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INTERVIEW

2022.07.20

【インタビュー】花澤香菜、「駆け引きはポーカーフェイス」リリース! TVアニメ『それでも歩は寄せてくる』OPテーマである本作のこだわりや、10周年を迎えた音楽活動に対する想いについて話を聞く

【インタビュー】花澤香菜、「駆け引きはポーカーフェイス」リリース! TVアニメ『それでも歩は寄せてくる』OPテーマである本作のこだわりや、10周年を迎えた音楽活動に対する想いについて話を聞く

花澤香菜のニューシングル「駆け引きはポーカーフェイス」は、TVアニメ『それでも歩は寄せてくる』OPテーマ。アニメの主人公・田中 歩の恋愛模様をイメージさせる愛らしくて切ない歌詞、エレクトロテイストのサウンド、色彩豊かなメロディが響き合うポップチューンに仕上がっている。

シングルの話題を中心に、花澤自身もマキの声を担当したTVアニメ『それでも歩は寄せてくる」の見どころ、10周年を迎えた音楽活動に対する想いなどについて語ってもらった。

バランスを取ることを意識した等身大の自分の表現

――新曲「駆け引きはポーカーフェイス」は、TVアニメ『それでも歩は寄せてくる』のOPテーマ。アニメのストーリー、世界観と重なる、愛らしくて切ないポップチューンですが、花澤さんはどんな印象を持っていますか?

花澤香菜 原作を読んだときに、すごくピュアな高校生たちの恋愛模様が描かれているなと感じて。恐らくアニメも、もどかしさを感じたり、癒されたり、爽やかな気持ちになる作品になるだろうなと思っていたのですが、「駆け引きは~」もそれにピッタリの楽曲だなと。ポップでかわいらしくて、恋愛の切なさも入っているんですよね。宮川 弾さんの歌詞も、結構“歩”に寄せている印象がありました。“歩”という漢字も入っているし、恋愛の駆け引きをイメージさせるフレーズもあるので、アニメを楽しみながら聴くとしっかり作品の世界観に浸れると思うし、この曲を単体で聴いても楽しんでもらえると思います。“駆け引き”って生活の色んな場面にありますからね。

――たしかに!花澤さんの場合はどうですか?声優や俳優としてのお仕事、楽曲制作においても、「どこまで自分の意見を言うべきか」みたいな駆け引きがありそうですが。

花澤 それはすごく考えますね。作品に関わる方々にもそれぞれの想いがあるし、意見を伝えるときの言葉選びは慎重になるので。逆に「オブラートに包んで言ってくれてるけど、多分こういうことかな?」ということもあって(笑)。それを間違えて解釈すると良いところに辿り着けなくなることもあるので、コミュニケーションは大切だなと思います。楽曲制作のときも、皆さんに意見を言ってもらいつつ、「私はこう思います」とやり取りをしながら進めていますね。今回の曲もそうですけど、ボーカルディレクションはずっと北川勝利さんにやってもらっていて。ツーカーと言いますか(笑)、私のことをしっかりわかってくれているので、すごくスムーズなんですよ。

――なるほど。「駆け引きは~」はエレクトロ系のキラキラしたサウンドですよね。

花澤 (作曲・編曲を担当した)KOHさんの楽曲はClariSさんの楽曲などで耳馴染みがあって。アニソンもたくさん手がけていらっしゃるので、安心感がありました。すごくキラキラしていてかわいい感じだなって。ただ、私はマキの声優としてアニメに関わらせてもらっているので、あまりかわいく歌ってしまうとキャラソンに近くなるような気がしたので、私自身の表現も入れないといけないなと思っていましたね。キャラソンの場合は、プラスの作業がメインなんですよ。もちろんキャラクターによっても違うんですが、かわいさ、かっこ良さ、面白さをといったニュアンスをどんどん入れていくんです。今回の場合は削いでいく作業だったかもしれないですね。等身大の自分を入れながら、ちゃんと表現もしていくっていう。

――絶妙なバランス感覚が必要だったんですね。マキというキャラクターに関してはどう捉えていますか?

花澤 マキちゃんはヒロインで将棋部の部長の八乙女うるしちゃんの友達なんです。男の子に興味がない雰囲気だけど、マキちゃんは「どうやらうるしちゃんは歩くんが好きなんだな」と感じ取っていて。何かあるたびにちょっかいを出しちゃうんですよ。つまり、うるしちゃんのことがかわいくてしょうがないんだと思います(笑)。物語のうえでも大事な役割を果たすし、実はキーになるキャラクターなんですよ。あまり自分のことは語らないんですけど、等身大ではしゃぐ場面もあるので、マキちゃん好きの方は楽しみにしていてください。

――「駆け引きは~」のMVについても聞かせてください。楽曲のテイストと同じく、ポップでカラフルな映像が印象的でした。花澤さんは将棋だけじゃなく、チェスやトランプもやっていて。

花澤 そうなんです。撮影中は着替えて、メイクして、監督に言われるままに撮っていたので、「どういうふうに繋がるのかな?」と思ってたのですが、出来上がった映像を観て「こうなるのか!」と興奮しました(笑)。衣装も和洋が混ざっていたり、スーツでビシッと決めたり、ちょっとコスプレみたいな感じもあって。新鮮でしたし、楽しかったですね。

――カップリング曲「運命の扉」は北川勝利さんの作詞・作曲(作詞は藤村鼓乃美との共作)。

花澤 これもアニメのオープニングに合うんじゃない?と思いました。「駆け引きは~」はモジモジしながら、頑張って一歩踏み出すという描写なんですけど、「運命の扉」は扉がどんどん開かれていくようなワクワク感があって。はしゃぐような感じもあるし、北川さんらしさも満載で。私の楽曲を聴いてきた方だったら、聴き馴染みがある曲だと思います。

――北川さんは、花澤さんのアーティスト活動に欠かせないプロデューサーですからね。10年間一緒に制作してきて、お互いに変化を感じることはありますか?

花澤 北川さんに対しては、ずっと乙女だなって思っていますね(笑)。私が書く歌詞よりもずっと乙女だし、「どうしてこんなに乙女をキープできるんだろう?」って。1stシングルの「星空☆ディスティネーション」(2012年)からは始まり、本当に良い曲をたくさん書いてくださって。ポニーキャニオンに移籍して最初のシングルが「Moonlight Magic」だったのですが、「北川さん、強くなってる!」と思ったんです。私が言うのもあれなのですが……キラキラが増して、かわいらしくて、「このタイミングで渾身の曲を書いてくださったんだな」と感動しちゃいました。

――北川さんご自身もアップデートしているんですね。

花澤 そうだと思います。あと、初期の頃は「こんな感じはどう?」と色んな球を投げてくれていて。最近は、今の私にピタッとくる楽曲を提示してくれるんです。それは多分、私の対応力の問題で。以前は背伸びして歌っていた曲を自然に歌えるようになってきたし、ライブ中に昔の曲を歌っていて、「私、こんなに軽やかに歌えてたっけ?」と感じる瞬間もありますね。

次ページ:「私には音楽活動が必要なんだなって改めて感じています」

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