詞の中にも“明日みんなには内緒でそっと”という言葉がありますしね。

堀江 本当はタイトルにも“内緒”を入れたかったんです。なかなかハマらなかったんですけども。“明日みんなには内緒でそっと”という言葉は、まさにふたりの関係性や、つかさちゃんの目線が表れているんじゃないかなと思います。

――そういえば、先のラジオの回で「はがきをこれまで出したことがない」という方がいらっしゃって。今イヤホンの話がありましたが、音の作り方にしかり、伝達方法にしかり、いろいろなことが変わってきているなとしみじみ感じます。

堀江 そうなんですよね! 「はがきを今まで出したことがない」という方のおはがきを読みながら「そういうものなんだなぁ!」と、なんだか新鮮でした。音のお話で言うと、きっとご自宅の良いスピーカーから音楽を聴かれるかたは少ないんじゃないかなって。コードのついてないイヤホンで聴く方が多いだろうから、それを見越して作れるとよいかなって。

――ジャケット撮影はいかがでしたか?

堀江 さきほどもお話したのですが、なんとなく、このふたりがいる場所って表の綺麗な庭というより、裏庭のイメージだったんです。それで裏庭っぽい雰囲気の場所を探していたところ、デザイナーさんがいい雰囲気のスタジオを見つけてきてくれました。主とメイドではあるんだけど、親しい関係性でもありますし、そういったふたりの雰囲気も出せたらなと思っていて。それで、ほうきがあったり、かごがあったり、洗濯物があったり……と。私のイメージとしては、メイドさんのお手伝いをしているお嬢様みたいな感じでした。

――小物類の彩りも素敵で。特ににんじんがかわいいです。

堀江 かわいいですよね! スタッフさんが「産地直送」的なにんじんをネットで買ってくださって(笑)。ピーターラビットみたいな世界観で、小道具としてもかわいいなと思っていました。で、撮影後にみんなで分けて持ち帰ったんです。バーニャカウダーとかで食べたら美味しいんじゃないかなんて話していたんですが……その日、ちょっとバタバタしていたので、にんじんは食べられませんでした(笑)。新鮮なうちに生で食べたかったなぁ。

アフレコ現場は和気あいあい

――アニメについてのお話も、もう少しおうかがいさせてください。『最近雇ったメイドが怪しい』は堀江さんから見てどのような作品と感じられていますか?

堀江 小さなお屋敷に一人で住む男の子・ゆうりくんと、ある日突然現れたメイド・リリスちゃんのふたりの関係が主に描かれていて。最初はメイドさんが主人である男の子を誘惑していく話なんだろうかと思っていたら、ゆうりくんがものすごくピュアで。そして、ゆうりくんの発言に対してリリスちゃんがタジタジする……っていう。

ゆうりくんの思いのまっすぐさにほっこりさせてもらえる作品だなと思っています。なぜリリスちゃんが屋敷に来たのかなど謎な部分は多いんですが、一緒に過ごしているうちにふたりは家族のような信頼関係が生まれていって。でもちょっとドキドキする「この気持ちってなんだろうね」っていうふたりを、私が演じるつかさちゃんが影から見守っています(笑)。つかさちゃんはゆうりくんのクラスメイトで、幼いんですけど恋愛ものの本を読むのが大好きで知識が豊富なんです。だからふたりの関係を見て「これって本で読んだやつ!」って(笑)。一見おとなしそうな雰囲気なんですけど、ふたりを見たときの、心の中のはしゃぎ具合はすごいです。

――ある意味、読者や視聴者にも近いような。

堀江 そうですね! そこにすごく近い目線だと思います。

――それにしてもゆうりくんのまっすぐな言葉にはやられてしまいました。リリスの気持ちも分かるなぁと。

堀江 天然イケメンなんですよね(笑)。現場でも「将来どうなるんだろうね」って話をしていました。

――アフレコ現場はどんな雰囲気なんでしょうか。

堀江 人数を限定してアフレコしているのですが、休憩のときに「これからどうなっていくんだろうね」って作品について話をしたり、女子が多いので美容の話をしたりしています(笑)。ご時世柄距離を取って話しているので、あまりわちゃわちゃした感じではないのですがすごく楽しいです。

次ページ:3年振りのライブを振り返って

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