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2022.07.12

【ライブレポート】まだまだ“君”に届けたい歌がある――ワンマンライブ“MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-”レポート

【ライブレポート】まだまだ“君”に届けたい歌がある――ワンマンライブ“MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-”レポート

MARiAは「まだまだ行くよ!」と檄を飛ばし、これも友人である草野華余子が書き下ろした「おろかものがたり」を披露。愚かとわかっていながらも恋の激情に溺れていく様を、鋭くも情熱的な歌声で見事に体現していく。そこから一転、ケルト音楽のような雰囲気を持った「Pray」では、朗々としたボーカルで雄大な景色を描き出す。さらに「やっぱり私は、みんなと作る、この場所(ライブ)が大好き!」と高らかに告げ、じん提供の「ハルガレ」へ。過ぎ去ってしまった青春を懐かしみつつ、また新しい青春へと一歩踏み出すこの曲は、いつ聴いても胸にグッとくる。MARiAもときに胸元を押さえながら、歓喜と感動が混ざり合ったような何とも言えない表情で、しっかりと歌を届ける。「大丈夫、みんなの気持ち、ちゃんとここまで届いているからね!」という言葉が心強い。

その後、MARiAは改めてソロとして1年ぶりのステージに立てていることに触れ、「やっぱみんなと一緒に作る時間がめっちゃ好きだなって思いました!」「距離とか、時間とか、そんなの一瞬で忘れちゃうね」と喜ぶ。だが楽しい時間には終わりがある。早くも次がライブ本編ラストの曲に。ここでMARiAは「宿題の成果を見せるときがやってきました!」と告げ、事前にSNSなどを通じて振付をレクチャーしていたディスコポップ「Long Distance」を披露することに。同楽曲を提供したevening cinemaの原田を再びステージに迎え入れ、彼もキーボードの演奏で参加。客席は声を出せない状況だが、サビでみんな同じ振付を踊ることで、その場にいる全員が心を通わせ合う。どんなに離れていたとしても繋がっている――この曲の歌詞にはそんな想いが込められていることが、ライブという空間で聴くことでよりはっきりと伝わってくる。MARiAを中心に誰もが笑顔を浮かべるなか、ライブ本編は終幕した。

そしてアンコール。ワンピース風にアレンジしたライブTシャツを着たMARiAは、wacciの橋口洋平が提供したバラード「コンコース」を、ハンドマイクを両手で握りしめながら優しく、そして力強く歌い上げる。別れの情景を描いた切ない楽曲だが、久々のライブが間もなく終わりを迎えようとしている今、その歌に込められた想いは、その場にいるすべてのファンに向けられているのだろう。またいつか会える日を願って。そんな温かな気持ちが会場を包み込んだ。

その後のMCで、自分が歌をうたい続けているのは「届けたい君」がいるからだと語り始めたMARiA。だが、コロナ禍に見舞われたこの数年のなかで、その「君」が見えなくなったこと、「私の歌は求められてないんじゃないか」と、珍しく弱気になってしまった期間があったことを告白する。いつも明るく気丈な彼女だが、やはり不安に思うことが多くあったのだろう。やや声を震わせていることからも、彼女のリアルな心情が伝わってくる。

だが、MARiAはやはり歌と共にあるべき人なのだ。「でも、今日、このステージから見えるみんなの顔を見て、やっぱり私は歌うことが大好きで、みんなと作るこの時間が大好きで、まだまだ“君”に届けたい歌がたくさんあるって、そう思いました」。そう語る彼女の目の前にいるのは、たくさんの「君」。「“君”がいてくれるから、私は今日もこうして、歌っています。私の歌い続ける理由になってくれて、本当にありがとう」と感謝を述べ、深々とお辞儀をする彼女に心からの拍手が贈られる。

そしてMARiAは「私が今、一番伝えたい想いがたくさん詰まった歌をうたいます」と告げ、この日のラストナンバー「Labyrinth」を歌い始める。全身全霊を振り絞って、迫真の歌声を届ける彼女。アルバム『Moments』でも最後を飾るこの楽曲には、「ラビリンス=迷路」というタイトルが象徴するように、迷いや不安を抱きながらも、誰かと共に力強く生きていく、そんな気持ちが描かれている。先のMCで彼女自身が告白したように、MARiAにも迷う時期はあった。もしかしたら今も、そしてこの先も迷う日がくるのかもしれない。だが、彼女のそばには、いつでも「届けたい君」がいる。そしてそれを最も近くに感じられるのがライブという場所。今このとき、目の前にいる「届けたい君」に向けて歌うことが、彼女の迷いを吹き飛ばす「最高の瞬間=Moments」なのだ。

そのラスサビの大切なフレーズ“この手は離さない 二人でいよう”を全身を使って歌い上げた直後、バンドの演奏がストップし、MARiAにスポットライトが当てられる。そして彼女は優しい表情でみんなに語りかける。「これからは、君と、私で、ずっと一緒に歩んでいこう」と。例えこの先どんな困難が待ち構えていたとしても、「君」となら乗り越えていける。そんな想いを精一杯の歌に込めて、彼女はこの日のライブを締め括った。

その後のMCで本人が口にしていたが、彼女は来年で歌い始めて20年の節目を迎えるのだという。GARNiDELiAとしても今年の9月11日に結成12周年を迎え、それを記念したライブ“GARNiDELiA 12th Anniversary stellacage -Heart to Heart-”の開催も発表されているが、さらにスケールアップした“MUSIC LAND”もいつか観てみたい。そして、シンガー・MARiAの軌跡を辿るようなライブにも期待したいところだ。

TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

“MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-”
2022年7月3日(日) OPEN 16:15/START 17:00
会場:EX THEATER ROPPONGI

<セットリスト>
01. Star Rock
02. 君といたい
03. Heartbreaker
04. Galactic Wind
05. aMazing MusiQue PaRK
06. Girls
07. ガラスの瞳
08. カフェラテのうた
09. Asterisk
10. Think Over
11. Good Luck (evening cinema)
12. summertime (evening cinema)
13. 夜咄ディセイブ
14. おろかものがたり
15. Pray
16. ハルガレ
17. Long Distance

ENCORE
01. コンコース
02. Labyrinth

●関連リンク

セットリストプレイリスト
https://lnk.to/MARiAMUSICLAND2022_Moments

アルバムリンクファイア
音楽配信/サブスクリプションサービス
https://lnk.to/MARiA_Moments

MARiA 公式Twitter
https://twitter.com/MARiA_GRND

MARiA「Moments」特設サイト
https://www.garnidelia.com/special/maria_moments/

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